9501 東電力HD 2019-10-23 17:30:00
特別事業計画の変更の認定について [pdf]

                                                    2019年10月23日


各 位

                   会 社 名東京電力ホールディングス株式会社
                   代表者名 代表執行役社長 小早川 智明
                        (コード番号:9501 東証第1部)
                   問合せ先 総 務 ・ 法 務 室 株 式 ク ゙ ル ー フ ゚ マ ネ ー シ ゙ ャ ー 山 上 聡
                        (TEL.03-6373-1111)



           特別事業計画の変更の認定について



 当社は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法第 46 条第 1 項の規定に基づき、
原子力損害賠償・廃炉等支援機構と共同で、主務大臣(内閣府機構担当室及び経
済産業省資源エネルギー庁)に対し、2019 年 4 月 23 日に認定を受けた特別事業
計画の変更の認定を本年 10 月 4 日に申請しておりましたが、本日、同計画につ
いて認定をいただきました。


 当社といたしましては、原子力事故の被害に遭われた方々の立場に寄り添っ
た賠償を最後のお一人まで貫徹してまいります。


                                                              以     上


添付資料:特別事業計画の変更の概要
参  考:新々・総合特別事業計画(抄)
                                   添付資料


             特別事業計画の変更の概要


1.今回の変更の考え方
  ○ 原子力損害賠償に万全を期すため、「要賠償額の見通し」に係る項目を
    中心に変更。
  ○ 上記に加え、所要の変更も実施。



2.主な変更内容
   出荷制限指示等による損害、   風評被害等の見積額の算定期間の延長に加え、
 除染等費用の一部について、   応諾実績の増加や、 関連事業の進展により、一定
 の予見可能性が生じてきたこと等から、要賠償額は 3,861 億円増加し、11 兆
 3,534 億円となった旨を記載。


<要賠償額増加の内訳>
  ○ 出荷制限指示等による損害、風評被害等の見積額の算定期間の延長に
   よる増加等
   …約 540 億円
 ○ 除染等費用の一部について、応諾実績の増加や、関連事業の進展により、
   一定の予見可能性が生じてきたことによる増加等
   …約 3,321 億円

                                     以 上
                                     参   考




   新々・総合特別事業計画(抄)

           (第三次計画)




当資料では、2019 年 4 月に認定を受けた新々・総合特別事業計画から
変更があった項目のみを記載し、変更箇所を赤字とした。




       2017 年 5 月 18 日(認定)
       2017 年 7 月 26 日(変更認定)
       2018 年 4 月 24 日 ( 変 更 認 定 )
       2019 年 4 月 23 日(変更認定)
       2019 年 10 月 23 日( 変 更 認 定 )
       原子力損害賠償・廃炉等支援機構
       東京電力ホールディングス株式会社
                               <目次>
   目次中の赤字は変更があった項目
1.新々・総合特別事業計画(第三次計画)の全体像 .................... 2

(1)策定に当たって(背景) ......................................... 2

(2)東電のこれまでの取組と評価 ..................................... 3

(3)新々・総特の枠組み、経営の基本方針............................. 3

2.事業戦略 ....................................................... 10

Ⅰ)福島事業 ........................................................ 10

(1)賠償 .......................................................... 10

(2)復興 .......................................................... 13

(3)廃炉 .......................................................... 15

Ⅱ)経済事業 ........................................................ 26

(1)燃料・火力事業(東京電力フュエル&パワー) ................... 26

(2)送配電事業(東京電力パワーグリッド).......................... 29

(3)小売事業(東京電力エナジーパートナー)........................ 33

(4)原子力事業 .................................................... 36

(5)再生可能エネルギー事業等 ...................................... 40

(6)コーポレート機能 .............................................. 42

3.資産及び収支の状況に係る評価 ................................... 46

(1)収支の見通し .................................................. 46

(2)資産と収支の状況に係る評価 .................................... 52

4.経営責任の明確化のための方策・関係者に対する協力要請 ........... 53

(1)経営責任の明確化のための方策.................................. 53

(2)金融機関及び株主への協力要請.................................. 53

5.資金援助の内容 ................................................. 55

(1)東京電力ホールディングスに対する資金援助の内容及び額 ......... 55

(2)交付を希望する国債の額その他資金援助に要する費用の財源 ....... 56

6.機構の財務状況 ................................................. 57

                                  -1-
1.新々・総合特別事業計画1(第三次計画2)の全体像

(1)策定に当たって(背景)

     東日本大震災、福島第一原子力発電所事故(以下、  「福島原子力事故」という。  )
    から 6 年、
          「新・総合特別事業計画」
                     (以下、
                        「新・総特」という。  )の策定から 3 年
    が経過した。今回原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下、  「機構」という。 )及び
                                        3
    東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東電 HD」という。)は、東電 経営の根
    幹である総合特別事業計画を全面的に改訂し、 「新々・総合特別事業計画(第三次計
    画)(以下、
      」   「新々・総特」という。)を策定することとした。

     福島原子力事故への対応こそが東電の原点であり、福島への責任を果たすために
    東電が存続を許されたということは今後も不変である。東電は、この使命を肝に銘
    じ、福島を始め被災者の方々が安心し、社会の理解を得られるよう万全を期すとと
    もに、廃炉も含めた事故の責任を全うしなければならない。また、今後は特に、廃
    炉事業の完遂と、これまで国が実質的に立て替えてきた多額の賠償等の費用の償還
    原資を東電がどう捻出するかが焦点となる。東電は、今般策定する新々・総特に基
    づき、非連続の経営改革をやり遂げることで企業価値を向上し、これにより、国民
    負担の抑制と国民還元を実現しなければならない。

     他方において、新・総特策定後、東電を巡る環境は大きく変わった。

     第一に、  福島原子力事故関連の必要資金規模の拡大である。      新・総特においては、
    被災者賠償 5.4 兆円、廃炉 2 兆円、除染 2.5 兆円、中間貯蔵 1.1 兆円を合わせて総
    額 11 兆円の資金規模を想定した。また、これらの資金を捻出するため、経営合理
    化、ホールディングカンパニー制導入、包括的アライアンス等の施策を掲げ、これ
    らは一定程度進捗してきた。しかし、国の「東京電力改革・1F 問題委員会」        (以下、
    「東電委」という。  )においては、福島原子力事故に関連した必要資金規模は、被災
    者賠償 8 兆円、廃炉 8 兆円、除染・中間貯蔵 6 兆円の合計約 22 兆円へと倍増する
    と試算されている。もとより現在でも、これらの資金は東電のみが負担しているの

1
  新々・総特は、2019 年 4 月等に原子力損害賠償・廃炉等支援機構法第 46 条第 1 項に基づく変更認定
  を受けた。その後、2019 年 9 月に損害賠償に万全を期すため、同法第 41 条第 2 項第 2 号(要賠償額
  の見通し及び損害賠償の迅速かつ適切な実施のための方策)等に係る内容の変更について主務大臣
  への認定を申請。今回の申請では内容変更しない事項については、経営環境の変化等を踏まえて精
  査する必要があるため、当面は現行の記載内容に沿った取組を進めることとし、適切な時期に改め
  て所要の変更について検討するものとする。
2
   これまで認定された特別事業計画について、総合特別事業計画(2012 年 5 月 9 日認定)を第一次計
  画(以下、「旧総特」という。)、新・総合特別事業計画(2014 年 1 月 15 日認定)を第二次計画と
  整理し、今般策定する新々・総合特別事業計画は第三次計画とする。
3
   東電 HD、東京電力フュエル&パワー株式会社(以下、「東電 FP」という。)、東京電力パワーグリ
  ッド株式会社(以下、「東電 PG」という。)及び東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、
  「東電 EP」という。)の 4 社を総称して東電と表記する。
                            -2-
    ではなく、一般負担金というかたちを通じて電気の需要家が負担し、また、国の予
    算措置というかたちで税金により賄われていることを銘記する必要がある。しかし
    ながら、その必要資金規模の主たる部分を東電が確保しなければならないこともま
    た明白であり、東電委においてもその額は約 16 兆円と試算されている。

     第二に、国内電力市場を巡る事業環境も大きく変貌した。電力自由化により首都
    圏では特に競争が激化し、既に約 11%4のお客さまが東電 EP から新電力へ契約を切
    り替えている。特に、昨年度から自由化された低圧分野での切り替えのペースは、
    自由化先進国と比較しても決して遅くない。また、電力需要は構造的に減少が見込
    まれると同時に、高経年化設備への対応やデジタライゼーションの進展、再生可能
    エネルギーの拡大等が同時進行しており、事業経営としては、電気事業収益が減少
    見込みである一方、投資・費用が増大していく見込みである。一方で、世界的な視
    野で電力産業をみれば、アジア等海外では電力需要の増加が見込まれるとともに、
    温暖化対策への機運も高まっている。

(2)東電のこれまでの取組と評価

    <略>

2.事業戦略
Ⅰ)福島事業
(1)賠償

    ① 損害賠償の迅速かつ適切な実施のための基本的考え方

    <略>

    ② 原子力損害の状況と要賠償額の見通し

     東電は、中間指針に示された損害項目に対応して賠償に取り組んでおり、2019
    年 4 月に変更認定を受けた新々・総特において、要賠償額の見通しを 10 兆 9,672
    億 3,800 万円に見直した。しかしながら、出荷制限指示等による損害、風評被害
    等の見積額の算定期間の延長に加え、除染等費用の一部について、応諾実績の増
    加や、関連事業の進展により、一定の予見可能性が生じてきたこと等を踏まえて
    見直した結果、要賠償額の見通しは 11 兆 3,534 億 1,700 万円となった。

     なお、実際の賠償支払の実績を踏まえて賠償額を算定することが必要な項目等
    について、時間の経過とともに要賠償額が更に増加せざるを得ないような場合に
    は、今後とも、賠償の支払に支障が生じることのないよう、所要の資金援助を求


4
    販売電力量ベース。
                         -3-
めていく。

【項目別賠償額】

                                     要賠償額             賠償合意実績 ※1
                                   (今回変更計画)         (2019年8月末現在)
Ⅰ.個人の方に係る項目                             20,698億円          19,866億円
  検査費用等                                   3,422億円          2,736億円
  精神的損害                                  10,960億円         10,845億円
  自主的避難等                                  3,625億円          3,625億円
  就労不能損害                                  2,689億円          2,658億円
Ⅱ.法人・個人事業主の方に係る項目                       30,802億円          29,529億円
  営業損害、出荷制限指示等による損害及び風評被害                23,668億円         23,130億円
  一括賠償(営業損害、風評被害等)                        3,199億円          2,482億円
  間接損害等その他                                3,933億円          3,916億円
Ⅲ.共通・その他                                21,811億円          18,496億円
  財物価値の喪失又は減少等                           15,134億円         13,994億円
  住居確保損害                                  6,427億円          4,251億円
  福島県民健康管理基金                               250億円            250億円
Ⅰ~Ⅲ.被災者賠償 小計                            73,312億円          67,892億円
        ※2
Ⅳ.除染等                                   40,221億円          22,885億円
               合計                       113,534億円         90,778億円
※1 振込手続き中の方も含まれるため、これまでのお支払金額とは一致しない。
※2 閣議決定及び放射性物質汚染対処特措法に基づくもの。




                             -4-
 【賠償支払額及び要賠償額の推移】




(2)復興

<略>

(3)廃炉

<略>

Ⅱ)経済事業
<略>


3.資産及び収支の状況に係る評価

<略>

4.経営責任の明確化のための方策・関係者に対する協力要請
<略>




                    -5-
5.資金援助の内容
(1)東京電力ホールディングスに対する資金援助の内容及び額

      要賠償額の見通しが 11 兆 3,534 億 1,700 万円となったため、機構は東電に対し、
    当該要賠償額から原子力損害の賠償に関する法律第 7 条第 1 項に規定する賠償措置
    額として既に東電が受領している 1,889 億 2,666 万円5を控除した 11 兆 1,644 億
    9,033 万円6を損害賠償の履行に充てるための資金として交付する。

    表:これまでの要賠償額・資金援助額の推移

    資金援助の申請年月日            要賠償額            資金援助額(累計)

      2011 年 10 月 28 日      1 兆 109 億円           8,909 億円

      2011 年 12 月 27 日     1 兆 7,003 億円      1 兆 5,803 億円

      2012 年 3 月 29 日      2 兆 5,462 億円      2 兆 4,262 億円

      2012 年 12 月 27 日     3 兆 2,430 億円      3 兆 1,230 億円

      2013 年 5 月 31 日      3 兆 9,093 億円      3 兆 7,893 億円

      2013 年 12 月 27 日     4 兆 9,088 億円      4 兆 7,888 億円

      2014 年 7 月 23 日      5 兆 4,214 億円      5 兆 3,014 億円

      2015 年 3 月 26 日      6 兆 1,252 億円      5 兆 9,362 億円

      2015 年 6 月 29 日       7 兆 753 億円       6 兆 8,864 億円

      2016 年 3 月 18 日      7 兆 6,585 億円      7 兆 4,695 億円

      2016 年 12 月 27 日     8 兆 3,664 億円      8 兆 1,774 億円

      2017 年 5 月 11 日      8 兆 4,641 億円      8 兆 2,752 億円

      2017 年 6 月 28 日      9 兆 7,047 億円      9 兆 5,157 億円

      2018 年 3 月 27 日     10 兆 3,895 億円      10 兆 2,006 億円

      2019 年 3 月 19 日     10 兆 9,672 億円      10 兆 7,783 億円

    2019 年 9 月 26 日(今回)   11 兆 3,534 億円      11 兆 1,644 億円


5
  原子力損害賠償補償契約に関する法律第 2 条に定める原子力損害賠償補償契約に基づき、2015 年 3
  月 4 日に受領した福島第二原子力発電所事故に対する賠償に係る補償金 68,926,669,425 円を含む。
6
  万円未満の端数は切り捨てている。
                            -6-
(2)交付を希望する国債の額その他資金援助に関する費用の財源

<略>


6.機構の財務状況

<略>




                  -7-