6815 ユニデンHD 2021-06-30 15:00:00
財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ [pdf]

                                                     2021 年6月 30 日
各位
                                 会社名    ユニデンホールディングス株式会社
                                 代表者         代表取締役会長 西川 健之
                                        (コード番号 6815 東証第1部)
                                 問合せ先          人事・総務部 小尾 幹之
                                                (TEL:03-5543-2812)


        財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ




 当社は、金融商品取引法第 24 条の4の4第1項に基づき、2021 年6月 30 日付で関東財務
局に提出いたしました 2021 年3月期(第 56 期)の内部統制報告書において、開示すべき重
要な不備があり、当社の財務報告に係る内部統制は有効でない旨を記載しておりますので、
下記のとおりお知らせいたします。


                                記


1.開示すべき重要な不備の概要
  当社グループの前連結会計年度(2020 年 3 月期)の連結決算は、米国販売子会社 Uniden
 America Corporation(以下「UAC」)及び豪州販売子会社 Uniden Australia Proprietary
 Limited(以下「UAUS」
                )での不適切な売上等の会計処理の発覚で、第三者機関として専門
 性の高い会計士事務所及び法律事務所による詳細な調査を受けたことや、
                                 当社及び UAC で
 は、契約監査法人の変更もあり、大幅に決算が遅延し 2020 年 9 月 30 日に漸く決算が確定
 しましたが、前連結会計年度の監査結果は、2019 年 3 月期の UAC の未払 Chargeback の
 処理について限定事項となる限定付適正意見という厳しい結果となり、当社の財務報告に
 関する内部統制は有効に機能しておらず、開示すべき重要な不備があると評価しました。
  当連結会計年度(2021 年 3 月期)においては、これらを受け、2020 年 10 月から経営体
 制の再構築、内部統制の改善・再構築にグループを挙げて取り組んで参りました。
  具体的には、2020 年 9 月に西川健之が当社社長に就任して以降、会計不祥事を引き起こ
 した旧体制からの脱却を図るため、経営体制の見直しも含む役員構成の一新や企業風土の
 刷新など、新生ユニデンを誓い、あるべき姿を目標に精進してまいりました。これらの一
 連の活動の結果、2021 年 5 月 17 日には、新経営陣のもと、新ユニデンとして生まれ変わ
 ったことを「新ユニデン宣言」として対外的にも宣言し、旧体制からの決別と脱却を図り
 ました。今後は、この「新ユニデン宣言」のもと、更なる改革に取り組んでまいります。
  また、問題となった UAC では新基幹システムの導入を図るなど、これら子会社での業
 務フローの見直しを進め、業務記記述書並びにリスク・コントロール・マトリックスの作
 成も並行して実施し、内部統制の改善に取り組んで参りました。
  しかし、
     2021 年 3 月末までに、これら海外子会社の業務処理を全て改善するには至らず、
 UAC 及び UAUS における決算監査の過程で、売上プロセスや決算財務プロセスなどにつ
 いての内部統制の不備を現地監査人から指摘を受けるなど、問題の生じていた UAC 及び
 UAUS において、内部統制の不備が残る結果となってしまいました。
  このため、当社の 2021 年 3 月末時点の財務報告に関する内部統制は依然として有効で
 はなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価いたしました。


2.事業年度末までに是正出来なかった理由
  不備の改善対応が 2020 年 10 月からとなってしまったことやコロナウイルス感染症拡大
 防止対策下での業務を余儀なくされたこと、UAC ではテキサス州での寒波も突発的に発
 生し、業務を一時停止せざるを得ない状況も発生するなど時間的・物理的な制約を受けた
 結果、あるべき統制の運用の徹底や十分な是正期間を確保できずに期末を迎えざるを得な
 かったことが大きな原因でございます。


3.開示すべき重要な不備の是正方針(事業年度末までの実施のご報告は、末尾の参考参照)
  ➢   トップマネジメントに対する監督強化
      1.   取締役会の構成:独立社外取締役の1名増員(実施済)
      2.   指名報酬委員会の設置:社外独立取締役複数名を含む同委員会の設置
           (2021 年 12 月末までに実施予定)
  ➢   内部統制機能の強化
      3.   内部監査室の機能強化:内部監査室長の任命(実施済)
                                   、内部監査室の人員補充
           (1名実施済、追加1名の増員を予定)
           内部監査室機能高度化プロジェクトを外部コンサルティング会社と共に実施
           (2021 年7月発足、2021 年 12 月末までに完了予定)
      4.   業務プロセス改革:昨年度作成した業務記述書・業務フロー・リスクコントロ
           ールマトリックスの統制機能強化のための改訂(実施中、2021 年 12 月末まで
           に完了予定)
           全社統制と決算統制の再度見直し、また見直しに伴う業務プロセスの改訂
           (2021 年7月発足の内部監査室機能高度化プロジェクトの一環として実施し、
           2021 年 12 月末までに完了予定)
      5.   内部通報制度の強化:独立した社外に「内部通報窓口」の新設(2021 年 12 月
           末までに完了予定)
  ➢   コンプライアンス意識の強化
      6.   マネジメントの意識改革:年 2 回のコンプライアンスセミナーの実施
           (2021 年 9 月末までに1回目、2022 年3月末までに 2 回目を実施予定)
      7.   従業員の意識改革:年2回のコンプライアンスセミナーの実施
           (2021 年 9 月末までに1回目、2022 年3月末までに 2 回目を実施予定)
  また、コロナウィルス感染の終息が見え次第、内部監査室及び CFO を含めた経理財務
  部門による内部監査を現地訪問して実施し、不正の起き辛い風土作り、そして、コミュ
  ニケーションを増やすことによる不正リスクの共有が図られる組織・体制を構築してい
  きます。


4.連結財務諸表等に与える影響
  上記の開示すべき重要な不備に関連する必要な修正事項は、全て連結財務諸表に反映し
 ております。2021 年 3 月期決算は、監査法人との協議・指導に従い適切な会計処理に努
 めた結果、2021 年 3 月期の連結決算の会社法監査意見は無限定適正意見となっており、
 指摘された内部統制の不備について、決算に与える影響はございません。
  しかしながら、当連結会計年度の数値と対応数値の比較可能性に影響を及ぼす可能性が
 あるため、監査法人アリアの連結財務諸表監査報告書は、限定付適正意見となっており、
 後述「5.連結財務諸表の監査報告における監査意見」に記載の指摘を受けております。


5.連結財務諸表の監査報告における監査意見
  限定付適正意見となっております。限定付適正意見の根拠は以下の内容となっておりま
 す。
 限定付適正意見の根拠
  追加情報(連結子会社 Uniden America Corporation での未払 Chargeback の見積計上
 について)に記載のとおり、会社は、米国連結子会社 Uniden America Corporation(以
 下「UAC」)において前連結会計年度の期首(2019 年 3 月期)に計上すべき未払
 Chargeback が概算で 124 百万円程度不足していると試算したが、UAC では関連証憑の
 保管不備等が生じており、遡っての検証が困難であることなどから、前連結会計年度の
 期首(2019 年 3 月期)の数値に反映できていない。当監査法人は、当該事項について
 検討したものの、上記の制約が生じている上、当時の UAC 監査人の監査協力も得るこ
 とができず、十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった。当監査法人は、
 上記が UAC の売上高、売掛金、未払費用等の特定の勘定科目に限定されるもので、前
 連結会計年度の連結財務諸表全体に及ぼす影響が限定的であり、前連結会計年度の連結
 財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではないと判断したため、前連
 結会計年度の連結財務諸表に対して限定付適正意見を表明したが、当該事項は、当連結
 会計年度の数値と対応数値の比較可能性に影響を及ぼす可能性もあるため、当連結会計
 年度の連結財務諸表に対しても限定付適正意見を表明することにした。
  当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監
 査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監
 査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定
 に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理
 上の責任を果たしている。当監査法人は、限定付適正意見表明の基礎となる十分かつ適
 切な監査証拠を入手したと判断している。
当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、現在進行している
2022 年 3 月期におきましても、継続して、これら残存する不備の是正に向けた活動を進
めており、更なる内部統制の改善、統制強化に向けた活動を継続して図ってまいります。
「新ユニデン宣言」のもと、さらなる改革と経営の透明性確保による企業価値向上に邁進
する所存です。
株主、投資家の皆様をはじめとする関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛
けしますことを深くお詫び申し上げますとともに、引き続きのご支援を賜りますようお願
い申し上げます。


                                        以上
参考:2020 年 10 月1日付の適時開示で記載しました「開示すべき重要な不備の是正方針」
の 2021 年3月末までの実施状況のご報告


3.開示すべき重要な不備の是正方針
  ➢   トップマネジメントに対する監督強化
      1.   取締役会の構成:内部統制の知識を持つ CFO の取締役登用(実施済)
      2.   監査役会の増員:3名から4名へ増員(実施済)
  ➢   内部統制機能の強化
      3.   財務統括責任者 財務経理部による牽制強化 CFO の新規採用
                  ・            :        (実施済)Uniden
                                            、
           America への経理財務マネージャーの派遣(実施済)
      4.   業務プロセス改革:CFO Notice による不正の起きにくいルールの周知(実施
           済)
           <具体的な CFO Notice の一覧>
           #001 Cash Disbursement
             最も不正リスクが高く、統制の難しい現金取扱ルールを厳格化
           #002 Airfreight Shipment
             承認ルールが明確で無かった納期対応のための航空便利用ルール
           #003 Accounting Guideline - Sales
             売上計上は着荷基準を原則にすること、及び委託販売等の原則禁止
           #004 Payment & Petty Cash
            支払いは、
                「注文書」
                    「受取書」
                        「請求書」の 3 点揃ってなければ不可。各拠点
            で保有の小口現金は、最低額のみを許可。可能ならば廃止
           #005 Collection & Disposition of AR
             売掛金の回収責任は、営業と明文化。承認無の貸倒処理禁止
           #006 Uniden Global RINGI Rules
             グループ統一の稟議事項と必要な承認者を定義
           #007 Basic Policy of Internal Control over Financial Reporting
             財務報告に係る内部統制に関する基本方針を新規策定、グループ全社へ配布
           #008 Compliance Code of Conduct
             コンプライアンス行動規範を改訂し、文書化し、グループ全社へ配布
           #009 Segregation of Job Responsibility
             職務分掌規程を改訂し、文書化し、グループ全社へ配布
           #010 Budget Planning
             予算立案の方法、改訂基準やルールの明文化、グループ全社へ配布
      5.   内部通報制度の強化:監査役会直通の「グローバル・ホットライン」の新設(実
           施済)
           ※なお、追加の 2021 年 12 月末までに、新たに外部のホットラインを開設予定
               です
➢   コンプライアンス意識の強化
    6.   マネジメントの意識改革:第1回コンプライアンスセミナーの実施(2020 年 4
         月 15 日実施済)
         第2回コンプライアンスセミナーをハラスメントセミナーと共に開催(2021 年
         3月 15 日週)
    7.   従業員の意識改革:外部講師招聘してのコンプライアンスセミナー
         コロナウィルス感染拡大予防の観点から、ビデオ視聴形式でコンプライアンス
         セミナーを実施(2021 年3月 15 日週)


                                             以上