5019 出光興産 2021-05-11 15:00:00
出光興産株式会社による株式会社エス・ディー・エス バイオテックの完全子会社化に関する株式交換契約締結(簡易株式交換)のお知らせ [pdf]
2021 年5月 11 日
各 位
会社名 出光興産株式会社
代表者名 代表取締役社長 木藤 俊一
(コード番号 5019 東証第一部)
問合せ先 財務部 IR 室長 関根 宗宏
(TEL.03-3213-9307)
会社名 株式会社エス・ディー・エス バイオテック
代表者名 代表取締役社長 寒河江 充宏
(コード番号 4952 東証第二部)
問合せ先 執行役員管理部長 大塚 俊雄
(TEL.03-5825-5511)
出光興産株式会社による株式会社エス・ディー・エス バイオテックの完全子会社化に関する
株式交換契約締結(簡易株式交換)のお知らせ
出光興産株式会社(以下「出光興産」といいます。 及び出光興産の連結子会社である株式会社エス・
)
ディー・エス バイオテック(以下「エス・ディー・エス バイオテック」といいます。
)は、本日開催
のそれぞれの取締役会において、出光興産を株式交換完全親会社とし、エス・ディー・エス バイオテ
ックを株式交換完全子会社とする金銭対価による株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行う
ことを決議し、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。
)を締結いたしました
ので、下記のとおりお知らせいたします。
なお、本株式交換は、出光興産においては、会社法(平成 17 年法律第 86 号。その後の改正を含みま
す。以下同じです。
)第 796 条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の決議に
よる承認を受けることなく、また、エス・ディー・エス バイオテックにおいては、2021 年6月 23 日
開催予定の定時株主総会において承認を受けたうえで、2021 年8月2日を効力発生日として行うこと
を予定しております。また、本株式交換は、上記のエス・ディー・エス バイオテックの定時株主総会
の決議による承認が得られていることを条件としております。
上記条件が成就し、本株式交換が行われる場合には、本株式交換の効力発生日に先立ち、エス・ディ
ー・エス バイオテックの普通株式(以下「エス・ディー・エス バイオテック株式」といいます。
)は、
株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第二部において、2021 年7月 29
日付で上場廃止(最終売買日は 2021 年7月 28 日)となる予定です。
記
1.本株式交換による完全子会社化の目的
(1)本株式交換の実施を決定するに至った背景及び目的
1
出光興産は、1911 年 6 月、創業者の出光佐三氏のもとで、出光商会として福岡県門司市(現・北九
州市門司区)で創業し、関門地区を中心として石油販売を開始しました。1940 年3月に、東京で、出
光佐三氏が出光興産株式会社を設立し、1947 年 11 月には出光商会は出光興産株式会社と合併しまし
た。なお、出光興産は、2006 年 10 月に東京証券取引所市場第一部に上場し、現在も東京証券取引所市
場第一部に上場しております。2021 年3月 31 日現在、出光興産並びにエス・ディー・エス バイオテ
ックを含む子会社 155 社及び関連会社 61 社(以下「出光興産グループ」といいます。)は、①燃料油事
業、②基礎化学品事業、③高機能材事業、④電力・再生可能エネルギー事業、⑤資源事業、⑥その他の
事業を行っております。
また、出光興産は本日公表いたしました中期経営計画の見直し(2020~2022 年度)において、2030
年ビジョン、2030 年に向けた基本方針及び経営目標を改めて開示いたしました。中長期的な経営環境
が極めて不透明な中で、いかなる環境変化にも柔軟に対応できるレジリエントな企業を目指すため、
将来に向けたポートフォリオの転換を推進すべく、化石燃料・基礎化学品事業は、次世代燃料・マテリ
アル・サーキュラービジネスへシフトしていくとともに、アグリバイオ事業を含む高機能材事業のさ
らなる拡大等を通じて、引き続き出光興産グループの企業価値の向上を図る方針です。
出光興産を取り巻く事業環境に関しては、エネルギーを主力とする出光興産にとって、新型コロナ
ウイルスの感染拡大に加えて、日本政府の 2050 年カーボンニュートラル宣言による脱炭素化の動きの
加速等により大きな変化が起きている中、このような需要の変化への対応が課題との認識のもと持続
的成長に向けた取組みを推進しております。また、天然物由来の生物農薬・畜産資材の開発・販売に取
り組むアグリバイオ事業部を有する高機能材事業においては、後述する農薬に対する全世界的な安全
性への意識の高まり及び業界全体の再編による事業環境の変化に対応すべく、さらなる事業領域の拡
大を企図し、今後一層の需要増加が見込まれる生物農薬の新規剤開発をはじめとした様々な取組みを
エス・ディー・エス バイオテックと協力して推進しております。このような事業環境の変化の中で、
より大きな視点からグループ全体を俯瞰して今後も中長期的に持続可能な成長を遂げるためにグルー
プ全体としてどうあるべきかを見直すことが求められており、それらに対する具体的な施策の検討及
び実施が喫緊の課題であると捉えております。
一方、エス・ディー・エス バイオテックは、1968 年 10 月に昭和電工株式会社とダイアモンド・シ
ャムロック社(アメリカ合衆国)の合弁会社として設立された昭和ダイヤモンド化学株式会社を前身
とし、1983 年6月に現在の株式会社エス・ディー・エス バイオテックへ商号を変更し、1984 年8月に
は、日本証券業協会に店頭登録銘柄として株式の店頭登録を行いましたが、その後、資本・業務提携の
変遷を経て、2005 年3月に当時の親会社であった昭和電工株式会社より、エム エイチ キャピタルパ
ートナーズツー,エル.ピー.の支援を受けて、マネジメント・バイアウトにより独立いたしました。
その後、2008 年 12 月にジャスダック証券取引所に上場、2009 年 12 月に東京証券取引所市場第二部に
上場を果たし、2011 年6月には、出光興産の公開買付けにより、出光興産の連結子会社となりました。
エス・ディー・エス バイオテックは、研究開発を基盤とし、食の安全と環境保護に配慮した製商品
の提供を通じて、社会に貢献するとの経営理念のもと、事業活動を進めております。具体的には、
「食
の安全・安心」と「増大する食料需要」をキーワードに掲げ、出光興産グループの農薬ビジネスの中核
をなす企業として、全てのステークホルダー(株主・取引先・従業員等)との良好な関係を維持し、社
2
会に貢献していくことを使命と考え、企業価値の向上に取り組んでおります。
エス・ディー・エス バイオテックを取り巻くグローバルな事業環境においては、中長期的には人口
増加や経済発展を背景とした新興国の食料需要の増大から、生産性向上や安定生産技術の一つとして
の農薬ニーズは拡大傾向にあるものの、近年、農薬に耐性を持つ病害虫や雑草の出現、環境負荷の低減
等が課題として挙げられております。殊に開発途上国においても、農業の効率化・省力化や農薬の安全
性への意識改革が進み、市場の求める農薬に対するニーズの変化が顕著になっていくものと考えてお
ります。他方で、国内においては、農業従事者の高齢化・後継者不足や耕作地の減少を背景に、政府主
導の「農業競争力強化プログラム(注) における様々な施策の推進や経営耕地の集約化の進展に伴い、
」
大型農家や法人が増加する等、農業の在り方に大きな変化が起きております。食料自給率の低さへの
懸念や、食の安全・安心への消費者意識向上による国産農作物回帰志向等を背景として、国内において
も、より安全な農薬の重要性が徐々に増していくものと考えておりますが、耕作面積は、中期的に、ほ
ぼ現状を維持するものと想定され、国内農薬市場の拡大は期待しにくい状況にあります。エス・ディ
ー・エス バイオテックは、有用な製品や新規有効成分の開発、耐性菌あるいは耐性雑草対策手段とし
て有効な殺菌剤ダコニールや水稲除草剤ベンゾビシクロンの普及、さらに、より環境負荷の低い生物
農薬の開発等、持続可能な防除技術確立に向けた様々な研究開発に取り組んでまいりましたが、この
ような事業環境の変化に伴い、現在の主力製品を含む化学農薬事業の拡大に止まらず、生物農薬を含
む作物保護製品事業全体の強化と深化を中長期的に推進することがこれまで以上に重要になってきて
いるとの認識のもと、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくことが必要であ
ると考えております。
(注)
「農業競争力強化プログラム」は、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農
業者の努力では解決できない構造的な問題を解決することを目的とし、生産資材価格の引き下げや農
産物の流通・加工構造の改革等の取組み等を通じ、国内農業の競争力強化を実現しようとするもので
す。
出光興産とエス・ディー・エス バイオテックは、2011 年6月に出光興産の公開買付けによるエス・
ディー・エス バイオテックの連結子会社化以降、協力してそれぞれの事業拡大に努めており、農薬事
業における両社の協力関係の強化のため、両社が連携して施策実行、研究開発、海外資本参加をはじめ
販売、人事交流に至るまで多くの取組みを共同で行ってまいりました。
出光興産は、2019 年 11 月中旬からグループ戦略についての検討を進める中、上記のとおり、農薬に
対する全世界的な安全性への意識の高まり及び業界全体の再編による事業環境の変化に対応すべく、
中長期的に持続可能な成長を遂げるためにグループ全体としての在り方を見直すことが必要であると
認識するに至りました。このような認識のもと、出光興産とエス・ディー・エス バイオテックのこれ
までの取組みとその成果を振り返ると、出光興産としては、エス・ディー・エス バイオテックとの取
組みを通じ、両社共同による生物農薬の新原体開発や出光興産の販売子会社等を通じたエス・ディー・
エス バイオテックの製品拡販等の一定の成果は得られたものの、それぞれが独立した上場企業として
行う連携には限界があったことは否定できず、具体的には、エス・ディー・エス バイオテックとのノ
ウハウ・人材・開発戦略・資金力等の機動的な相互活用による出光興産グループ全体の企業価値の向上
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を最優先とした事業戦略の策定や両社間の協働施策を実施するに当たっての迅速な意思決定において
制約があること、及び、エス・ディー・エス バイオテックの中長期的な視野に立った成長投資等の実
施に当たり、少数株主の利益への配慮も必要になること等が両社の連携を制限する大きな要因となっ
ていたことを認識するに至りました。この認識に基づき、出光興産は、出光興産がエス・ディー・エス
バイオテックを完全子会社化することにより、エス・ディー・エス バイオテックの 50 年の歴史を持
つ農薬会社としての開発から製造、販売、他社との協業も含めた強固な事業基盤や運営・体制の優れた
点を十分に活かしつつ、両社の持つノウハウ・人材・開発戦略・資金力等を機動的に相互活用して両社
の連携を強化することが、エス・ディー・エス バイオテックの企業価値向上のみならず、出光興産グ
ループ全体の企業価値向上のために有益であるとの判断に至り、2021 年2月中旬に完全子会社化に向
けての協議を開始したい旨の初期的な申入れをエス・ディー・エス バイオテックに行いました。
エス・ディー・エス バイオテックとしては、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図
っていくためには、積極的な研究開発や作物保護製品全体の強化に向けた投資が必要であるところ、
自社のみでこれらを実施していく場合には、投資規模によっては自社の企業規模を踏まえると実現が
困難である場合があるほか、投資を実施した場合でも必ずしも所期の成果を発揮できるとは限らず、
短期的な財務状況の悪化の可能性を伴う等、資本市場による評価を得られず、株価の下落を招来する
結果となり、エス・ディー・エス バイオテックの少数株主に対して不利益を与えてしまう可能性も否
定できないことから、単独でのこれらの施策の実施には限界があると考えております。このような中、
エス・ディー・エス バイオテックを取り巻く上記事業環境においても企業価値を着実に向上させるた
めには、出光興産との間で、新規作物保護製品の創出及び事業分野の拡大に向けた、ネットワーク・ノ
ウハウ・資源のさらなる相互活用が有用であると考えておりました。もっとも、2011年6月に出光興産
の公開買付けによって同社の連結子会社となって以降、出光興産との間においては、一定の協力関係
のもとで、両社が連携して施策実行、研究開発、海外資本参加をはじめ、販売、人事交流に至るまで多
くの取組みを共同で行ってまいりましたが、親子会社とはいえ、上場企業としての独立した事業運営
の観点や少数株主への配慮の必要性の観点もあり、両社の経営資源の相互活用のためには、限界があ
ると考えておりました。特に、出光興産との間で経営資源のさらなる相互活用を行おうとする場合、こ
のような資本関係に伴う限界もあり、親子会社間で中長期的な目線で相互活用についての利益及び費
用の分配を行う必要があるものの、エス・ディー・エス バイオテックの少数株主への利益の還元に配
慮した親子会社間における利益及び費用の分配を行うことも求められるため、積極的なビジネスポー
トフォリオの変革と企業体質の強化に向けた施策に踏み切るには、一定の制約があるとも認識してお
りました。このような状況において、エス・ディー・エス バイオテックは、2021年2月中旬に出光興
産から完全子会社化に向けての協議の申入れを受け、この申入れを真摯に検討した結果、エス・ディ
ー・エス バイオテックが出光興産の完全子会社となることにより、上記制約を受けることなく、ビジ
ネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を主体的に進めることが可能となり、エス・ディー・エス
バイオテックを取り巻く上記事業環境においても、着実に企業価値を向上させることができる可能性
があると考えるに至りました。以上のとおり、エス・ディー・エス バイオテックは、完全子会社化が、
エス・ディー・エス バイオテックの企業価値向上、ひいては、出光興産グループ全体の企業価値の向
上のために有益なものとして具体的に検討する価値があるとの判断に至り、出光興産による完全子会
社化を具体的に検討すべく、協議を継続することになりました。
4
その後、出光興産は、下記3.(1)「割当ての内容の根拠及び理由」のとおり、外部専門家を起用
したうえでさらなる検討を進め、2021年2月下旬に、エス・ディー・エス バイオテックに対して、株
式交換により完全子会社化することを正式に提案いたしました。それ以降、エス・ディー・エス バイ
オテックとしても、下記3.(1)「割当ての内容の根拠及び理由」のとおり、外部専門家を起用する
等、検討体制を整えたうえで、出光興産とエス・ディー・エス バイオテックは、それぞれが引き続き
本株式交換に関する検討を深め、並行して両社で度重なる協議・交渉を行いました。
その結果、出光興産としては、本株式交換によるエス・ディー・エス バイオテックの完全子会社化
を通じて両社の資本関係が深化し、また、将来的には、エス・ディー・エス バイオテックを母体とし
て、エス・ディー・エス バイオテックとアグリバイオ事業部を一体的に運営していく体制として、出
光興産グループの事業戦略と完全に合致した方向での経営に取り組むことができるようになることで、
より積極的な経営資源の投入が可能になり、エス・ディー・エス バイオテックの抱える様々な課題の
解決に大きく貢献することを介して、エス・ディー・エス バイオテックの企業価値の向上が実現され、
同時に、出光興産の高機能材事業におけるアグリバイオ事業とエス・ディー・エス バイオテックの相
互関係も強化されることで、出光興産グループの農薬事業全体の成長を加速させる盤石な基盤ができ
あがり、ひいては出光興産が基本方針として掲げる「将来に向けたポートフォリオ転換」に沿う形で出
光興産グループ全体の企業価値を向上させることができると確信するに至りました。
他方で、エス・ディー・エス バイオテックとしても、(ⅰ)出光興産の完全子会社となった場合、
資本関係に起因する制約がなくなることにより、出光興産からこれまでよりも積極的なサポートを受
けられる体制が整備されることになり、今後の課題として認識している作物保護製品全体の強化に向
けた投資に対する出光興産からの資金支援や、出光興産が取り組む先進技術のエス・ディー・エス バ
イオテックの研究開発への活用、生物農薬関連事業の拡大、出光興産のコーポレート機能の活用等を
期待でき、また、(ⅱ)少数株主が存在することに起因する利益相反の問題が解消されることで、短期
的な利益の創出を必ずしも求められなくなるため、より中長期的な視野に立った積極的な成長戦略の
実行、すなわち、積極的なビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化に向けた具体的な施策の
実行が可能になり、(ⅲ)加えて、エス・ディー・エス バイオテックとして上場維持に要するコスト
が削減され、当該資金を成長投資に振り向けることもできるようになり、これらが相重なることで、厳
しい事業環境においても、エス・ディー・エス バイオテックの企業価値をより着実に向上させられる
と考えられ、さらに、(ⅳ)出光興産の完全子会社となり、非公開化することによって、一般的には、
資本市場を通じた資金調達を実施できなくなることや上場企業というブランドを失うことに伴う採用
活動等への影響といったデメリットが想定されるものの、出光興産の完全子会社として出光興産によ
る資金支援が期待できる等、財務基盤が強化されること、また、上場企業である出光興産を親会社とす
る出光興産グループであることには変わりなく、採用活動等への影響は大きなものではないと考えら
れることを踏まえれば、出光興産の完全子会社となることで、これに伴うデメリット以上のメリット
を享受できると考えられるとの結論に至りました。
以上の結果、出光興産とエス・ディー・エス バイオテックは、出光興産による本株式交換によるエ
5
ス・ディー・エス バイオテックの完全子会社化が、両社の企業価値向上のために最善の選択肢である
との結論に至りました。
(2)本株式交換後の経営方針
出光興産とエス・ディー・エス バイオテックは、本株式交換の実施後の経営方針として、現時点で
は、エス・ディー・エス バイオテックのブランド、商号及び経営執行体制を基本的に維持し、両社の
持つノウハウ・人材・開発戦略・資金力等を機動的に相互活用し、出光興産グループのアグリバイオ事
業の事業基盤を強固にすることで、企業価値の向上を図ることを予定しております。
また、現時点で確定しておりませんが、2022 年度中にはエス・ディー・エス バイオテックを母体と
して出光興産のアグリバイオ事業部と一体的に運営する体制に移行することで、出光興産グループと
して、迅速かつ的確な意思決定ができる体制の強化を両社で進めていく予定です。
具体的には、作物保護製品分野でプレゼンスの高いエス・ディー・エス バイオテックの既存事業を
核として、出光興産の生物農薬事業とグループ一体運営を行い、積極的に経営資源を投入していくこ
とで、新規原体の創生に向けて農薬分野の研究開発規模を拡大するとともに、機能性肥料等の食料増
産に資する事業分野にも力を入れていく予定です。また、コーポレート機能のさらなる強化や事業運
営の効率化を図り、適材適所の人員配置を行うことにより、迅速かつ的確な意思決定が可能な組織体
制の構築を目指します。詳細については、今後、両社で誠意をもって検討・協議をしていく予定です。
2.本株式交換の要旨
(1)本株式交換の日程
定時株主総会基準日(エス・ディー・エス バイオテック) 2021 年3月 31 日
本株式交換契約締結の取締役会決議日(両社) 2021 年5月 11 日
本株式交換契約締結日(両社) 2021 年5月 11 日
定時株主総会開催日(エス・ディー・エス バイオテック) 2021 年6月 23 日(予定)
最終売買日(エス・ディー・エス バイオテック) 2021 年7月 28 日(予定)
上場廃止日(エス・ディー・エス バイオテック) 2021 年7月 29 日(予定)
本株式交換の効力発生日 2021 年8月2日(予定)
金銭交付日 2021 年9月下旬(予定)
(注1)出光興産は、会社法第 796 条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により、株主総
会の決議による承認を受けずに本株式交換を行う予定です。
(注2)上記日程は、本株式交換の手続の進行に応じて必要な場合には、両社が協議し合意のうえ、変
更されることがあります。上記日程に変更が生じた場合には、速やかに公表いたします。
(2)本株式交換の方式
本株式交換は、出光興産を株式交換完全親会社、エス・ディー・エス バイオテックを株式交換
完全子会社とする株式交換です。出光興産は、会社法第 796 条第2項本文の規定に基づく簡易株
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式交換の手続により株主総会の決議による承認を受けることなく、また、エス・ディー・エス バ
イオテックは、2021 年6月 23 日開催予定の定時株主総会において本株式交換契約の承認を受け
たうえで、2021 年8月2日を効力発生日として本株式交換を行う予定です。
(3)本株式交換に係る割当ての内容
出光興産は、会社法第 768 条第1項第2号の規定に基づき、本株式交換契約に従い、本株式交
換により出光興産がエス・ディー・エス バイオテックの発行済株式(出光興産が保有するエス・
ディー・エス バイオテックの株式 5,456,112 株を除きます。 の全部を取得する時点の直前時
) (以
下「基準時」といいます。)におけるエス・ディー・エス バイオテックの株主(但し、出光興産を
除きます。)に対し、その所有するエス・ディー・エス バイオテック株式1株につき 1,440 円(本
株式交換の対価を、以下「本株式交換対価」といいます。
)の割合で金銭を交付する予定です。
なお、エス・ディー・エス バイオテックは、効力発生日の前日までに行う取締役会決議により、
エス・ディー・エス バイオテックが基準時の直前時において保有する全ての自己株式(2021 年5
月 10 日現在 152 株)
(本株式交換に関して行使される会社法第 785 条第1項に定める反対株主の
株式買取請求に応じてエス・ディー・エス バイオテックが取得する株式を含みます。 を基準時の
)
直前時において消却する予定です。
(注)本株式交換の条件の変更及び本株式交換契約の解除
本株式交換契約締結の日から本株式交換の効力発生日に至るまでの間に、出光興産又はエス・デ
ィー・エス バイオテックの財産状態又は経営成績に重大な変動が発生し又は判明した場合、本株
式交換の実行に重大な支障となり得る事象が発生し又は判明した場合その他本株式交換契約の目
的の達成が困難となった場合には、出光興産とエス・ディー・エス バイオテックが協議のうえ、
本株式交換契約を変更し又は解除することができるとしております。
(4)本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
エス・ディー・エス バイオテックは、新株予約権及び新株予約権付社債を発行していないため、
該当事項はありません。
3.本株式交換に係る割当ての内容の根拠等
(1)割当ての内容の根拠及び理由
出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックは、上記1.
「本株式交換による完全子会社化の
目的」のとおり、2021 年2月下旬に、出光興産からエス・ディー・エス バイオテックに対して本
株式交換の正式提案が行われ、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、出光興産がエス・ディ
ー・エス バイオテックを完全子会社とすることが、両社の企業価値向上にとって最善の選択肢で
あるとの結論に至りました。
出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックは、本株式交換対価の決定に当たって公正性・
妥当性を確保するため、それぞれ別個に両社から独立した第三者算定機関に株式価値の算定を依
頼することとし、出光興産は野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。
)を、エス・ディ
7
ー・エス バイオテックはみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、それぞれの
ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。また、出光興産は西村
あさひ法律事務所を、エス・ディー・エス バイオテックは TMI 総合法律事務所を、それぞれ両社
から独立したリーガル・アドバイザーとして選定し、その助言等も踏まえて本株式交換対価を検
討いたしました。
まず、本株式交換対価については、以下の理由により金銭を対価といたしました。出光興産及び
エス・ディー・エス バイオテックは本株式交換の対価を定めるに当たり、エス・ディー・エス バ
イオテックの株主への配慮、公正性の担保及び利益相反の回避に十分留意したうえで慎重に検討
を重ねております。
・本株式交換を株式対価で実施した場合、エス・ディー・エス バイオテックの株主の多くが単元
未満株式(100 株未満の株式)を保有する株主となってしまうところ、単元未満株式を単元株式
とするためには、単元未満株式の買増制度を利用する等、新たな出捐が避けられないこと。ま
た、単元未満株式は金融商品取引所市場において売却することができず、これら単元未満株式
株主となる皆様における流動性が制限されてしまうこと。
・本株式交換を株式対価で実施した場合、エス・ディー・エス バイオテックの株主の皆様に交付
される出光興産のその後の株価推移によっては、本株式交換に伴い、必ずしもエス・ディー・エ
ス バイオテックの株主の皆様に利益を提供できない可能性もあり得ることから、一定のプレミ
アムの付された合理的な価額での現金対価による本株式交換を実施することにより、エス・デ
ィー・エス バイオテックの株主の皆様には、合理的な株式の換価機会を提供することができる
と考えていること。
・エス・ディー・エス バイオテックの株主の皆様が引き続き株主としての利益を享受し、経営に
参画されたい場合には、本株式交換の実施後に、出光興産の株式を購入いただくことにより、出
光興産の株主として間接的にエス・ディー・エス バイオテックへの投資を継続いただくことも
可能であり、出光興産の株式は、この選択肢に対して十分な市場流動性を有していると考えて
いること。
・出光興産の株主の皆様にとっても、保有株式の希薄化が生じることなく、両社一体となって事業
を展開していくことによる将来的なシナジーを享受することができるので、メリットがあると
考えていること。
また、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックは、両社で本株式交換の目的、対価等に
ついてそれぞれの第三者算定機関から提出を受けたエス・ディー・エス バイオテックの株式価値
の分析結果及び助言を慎重に検討するとともに、両社それぞれにおいてエス・ディー・エス バイ
オテックの財務状況、業績動向、株価動向等を分析し、これらを踏まえ両社間で真摯に交渉・協議
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を行いました。具体的には、2021 年4月6日に出光興産からエス・ディー・エス バイオテックに
対して初回提案を行ってから、2021 年5月 11 日に本株式交換の対価を1株当たり 1,440 円とす
る合意に至るまで両社間で交渉を重ねてきました。
出光興産においては、下記(4)
「公正性を担保するための措置」のとおり、第三者算定機関で
ある野村證券から 2021 年5月 10 日付で受領した株式価値に関する算定書、リーガル・アドバイ
ザーである西村あさひ法律事務所からの助言、エス・ディー・エス バイオテックに対して実施し
たデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換対価は
妥当であり、エス・ディー・エス バイオテックの株主の皆様の利益に資するものであるとの判断
に至ったため、本株式交換対価により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
他方、エス・ディー・エス バイオテックにおいては、 (4)
下記 「公正性を担保するための措置」
及び(5)
「利益相反を回避するための措置」のとおり、第三者算定機関であるみずほ証券から 2021
年5月 10 日付で受領した株式価値に関する算定書、リーガル・アドバイザーである TMI 総合法律
事務所からの助言、支配株主である出光興産との間で利害関係を有しない独立した委員から構成
される特別委員会(以下「本特別委員会」といい、詳細については、下記(5)
「利益相反を回避
するための措置」のとおりです。)からの指示、助言及び答申書等を踏まえて慎重に交渉・協議を
重ねた結果、
(ⅰ)本株式交換対価(エス・ディー・エス バイオテック株式1株につき 1,440 円)
は、第三者算定機関であるみずほ証券から 2021 年5月 10 日付で受領した株式価値に関する算定
書の算定結果のうち、市場株価基準法の算定結果の上限値を超え、また、ディスカウンテッド・キ
ャッシュ・フロー法(以下「DCF 法」といいます。)の算定結果の中間値を超える金額であること、
(ⅱ)本株式交換対価は、2021 年5月 10 日の東京証券取引所におけるエス・ディー・エス バイ
オテック株式の株価終値 1,251 円に対して、15.1%(小数点以下第二位四捨五入。以下、プレミア
ムの計算において同じです。、過去1か月間(2021 年4月 12 日から 2021 年5月 10 日)の株価終
)
値単純平均値 1,171 円(小数点以下四捨五入。以下、株価終値単純平均値の計算において同じで
す。
)に対して 23.0%、過去3か月間(2021 年2月 12 日から 2021 年5月 10 日)の株価終値単純
平均値 1,050 円に対して 37.1%、過去6か月間(2020 年 11 月 11 日から 2021 年5月 10 日)の株
価終値単純平均値 989 円に対して 45.6%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であって、直近の株
価終値に対するプレミアム水準のみならず、直近1か月間、直近3か月間及び直近6か月間の株
価終値単純平均値に対するプレミアム水準をも総合的に考慮すれば、現金を対価とした支配株主
による完全子会社化事例におけるプレミアム水準と比して合理的な水準のプレミアムが付された
金額であるといえること、
(ⅲ)下記(4)
「公正性を担保するための措置」及び(5)
「利益相反
を回避するための措置」記載の各措置を講じる等、エス・ディー・エス バイオテックの少数株主
に対して配慮がなされていること、また、
(ⅳ)本株式交換対価は、その決定過程において、エス・
ディー・エス バイオテックが、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックの間における協議
及び交渉の経緯及び内容等を本特別委員会に対して適時に報告を行い、出光興産との交渉方針等
を協議したうえで、複数回にわたって出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックにおいて協
議を行う等して、エス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利益とならないよう誠
実に協議及び交渉をした結果として得られた価格であると考えられることから、本株式交換対価
9
は妥当であり、エス・ディー・エス バイオテックの株主の皆様の利益に資するものであるとの判
断に至ったため、本株式交換対価により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
なお、本株式交換対価は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協
議し合意のうえ、変更することがあります。
(2)算定に関する事項
① 算定機関の名称及び両社との関係
出光興産の第三者算定機関である野村證券は、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテック
からは独立した算定機関であり、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックの関連当事者に
は該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しません 。また、エス・ディー・
エス バイオテックの第三者算定機関であるみずほ証券は、出光興産及びエス・ディー・エス バイ
オテックからは独立した算定機関であり、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックの関連
当事者には該当せず、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」
といいます。)は、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックの株主たる地位を有しているほ
か、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックに対して通常の銀行取引の一環としての融資
取引等は生じておりますが、本株式交換に関して出光興産及びエス・ディー・エス バイオテック
との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。みずほ証券によれば、みずほ証券は金
融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を含みます。
)第 36 条第2項及び金融商品
取引業等に関する内閣府令第 70 条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁
措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の株主及び貸付人の
地位とは独立した立場でエス・ディー・エス バイオテックの株式価値の算定を行っているとのこ
とです。エス・ディー・エス バイオテックは、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊
害防止措置が講じられていること、エス・ディー・エス バイオテックとみずほ証券は一般取引先
と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されている
こと、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、
みずほ証券を出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックから独立した第三者算定機関として
選定いたしました。
② 算定の概要
(ⅰ)野村證券による算定
野村證券は、エス・ディー・エス バイオテックが金融商品取引所に上場しており、市場株価が
存在することから、市場株価平均法(算定基準日である 2021 年5月 10 日を基準日として、東京
証券取引所におけるエス・ディー・エス バイオテック株式の算定基準日の株価終値、2021 年4月
28 日から算定基準日までの直近5営業日の終値単純平均値、2021 年4月 12 日から算定基準日ま
での直近1か月間の終値単純平均値、2021 年2月 12 日から算定基準日までの直近3か月間の終
値単純平均値、2020 年 11 月 11 日から算定基準日までの直近6か月間の終値単純平均値を採用し
ております。)を、また、エス・ディー・エス バイオテックには比較可能な上場類似会社が複数存
在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて、将来
10
の事業活動の状況を評価に反映するため DCF 法を、採用して算定を行いました。
各評価手法におけるエス・ディー・エス バイオテックの1株当たりの株式価値の範囲は以下の
とおりです。
採用手法 1株当たりの株式価値の範囲
市場株価平均法 989~1,251 円
類似会社比較法 827~2,066 円
DCF 法 882~1,883 円
野村證券は、株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確
かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っ
ておりません。エス・ディー・エス バイオテック及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商
品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及
び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼
も行っておりません。エス・ディー・エス バイオテックの財務予測(利益計画その他の情報を含
みます。)については、エス・ディー・エス バイオテックの経営陣により現時点で得られる最善
かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村
證券の算定は、2021 年5月 10 日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したもので
す。なお、野村證券の算定は、出光興産の取締役会が株式交換の対価を検討するための参考に資
することを唯一の目的としております。
なお、野村證券が DCF 法による算定の前提としたエス・ディー・エス バイオテックの財務予測
においては、大幅な増減益が見込まれている事業年度が含まれております。具体的には、エス・デ
ィー・エス バイオテックが出資する江蘇新河農用化工有限公司が、設備投資による資金需要があ
ること等を理由に、2022 年3月期については一時的に無配とすること(当該金額については、2023
年3月期以降に、通常の配当に加算される形で、繰り延べられて配当される予定です。)を見込ん
でいるため、経常利益及び当期純利益において、2022 年3月期に前年度に対して3割以上の大幅
な減益を見込んでおります。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
(ⅱ)みずほ証券による算定
みずほ証券は、エス・ディー・エス バイオテックについて、同社が東京証券取引所市場第二部
に上場しており市場株価が存在することから市場株価基準法を、また、同社の将来の事業活動の
状況を評価に反映するため、DCF 法を用いて算定を行っております。
みずほ証券は、市場株価基準法においては、2021 年5月 10 日を算定基準日として、エス・ディ
ー・エス バイオテックの東京証券取引所市場第二部における算定基準日の株価終値 1,251 円、直
近1か月間の株価終値単純平均値 1,171 円、直近3か月間の株価終値単純平均値 1,050 円及び直
近6か月間の株価終値単純平均値 989 円を基に、エス・ディー・エス バイオテック株式の1株当
たりの株式価値の範囲を 989 円~1,251 円と算定しております。
DCF 法においては、エス・ディー・エス バイオテックが作成した 2022 年3月期から 2024 年3
11
月期までの財務予測、直近の業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、将来フリ
ー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことによって、エス・ディー・エス
バイオテックの企業価値や株式価値を算定し、エス・ディー・エス バイオテックの1株当たり株
式価値の範囲を 915 円~1,580 円と算定しております。なお、割引率は 6.5%~7.5%を使用して
おり、継続価値の算定に当たっては永久成長法及びマルチプル法を採用し、永久成長率を△0.5%
~0.5%、マルチプル法では EBITDA マルチプルを 7.0 倍~9.0 倍としております。みずほ証券が
DCF 法の算定の前提とした財務予測は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2022 年 2023 年 2024 年
3月期 3月期 3月期
売上高 12,011 12,407 13,105
営業利益 1,021 975 1,145
EBITDA 1,283 1,215 1,385
フリー・キャッシュ・フロー 298 492 630
みずほ証券は、株式価値の算定に際して、公開情報及びみずほ証券に提供された一切の情報が
正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は
行っておりません。エス・ディー・エス バイオテック及びその関係会社の資産又は負債(デリバ
ティブ取引、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債
の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査
定の依頼も行っておりません。エス・ディー・エス バイオテックの財務予測(利益計画その他の
情報を含みます。)については、エス・ディー・エス バイオテックの経営陣により現時点で得ら
れる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを基礎としております。みず
ほ証券の算定は、2021 年5月 10 日までにみずほ証券が入手した情報及び経済条件を反映したも
のです。なお、みずほ証券の算定は、エス・ディー・エス バイオテックの取締役会が株式交換の
対価を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、みずほ証券が DCF 法による算定の前提としたエス・ディー・エス バイオテックの財務予
測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、エス・デ
ィー・エス バイオテックが出資する江蘇新河農用化工有限公司において配当政策上の観点から一
時的な無配が見込まれているため、経常利益及び当期純利益において、2022 年3月期に前年度に
対して3割以上の大幅な減益を見込んでおります。また、当該財務予測は、本株式交換の実施を前
提としておりません。
各評価方法によるエス・ディー・エス バイオテックの1株当たりの株式価値の範囲は、以下の
とおりとなります。
12
採用手法 1株当たりの株式価値の範囲
市場株価基準法 989~1,251 円
DCF 法 915~1,580 円
(3)上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、その効力発生日である 2021 年8月2日をもって、出光興産はエス・ディー・
エス バイオテックの完全親会社となり、完全子会社となるエス・ディー・エス バイオテック株式
は東京証券取引所市場第二部の上場廃止基準に従って、2021 年7月 29 日付で上場廃止(最終売買
日は 2021 年7月 28 日)となる予定です。上場廃止後は、エス・ディー・エス バイオテック株式
を東京証券取引所市場第二部において取引することができなくなります。
本株式交換は、上記1.
「本株式交換による完全子会社化の目的」のとおり、両社の企業価値向
上のみならず、出光興産グループとして、グループ経営の一層の充実・強化を推進し、グループ企
業価値のさらなる向上を図ることを目的としており、エス・ディー・エス バイオテックの上場廃
止を直接の目的とするものではありません。しかし、本株式交換によりエス・ディー・エス バイ
オテックが出光興産の完全子会社となる結果、東京証券取引所市場第二部の上場廃止基準に従っ
てエス・ディー・エス バイオテック株式は上場廃止となる予定です。
なお、エス・ディー・エス バイオテックの株主の皆様は、最終売買日である 2021 年7月 28 日
までは、東京証券取引所市場第二部において、その所有するエス・ディー・エス バイオテック株
式を従来どおり取引することができるほか、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権
利を行使することができます。
(4)公正性を担保するための措置
出光興産が既にエス・ディー・エス バイオテック株式 5,456,112 株(2021 年3月 31 日現在、
発行済株式総数からエス ディー エス バイオテックが保有する自己株式を除いた総数 7,830,773
・ ・
株に占める割合にして 69.68%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同
じです。)を保有し、エス・ディー・エス バイオテックは出光興産の連結子会社に該当すること
)
及びエス・ディー・エス バイオテックの取締役の中には出光興産の従業員の兼任者や出光興産の
出身者が存在すること等から、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックは、本株式交換の
公正性を担保する必要があると判断し、下記の措置を実施しております。
① 独立した第三者算定機関からの算定書の取得
出光興産は、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックから独立した第三者算定機関であ
る野村證券から、本株式交換対価の公正性・妥当性を確保するため、2021 年5月 10 日付で、株式
価値に関する算定書の提出を受けております。算定書の概要は、上記(2)「算定に関する事項」
の②「算定の概要」をご参照ください。なお、出光興産は、野村證券から、本株式交換対価が財務
的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
他方、エス・ディー・エス バイオテックは、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックか
ら独立した第三者算定機関であるみずほ証券から、本株式交換の対価の公正性・妥当性を確保す
13
るため、2021 年5月 10 日付で、株式価値に関する算定書の提出を受けております。算定書の概要
は、上記(2)
「算定に関する事項」の②「算定の概要」をご参照ください。なお、エス・ディー・
エス バイオテックは、みずほ証券から、本株式交換対価が財務的見地から妥当又は公正である旨
の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、本株式交換に関するみずほ証券に対するエス・ディー・エス バイオテックからの報酬は、
本株式交換の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件に支
払われる成功報酬ではありません。
② 独立した法律事務所からの助言
出光興産は、西村あさひ法律事務所を本株式交換のリーガル・アドバイザーとして選任し、本株
式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を受け
ております。
なお、西村あさひ法律事務所は、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックから独立して
おり、両社との間に重要な利害関係を有しません。
他方、エス・ディー・エス バイオテックは、TMI 総合法律事務所を本株式交換のリーガル・ア
ドバイザーとして選任し、本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等につい
て、法的な観点から助言を受けております。
なお、TMI 総合法律事務所は、出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックから独立してお
り、両社との間に重要な利害関係を有しません。
また、本株式交換に関する TMI 総合法律事務所に対するエス・ディー・エス バイオテックから
の報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本株式交換の
成立等を条件に支払われる成功報酬ではありません。
(5)利益相反を回避するための措置
出光興産が既にエス・ディー・エス バイオテック株式 69.68%を保有し、エス・ディー・エス
バイオテックは出光興産の連結子会社に該当すること及びエス・ディー・エス バイオテックの取
締役の中には出光興産の従業員の兼任者や出光興産の出身者が存在すること等から、利益相反の
疑義を回避するため、エス・ディー・エス バイオテックは、下記の措置を実施しております。
① 特別委員会の設置及び答申書の取得
エス・ディー・エス バイオテックは、2021 年3月 10 日開催のエス・ディー・エス バイオテッ
クの取締役会において、本株式交換に係るエス・ディー・エス バイオテックの意思決定に慎重を
期し、また、エス・ディー・エス バイオテック取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益
相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本株式交換を行
う旨の決定をすることがエス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利益なものでな
いことを確認することを目的として、いずれも、出光興産と利害関係を有しておらず、エス・ディ
ー・エス バイオテックの監査等委員かつ社外取締役である酒井朗氏(元みずほキャピタル株式会
社執行役員)及び松尾祐美子氏(弁護士、港国際法律事務所)
、並びに出光興産及びエス・ディー・
14
エス バイオテックと利害関係を有しない外部の有識者である安田昌彦氏(公認会計士、ベネディ・
コンサルティング株式会社代表取締役社長)の3名により構成される本特別委員会を設置するこ
とを決定したうえで、これを設置しており(なお、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価
として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、本株式交換の成立等を
条件に支払われる成功報酬ではありません。、本株式交換を検討するに当たって、本特別委員会
)
に対し、
(ⅰ)本株式交換の目的の正当性、
(ⅱ)本株式交換に係る交渉手続の公正性(ⅲ)本株式
交換の取引条件の妥当性(本株式交換対価の妥当性を含みます。、
) 及び(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)
その他の事項を前提に、本株式交換がエス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利
益であるか否か(以下(ⅰ)から(ⅳ)を総称して「本諮問事項」といいます。
)について諮問い
たしました。
なお、エス・ディー・エス バイオテックの取締役会は、本株式交換に関する決定を行うに際し
て本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式交換について妥当でないと判断し
た場合には、本株式交換を行う旨の意思決定を行わないことを併せて決議しております。
また、エス・ディー・エス バイオテックは、本特別委員会に対し、本特別委員会が必要と判断
した場合には、エス・ディー・エス バイオテックの費用負担のもと、弁護士、公認会計士その他
のアドバイザーを独自に選任することができる権限を与えております。本特別委員会は、2021 年
3月 11 日から 2021 年5月6日までに、会合を合計 10 回(合計約 14 時間)にわたって開催した
ほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見交換や情報交換、情報収集等を行い、必要に
応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、まず第
1回の特別委員会において、エス・ディー・エス バイオテックが選任したファイナンシャル・ア
ドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並びにリーガル・アドバイザーである TMI 総合
法律事務所につき、いずれも独立性に問題がないことを確認したうえで、それぞれをエス・ディ
ー・エス バイオテックのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・
アドバイザーとして承認しました。さらに、本特別委員会は、本株式交換に係る検討、交渉及び判
断に関与するエス・ディー・エス バイオテックの取締役(出光興産の従業員の兼任者である佐久
間正明氏及び出光興産の出身者である寒河江充宏氏を除く7名の取締役)につき、出光興産との
間での利害関係の観点から問題がないことを確認しております。そのうえで、本特別委員会は、
(a)出光興産から本株式交換の提案内容及び本株式交換の目的並びに本株式交換によって見込ま
れるシナジー等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、
(b)エ
ス・ディー・エス バイオテックから、同社の事業内容、本株式交換の提案を受けた経緯、本株式
交換の目的、出光興産の提案内容についてのエス・ディー・エス バイオテックの考え及び本株式
交換がエス・ディー・エス バイオテックの企業価値に与える影響、エス・ディー・エス バイオテ
ックの事業計画の作成経緯及びその内容等についての説明を受け、これらの事項についての質疑
応答を実施したこと、(c)みずほ証券から株式価値の算定方法及び算定結果についての説明を受
け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、
(d)TMI 総合法律事務所から、本株式交換
の手続面における公正性を担保するための措置並びに本株式交換に係るエス・ディー・エス バイ
オテックの取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容に
ついて助言を受けこれらの事項についての質疑応答を実施したこと、並びに(e)本株式交換につ
15
いての関連資料等の確認を行ったことにより、本株式交換に関する情報収集を行い、これらの情
報も踏まえて、本諮問事項について慎重に協議及び検討して審議を行っております。また、本特別
委員会は、エス・ディー・エス バイオテックの事業計画の作成経緯及びその内容等についての説
明を受け、事業計画の作成過程に関し、不合理な点が認められないことも併せて確認しておりま
す。なお、本特別委員会は、出光興産とエス・ディー・エス バイオテックとの間における本株式
交換に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けたうえで、出光興産から本株式
交換対価についての最終的な提案を受けるまで、複数回に亘り交渉の方針等について協議を行い、
エス・ディー・エス バイオテックに意見する等して、出光興産との交渉過程に実質的に関与して
おります。
本特別委員会は、このような経緯のもと、これらの説明、算定結果その他の検討資料を前提とし
て、本諮問事項について慎重に審議及び検討を行い、本株式交換は、エス・ディー・エス バイオ
テックの少数株主にとって不利益なものではない旨の答申書を、2021 年5月 10 日付で、エス・デ
ィー・エス バイオテックの取締役会に対して提出しております。本特別委員会の意見の概要につ
いては、下記8.
(3)
「当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配
株主と利害関係のない者から入手した意見の概要」をご参照ください。
② エス・ディー・エス バイオテックにおける、利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を
含む。)の承認
エス・ディー・エス バイオテックの取締役のうち、佐久間正明氏は出光興産の従業員の兼任者
であり、また、寒河江充宏氏は出光興産の出身者であるため、利益相反の疑義を回避する観点か
ら、エス・ディー・エス バイオテックの取締役会における本株式交換に関する議案の審議及び決
議には参加せず、エス・ディー・エス バイオテックの立場において、本株式交換に係る検討、協
議及び交渉にも一切参加しておりません。
2021 年5月 11 日開催のエス・ディー・エス バイオテックの取締役会における本株式交換に関
する議案は、エス・ディー・エス バイオテックの取締役9名のうち、寒河江充宏氏、佐久間正明
氏を除く7名の取締役(監査等委員である3名を含みます。)が審議し、その全員の賛成により決
議を行っております。
4.本株式交換の当事会社の概要
株式交換完全親会社 株式交換完全子会社
株式会社エス・ディー・エス バイ
(1) 名 称 出光興産株式会社
オテック
東京都千代田区大手町一丁目2番 東京都中央区東日本橋一丁目1番
(2) 所 在 地
1号 5号
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 木藤 俊一 代表取締役社長 寒河江 充宏
石油精製並びに油脂製造、販売 農薬、工業用防黴剤、防疫薬剤及び
(4) 事 業 内 容 石油化学製品の製造、販売 特殊化学品の製造、輸入、販売
電子材料・農業薬品の開発、製造、
16
販売
電気供給事業
石油・石炭資源の開発、生産、販売
等
168,351 百万円 810 百万円
(5) 資 本 金
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
(6) 設 立 年 月 日 1940 年3月 30 日 1968 年 10 月7日
297,864,718 株 7,830,925 株
(7) 発 行 済 株 式 数
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
(8) 決 算 期 3月 31 日 3月 31 日
(連結)14,044 名 179 名
(9) 従 業 員 数
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
(10) 主 要 取 引 先 販売店・特約店及び一般顧客 農薬メーカー、化学品メーカー等
株式会社三菱 UFJ 銀行 株式会社みずほ銀行
株式会社三井住友銀行 農林中央金庫
三井住友信託銀行株式会社 株式会社三井住友銀行
(11) 主 要 取 引 銀 行
株式会社みずほ銀行 株式会社三菱 UFJ 銀行
農林中央金庫 三井住友信託銀行株式会社
みずほ信託銀行株式会社
日章興産株式会社 9.11% 出光興産 69.68%
日本マスタートラスト信託銀行株 OAT アグリオ株式会社 2.55%
式会社(信託口) 8.27% 株式会社みずほ銀行 2.11%
Aramco Overseas Company B.V. (常任代理人 株式会社日本カス
7.76% トディ銀行)
(常任代理人 アンダーソン・毛 フマキラー株式会社 2.11%
利・友常法律事務所) 丸善薬品産業株式会社 2.11%
公益財団法人出光文化福祉財団 エス・ディー・エス バイオテック従
4.16% 業員持株会 1.59%
(12) 大株主及び持株比率 株式会社日本カストディ銀行(信 MLI FOR CLIENT GENERAL OMNI NON
託口) 4.15% COLLATERAL NON TREATY-PB 1.48%
公益財団法人出光美術館 2.69% (常任代理人 BOFA 証券株式会社)
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT 志野 文哉 0.74%
1.79% 株式会社八楠 0.64%
(常任代理人 香港上海銀行東京 日本マスタートラスト信託銀行株
支店カストディ業務部) 式会社(信託口) 0.61%
株式会社三菱 UFJ 銀行 1.73% (2021 年3月 31 日現在)
株式会社三井住友銀行 1.73%
三井住友信託銀行株式会社 1.73%
17
(2021 年3月 31 日現在)
(13) 当事会社間の関係
出光興産は、エス・ディー・エス バイオテックの発行済株式総数
資 本 関 係 (7,830,925 株)の 69.67%に相当する 5,456,112 株の普通株式を保有し
ており、親会社であります。
出光興産の従業員の兼任者1名及び出光興産の出身者1名がエス・ディ
ー・エス バイオテックの取締役に就任しております。また、エス・ディ
人 的 関 係
ー・エス バイオテックは出光興産から、出向者を3名受け入れておりま
す。
エス・ディー・エス バイオテックは、出光興産と除草剤販売等の取引を
取 引 関 係
行っております。
エス・ディー・エス バイオテックは、出光興産の連結子会社であり、出
関連当事者への
光興産とエス・ディー・エス バイオテックは相互に関連当事者に該当い
該 当 状 況
たします。
(14) 最近3年間の経営成績及び財政状態
エス・ディー・エス
出光興産(連結)
バイオテック(単体)
決算期
2019 年 2020 年 2021 年 2019 年 2020 年 2021 年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
純 資 産 878,931 1,200,564 1,215,136 5,822 6,659 7,988
総 資 産 2,890,307 3,886,938 3,954,443 13,659 14,350 15,219
1株当たり純資産(円) 4,267.21 3,868.68 3,871.69 743.48 850.48 1,020.15
売 上 高 4,425,144 6,045,850 4,556,620 11,584 12,387 11,999
営 業 利 益 179,319 △3,860 140,062 984 1,074 1,238
経 常 利 益 169,121 △13,975 108,372 1,009 1,455 1,848
親 会社 株主 に帰 属す る
81,450 △22,935 34,920 391 1,187 1,371
当期純利益/当期純利益
1 株当 たり 当期 純利 益
401.63 △76.31 117.47 49.97 151.66 175.14
( 円 )
1株当たり配当金(円) 100.00 160.00 120.00 25.00 28.00 28.00
(単位:百万円。特記しているものを除く。
)
5.本株式交換後の状況
株式交換完全親会社
(1) 名 称 出光興産株式会社
(2) 所 在 地 東京都千代田区大手町一丁目2番1号
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 木藤 俊一
(4) 事 業 内 容 石油精製並びに油脂製造、販売
18
石油化学製品の製造、販売
電子材料・農業薬品の開発、製造、販売
電気供給事業
石油・石炭資源の開発、生産、販売 等
(5) 資 本 金 168,351 百万円
(6) 決 算 期 3月 31 日
(7) 純 資 産 現時点では確定しておりません。
(8) 総 資 産 現時点では確定しておりません。
6.会計処理の概要
本株式交換は、企業結合に関する会計基準における共通支配下の取引等に該当する見込みです。
7.今後の見通し
エス・ディー・エス バイオテックは既に出光興産の連結子会社であるため、本株式交換による出光
興産及びエス・ディー・エス バイオテックの業績への影響は、いずれも軽微であると見込んでおりま
す。
8.支配株主との取引等に関する事項
(1)支配株主との取引等の該当性及び少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況
出光興産は、既にエス・ディー・エス バイオテックの親会社であることから、本株式交換は、
エス・ディー・エス バイオテックにとって支配株主との取引等に該当いたします。
エス・ディー・エス バイオテックは、エス・ディー・エス バイオテックが 2020 年6月 25 日に
開示したコーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下「コーポレート・ガバナンス報告書」と
いいます。 のⅠ. 「支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針」
) 4
において、
「親会社との取引を行う際には、一般の取引と同等に市場概況を勘案したうえで、価格
その他の条件を決定いたします。また、独立役員による意見を頂戴した後に当該取引を行うもの
とし、少数株主の不利益とならないよう十分留意いたします。
」と記載しており、支配株主との取
引等を行う際には特定の株主を利する取引とならないよう十分に配慮することとしております。
エス・ディー・エス バイオテックは、本株式交換を検討するに当たり、上記3.
(4)
「公正性
を担保するための措置」及び3.
(5)
「利益相反を回避するための措置」のとおり、その公正性を
担保し、利益相反を回避するための各措置を講じており、本株式交換も特定の株主を利する取引
にならないよう十分に配慮しており、これらの対応はコーポレート・ガバナンス報告書の記載内
容に適合していると考えております。
(2)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置に関する事項
上記(1)
「支配株主との取引等の該当性及び少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況」
のとおり、本株式交換は、エス・ディー・エス バイオテックにとって支配株主との取引等に該当
することから、エス・ディー・エス バイオテックは、構造的な利益相反や情報の非対称性の問題
19
に対処するため、公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が必要である
と判断し、その取締役会において、本株式交換に関する諸条件について慎重に協議・検討し、さら
に上記3.
(4)
「公正性を担保するための措置」及び3.
(5)
「利益相反を回避するための措置」
に記載の措置を講じることにより、公正性を担保し、利益相反を回避したうえで判断しておりま
す。
(3)当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のな
い者から入手した意見の概要
エス・ディー・エス バイオテックは、上記3.
(5)
「利益相反を回避するための措置」のとお
り、本株式交換に係るエス・ディー・エス バイオテックの意思決定に慎重を期し、また、エス・
ディー・エス バイオテック取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除
し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本株式交換を行う旨の決定をするこ
とがエス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利益なものでないことを確認するこ
とを目的として、本特別委員会を設置し、本諮問事項について、諮問いたしました。
その結果、本特別委員会から、2021 年5月 10 日付で、大要以下のとおりの内容の答申書を受領
いたしました。
① 本株式交換の目的の正当性について
(ⅰ)出光興産においては、同社に係る事業環境の変化の中で、より大きな視点から出光興産グ
ループ全体を俯瞰して中長期的に持続可能な成長を遂げるために、出光興産グループにおける具
体的な施策の検討及び実施が喫緊の課題である中、2011 年6月に出光興産の公開買付けによるエ
ス・ディー・エス バイオテックの連結子会社化以降、両社が連携して施策実行、研究開発、海外
資本参加をはじめ販売、人事交流に至るまで多くの取組みを共同で行ってきたが、これらの取組
みを通じ、両社共同による生物農薬の新原体開発や出光興産の販売子会社等を通じたエス・ディ
ー・エス バイオテックの製品拡販等の一定の成果は得られたものの、それぞれが独立した上場企
業として行う連携には限界があったことは否定できず、現在の状況では、エス・ディー・エス バ
イオテックとのノウハウ・人材・開発戦略・資金力等の機動的な相互活用による出光興産グループ
全体の企業価値の向上を最優先とした事業戦略の策定や両社間の協働施策を実施するに当たって
の迅速な意思決定において制約があること、及び、エス・ディー・エス バイオテックの中長期的
な視野に立った成長投資等の実施に当たり、少数株主の利益への配慮も必要になること等が両社
の連携を制限する大きな要因となっていたこと、
(ⅱ)エス・ディー・エス バイオテックは、事業
環境の変化に伴い、現在の主力製品を含む化学農薬事業の拡大に止まらず、生物農薬を含む作物
保護製品事業全体の強化と深化を中長期的に推進することがこれまで以上に重要になってきてい
るとの認識のもと、ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくことが必要で
あること、
(ⅲ)ビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化を図っていくためには、積極的
な研究開発や作物保護製品全体の強化に向けた投資が必要であるところ、自社のみでこれらを実
施していく場合には、投資規模によっては自社の企業規模を踏まえると実現が困難である場合が
あるほか、投資を実施した場合でも必ずしも所期の成果を発揮できるとは限らず、短期的な財務
20
状況の悪化の可能性を伴う等、資本市場による評価を得られず、株価の下落を招来する結果とな
り、エス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利益を与えてしまう可能性も否定で
きないことから、単独でのこれらの施策の実施には限界があること、
(ⅳ)エス・ディー・エス バ
イオテックにおいては、
(a)出光興産の完全子会社となった場合、資本関係に起因する制約がなく
なることにより、出光興産からこれまでよりも積極的なサポートを受けられる体制が整備される
ことになり、今後の課題として認識している作物保護製品全体の強化に向けた投資に対する出光
興産からの資金支援や、出光興産が取り組む先進技術のエス・ディー・エス バイオテックの研究
開発への活用、生物農薬関連事業の拡大、出光興産のコーポレート機能の活用等を期待でき、ま
た、
(b)少数株主が存在することに起因する利益相反の問題が解消されることで、短期的な利益の
創出を必ずしも求められなくなるため、より中長期的な視野に立った積極的な成長戦略の実行、
すなわち、積極的なビジネスポートフォリオの変革と企業体質の強化に向けた具体的な施策の実
行が可能になり、加えて、
(c)エス・ディー・エス バイオテックとして上場維持に要するコスト
が削減され、当該資金を成長投資に振り向けることもできるようになり、これらが相重なること
で、厳しい事業環境においても、エス・ディー・エス バイオテックの企業価値をより着実に向上
させられると考えられ、さらに、
(d)出光興産の完全子会社となり、非公開化することによって、
一般的には、資本市場を通じた資金調達を実施できなくなることや上場企業というブランドを失
うことに伴う採用活動等への影響といったデメリットが想定されるものの、出光興産の完全子会
社として出光興産による資金支援が期待できる等、財務基盤が強化されること、また、上場企業で
ある出光興産を親会社とする出光興産グループであることには変わりなく、採用活動等への影響
は大きなものではないと考えられることを踏まえれば、出光興産の完全子会社となることで、こ
れに伴うデメリット以上のメリットを享受できると考えられることといった本株式交換の意義及
び目的には、いずれも不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認められることから、本株式交換
はエス・ディー・エス バイオテックの企業価値向上を目的として行われるものであるといえ、本
株式交換の目的は正当であると判断する。
② 本株式交換に係る交渉過程の手続の公正性
(ⅰ)エス・ディー・エス バイオテックは、本株式交換について検討するに当たって、エス・
ディー・エス バイオテック及び出光興産から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三
者算定機関であるみずほ証券並びにリーガル・アドバイザーである TMI 総合法律事務所をそれぞ
れ選任し、さらに、エス・ディー・エス バイオテックの独立社外取締役(監査等委員)2名及び
独立した外部有識者1名からなる本特別委員会を設置し、本株式交換を検討するための体制を構
築したうえで、エス・ディー・エス バイオテックは、みずほ証券及び TMI 総合法律事務所から助
言・意見等を得ながら、エス・ディー・エス バイオテックの企業価値向上の観点から、本株式交
換対価を含む本株式交換の買付条件の妥当性及び本株式交換の一連の手続の公正性といった点に
ついて慎重に検討及び協議を行っていること、
(ⅱ)エス・ディー・エス バイオテックは、本株式
交換対価について、真摯な協議・交渉を出光興産との間で複数回にわたって行っていること、
(ⅲ)
本株式交換に係る交渉過程においては、エス・ディー・エス バイオテックに対する対抗的な買収
提案の機会の確保に向けた積極的な措置(積極的なマーケット・チェック)は特段実施されていな
21
いが、出光興産がエス・ディー・エス バイオテックの総株主に係る議決権の総数の3分の2以上
に相当する議決権を保有していることからすれば、仮に積極的なマーケット・チェックを実施し
たとしてもその実効性は乏しく、積極的なマーケット・チェックが実施されていないことは、本株
式交換に係る交渉過程の手続の公正性を損なうものではないと考えられること、
(ⅳ)エス・ディ
ー・エス バイオテックを代表して本株式交換を検討・交渉する取締役には、本株式交換に特別な
利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本株式交換に係る協議、検討及び交渉の過程で、
出光興産その他の本株式交換に特別な利害関係を有する者がエス・ディー・エス バイオテック側
に不当な影響を与えたことを推認させる事実は存在しないことといった点を踏まえれば、本株式
交換に係る交渉過程の手続は公正であると判断する。
③ 本株式交換の取引条件の妥当性について
(ⅰ)みずほ証券より取得した株式価値に関する算定書の株式価値評価算定方法等の内容につ
いては不合理な点はなく、また、その前提となっているエス・ディー・エス バイオテック作成の
事業計画の作成過程及び内容等についても不合理な点は認められないところ、本株式交換対価
1,440 円は、みずほ証券による株式価値評価を踏まえると、市場株価基準法の算定結果の上限値を
超え、かつ、DCF 法の算定結果の範囲内であってその中間値を超える金額であること、(ⅱ)本株
式交換対価 1,440 円は、2021 年5月 10 日の東京証券取引所におけるエス・ディー・エス バイオ
テック株式の株価終値 1,251 円に対して、15.1%、過去1か月間(2021 年4月 12 日から 2021 年
5月 10 日)の株価終値単純平均値 1,171 円に対して 23.0%、過去3か月間(2021 年2月 12 日か
ら 2021 年5月 10 日)の株価終値単純平均値 1,050 円に対して 37.1%、過去6か月間(2020 年 11
月 11 日から 2021 年5月 10 日)の株価終値単純平均値 989 円に対して 45.6%のプレミアムをそ
れぞれ加えた金額となっているとのことであり、かかるプレミアムの水準は、国内上場企業の支
配株主による完全子会社化を目的とした、近時の取引事例におけるプレミアム水準に照らしても、
不合理な水準とは認められないこと、
(ⅲ)上記②のとおり、本株式交換対価を含む本株式交換に
係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本株式交換対価は、かかる交渉の結果も
踏まえて決定されたものであると認められること、
(ⅳ)国内上場企業の支配株主による完全子会
社化を目的とした、近時の取引事例においては、その取引の手法として、いわゆる二段階買収によ
る方法(公開買付けを実施した後、その後、公開買付けの買収者が保有する議決権割合に応じて株
式等売渡請求又は株式併合等の方法を用いて、対象となる会社を完全子会社化する買収方法)が
採用される場合が多く、現金対価による株式交換を採用する実例は少数であるものの、
(a)出光興
産は、エス・ディー・エス バイオテックの総株主に係る議決権の総数の3分の2以上に相当する
議決権を保有しており、仮に二段階買収の方法を採用したとしても、公開買付けに係る買付予定
の株券等の数に下限を設定しない限り、出光興産によるエス・ディー・エス バイオテックの完全
子会社化を実現できることが確実な状況にあることからすれば、あえて公開買付けとその後の完
全子会社化の手続に分けて実施することが必ずしも必要とはいえないと考えられることや、(b)
仮に、出光興産が二段階買収の方法を採用し、公開買付けに係る買付予定の株券等の数にいわゆ
るマジョリティオブマイノリティに相当する下限(少数株主の過半数による公開買付けへの応募
を要する水準の下限)を設定すると、すでにエス・ディー・エス バイオテックの総株主に係る議
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決権の総数の3分の2以上に相当する議決権を保有していることから、公開買付けの下限が高水
準となり、取引実行の安定性が阻害されるおそれがあり、完全子会社化に賛成する少数株主への
現金化の機会を奪うことになり得ること等を踏まえれば、本株式交換(現金対価による株式交換)
による方法を採用したとしても、二段階買収による方法に比して、格別にエス・ディー・エス バ
イオテックの少数株主に不利益な手法であるとまではいえず、不合理なものとは認められないこ
と、
(ⅴ)現金対価を選択した理由として出光興産及びエス・ディー・エス バイオテックからなさ
れた上記「3.本株式交換に係る割当ての内容の根拠等」 「
の (1)割当ての内容の根拠及び理由」
の内容の説明に不合理な点は認められず、一定のプレミアムの付された合理的な価額であること
を前提としつつ、換価を要しないという意味においてより対価としての確実性とわかり易さを備
える現金対価によることが、株式対価による方法に比してエス・ディー・エス バイオテックの少
数株主にとって不利益であるとは認められないことといった点を踏まえれば、本株式交換により
エス・ディー・エス バイオテックの少数株主に交付される対価を含む本株式交換の取引条件は妥
当であると判断する。
④ 本株式交換がエス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利益であるか否かにつ
いて
上記①乃至③その他の事項を踏まえると、エス・ディー・エス バイオテックの取締役会が本株
式交換の実施を決定することはエス・ディー・エス バイオテックの少数株主にとって不利益なも
のではない。
以 上
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(参考)当期業績予想及び前期実績
出光興産の当期業績予想及び前期実績(当期業績予想は 2021 年5月 11 日公表分) (単位:百万円)
親会社株主に帰属
連結売上高 連結営業利益 連結経常利益
する当期純利益
当期業績予想
5,680,000 135,000 140,000 85,000
(2022 年3月期)
前期実績
4,556,620 140,062 108,372 34,920
(2021 年3月期)
エス・ディー・エス バイオテックの前期実績 (単位:百万円)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
前期実績
11,999 1,238 1,848 1,371
(2021 年3月期)
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