5019 出光興産 2019-11-14 15:00:00
中期経営計画(2020~2022年度)の策定について [pdf]
2019 年 11 月 14 日
各 位
会 社 名 出 光 興 産 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長 木 藤 俊一
(コード番号:5019 東証第1部)
問 合 せ 先 財 務 部 I R 室 長 徳 光 孝治
(TEL : 03 - 3213 - 9307)
中期経営計画(2020~2022 年度)の策定について
当社は、2019 年4月に昭和シェル石油株式会社と経営統合し、このたび統合新社として中期経営計画を
策定しましたので、その概要を下記の通りお知らせ致します。
記
1. 中期経営計画策定の基本方針
本中期経営計画の策定に当たり、エネルギーを主力事業とする当社にとって気候変動問題は経営及び事
業持続性に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、パリ協定の目標期限である 2050 年にどのような未来が
待ち受けているのかについて議論することから始めました。
とは言え、エネルギー情勢をはじめとして、当社を取り巻く環境は複雑かつ多様であり、2050 年という
未来を正確に予測することは極めて困難です。そこで、どのような未来が到来しようとも、柔軟かつ強靭
に対応できるレジリエントな企業体となるべく、2050 年まで複数の事業環境シナリオを想定した上で、比
較的確度が高い 2030 年をマイルストーンとしてビジョンを描き、そこからのバックキャスティングで本
中期経営計画を策定しました。
当社は、
『日本発のエネルギー共創企業』として、すべてのステークホルダーの皆様と共に、新たな価値
創造に挑戦し続けてまいります。
2. 2030 年のビジョン
(1) 2030 年の事業環境認識
① エネルギー需要構造の変化
先進国:化石燃料需要減、多様化が進展 (電化・分散化・再エネ化)
新興国:堅調な経済成長、エネルギー需要は増加
② 技術革新の進展
新技術(EV・ロボットなど)向けの新たな素材需要が増加
デジタル変革の進展
③ ライフスタイルの変化・社会の要請
消費者のエコロジー意識向上、循環型社会の進展
顧客ニーズ変化(所有から使用へ)
国内は高齢化・過疎化の進展
SDGs 達成への具体的貢献等、企業の社会的責任に対する要請の高まり(環境対応、地
域貢献、ガバナンス強化、職場風土改善、ダイバーシティー等)
(2) 2030 年に向けた基本方針
基本方針 1. レジリエントな事業ポートフォリオの実現
① 収益基盤事業の構造改革
燃料油事業の収益追求(シナジー最大化、製油所信頼性向上)
ニソン製油所の収益貢献化
② 成長事業の拡大
事業規模・領域拡大(中計期間の M&A1,000 億円規模)
高機能材事業比率 2030 年 30%へ
海外再エネ等の総電源開発量 2030 年 5GW へ
③ 次世代事業の創出
社会の変化、顧客ニーズの多様化、環境負荷低減等を見据えた新たな事業の創出
基本方針 2. 社会の要請に適応したビジネスプラットフォームの構築
① 地球環境・社会との調和
GHG 削減の取り組み(2030 年:17 年比▲15%)
② ガバナンスの進化
取締役会の役割機能強化
③ デジタル変革の加速
デジタル技術活用による新たな価値創造
(3) 定量目標
「成長性」
「収益安定性(市況変動の影響)」
「環境負荷」など、複眼的視点からポートフォリオ
を検討し、結果として化石燃料事業への過度な依存を軽減します。
2019 年度見通 2030 年度 2019 年度比
営業利益+持分 1,680 億円* 3,000 億円 +1,320 億円
3事業
営業利益比率 60% 50%未満 ▲10%
(燃料・開発・石炭)
高機能材事業
18% 30%以上 +12%
営業利益比率
総電源開発量累計 1.0GW 5GW 以上 +4GW
(内 海外) (0.2GW) (4GW 以上)
*在庫評価影響除き
(4) GHG の削減目標
GHG 削減は「環境」
「社会」
「経済」の各分野への同時貢献を念頭に推進するという基本認識の
下、3つの指標を用いて当社の関連活動を加速します。
① 目標値
(ア) 自社 Scope1+2削減量 2030 年目標値(2017 年比):▲200 万 t-CO2(15%)
② モニタリング指標
(イ) 供給エネルギー低炭素度 2050 年の目安(2017 年比):▲30%
※但し、社会の低炭素化や技術進展の動向を踏まえて、目安の見直しを随時行う
(ウ) 全社収益の炭素脱却度:2050 年の事業環境を見極め、収益目標と炭素脱却度を設定
3. 中期経営計画(2020~2022 年度)の概要
(1) 経営目標
2022 年度 中計期間累計
(中計最終年度) (3 年間)
当期利益 1,750 億円 4,800 億円
営業利益+持分 2,600 億円 7,200 億円
ROE 10%以上
FCF 4,000 億円
※ 2022 年度の主要前提:原油 60$/BBL、ナフサ 550$/t、石炭 72$/t、為替 105 円/$
(2) セグメント別営業利益+持分(在庫評価影響除き)
燃料油セグメントにおける統合シナジーの拡大、ニソン製油所の収益改善に加えて、潤滑油を
中心とした高機能材セグメントの事業拡大および海外電源開発の拡大等により、2022 年度には
2,600 億円の営業利益(持分利益含む)を目指します。
(単位:億円)
2019 年度 2022 年度 2019 年度
セグメント 2019 年度対比の主な増減要因
見通 計画 比
統合シナジーの最大化、海外販売の
燃料油 590 1,230 +640
拡大、ニソン製油所の収益改善
基礎化学 450 410 ▲40 製品市況の下落(アロマ等)
潤滑油・機能化学品事業等の領域拡
高機能材 310 500 +190
大、電子材料事業の強化
電力・再生可能 海外再エネ電源開発の拡大、国内電
▲40 140 +180
エネルギー 力事業の基盤拡大
ベトナムガス田の生産開始、石炭市
資源 420 410 ▲10
況の下落
その他 ▲50 ▲90 ▲40 新規ビジネス開発費等の増加
合計 1,680 2,600 +920
(3) キャッシュバランス
当期純利益 4,800 億円の確保に加えて、資産売却等も実施することで、1兆 300 億円(3年間
累計)のキャッシュインを確保します。
また、株主還元後 2,000 億円のフリーキャシュは、成長分野への戦略投資、財務体質強化、22
年度以降の株主還元の原資として、収支状況等を総合的に勘案の上、最終的な配分を決定します。
(単位:億円)
3年間累計 内訳
キャッシュイン 10,300 当期利益 4,800、償却費等 4,500、資産売却等 1,000
キャッシュアウト 8,300 投資 6,300(うち M&A 財源 1,000) 、株主還元 2,000
株主還元後 成長分野への戦略投資、財務体質強化、
2,000
フリーキャッシュ 22 年度以降の株主還元
(4) 投資計画
本中期経営計画期間中は、収益基盤事業の構造改革を推進すべく、燃料油事業の安定操業に向
けた操業維持投資や事業基盤強化投資に一定の金額を配分します。
一方、事業ポートフォリオの変革に向け、機能化学品、潤滑油、電子材料など、高機能材事業
群の事業領域拡大を目的とした成長戦略投資を積極的に行っていく方針です。
また、成長分野においては M&A についても慎重かつ大胆に検討します。
(単位:億円)
投資区分 位置付け 3年間累計
更なる収益拡大を追求した収益基盤事業・成長事業・次世代事業
成長・戦略 1,900
への投資
原料多様化、定期修繕短縮、BCP 対応等安定操業、競争力強化に
事業基盤強化 700
資する投資
操業維持 メンテナンス等の維持更新投資 2,700
M&A 財源 高機能材事業(機能化学品等)の成長分野における M&A 財源 1,000
合計 6,300
4. 株主還元
(1) 2019~2021 年度
総還元性向 50%以上の株主還元を実施します。
2018 年 10 月公表の通り、一株当たり配当金 160 円を下限とし、株主還元額の 10%以上
を自己株式取得に充てる
なお、取得した自己株式については消却を予定
(2) 2022 年度以降
一株当たり配当金 160 円を下限として、収益水準に応じた増配・機動的な自己株式取得などの
更なる株主還元を検討します。
成長への戦略投資、財務体質強化など、キャッシュバランスを総合的に勘案の上、2021
年度中に最終方針を決定
以上
添付資料:中期経営計画(2020~2022 年度)
見通しに関する注意事項
本資料に記載されている当社の業績見通し、戦略、経営方針などのうち、歴史的事実でないものは、将来に関する見通しであ
り、これらは、現在入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づいて作成しております。
実際の業績に影響を与え得る要素には、経済情勢、原油価格、石油製品の需要動向、市況、為替レートおよび金利など、潜在的
リスクや不確実性があるものを含んでおります。
従いまして、実際の業績は、これらの重要な要素の変動により、業績見通しとは大きく異なる結果となり得ることを、ご承知お
きください。