6815 ユニデンHD 2021-09-22 17:00:00
株主提案に関する書面の受領のお知らせ [pdf]

                                                        2021 年 9 月 22 日
各位
                                        会社名 ユニデンホールディングス株式会社
                                        代表者      代表取締役会長 西川 健之
                                              (コード番号 6815 東証第1部)
                                        問合せ先        管理本部 小尾 幹之
                                                   (TEL:03-5543-2812)


                     株主提案に関する書面の受領のお知らせ


 当社は、当社の株主である LIM JAPAN EVENT MASTER FUND(以下「提案株主」といいま
す。)より、2021 年 11 月頃開催予定の当社臨時株主総会(議決権を行使することができる株主を
確定するための基準日を 2021 年 9 月 30 日とする臨時株主総会のことを指し、以下「本臨時株主総
会」といいます。)における議題について、株主提案を行う旨の 2021 年 9 月 21 日付の書面(以下
「本株主提案書面」といいます。)を受領しましたので、下記の通りお知らせいたします。


                                    記


1. 提案株主
      LIM JAPAN EVENT MASTER FUND


2. 提案内容
  (1) 議題
       ① 取締役 1 名解任の件
       ② 監査役 1 名解任の件
       ③ 剰余金の処分の件
  (2) 議案の内容
        別紙「本株主提案書面」に記載のとおりです。
        なお、別紙「本株主提案書面」の内容は、提案株主から提出された本株主提案書面の該
       当記載を原文のまま掲載したものです。


3. 今後の対応
      本株主提案書面記載の株主提案に関する当社取締役会の方針につきましては、提案内容を慎
     重に検討し、取締役会として意見を形成させてまいります。
      併せて、開示すべき事項がございましたら、速やかに開示いたします。


                                                                   以上
(別紙)「本株主提案書面」
 ※提案株主から提出された本株主提案書面の該当記載を原文のまま掲載しております。


第1 株主総会の目的である事項(提案する議題)
1 取締役 1 名解任の件
2 監査役 1 名解任の件
3 剰余金の処分の件


第2 議案の要領及び提案の理由
1 取締役 1 名解任の件
  (1) 議案の要領
    取締役西川健之氏を解任する。


  (2) 提案の理由
     西川健之氏は、一連の会計不祥事において取締役としての責任を果たさないまま、上場廃
   止の危機に晒された前期において 1 億 3500 万円という高額の役員報酬を得ており(当社第
   56 期(2020 年 4 月 1 日~2021 年 3 月 31 日)有価証券報告書)
                                              、当社の経営トップとして
   不適任であることは明らかである。
     当社の 2020 年 5 月 15 日付け「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び決算
   短信等の訂正に関するお知らせ」に記載のとおり、当社の連結子会社における不適切な会計
   処理等の事実が発覚し、これにより、過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び決
   算短信等の訂正等が行われるに至った。この一連の会計不祥事に起因して、当社は相次いで
   決算発表を遅延するなど、前期においては上場維持の見通しが困難な状況となり、株価が急
   落する場面が相次いだ。当社は、2020 年 6 月 3 日付けで「第三者機関の調査報告書の公表
   に関するお知らせ」を公表したが、当該公表に添付された「調査結果と改善提案」では、そ
   の原因について、「UHD(当社)の適切な管理と UAC(米子会社)と UAUS(豪子会社)
   の運用の監視の欠如が原因」 頁)「UHD、UAC、並びに UAUS には基本的なガバナン
                (6 、
   ス、監視、財務管理、倫理およびコンプライアンス機能が欠如」 頁)と指摘している。
                               (6
   さらには、当社は、
           「調査結果の改善提案」の作成経緯に関して、
                               「英語版調査報告書を日本
   語に翻訳する際、調査対象事項に関する責任の所在・背景を不明瞭にする改変が行われた疑
   い」があるとして 2021 年 4 月 30 日付けで、日本語に翻訳した調査報告書の作成経緯に関
   する事実関係の調査(改変の有無、改変が認められる場合には役員の関与の有無を含む)を
   委嘱事項として、第三者委員会を設置した。当社は、2021 年 6 月 11 日付けで「第三者委員
   会の調査報告書受領のお知らせ」を公表したところ、第三者委員会は、日本語に翻訳した調
   査報告書について上記改変の事実を認定した上で、
                         「その文案の内容を特に仔細に検討する
   ことはせず、かつ、開示版調査報告書の開示の在り方に伴いどのようなリスクがあるのかに
   ついて特に意識することもなく、特段の意見を示さなかった。」
                               (第三者委員会の調査報告書
(開示版)21 頁)として、第三者委員会の調査報告書では「F 専務」として登場する西川健
之氏を含む一部の取締役の不作為を批判し、
                   「以上のような役職員の共通認識なり対応の仕
方は、遠因をたどれば、当時の UHD 社の内部統制・開示統制、コンプライアンス及びガバ
ナンス上の間題点並びに企業風土等に関連するものとも推察される。(第三者委員会の調
                              」
査報告書(開示版)21 頁)と指摘した。このように、西川健之氏は、一連の会計不祥事に
おいて取締役としての責任を果たしていなかったにもかかわらず、前期において 1 億円を
超える高額報酬を得たのである。
 加えて、提案株主による 2021 年 4 月 23 日付け「株主提案書」が当社により開示される
前に、当該提案に関する具体的な情報が創業者株主に漏洩された。漏洩に直接関与した監査
役は辞任を表明したが、西川健之氏が経営責任を果たさなければ、「トカゲの尻尾切り」で
終わってしまう。創業者株主は、現在、当社が保有する伊豆の保養所に滞在しており、当社
を退任した後である 2020 年 10 月以降、保養所利用の対価が当社に支払われた事実が確認
できていない。一部メディアにより、退任後の創業者株主に経営情報が漏洩した疑惑までも
が報じられたが、上記のとおり、情報管理や内部統制・開示統制に未だ重大な問題が存在し
ているのであり、2021 年 5 月 17 日に当社が発表した「新ユニデン宣言」が有名無実化して
いることは明らかである。このようなガバナンス上の問題が根強く存在し、改善がなされて
いない事実は、経営トップである西川健之氏の責任と言わざるを得ない。
 また、当社事業の中核をなす海外エレクトロニクス事業のキーパーソンとなる担当取締
役がわずか一年で退任し、未だにその後任が明らかとされていない。国内外の消費者に愛さ
れ、エレクトロニクス市場で確立した「ユニデン」ブランドをないがしろにする格好で、取
締役や経営幹部が短期で交代するガバナンスの不透明性も改善されていない。一方で、前期
まで子会社だったユニデン不動産株式会社(以下「ユニデン不動産」という。)が、当年度
より持分法適用会社に移行したこともあり、西川健之氏ら経営陣は新たな不動産事業を立
ち上げようとしている。当社の本社が入居する賃貸ビルやユニデン不動産への貸付金など、
当社が抱える不動産関連資産を合算すると、当社の時価総額に匹敵する 150 億円前後の価
値があるとみられる。とりわけ、ユニデン不動産への貸付金は 6 月末時点で約 94 億円に上
るが、金利は年 1%前後に過ぎず、後述 3 に記載したように、当社の資本コストを大きく下
回る。他方、仮に販売用不動産を抱えるユニデン不動産が投資利益を得たとしても、ユニデ
ン不動産の株式を当社は 33.3%しか保有していない。翻って、投資損となった場合はユニデ
ン不動産が保有する不動産に対して第一抵当権を持っている他の銀行に優先的に貸付金が
返済される仕組みになっており、当社とユニデン不動産の間では、まるで幕末・明治期の日
本が列強と結ばされた「不平等条約」のような契約が交わされている。こうした当社からの
多額の貸付金は、ユニデン不動産単独では金融機関から十分な借り入れが出来ないため、当
社が信用補完をしてきた旧体制の残滓であり、「会計不祥事等を引き起こした旧体制との決
別」をうたった「新ユニデン宣言」を履行するならば、ユニデン不動産からの債権回収を経
営の最重要課題として掲げるべきである。こうした中で、西川健之氏が不動産投資の拡大を
強行するのは、当社の株主価値が毀損するリスクにさらされてしまう。
     後述 2 に記載したとおり、西川健之氏が既に経営トップとなっていた昨年 10 月に、当社
   が原告となり、当社の株主を被告とする損害賠償請求訴訟が提起されているが、東京地方裁
   判所の記録によると、当該株主はガバナンス面で懸念される過去の取引に関連した質問を
   メール送信しただけだった。さらには、2021 年 6 月 28 日開催の第 56 回定時株主総会では
   新型コロナウイルス感染拡大を理由に株主の来場を遮断したが、同総会で質問し、株主権を
   行使する可能性のあった一部株主の出席を封じる意図があったとみられる。こうした株主
   を委縮させる当社の一連の対応は、東京証券取引所が公表しているコーポレートガバナン
   ス・コード(2021 年 6 月 11 日改訂)第 5 章及びと金融庁が公表している「投資家と企業
   の対話ガイドライン」(2021 年 6 月 11 日改訂)4-4-1.が求めている株主との間での建設的
   な対話に真っ向から反するものである。
     以上のとおり、西川健之氏が取締役としての責任を果たしているとは判断できないため、
   同氏の解任を求める。


2 監査役 1 名解任の件
  (1) 議案の要領
    監査役南惟孝氏を解任する。
  (2) 提案の理由
    以下の 3 つの理由により、南惟孝氏は社外監査役として期待される役割を果たしていると
    は判断できないため、同氏の解任を求める。
    ① 南惟孝氏は、新宿総合法律事務所に所属する弁護士であるところ、当社が原告となり、
       当社の株主を被告とする損害賠償請求訴訟及び当社の元代表取締役を被告とする損
       害賠償請求訴訟の 2 件の訴訟において、新宿総合法律事務所に所属する弁護士が当社
       の訴訟代理人弁護士を務めるなど、新宿総合法律事務所は当社から日常的に弁護士業
       務を受任する関係にある。
       当社の第 56 期(2020 年 4 月 1 日~2021 年 3 月 31 日)の有価証券報告書(提出日:
       2021 年 6 月 30 日)には、南惟孝氏について、「社外監査役南惟孝氏は、企業法務、
       特に会社法およびコンプライアンス規程を熟知されており、当社グループの管理部門、
       内部統制について法律的な視点で客観的立場から当社の経営を監査されることを期
       待して、社外監査役として選任しております。 と記載されているが、
                            」          上記のような南
       惟孝氏が所属する新宿総合法律事務所と当社の取引関係に照らせば、南惟孝氏が「客
       観的立場から当社の経営を監査」することは困難であり、社外監査役に期待される役
       割を果たすことはできない。
    ② 上記 l に記載のとおり、当社は、2020 年 6 月 3 日付けで「第三者機関の調査報告書の
       公表に関するお知らせ」を公表したが、当該公表に添付された「調査結果の改善提案」
       と題する書面の作成経緯に関して、
                      「英語版調査報告書を日本語に翻訳する際、調査対
       象事項に関する責任の所在・背景を不明瞭にする改変が行われた疑い」があるとして
       2021 年 4 月 30 日付けで、調査報告書の作成経緯に関する事実関係の調査(改変の有
      無、改変が認められる場合には役員の関与の有無を含む)を委嘱事項として、第三者
      委員会を設置した。
      当社は、2021 年 6 月 11 日付けで「第三者委員会の調査報告書受領のお知らせ」を公
      表したところ、第三者委員会は、上記の改変の事実を認定した上で、
                                    「その文案の内容
      を特に仔細に検討することはせず、かつ、開示版調査報告書の開示の在り方に伴いど
      のようなリスクがあるのかについて特に意識することもなく、特段の意見を示さなか
      った。(調査報告書(開示版)21 頁)として、一部取締役の不作為を指摘した。
         」
      この件は、
          「当社は、本件について重く受け止め、当社の役員の関与の有無を含め、本
      件調査報告書の作成経緯を、第三者の視点から客観的な調査を実施する必要があると
      の認識」
         (上記「第三者委員会の調査報告書受領のお知らせ」より)の下、当社が第三
      者委員会を設置してまで事実関係を明らかにしようとしたことからも明らかなよう
      に、当社の社会信用力を左右する重大な事案であったが、当該改変に関連して、南惟
      孝氏が「法律的な視点で客観的立場から当社の経営を監査」した形跡がなく、社外監
      査役に期待される役割を果たしたと認めることはできない。
   ③ 当社は、第三者委員会を設置し、内部統制に関連して弁護士報酬を支払うこと等によ
      り、2022 年 3 月期第 1 四半期決算において、2 億円を超える法務関連費用を計上し、
      親会社に帰属する四半期純利益は、2021 年 3 月期第 1 四半期決算における 123 百万
      円から 28.8%も減少した 88 百万円となった。
      南惟孝氏が、「当社グループの管理部門、内部統制について法律的な視点で客観的立
      場」から適切に当社の経営を監査していれば、ここまで法務関連費用が膨らむことは
      なく、また、当社の株主や元代表取締役を被告として訴訟を提起することにより、当
      社の資産を新宿総合法律事務所に対する弁護士報酬に費やすこともなかったものと
      思われる。


3 剰余金の処分の件
 (1) 議案の要領
   剰余金の処分を以下のとおりとする。
 ア 配当財産の種類
   金銭
 イ 配当財産の割当てに関する事項及びその総額
   当社普通株式 1 株につき金 382 円(配当総額は、1 株当たり配当額に剰余金の処分の基準
   日現在の当社発行済み普通株式総数(自己株式を除く。
                           )を乗じて算出した金額)
 ウ 剰余金の配当が効力を生じる日
   本臨時株主総会の日
 エ 配当金支払開始日
   本臨時株主総会の日の翌営業日から起算して、3 週間後の日
 (2) 提案の理由
 2021 年 6 月末時点で当社は約 123 億円の現預金を抱えるうえに、
                                     過剰資本の状態にある。
借入金が約 53 億円あるといってもユニデン不動産への貸付金と相殺できる性質の負債とい
える。一方で、前述 2 で記載したとおり、当社は今後、資本コストを上回る可能性の低い不
動産投資に傾注する姿勢を見せており、企業価値が毀損するリスクを勘案するならば、株主
は早期に配当還元を享受するべきである。日本の株式市場に投資する機関投資家の多くが
使用しているブルームバーグ情報端末が示す株主資本コストが直近 2021 年 9 月 17 日時点
で 13.3%であることから、当社株式の同日終値 2875 円の 13.3%に相当する数値に基づき、
上記(1)に記載のとおり、1 株当たり 382 円を株主に配当するよう提案するものである。


                                             以   上