6815 ユニデンHD 2020-10-01 08:45:00
財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ [pdf]

                                                         2020 年 10 月1日
各位
                                   会社名     ユニデンホールディングス株式会社
                                   代表者          代表取締役社⻑       ⻄川   健之
                                          (コード番号       6815 東証第1部)
                                   問合せ先            取締役 CFO 武藤      ⻯弘
                                                   (TEL:03-5543-2812)


          財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ




 当社は、金融商品取引法第 24 条の4の4第1項に基づき、2020 年9月 30 日付で関東財務
局に提出いたしました 2020 年3月期(第 55 期)の内部統制報告書において、開示すべき重
要な不備があり、当社の財務報告に係る内部統制は有効でない旨を記載しておりますので、
下記のとおりお知らせいたします。


                                  記


1.開示すべき重要な不備の概要
     当社は、当社の連結子会社である Uniden America Corporation 以下
                                              (   「Uniden America」
                                                                 )
 において、一部客先との基本契約とは異なる任意契約を締結した上で処理された売上計上
 や、未出荷売上計上による売上計上時期の適切性に関する不適切な会計処理が実施された
 事が判明いたしました。
     この事実を受け、2020 年1月 25 日より、調査の中立性、客観性の確保のため、専門性
 の高い第三者機関である会計事務所および当社とは利害関係を有しない外部の法律事務所
 に、事実関係の把握及び再発防止策の検討を目的とした調査を依頼いたしました。
     2020 年3月 11 日、上記 Uniden America における不正会計の判明事実に加え、棚卸在
 庫調整に関連する不適切な売上計上処理、委託販売実施により不適切な売上計上等の実施
 の事実が判明したとする調査報告を受領するとともに、当初の調査範囲に追加して、当該
 不適切な会計処理の事実関係の解明及び、類似する取引の有無の確認、Uniden America 以
 外の販売拠点における、同様の事象の有無を確認するための調査を行う必要が生じ、当社
 および Uniden Australia Proprietary Limited(以下「Uniden Australia」)に関して同第三者
 機関による追加調査が実施されました。
     追加調査の結果、2020 年4月 30 日、Uniden Australia における受注実態の無い虚偽の
 請求書の作成をした上での不適切な売上計上処理の実施、複数の簿外データを作成するこ
 とにより虚偽の売上データと実際の在庫の差異の調整や意図的に未計上としたリベートデ
 ータの管理することにより不当に利益を水増する不適切な会計処理の実施等の事実が判明
 したとする調査報告を受領するに至りました。
  Uniden America および Uniden Australia の不正会計の実態に関する調査内容結果を受
 け、当社は 2019 年3月期以降の売上高、売上原価の計上時期の修正等の必要な訂正を行い
 ました。これらの決算訂正により、第 54 期有価証券報告書等、および第 55 期第 1 四半期
 報告書、第 2 四半期報告書等の訂正報告書を5月 15 日に提出いたしました。
      また、当社は、その後、Uniden America での 2020 年3月期の決算作業を実施中に、
 客先への製品販売後に発生する客先からの請求(以下、
                         「Chargeback」という。Chargeback
 とは、売上高に応じて決定されるリベートや販売協賛金、配達遅延などの契約条件違反に
 よる売掛金の減額、返品に伴う運搬費の負担などであり、主に売上高を減額し、未払費用
 計上後、売掛金と相殺されるものです。)の未払計上額について、現地監査人から指摘を受
 け、Chargeback 見積額の十分性などについて調査を実施してまいりました。
  この調査の結果、Uniden America では、2019 年3月期に計上すべき Chargeback 見積額
 が不十分であることやその根本原因として内部統制が有効に機能していないこと、また、
 Chargeback に関する文書の管理不備などの指摘を受けるに至り、2020 年3月期の現地監
 査人との監査契約が解除されました。
  当社は、後任の監査人との間で決定した 2020 年3月期の Chargeback 見積方法を参考
 に、2019 年3月期に計上すべきであった Chargeback を試算した結果、2019 年3月期の不
 足額は、概算で 124 百万円程度と試算しましたが、Uniden America では、当該勘定の算定
 に関する証憑が適切に保管されておらず、遡って検証することが困難であり、当社の算定
 した Chargeback 見積額の正確性を十分に検証することができておりません。この事象に
 関し、2020 年3月期の当社グループの連結財務諸表監査における監査意見が限定付適正意
 見となっております。
  これらの事象は、当社の連結子会社における売上・棚卸資産計上、売掛金・未払
 Chargeback に関する業務プロセスの不備によるものと判断いたしました。また、連結子会
 社において、法令順守の意識が欠如していることをはじめとした内部統制が不十分であっ
 たこと、連結子会社における契約内容や取引内容の妥当性について軽視している等のモニ
 タリング体制が不十分であったこと、当社の連結子会社に対する管理・監督が不十分だっ
 たことにおける全社的な内部統制及び業務プロセスの不備によるものと認識し、開示すべ
 き重要な不備に該当すると評価し、当社内部統制は有効に機能していなかったと判断いた
 しました。


2.事業年度末までに是正出来なかった理由
  当該事項の判明が当該事業年度の末日以降であったため、当該事業年度の末日までに是
 正することが出来ませんでした。


3.開示すべき重要な不備の是正方針
      トップマネジメントに対する監督強化
       1.   取締役会の構成:内部統制の知識を持つ CFO の取締役登用(実施済)
       2.   監査役会の増員:3名から4名へ増員(実施済)
     内部統制機能の強化
      3.   財務統括責任者 財務経理部による牽制強化 CFO の新規採用
                  ・            :         (実施済)Uniden
                                              、
           America への経理財務マネージャーの派遣(実施中)
      4.   業務プロセス改革:CFO Notice による不正の起きにくいルールの周知(実施
           中)
      5.   内部通報制度の強化:監査役会直通の「グローバル・ホットライン」の新設(実
           施済)
     コンプライアンス意識の強化
      6.   マネジメントの意識改革:第1回コンプライアンスセミナーの実施(実施済)
      7.   従業員の意識改革:外部講師を招聘してコンプライアンスセミナーを開催(実
           施予定)
           ※ 継続的に開催する体制を作っていく。
  また、コロナウィルス感染の終息が見え次第、監査役及び CFO を含めた経理財務部門
  による内部監査を現地訪問して実施し、不正の起き辛い風土、そして、コミュニケーシ
  ョンを増やすことにより、不正リスクの共有が図られる組織 体制を構築していきます。
                             ・


4.連結財務諸表等に与える影響
  当社と致しましては、上記の開示すべき重要な不備に起因する財務諸表への影響につき
 まして、実施可能な限り、有価証券報告書へ反映したと考えておりますが、監査法人アリ
 アの連結財務諸表監査報告書は、限定付適正意見となっており、後述「5.連結財務諸表
 の監査報告における監査意見」に記載の指摘を受けております。


5.連結財務諸表の監査報告における監査意見
  限定付適正意見となっております。限定付適正意見の根拠は以下の内容となっておりま
 す。
 限定付適正意見の根拠
 追加情報(連結子会社 Uniden America Corporation での未払 Chargeback の見積計上に
 ついて)に記載のとおり、会社は、米国連結子会社 Uniden America Corporation(以下
 UAC 社と言う)において前連結会計年度(2019 年 3 月期)に計上すべき Chargeback
 が概算 124 百万円程度不足していると試算したが、UAC 社では関連証憑の保管不備等
 が生じており、遡っての検証が困難であることなどから、前連結会計年度(2019 年 3 月
 期)の数値に反映していない。当監査法人は、当該事項について検討したものの、上記
 の制約が生じている上、当時の UAC 社監査人の監査協力も得ることができず、十分か
 つ適切な監査証拠を入手することができなかった。
 当監査法人は、上記が UAC 社の売上高、売掛金、未払費用等の特定の勘定科目に限定
 されるもので、連結財務諸表全体に及ぼす影響が限定的であり、連結財務諸表に及ぼす
 可能性のある影響は重要であるが広範ではないと判断したため、当連結会計年度の連結
 財務諸表に対して限定付適正意見を表明することとした。
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査
を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査
人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に
従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上
の責任を果たしている。
当監査法人は、限定付適正意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと
判断している。


株主、投資家の皆様をはじめとする関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛
けしますことを深くお詫び申し上げます。


                                     以上