9501 東電力HD 2021-06-25 19:30:00
当社子会社に対する消費者庁からの行政処分について [pdf]

                                            2021年6月25日


各   位

                        会 社 名   東京電力ホールディングス株式会社
                        代表者名    代表執行役社長 小早川 智明
                                (コード番号:9501 東証第1部)
                        問合せ先    総務・法務室株式グループマネージャー 工藤 誉大
                                (TEL.03-6373-1111)




         当社子会社に対する消費者庁からの行政処分について




 本日、当社子会社である東京電力エナジーパートナー株式会社(以下「東京電力
EP」という。 は、
       )  消費者庁から、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」
という。)に基づく電話勧誘販売(以下「電話勧誘販売」という。)に関する業務に
ついて、下記1.のとおり、同法に基づく行政処分(6 か月間の業務停止命令等)を
受けました。
 今般の行政処分により、お客さま、株主・投資家の皆さま、広く社会の皆さまに
ご心配とご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 当社グループは、当該処分の内容を極めて深刻に受け止め、これに適切に対応し
てまいります。
 なお、東京電力EPにおいては、当該処分に至る原因となった営業行為等を踏ま
え、再発防止に向けて既に下記2.の取り組みを進めているところであります。引
き続き、お客さまがご契約内容やサービス等を正確にご理解いただいたうえでご検
討いただけるよう、業務品質全般の改善・向上に努めるとともに、お客さま本位の
営業の在り方について、検討を重ねてまいります。


                         記


1.行政処分の内容
(1)業務停止命令
     東京電力EPは、2021 年 6 月 26 日から同年 12 月 25 日までの間、電話勧誘
    販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
  ア   電話勧誘販売に関する役務提供契約の締結について勧誘すること。
  イ   電話勧誘販売に関する役務提供契約の申込みを受けること。
  ウ   電話勧誘販売に関する役務提供契約を締結すること。


(2)指示
  ア   東京電力EPは、特定商取引法第 16 条に規定する勧誘目的等の明示義務
   に違反する行為(勧誘目的不明示)、同法第 21 条第 1 項の規定により禁止さ
   れる役務の対価につき不実のことを告げる行為、および同条第 2 項の規定に
   より禁止される役務の対価につき故意に事実を告げない行為をしている。か
   かる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、今回の違反行為
   の発生原因について、調査分析の上検証し、当該違反行為の再発防止策およ
   び社内のコンプライアンス体制を構築して、これを東京電力EPの役員、従
   業員および東京電力EPが電話勧誘販売に係る勧誘行為の実施を委託する事
   業者(再委託や再々委託などにより業務委託事業者がさらに業務の実施を委
   託する事業者を全て含む。以下「委託先事業者」という。)に、前記(1)の
   業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
  イ   東京電力EPは、電話勧誘販売により、電気の小売供給を有償で提供する
   契約(以下「本件電気小売供給契約」という。)もしくはガスの小売供給を有
   償で提供する契約(以下「本件ガス小売供給契約」という。)またはその両方
   を締結しているものであるところ、従前東京電力EP(東京電力EP設立前
   の東京電力株式会社も含む。)と電気小売供給契約を締結していたことのあ
   る相手方で、2019 年 4 月 1 日から 2021 年 6 月 25 日までの間に、電話勧誘販
   売により、東京電力EPとの間で本件電気小売供給契約および本件ガス小売
   供給契約を改めて締結した全ての相手方(以下「契約の相手方」という。)に
   対し、以下の事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)
   に掲載する、東京電力EPに対して前記(1)の業務停止命令および本指示
   をした旨を公表する公表資料を添付して、2021 年 9 月 27 日までに文書によ
   り通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知
   したことを証明するに足りる証票および通知書面を添付すること。)により
   報告すること。なお、2021 年 7 月 9 日までに、契約の相手方に発送する予定
   の通知文書の記載内容および同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに
   文書により報告し承認を得ること。


  (ア)前記(1)の業務停止命令の内容
  (イ)本指示の内容
  (ウ)東京電力EPは、遅くとも 2019 年 11 月以降、電話勧誘販売に係る本件
     電気小売供給契約および本件ガス小売供給契約の締結について勧誘をす
     るに際し、実際には、両契約をまとめて東京電力EPと締結しても、そ
     の電気料金は、消費者が契約中のガス会社の電気料金と比較して、一律
     に年間 1,200 円程度安くなる事実はないにもかかわらず、年間 1,224 円
                                  「
     の割引を付けられるんですね。、
                   」「従来プランと比べて、毎年 1,200 円お
     安くすることができます。」などと、あたかも、東京電力EPと本件電気
     小売供給契約および本件ガス小売供給契約の両方をまとめて締結すれば、
     その電気料金が消費者が契約中のガス会社の電気料金と比較して一律に
     年間 1,200 円程度安くなるかのように告げている。
  (エ)東京電力EPは、遅くとも 2019 年4月以降、電話勧誘販売に係る本件電
     気小売供給契約および本件ガス小売供給契約の締結について勧誘をする
     に際し、実際には、電気の月間使用量が 300kWh を超えると、東京電力E
     Pの料金プランの電気およびガスの当該月の料金の総額の方が、消費者
     が契約中のガス会社の料金プランの電気およびガスの当該月の料金の総
     額よりも高くなることが一般的に起こるにもかかわらず、弊社では電気
                              「
     とガスの両方ともお安くご利用いただけるようになったので、、〇〇さ
                                 」「
     まが私共の東京電力に戻ることでですね、電気もガスも両方ともお安く
     なりまして。、今回お切替いただくことによってお得にお使いいただけ
           」「
     るお客さまでございます。「電気とガスのお得なセットプランのお切替
                 」
     のご提案で」などと、本件電気小売供給契約および本件ガス小売供給契
     約をまとめて東京電力EPと締結すると、電気およびガスの料金の総額
     が、消費者が契約中のガス会社の電気およびガスの料金の総額よりも安
     くなる旨を強調して告げるのみで、故意に当該事実を告げていない。


(3)処分の根拠となる法令の条項
   特定商取引法第 22 条第 1 項及び第 23 条第 1 項


2.東京電力EPが進めている取り組み
 ① 社内品質管理体制の強化を図るため、新たに部門横断的に営業品質の管理状況
   を確認・評価し、改善指導・支援を行う社長直轄の職位として「営業品質管理担
   当」を4名任命するとともに、改善策等の方針を決定する会議体として、社長
   を委員長に社外弁護士を交えた「営業品質管理委員会」を立ち上げ。
                                 (2020 年 9
    月)
② 各部署が、
      「法令違反の可能性のある事案」等について、担当役員、リスク管理
    委員会事務局および営業品質管理担当へ報告することのルール化や、各部署に
    リスク担当を配置する等、経営も含めて速やかな情報共有を図るための体制を
    整備。
      (2020 年 12 月)
③ 新たに制定した「営業品質担保のための運用ガイドライン」をもとに、委託先
    事業者の品質管理体制を業務主管箇所ならびに営業品質管理担当が確認し、要
    件を満たしている事業者のみ契約を締結・更新することをルール化。
                                  (2020 年8
    月)
④ すべての委託先事業者を対象に、
                「営業品質担保のための運用ガイドライン」に
    基づく「定期的な実地監査」や「委託仕様書等で規定した委託先事業者との週
    次 月次の業務報告会等の機会を活用した営業品質チェック」
     ・                          をルール化。 2020
                                     (
    年 11 月)
⑤ 社外弁護士の指導のもと作成した標準トークスクリプトを元に、契約関係の全
    49 のトークスクリプトを総点検の上、修正作業を完了。
                              (2021 年 4 月)
⑥ 契約締結に関する電話営業を行う全オペレーターの通話録音データについてモ
    ニタリングを強化。
⑦ 大量の電話勧誘を管理する手法として、音声解析技術の活用等、AI 技術を用い
    て不適切な対応も自動検知ができる仕組みを導入予定。
                            (2021 年 11 月)
⑧ 2018 年 2 月から社外専門家を講師に営業全般に関する法規範勉強会を、一般の
    お客さまへの営業に関わる部門を中心に定期的に開催。
                            (今までに 11 回開催)
⑨ 特定商取引法等の社員の法令遵守意識の醸成を目的に、実際の法令違反事案を
    取り入れたケーススタディを実施。
                   (2020 年 8 月までに全社員受講完了)
⑩   法令遵守意識の向上・必要な法規範知識の充実を目的として一般のお客さま
    への営業に関わる特別管理職への「お客様対応専門員(CAP)※」資格取得を推
    奨。
     (2020 年度末時点で 155 名取得)
     ※「お客様対応専門員(CAP)
                   」とは、日本産業協会が認定する消費者保護に
         関する各種法令等、お客さま相談に関する幅広い知識を評価する資格。
⑪ 営業品質管理に資する様々な情報を一元的・体系的に整理・保存するアーカイ
    ブとして、社内イントラネット上に「営業品質管理データベース」を開設。
                                     (2020
    年 12 月)
【参考】東京電力EPの概要
名称        東京電力エナジーパートナー株式会社
本社所在地     東京都中央区銀座八丁目13番1号    銀座三井ビルディ
          ング
代表者の役職・指名 代表取締役社長 秋本 展秀
事業内容      小売電気事業、ガス事業等
資本金       10,000 百万円
株主        東京電力ホールディングス株式会社(出資比率 100%)


                                   以    上