9501 東電力HD 2021-03-31 17:00:00
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第43条の3の23第2項の規定に基づく原子力規制委員会からの命令に係る通知の受領について [pdf]

                                         2021年3月31日


各   位

                     会 社 名   東京電力ホールディングス株式会社
                     代表者名    代表執行役社長 小早川 智明
                             (コード番号:9501 東証第1部)
                     問合せ先    総務・法務室株式グループマネージャー 工藤 誉大
                             (TEL.03-6373-1111)




核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第 43 条の 3 の 23 第 2 項の
     規定に基づく原子力規制委員会からの命令に係る通知の受領について




 本日、当社は、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護に関して、下記のとお
り、原子力規制委員会から核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
第 43 条の 3 の 23 第 2 項に基づく命令(不利益処分)に係る通知を受領しました。
 核セキュリティの確保が原子力事業者である当社にとって重大な責務であるなか、
今般の事態により、地元の皆さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、広く社会の皆
さまに大変なご不安やご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
 当社といたしましては、当該通知の内容を重く受け止め、今般の事態に至った根
本原因の究明と抜本的な対策の実施に向け全社一丸となって取り組んでまいります。


                      記


1.命令(※1)の内容及び根拠となる法令の条項
(1)命令の内容
     東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)は、原子力
    規制委員会が柏崎刈羽原子力発電所に対する原子力規制検査の対応区分(原子
    力規制検査等実施要領に規定する対応区分をいう。)を第1区分(※2)に変更
    することを通知する日まで、柏崎刈羽原子力発電所において、特定核燃料物質
    を移動してはならない。ただし、保障措置検査のため必要な場合その他法令の
    規定により特定核燃料物質を移動しなければならない場合は、この限りでない。
(2)根拠となる法令の条項
  ・核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第 43 条の 3 の 22 第
    2 項及び同法第 43 条の 3 の 23 第 2 項
  ・実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第 91 条第 2 項第 2 号、第 3
    号、第 5 号イ、第 12 号ハ、第 21 号、第 29 号及び第 30 号


2.命令の原因となる事実
  柏崎刈羽原子力発電所では、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(以
 下「規則」という。)第 91 条第 2 項第 2 号及び第 3 号により設置が義務付けられ
 た周辺防護区域及び立入制限区域に係る核物質防護設備の機能の一部を喪失した
 が、東京電力は、組織として、同項第 21 号により義務付けられた核物質防護設備
 の点検、保守を行わず、その機能を維持することができなかった。また、東京電
 力は、核物質防護設備の復旧の必要性を認識していたにもかかわらず、復旧に長
 期間を要し、実効性のある代替措置も講じていなかった。これらにより、不正な
 侵入を検知できず、同項第 29 号に規定する「原子力規制委員会が別に定める妨害
 破壊行為等の脅威」に対応できないおそれがある状態が 30 日を超えている箇所
 が複数あった。また、東京電力が「柏崎刈羽原子力発電所核物質防護規定」の下
 部規定「柏崎刈羽原子力発電所核物質防護規定運用要領」で 1 年毎に行うと定め
 ている規則第 91 条第 2 項第 30 号で義務付けられた定期的な評価及び改善を行っ
 ていなかった。
  また、柏崎刈羽原子力発電所では、規則第 91 条第 2 項第 12 号ハにより義務付
 けられた厳重な鍵の管理が行われておらず、中央制御室勤務員が同項第 5 号イに
 より立入りの際に所持が義務付けられた証明書等を持たずに防護区域にある中央
 制御室まで入域した。


※1:行政手続法第 13 条第 1 項第 2 号の規定に基づき付与された弁明の機会(本年 4 月 7 日ま
   で)を経て確定することとなります。
※2:原子力規制検査等実施要領に規定される対応区分は以下のとおりです(柏崎刈羽原子力
   発電所についての現状の対応区分は第 4 区分)。
    第 1 区分:各監視領域における活動目的は満足しており、事業者の自律的な改善が見込
           める状態
    第 2 区分:各監視領域における活動目的は満足しているが、事業者が行う安全活動に軽
           微な劣化がある状態
    第 3 区分:各監視領域における活動目的は満足しているが、事業者が行う安全活動に中
     程度の劣化がある状態
第 4 区分:各監視領域における活動目的は満足しているが、事業者が行う安全活動に長
     期間にわたる又は重大な劣化がある状態
第 5 区分:監視領域における活動目的を満足していないため、プラントの運転が許容さ
     れない状態




                                    以   上