7201 日産自 2021-07-01 16:00:00
日産自動車、カーボンニュートラルへの取り組みを加速 世界初の電気自動車生産ハブ「EV36Zero」に10億ポンドを投資 [pdf]

                                             2021 年 7 月 1 日
各 位
                        会 社 名 日産自動車株式会社
                        代表者名 代表執行役社長兼最高経営責任者
                                                  内田 誠
                                  (コード番号 7201 東証第 1 部)
                        問合せ先 IR 部 常務執行役員 辰巳 剛
                                       (TEL 045-523-5523)


        日産自動車、カーボンニュートラルへの取り組みを加速

      世界初の電気自動車生産ハブ「EV36Zero」に 10 億ポンドを投資

当社は、「日産自動車、カーボンニュートラルへの取り組みを加速 世界初の電気自動車生産ハブ
「EV36Zero」に 10 億ポンドを投資」を公表いたします。詳細は、添付をご覧ください。

                                                     以 上
                                                       2021 年 7 月 1 日


                  日産自動車、カーボンニュートラルへの取り組みを加速
                世界初の電気自動車生産ハブ「EV36Zero」に 10 億ポンドを投資




日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠)は、欧州におけるカーボンニュートラルの
実現に向け、世界初の電気自動車(EV)生産のエコシステムを構築するハブとして「EV36Zero」を公開しまし
た。

        新世代のクロスオーバーEV を英工場(サンダーランド工場)で生産
        エンビジョン AESC 社はサンダーランド工場の隣接地に新たな9GWhのギガファクトリーを建設
        再生可能エネルギーを利用した「マイクログリッド」から 100%クリーンな電力をサンダーランド工場に供
         給
        EV 用バッテリーをエネルギーストレージとして二次利用することで、究極のサステナビリティを実現
        この包括的なプロジェクトにより、サプライヤーを含め、英国に 6,200 名の雇用を創出


EV36Zero により日産は、サンダーランド工場を中心にカーボンニュートラルへの取り組みを加速させ、ゼロ・エ
ミッション実現に向けて、新たに 360 度のソリューションを確立します。

この革新的プロジェクトには、日産とエンビジョン AESC、そしてサンダーランド市議会によって 10 億ポンドが投
資され、EV、再生可能エネルギー、バッテリー生産という相互に関連した 3 つの取り組みによって、自動車業
界の未来の青写真を示しています。


日産の社長兼 CEO の内田 誠は、「日産はライフサイクル全体でのカーボンニュートラル実現を目指し、EV の
開発・生産だけではなく、車載バッテリーの蓄電池としての活用や、二次利用など、包括的な取り組みを行って
きたパイオニアです。今回の決定はその一環であり、これまで、社内で様々な検討を重ねてきました。このプロ
ジェクトは、欧州におけるカーボンニュートラルの取り組みを大きく加速させるものです。ここで得られた経験・ノ
ウハウを他の地域にも共有し、グローバルでの競争力を高めていきます。今後も日産は電動化における強み
を活かし、お客さまと社会に価値を提供しつづける企業を目指していきます」と述べました。


英国のボリス・ジョンソン首相は、「日産がサンダーランドで新世代の EV を生産すること、そしてエンビジョン
AESC がギガファクトリーを建設すると発表したことは、英国とその北東部の高度に熟練した労働者に対する大
きな信頼の証です。この地域には 30 年以上の歴史がありますが、今回の発表はまさに EV 革命の重要な瞬
間であり、今後何十年にもわたって未来を約束するものです。これらのコミットメントは、環境に配慮した多くの
雇用を創出し、英国の産業を活性化するとともに、人々が気候変動へ影響を与えることなく、手頃な価格かつ
持続可能な方法で移動できるようにしていきます」と語りました。


日産の COO アシュワニ グプタは、「本日は、日産、パートナー、英国、そして自動車業界全体にとって画期的
な日です。日産の『EV36Zero』は、自動車業界の可能性についての概念を変え、未来に向けたロードマップを
設定します。日産は、世界で初めて量産型 EV「日産リーフ」をグローバルに発売し、全く新しい領域に挑戦して
きました。そして今、日産はパートナーとともに、自動車産業の次のフェーズを切り拓くべく、電動化とカーボン
ニュートラルに向けた取り組みを加速していきます」と述べました。


本日発表されたプロジェクトは、35 年の歴史を誇る日産のサンダーランド工場を基盤とし、日産と英国のサプラ
イヤーで 6,200 名の雇用を創出します。その中には、日産での 900 名以上の新規雇用と、エンビジョン AESC
のスマートで環境にやさしい新たなバッテリー工場における 750 名の新規雇用が含まれます。そして、このプロ
ジェクトは、長期的に日産の英国における EV 生産を近代化し、能力を拡大します。


エンビジョングループのバッテリー部門であるエンビジョン AESC は、統合された AIoT スマートテクノロジーを
導入し、新しいギガファクトリーでのエネルギー消費、製造、メンテナンスを管理・最適化することで、生産量を
急速に拡大し、日産に年間最大 10 万台分の EV 用バッテリーを供給することが可能になります。


英国のクワシ・クワルテング国務大臣は、「日産とエンビジョン AESC によるこの素晴らしい投資は、サンダーラ
ンドの人々への厳粛なコミットメントであり、高技能の雇用をもたらし、北東部をレベルアップさせる計画に拍車
をかけるものです。英国は EV で世界をリードすることを目指していますが、今回の投資はその目標に向けた
大きな前進であり、英国が自動車製造において世界で最も競争力のある場所の 1 つであることを、より強く証
明するものです。日産の英国に対する信頼を再確認しただけでなく、長期にわたる英国へのコミットメントがさら
に強化されたことを非常に誇りに思います。この工場で生産されるクルマは、英国初の大規模ギガファクトリー
で製造されたバッテリーを使用し、ガソリン車やディーゼル車からの移行や国内の EV 製造拠点の立ち上げ
に、大きな役割を果たすことになるでしょう」と語りました。


新世代のクロスオーバー EV
10 億ポンドの投資の一環として、日産は最大 4 億 2,300 万ポンドを投資し、新世代のクロスオーバーEV を英
国で生産します。この新世代 EV は、日産の強みであるクロスオーバーの知見と、世界で「リーフ」を 50 万台以
上販売してきた実績をもとに、新たな時代にふさわしいスタイリングと効率性、バッテリー技術を備え、お客さま
の EV への乗り換えを促進します。


新世代 EV はグローバルカーとして設計され、サンダーランド工場で生産され、欧州市場にも輸出されます。こ
の新世代 EV は、アライアンス CMF-EV プラットフォームをベースとし、最大年間 10 万台の生産が可能です。
サンダーランド工場では 909 名、英国内のサプライチェーンでは 4,500 名以上の雇用が創出されます。今回の
プロジェクトにより、同工場への累計投資額は 50 億ポンドを超えます。さらに今回の投資には以下が含まれま
す。

        ベッドフォードシャー州クランフィールドにある日産テクニカルセンター・ヨーロッパでの研究開発
        英国のサプライヤーの EV への移行を支援
        工場の競争力強化と環境改善
        将来の技術に対応する日産の従業員の技能開発

その他の生産拠点は現時点では未定です。価格や技術など新世代 EV の詳細は、販売開始に向け順次発表
していきます。


次世代 EV 用電池
エンビジョン AESC は、2012 年に「リーフ」の生産を現地化するため設立したバッテリー工場をサンダーランド
で運営しています。同工場のチームは、品質、安全性、信頼性の面で世界基準のレベルにあり、9 年間にわた
って英国で「リーフ」および「e-NV200」にバッテリーを供給してきたノウハウを有しています。そして、これまでに
同工場で生産されたセル、モジュール、パックは、44 カ国で販売した 18 万台以上の EV に搭載され、品質、性
能、安全性、信頼性、コストにおいて、グローバルなベンチマークレベルに達しています。

エンビジョン AESC は、日産の新世代 EV にバッテリーを供給するため、4 億 5,000 万ポンドを投資し、サンダ
ーランド工場に隣接するインターナショナル・アドバンスド・マニュファクチャリング・パーク(IAMP)に英国初のギ
ガファクトリーを建設します。このギガファクトリーは再生可能エネルギーで稼働し、次世代バッテリーを生産し
ます。


このギガファクトリーの計画は、今、正式に開始されようとしています。9GWh からスタートしますが、将来的に
は 18 億ポンドをエンビジョン AESC が投資し、2030 年までに最大 25GWh への拡張と 4,500 人の新規雇用、
最終的には 35GWh まで拡張する可能性があります。


新工場では、航続距離と効率性を向上させるためにエネルギー密度を 30%向上させた新しい第 5 世代のバッ
テリーセルを採用するなどし、英国で生産される EV 用バッテリーのコスト競争力を高めます。このバッテリー
は、日産の新型 EV に搭載され、高度な技術を搭載した車両部品やコンポーネントの継続的な現地化をサポ
ートします。この取り組みにより、将来的にバッテリーコストが下がり、より多くのお客さまに EV をご利用いただ
けるようになります。


新しいギガファクトリーでは、750 名の雇用を創出し、300 名の現従業員の雇用を守ります。
エンビジョングループの創業者であり、最高経営責任者である張雷(Lei Zhang)は、「エンビジョングループのミッ
ションは、グローバルな企業、政府、都市から選ばれるネット・ゼロ・テクノロジー・パートナーになることです。そ
のため、日産とサンダーランド市議会とともに『EV36Zero』に参加できることを嬉しく思います。その一環として、
エンビジョン AESC は 4 億 5000 万ポンドを投資し、サンダーランドに最先端の低炭素ギガファクトリーを建設
し、700 名の新規雇用を創出します。今回のコミットメントは、日産との長期的なパートナーシップに基づくもの
で、EV 用の高性能で航続距離の長いバッテリーを、何百万人ものドライバーが手頃な価格で利用できるように
するというグローバルな目標の達成を目指します。さらに、需要の伸びに伴い、2030 年までに最大 18 億ポンド
の投資、25GWh への拡張、4,500 人の新規雇用を創出する可能性があります。このプロジェクトにより、北東部
は英国における新たな EV ハブの中心となり、蓄電から二次利用、V2G、クローズドループリサイクルまで、バ
ッテリーのライフサイクル全体に関わる研究開発を共同で行うことになります」と語りました。


ゼロ・エミッション車とゼロ・エミッション生産
サンダーランド市議会は、このエコシステムを活用し、年間 55,000 トンの炭素を削減する 100%再生可能な電
力の「マイクログリッド」を実現するプロジェクトを主導しています。


当初の計画では、日産の既存の風力発電や太陽光発電の設備に加えて、最大で 10 基の太陽光発電設備を
建設することで、132MW の発電量を見込んでいます。また、英国の送電網からの再生可能エネルギーとあわ
せ、日産と隣接するインターナショナル・アドバンスド・マニュファクチャリング・パーク(IAMP)にある自動車関連
企業に「安定した」100%クリーンな電力を供給します。この計画は、潜在的な民間のグリーン投資家と緊密に論
議しながら進めていきます。


このプロジェクトは、8,000 万ポンドの投資を見込んでいます。また、日産/エンビジョン AESC バッテリーを二次
利用した 1MW の蓄電システムも計画されています。この蓄電システムにより、昼間に発生した余剰電力を別
の時間に使用することで、送電網の需要バランスを取ることが可能になります。


サンダーランド市議会のリーダーであるグレーム・ミラー議員は、「サンダーランド市は野心的な都市であり、本
日の発表は、市民、地域、そして英国企業にとって大きな変化をもたらすものです。そして、この革新的なプロ
ジェクトは、日産、エンビジョン、英国政府の何ヶ月にもわたる共同作業の集大成です。このプロジェクトは、専
用のマイクログリッドを介してエネルギーの生成、消費、貯蔵を統合するという、英国でも初の試みとなる可能
性があります。この 8,000 万ポンドのインフラプロジェクトを実現するために重要な役割を果たしていることを誇
りに思います。私たちは、サンダーランドを 2040 年までにカーボンニュートラルな都市にすることをコミットして
おり、電動化はそのビジョンの重要な部分を占めています。本日の発表により、サンダーランドはヨーロッパに
おける EV 生産の中心となり、同市で EV 革命を推進するという議会の揺るぎない信念が立証されました。今
後も民間企業や政府と協力して全国的に重要なプロジェクトを実現し、市民や企業に雇用と繁栄をもたらし、そ
の過程でよりクリーンで環境に優しいクルマを提供していきます」と語りました。
英国における日産
今から 35 年前の今月、1986 年 7 月に日産はサンダーランドで生産を開始しました。以来、同工場は英国の自
動車産業史上最大の工場に成長し、英国の 46,000 人の雇用を支えています。

また、ロンドンのパディントンにある日産デザインヨーロッパ(NDE)とベッドフォードシャーのクランフィールドに
ある日産テクニカルセンター・ヨーロッパ(NTCE)は、英国だけではなく、その他の国のお客さまに向けても日産
車のデザインやエンジニアリングを行っています。

現在、サンダーランドでは、「キャシュカイ」「ジューク」「リーフ」などの車種を生産し、その多く(約 70%)を欧州
諸国に輸出、約 20%を英国内で販売、約 1 0%を南米、オーストラリア、北欧、南アフリカなど、世界各地の市
場に輸出しています。

10 億ポンドが投資される「EV36Zero」により、日産の電動化戦略と英国事業は新たなステージに移行します。



                                                     以 上