7201 日産自 2019-05-14 17:30:00
過年度有価証券報告書の訂正に関するお知らせ [pdf]

                                                                2019 年 5 月 14 日

各      位

                                       会社名             日産自動車株式会社
                                       代表者名            取締役社長  西川廣人
                                       (コード:7201 東証第 1 部)
                                       問合せ先            常務執行役員 田 川 丈 二
                                       (TEL 045-523-5523)



                   過年度有価証券報告書の訂正に関するお知らせ

 当社は、2019 年 5 月 14 日付けで、2006 年 3 月期から 2018 年 3 月期までの各事業年度に係る有
価証券報告書において開示した役員報酬等の内容を訂正する訂正報告書を、関東財務局に提出
いたしました。2014 年 3 月期から 2018 年 3 月期に係る訂正内容については、金融庁の電子開示
シ ス テ ム の EDINET ( http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/ ) 及 び 当 社 の ウ ェ ブ サ イ ト
(https://www.nissan-global.com/JP/IR/LIBRARY/FR/)において、有価証券報告書の公衆縦覧期間
に含まれない 2006 年 3 月期から 2013 年 3 月期に係る訂正内容については当社のウェブサイト
(https://www.nissan-global.com/JP/IR/LIBRARY/FR/)において、それぞれご覧いただくことがで
きます。当該訂正を行うにあたり当社が実施した調査の体制及び範囲、ガバナンス改善に関す
る対応、並びに当社取締役会における訂正内容の承認に関する詳細は、以下のとおりです。



                                      記

第 1.   調査の体制及び範囲

 当社は、 (a)当社元代表取締役会長であるカルロス・ゴーン氏(以下「ゴーン氏」といいま
す。)、元代表取締役グレッグ・ケリー氏(以下「ケリー氏」といいます。)及び両名に協力
していた可能性がある者による重大な不正行為、並びに、(b)その他当社の役員報酬等の開示の
正確性に影響し得る事実関係(以下「本事案」と総称します。)の発覚を受け、徹底的かつ幅
広い対応を行ってまいりました。かかる対応とこれに伴う調査は網羅的なものであり、当社の
グローバルリスク&コンプライアンス室において把握できた重要なコンプライアンスに関する
事項の全てを調査してまいりました。現時点までの当社の対応及び調査に係る体制、手続及び
範囲の概要は以下のとおりです。一部の調査及び改善策の検討は現在も継続しており、当社は、
今後追加的な事実や状況が判明した場合には、更なる対応を行う可能性があります。


1.     調査の目的

      当社による調査は、当社代表取締役社長である西川廣人から任命を受けた当社のグローバ
     ルコンプライアンスオフィサーの指揮のもと、グローバルジェネラルカウンセルの協力を得
     て、実施しました。当社の本事案に関する全般的な対応には、特に以下の項目が含まれてい
     ます。
       (a) 当社に判明した違法行為について、事実関係及び当社に対する影響を把握するた
           めの調査
       (b) ゴーン氏、ケリー氏その他の当社取締役及び監査役(現任及び退任役員の双方を
           含みます。)の役員報酬の開示に関わる広範な調査
       (c) 過年度の財務情報の修正に関する事項の調査
      (d)   ガバナンス及びコンプライアンス上の問題を招いた根本要因の特定、並びに、改
            善策の策定及び実施
      (e)   役員報酬の開示に関する方針を策定し、当社の過年度の有価証券報告書の「コー
            ポレート・ガバナンスの状況等」欄における役員報酬等の開示について必要な訂
            正を行うこと。

2.    外部アドバイザー

       当社は、調査をサポートする外部アドバイザーとして、複数の実績のある法律事務所
      並びに会計及びフォレンジックの専門家を起用しています。

3.    実施した調査

         調査範囲はきわめて広範なものです。当社が実施した調査及び関連する作業の範囲は
      以下のとおりです。
      (a)  約 900 万通の書類の収集及び 245,000 通以上の書類の検討
      (b)  70 人超の役員・従業員に対するインタビュー
      (c)  10,000 時間以上をかけての財務分析

4.    調査の概要

(1)   報酬に関する調査

 当社の本事案に対する対応として、ゴーン氏、ケリー氏その他の当社取締役及び監査役(現
任及び退任役員の双方を含みます。)に関する役員報酬について、広範な調査を行いました。
さらに、ゴーン氏による会社資産又は経費の私的利用等、同氏が正当な権限に基づかずに利益
や支払いを受けていた事案に、調査範囲を広げました。また、ゴーン氏、ケリー氏その他の当
社取締役の行為に加えて、ゴーン氏又はケリー氏と通謀し又はこれらの者をサポートした可能
性のある者の行為を調査しました。
 調査は、当社のグローバルコンプライアンスオフィサーの主導により構築された協力体制の
もとで実施しました。当社コンプライアンス部門のチームによる調査に加えて、外部弁護士に
よる、関係者の保有する書類の収集、検討及び分析、並びに重要なインタビュー対象者の選定
及びインタビューに依拠しました。また、外部アドバイザーによる会計及びフォレンジックに
よる分析のサポートを受けています。
 当社は、これらの外部アドバイザーから定期的に報告を受け、様々な観点からなされた調査
に基づく発見事項を、総合的に検討してまいりました。当社の取締役会は、外部弁護士による
報酬に関する調査の結果(以下「本報酬調査結果」といいます。)を考慮した上で、第 3 記載の
とおり、役員報酬等の開示に係る過年度有価証券報告書の訂正報告書を承認しました。

(2)   当社のポリシー及び法令違反に関する調査

 当社は、報酬に関する調査とは別に、当社のポリシー及び法令違反の可能性、ゴーン氏の利
益のためになされた会社資産・経費の私的利用、並びに、当社とゴーン氏の関係者との間でな
された可能性がある利益相反取引について、調査を実施しました。同調査は、ゴーン氏自身の
行為、及び、ゴーン氏の利益のために又はゴーン氏の指示のもとで行動した可能性のある者の
行為を対象とするものです。
 同調査は、当社のグローバルコンプライアンスオフィサーの監督の下で行われました。当社
は、当社コンプライアンス部門のチームに加え、外部アドバイザーのサポートも受けています。
 当社の取締役会は、定期的に、グローバルコンプライアンスオフィサーから、内部調査の過
程で判明した当社のポリシー及び法令違反の可能性を要約した中間報告を受領しています。


                          2
(3)    RNBV に関する共同調査

 2019 年 1 月、当社及び Renault S.A.(以下「ルノー」といいます。)は、Renault-Nissan B.V.
(以下「RNBV」といいます。)に係る共同調査(以下「RNBV 共同調査」といいます。)を行
うことに合意しました。RNBV は、当社とルノーが折半出資したオランダ法人です。当社及びル
ノーは、RNBV 共同調査の実施のため、共同して、外部弁護士及び外部会計士を起用しました。
RNBV 共同調査は、RNBV のガバナンス、内部統制、法令遵守、及び会計を広く調査対象とした
ものです。
 2019 年 4 月、外部会計士は、当社取締役会に対し、RNBV 共同調査に関する中間報告を行いま
した。

(4)    NMBV に関する共同調査

 2019 年 1 月、当社は、三菱自動車工業株式会社(以下「三菱自動車」といいます。)と共同
で、両社の折半出資による合弁会社である Nissan-Mitsubishi, B.V.(以下「NMBV」といいます。)
に係る共同調査を行いました。NMBV は、2017 年 6 月に設立されたオランダ法人です。当社及
び三菱自動車は、外部弁護士に本調査を委任しました。
 当社が外部弁護士から報告を受けた調査結果の内容は、本報酬調査結果に含まれています。

(5)    その他関連する法律業務

 当社は、本事案に起因する問題点に関連する法律業務のために、複数の法律事務所を起用し
ました。本事案を検討する当社内部及び外部アドバイザーには、これらの法律事務所が得た情
報を共有しています。


第 2.   ガバナンス改善に向けた対応

1.     ガバナンス改善特別委員会

 当社取締役会は、2018 年 12 月 17 日付で、以下の目的で、ガバナンス改善特別委員会を設置い
たしました。
       (a)  有価証券報告書の虚偽記載等を招いた当社のガバナンスに関する問題点に関する
            根本要因の解明
       (b)  取締役報酬の決定プロセスの改善をはじめ、ガバナンスの改善策の提言
       (c)  将来にわたり世界をリードしていく企業として事業活動を行っていくための基盤
            となる健全なガバナンス体制の在り方の提言
 ガバナンス改善特別委員会は、独立第三者委員 4 名(うち 2 名が共同委員長)及び当社の独立
社外取締役 3 名により構成されました。当社取締役会は、ガバナンス改善特別委員会から、2019
年 3 月 27 日付けで、ガバナンス改善特別委員会報告書(以下「特別委員会報告書」といいます。)
を受領し、同日、同報告書を公表いたしました。

2.     内部統制の検討

 特別委員会報告書で指摘されたとおり、今回の不正行為の根本原因は、ゴーン氏への人事・
報酬を含む権限の集中にありました。ゴーン氏は、一部管理部署の権限を、ケリー氏をはじめ
とする特定少数の者に集中させることで、当該部署をブラックボックス化し、ゴーン氏の私的
利益の追求を探知することが難しい体制を作りあげていました。その結果、一部の管理部署の
牽制機能が、ゴーン氏の私的利益の追求に関する問題点については必ずしも有効に機能してい
ませんでした。当社は、これを内部統制報告書において開示すべき重要な不備に該当すると判
断し、本日、2010 年 3 月期から 2018 年 3 月期までの各事業年度の内部統制報告書に係る訂正報

                                3
告書を関東財務局に提出しました。

3.   改善策

 当社は、企業情報の適切な開示及び財務報告に係る内部統制の重要性を、強く認識しており、
役員報酬について虚偽の内容を開示していた事態を、極めて重く受け止めております。ゴーン
氏及びケリー氏による不正行為発覚後、速やかに、両名の代表取締役からの解職、他の取締役
の報酬配分を決定する権限の会長への付与の撤回、当社の取締役会の事前承認を受けない子会
社・関連会社からの報酬受取りの禁止、CEO の判断で執行できる予算項目の廃止、役員報酬の
開示に関する方針策定、取締役及び執行役員への行動規範教育の徹底等の対策を講じました。
また、特別委員会報告書における提言を踏まえ、指名委員会等設置会社へ移行する方向で準備
を進めております。引き続き、ガバナンス改善特別委員会の提言に従った再発防止策を推進し、
内部統制の整備・運用を図ってまいります。


第3   当社の取締役会による訂正報告書の承認

   当社は、第 1 記載の調査における結果に基づき、(a)2019 年 3 月期における本事案に関連する当
社の財務情報の一括修正(以下「本一括修正」といいます。)、及び(b)役員報酬等の開示に関
する 2006 年 3 月期乃至 2018 年 3 月期の各年の過年度訂正(以下「本報酬開示訂正」といいま
す。)の内容を準備しました。これらについて社外の会計・法務の専門家を委員に含む財務報
告に関する社内評価委員会の検討手続きを踏んだ後、2019 年 5 月 14 日、当社は、取締役会にお
いて、2006 年 3 月期から 2018 年 3 月期までの各事業年度の有価証券報告書に係る訂正内容を、
承認しました。同日、当社は、(a)本一括修正を反映した 2019 年 3 月期の通期決算短信を公表し、
(b)本報酬開示訂正に係る訂正報告書を関東財務局に提出しました。

                                                  以上




                          4