4911 資生堂 2021-11-10 15:00:00
2021年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]
2021年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年11月10日
上 場 会 社 名 株式会社資生堂 上場取引所 東
コ ー ド 番 号 4911 URL https://corp.shiseido.com/jp
代 表 者 (役職名) 代表取締役 社長 兼 CEO (氏名) 魚谷 雅彦
問合せ先責任者 (役職名) IR部長 (氏名) 北川 晴元 (TEL) 03-3572-5111
四半期報告書提出予定日 2021年11月11日 配当支払開始予定日 ―
四半期決算補足説明資料作成の有無 :有
四半期決算説明会開催の有無 :有 (投資家・アナリスト等向け )
(百万円未満切捨て)
1.2021年12月期第3四半期の連結業績(2021年1月1日~2021年9月30日)
(1)連結経営成績(累計) (%表示は、対前年同四半期増減率)
親会社株主に帰属
売上高 営業利益 経常利益
する四半期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年12月期第3四半期 745,373 14.0 26,253 194.8 29,677 433.0 36,757 ―
2020年12月期第3四半期 653,675 △22.8 8,906 △91.4 5,568 △94.5 △13,668 ―
(注) 包括利益 2021年12月期第3四半期 63,502百万円( ―%) 2020年12月期第3四半期 △14,544百万円( ―%)
潜在株式調整後
1株当たり
1株当たり
四半期純利益
四半期純利益
円 銭 円 銭
2021年12月期第3四半期 92.01 91.93
2020年12月期第3四半期 △34.22 ―
(2)連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率
百万円 百万円 %
2021年12月期第3四半期 1,182,114 550,309 44.7
2020年12月期 1,204,229 506,593 40.2
(参考) 自己資本 2021年12月期第3四半期 528,773百万円 2020年12月期 484,289百万円
2.配当の状況
年間配当金
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭
2020年12月期 ― 20.00 ― 20.00 40.00
2021年12月期 ― 20.00 ―
2021年12月期(予想) 30.00 50.00
(注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無
3.2021年12月期の連結業績予想(2021年1月1日~2021年12月31日)
(%表示は、対前期増減率)
親会社株主に帰属 1株当たり
売上高 営業利益 経常利益
する当期純利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 1,044,000 13.4 32,000 113.9 33,500 247.6 30,000 ― 75.10
(注) 直近に公表されている業績予想からの修正の有無 : 有
※ 注記事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用 : 無
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 無
④ 修正再表示 : 無
(4)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年12月期3Q 400,000,000株 2020年12月期 400,000,000株
② 期末自己株式数 2021年12月期3Q 512,291株 2020年12月期 534,198株
③ 期中平均株式数(四半期累計) 2021年12月期3Q 399,477,665株 2020年12月期3Q 399,456,586株
※ 四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
当資料の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、資生堂の将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。こ
れらの将来予測には、リスクや不確定な要素が含まれており、実際の業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があり
ます。業績予想の前提となる仮定及び業績予想のご利用にあたっての注意事項については、【添付資料】6ページ「1.当
四半期決算に関する定性的情報(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
○添付資料の目次
1. 当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………… 2
(1) 経営成績に関する説明 ………………………………………………………………………………… 2
(2) 財政状態に関する分析 ………………………………………………………………………………… 5
(3) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 …………………………………………………… 6
2. 四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………… 8
(1) 四半期連結貸借対照表 ………………………………………………………………………………… 8
(2) 四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ……………………………………………10
(3) 四半期連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………12
(継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………………12
(追加情報) ………………………………………………………………………………………………12
(四半期連結損益計算書関係) …………………………………………………………………………13
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) ………………………………………………14
(企業結合等関係) ………………………………………………………………………………………15
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1) 経営成績に関する説明
親会社株主に
帰属する
売上高 営業利益 経常利益 四半期純利益 EBITDA
又は
(百万円) (百万円) (百万円) 四半期純損失 (百万円)
(百万円)
2021 年 12 月期
745,373 26,253 29,677 36,757 142,576
第 3 四半期
2020 年 12 月期
653,675 8,906 5,568 △13,668 43,400
第 3 四半期
増減率 14.0% 194.8% 433.0% ― 228.5%
外貨増減率 10.2%
実質増減率 13.4%
(注) 1 EBITDA は、特別損失に計上した「新型コロナウイルス感染症による損失」に含まれる減価償却費及び「減損損失」を含めています。
2 売上高における実質増減率は第 3 四半期連結会計期間のパーソナルケア事業譲渡影響を除いて計算しています。
当第 3 四半期連結累計期間(2021 年 1 月 1 日~2021 年 9 月 30 日)の景況感は、新型コロナウイルス感染症の
感染拡大によりグローバルで経済活動が停滞し、企業収益や雇用情勢の悪化等による消費マインドの低下など、
厳しい状況が続きました。国内化粧品市場は、緊急事態宣言による小売店の時短営業や外出自粛等による来店客
数減に加え、訪日外国人旅行者の減少に伴いインバウンド需要も影響を受けました。海外化粧品市場は、全体と
しては新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続しているものの、ワクチン接種の普及が進み、欧米を中心に
厳しい状況が続いていたメイクアップカテゴリーを含め回復基調となりました。
資生堂グループは、当期より中長期経営戦略 WIN 2023 and Beyond をスタートさせ、プレミアムスキンビュー
ティー領域をコア事業とする抜本的な経営改革を実行しています。外部環境が急激に変化する中、これまでの売
上拡大による成長重視から、収益性とキャッシュ・フロー重視の戦略へと転換し、スキンビューティーカンパニ
ーとしての基盤を構築します。
当期は、WIN 2023 実現に向けた“変革と次への準備”の年であり、With/After コロナへの対応・準備をしな
がら、事業ポートフォリオの再構築を中心とした構造改革、財務基盤の強化に取り組んでいます。
当第 3 四半期連結累計期間の売上高は、日本を除いた全ての地域で成長し、現地通貨ベースで前年比 10.2%
増、円換算後では前年比 14.0%増の 7,454 億円となりました。パーソナルケア事業譲渡影響等を除く実質ベー
スでは、前年比 13.4%増となりました。注力しているスキンビューティーブランドが成長をけん引し、E コマー
スもプレステージを中心に引き続き伸長しました。
営業利益は、売上増に伴う差益増に加え、適切なコストマネジメントなどにより、前年比 194.8%増の 263 億
円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失として「DOLCE&GABBANA」に係る商標権の減損損失及び
「bareMinerals」「BUXOM」「Laura Mercier」の事業譲渡に伴うのれんの減損損失を計上した一方、営業増益及
、 、
びパーソナルケア事業譲渡に伴う特別利益計上等により、前年に対し 504 億円増益の 368 億円となりました。
なお、EBITDA ベースでは 19.1%のマージンとなりました。
当第 3 四半期連結累計期間における財務諸表項目 (収益及び費用) の主な為替換算レートは、 米ドル=108.7
1
円、1 ユーロ=129.9 円、1 中国元=16.8 円です。
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
【連結】 (単位:百万円)
当期 前期
外貨 実質
区 分 第 3 四半期 構成比 第 3 四半期 構成比 増 減 増減率
増減率 増減率
(累計) (累計)
売 日本事業 210,277 28.2% 226,815 34.7% △16,538 △7.3% △7.3% △2.2%
上 中国事業 190,892 25.6% 155,030 23.7% 35,862 23.1% 14.3% 25.1%
高 アジアパシフィック事業 48,142 6.5% 43,277 6.6% 4,864 11.2% 5.4% 6.3%
米州事業 89,775 12.0% 65,846 10.1% 23,929 36.3% 34.3% 34.3%
欧州事業 79,470 10.7% 60,241 9.2% 19,228 31.9% 22.8% 22.6%
トラベルリテール事業 88,624 11.9% 75,573 11.6% 13,051 17.3% 15.5% 15.5%
プロフェッショナル事業 11,351 1.5% 9,020 1.4% 2,330 25.8% 21.4% 21.4%
その他 26,839 3.6% 17,869 2.7% 8,970 50.2% 49.6% 4.4%
合 計 745,373 100.0% 653,675 100.0% 91,698 14.0% 10.2% 13.4%
(単位:百万円) (参考)
セグメント間の内部売上高
当期 前期 又は振替高を含めた売上高
区 分 第 3 四半期 売上比 第 3 四半期 売上比 増 減 増減率 当期 前期
第 3 四半期 第 3 四半期
(累計) (累計)
(累計) (累計)
営 日本事業 8,627 3.7% 2,989 1.2% 5,637 188.6% 233,057 248,072
業 中国事業 △7,562 △3.9% 11,373 7.3% △18,936 ― 191,662 155,695
利 アジアパシフィック事業 3,448 6.9% 2,136 4.8% 1,311 61.4% 49,887 44,958
益 米州事業 △9,672 △8.7% △19,999 △24.6% 10,327 ― 110,845 81,255
又 欧州事業 2,328 2.7% △8,503 △12.7% 10,832 ― 86,540 66,882
は トラベルリテール事業 14,910 16.8% 12,001 15.8% 2,909 24.2% 88,943 75,771
損 プロフェッショナル事業 1,063 9.0% 268 2.8% 795 296.5% 11,809 9,474
失 その他 21,929 13.5% 13,544 10.0% 8,384 61.9% 162,206 135,282
小 計 35,072 3.8% 13,810 1.7% 21,261 153.9% 934,952 817,394
調整額 △8,818 ― △4,903 ― △3,914 ― △189,578 △163,719
合 計 26,253 3.5% 8,906 1.4% 17,346 194.8% 745,373 653,675
(注) 1 当第 1 四半期連結会計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「米州事業」に計上していたデジタル戦
略に係るグローバルサービス機能の業績を「その他」に計上しています。また、「その他」に計上していたサプライネットワーク機
能の一部の業績等を「日本事業」へ計上しています。なお、前第 3 四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分
方法により作成したものを記載しています。
2 従来「日本事業」「中国事業」及び「アジアパシフィック事業」に計上していた各地域販売子会社のパーソナルケア事業に係る売上
、
高は、パーソナルケア事業の譲渡及び商流変更に伴い、2021 年 7 月 1 日以降、一部を除き発生していません。一方で、当社及び当
社製造子会社による株式会社ファイントゥデイ資生堂及びその関係会社への売上は同日以降「その他」に計上しています。
3 売上高における実質増減率は第 3 四半期連結会計期間のパーソナルケア事業譲渡影響を除いて計算しています。
4 「その他」は、本社機能部門、㈱イプサ、資生堂美容室㈱、生産事業及び飲食業などを含んでいます。
5 営業利益又は営業損失における売上比は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高に対する比率です。
6 営業利益又は営業損失の調整額は、主にセグメント間の取引消去の金額です。
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
各報告セグメントの概況は次のとおりです。
【日本事業】
日本事業では、コロナ禍で変化したお客さまニーズを捉え、 スキンビューティー領域への戦略的投資を強化し、
ベースメイクやサンケアのカテゴリーにおいてシェアを拡大しました。また、ライブコマースや Web カウンセリ
ングを強化するなど、得意先と協働して店頭とオンラインの融合に取り組み、多くのお客さまとの接点を創出し
ました。これらにより、E コマース売上は 2 桁成長しました。一方、緊急事態宣言による小売店の時短営業や外
出自粛等による来店客数減に加え、訪日外国人旅行者の減少により、インバウンド需要も影響を受けました。
以上のことから、売上高は前年比 7.3%減の 2,103 億円となりました。パーソナルケア事業譲渡影響を除く実
質ベースでは、前年比 2.2%減となりました。営業利益は、上期の海外向け輸出事業の売上増に伴う差益増に加
え、コスト効率化等に取り組み、前年比 188.6%増の 86 億円となりました。
【中国事業】
中国事業では、7 月以降の記録的豪雨や、主要都市を中心とした新型コロナウイルス変異株の拡大に伴い、店
舗の一部閉鎖及び来店客数減少等の影響を受けましたが、投資を強化している E コマースは好調に推移しまし
た。また、「クレ・ド・ポー ボーテ」や「NARS」などプレステージブランドへの戦略的投資を継続することで高
価格帯領域においてシェアを拡大しました。
以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 14.3%増、円換算後では前年比 23.1%増の 1,909 億円と
なりました。パーソナルケア事業譲渡影響を除く実質ベースでは、 前年比 25.1%増となりました。営業損失は、
一部、原価悪化に加え、パーソナルケア事業譲渡影響等により前年に対し 189 億円減益の 76 億円となりました。
【アジアパシフィック事業】
アジアパシフィック事業では、一部の国・地域で新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの影響が
続きましたが、当社はタイなど主要マーケットでプレステージを中心にシェアを拡大したほか、各地域の主要 E
コマースプラットフォーマーへの展開強化により、E コマース売上は「SHISEIDO」や「NARS」などのプレステー
ジブランドが飛躍的に成長しました。
以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 5.4%増、円換算後では前年比 11.2%増の 481 億円となり
ました。パーソナルケア事業譲渡影響を除く実質ベースでは、前年比 6.3%増となりました。営業利益は、売上
増に伴う差益増などにより、前年比 61.4%増の 34 億円となりました。
【米州事業】
米州では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いていますが、ワクチン接種の普及に伴い、回復が遅れて
いたメイクアップを含め化粧品市場のモメンタムが改善しました。その中で、 「Drunk Elephant」は店舗数を拡
大したほか、 「NARS」はバーチャル新店舗をオープンさせるなどデジタルマーケティングを強化しシェアを拡大
しました。また、プロモーションを強化した「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」に加え、フレグランス
も好調に推移しました。
以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 34.3%増、円換算後では前年比 36.3%増の 898 億円とな
り、2019 年対比では新型コロナウイルス感染拡大前を上回る水準(2019 年 ASC606 影響を除く)まで回復しまし
た。営業損失は、売上増に伴う差益増に加え、販売事業での固定費削減による収益性改善が寄与したことなどに
より、前年に対し 103 億円改善の 97 億円となりました。
【欧州事業】
欧州では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いていますが、ワクチン接種の普及に伴い、スキンケアや
フレグランスを中心に市場は回復基調となりました。 その中で、 「クレ・ド・ポー ボーテ」 「Drunk Elephant」
や
の展開拡大に加え、オンラインカウンセリングやデジタルプロモーションの強化により E コマース売上が引き
続き大きく伸長するなど、需要回復を捉え確実に成長しました。
以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 22.8%増、円換算後では前年比 31.9%増の 795 億円とな
りました。また、2019 年対比で新型コロナウイルス感染拡大前と同程度の水準まで回復しました。 営業利益は、
売上増に伴う差益増に加え、販売事業での収益性改善が寄与したほか、デジタルメディア投資強化に伴う費用効
率化や固定費削減等により、前年に対し 108 億円改善の 23 億円となり、黒字に転換しました。
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
【トラベルリテール事業】
トラベルリテール事業(空港・市中免税店等での化粧品・フレグランスの販売)は、引き続き国際線の大幅減
便に伴うグローバルでの旅行者減少等の影響を受けました。中国海南島では、新型コロナウイルス変異株拡大に
伴うフライトの減便等、移動制限の影響を受けたものの、E コマース売上は大きく成長しました。また、主要ブ
ランドの店舗数の拡大やプロモーションの強化などにより、アジアを中心に前年を上回る成長となりました。
以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 15.5%増、円換算後では前年比 17.3%増の 886 億円とな
りました。営業利益は、売上増に伴う差益増などにより、前年比 24.2%増の 149 億円となりました。
【プロフェッショナル事業】
プロフェッショナル事業は、ヘアサロン向けのヘアケア、スタイリング剤、ヘアカラー剤やパーマ剤などの技
術商材を日本、中国、アジアパシフィックで販売しています。当期は、一部の国・地域では新型コロナウイルス
の感染拡大の影響が続きましたが、ヘアサロンへの来店客数の回復や E コマースでのプロモーション強化など
により、売上高は現地通貨ベースで前年比 21.4%増、円換算後では前年比 25.8%増の 114 億円となりました。
営業利益は、売上増に伴う差益増などにより、前年比 296.5%増の 11 億円となりました。
(2) 財政状態に関する分析
① 資産、負債、及び純資産の状況
総資産は、工場設備等への投資により有形固定資産が増加した一方、DOLCE&GABBANA S.R.L.とのライセンス契
約解消に伴う商標権の減少に加え、メイクアップブランド譲渡に伴うのれんの減損損失影響などにより、前連結
会計年度末に比べ 221 億円減の 1 兆 1,821 億円となりました。負債は、上記契約解消に伴う長期未払金の減少に
加え、借入金の返済を進めたことなどにより、658 億円減の 6,318 億円に、純資産は、利益剰余金及び為替換算
調整勘定の増加などにより 437 億円増の 5,503 億円となりました。
また、自己資本に対する純有利子負債の割合を示す Net D/E レシオは 0.14 倍となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当第 3 四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上増に伴う差益増及び徹底したコスト
マネジメントによる税金等調整前当期純利益の増加等により 704 億円の収入となりました。投資活動によるキャ
ッシュ・フローは、パーソナルケア事業譲渡等に伴う収入により、617 億円の収入となりました。以上により、
フリー・キャッシュ・フローは 1,321 億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、上記事業譲渡から得られた資金により有利子負債の返済等を進めたこと
で、1,217 億円の支出となりました。以上により、当第 3 四半期連結累計会計期間末の現金及び現金同等物残高
は期首に対し、162 億円増の 1,525 億円となりました。
連結キャッシュ・フロー計算書(要約) (単位:億円)
区 分 金額
現金及び現金同等物期首残高 1,363
営業活動によるキャッシュ・フロー 704
投資活動によるキャッシュ・フロー 617
財務活動によるキャッシュ・フロー △1,217
現金及び現金同等物に係る換算差額 58
現金及び現金同等物純増額 162
現金及び現金同等物期末残高 1,525
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(3) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021 年 5 月 12 日に公表した通期連結業績予想を下記のとおり修正します。
2021 年 12 月期の通期連結業績予想は、新型コロナウイルスのワクチン接種拡大に伴う緩やかな市場回復を前
提としながら、先日公表した事業譲渡など構造改革及び為替影響を織り込み、前回公表した業績予想から修正し
ました。具体的には、ワクチン接種拡大に伴い 2019 年の売上水準まで回復している欧米事業を中心に上方修正す
る一方、緊急事態宣言による影響を大きく受けた日本事業の見通しを下方修正するほか、中国における同ウイル
スの変異株拡大・天候不良等のマイナス影響を織り込みました。さらに、メイクアップブランド
「bareMinerals」「BUXOM」「Laura Mercier」の事業譲渡(2021 年 12 月上旬譲渡予定)及び移行サービス契約
、 、
等に基づく売上高、営業利益影響を織り込みました。
以上のことから、売上高は 230 億円減額し1兆 440 億円となる一方、営業利益は、市場の変化に合わせて徹底
したコスト効率化を進めたことなどから 50 億円増額し 320 億円となる見込みです。親会社株主に帰属する当期純
利益については、営業増益及び税金費用改善の一方、上記メイクアップブランドの事業譲渡に伴うのれんの減損
損失を特別損失として 73 億円計上したことなどから、前回予想を 55 億円減額し 300 億円となる見込みです。な
お、今回織り込んだ一連の構造改革費用を除く親会社に帰属する当期純利益は、前回予想から実質 110 億円上方
修正の 465 億円となる見込みです。為替レートは、通期平均 1 米ドル=110 円、1 ユーロ=130 円、1 中国元=17
円を前提としています。
詳細は、 「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」及び決算説明資料をご覧ください。
https://corp.shiseido.com/jp/ir/library/tanshin/
2021 年 12 月期 通期連結業績予想(2021 年 1 月 1 日~2021 年 12 月 31 日)
親会社株主に
1 株当たり
帰属する
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益又は
当期純利益又は
当期純損失(△)
当期純損失(△)
百万円 百万円 百万円 百万円 円 銭
前回発表予想(A) 1,067,000 27,000 27,000 35,500 88.87
今回修正予想(B) 1,044,000 32,000 33,500 30,000 75.10
増減額(B-A) △23,000 5,000 6,500 △5,500
増減率(%) △2.2% 18.5% 24.1% △15.5%
前期実績(2020 年 12 月期) 920,888 14,963 9,638 △11,660 △29.19
-6-
㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
【参考情報】各報告セグメント別連結売上高予想
各報告セグメント別の通期連結業績予想は以下のとおりです。
通期連結売上高 (単位:億円)
今回修正 前年比 外貨 実質 前回発表 前回差 前期実績
区 分
予想(B) (B/C-1) 前年比 前年比 予想(A) (B-A) (C)
日本事業 2,800 △7.6% △8% △0% 3,250 △450 3,030
中国事業 2,815 +19.4% +10% +23% 2,825 △10 2,358
アジアパシフィック事業 640 +8.2% +5% +5% 645 △5 592
米州事業 1,210 +32.4% +28% +31% 1,165 45 914
欧州事業 1,165 +23.5% +16% +17% 1,060 105 943
トラベルリテール事業 1,200 +21.8% +17% +17% 1,065 135 985
プロフェッショナル事業 145 +13.9% +14% +14% 145 ― 128
その他 465 +79.3% +79% △2% 515 △50 259
合 計 10,440 +13.4% +9% +13% 10,670 △230 9,209
(注) 1 従来「日本事業」「中国事業」及び「アジアパシフィック事業」に計上していた各地域販売子会社のパーソナルケア事業に係る売上
、
高は、パーソナルケア事業の譲渡及び商流変更に伴い、2021 年 7 月 1 日以降、一部を除き発生していません。一方で、当社及び当
社製造子会社による株式会社ファイントゥデイ資生堂及びその関係会社への売上は同日以降「その他」に計上しています。
2 実質前年比は第 3 四半期連結会計期間以降のパーソナルケア事業譲渡及びメイクアップブランドの事業譲渡影響を除いて計算して
います。
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
2. 四半期連結財務諸表及び主な注記
(1) 四半期連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当第3四半期連結会計期間
(2020年12月31日) (2021年9月30日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 130,013 160,895
受取手形及び売掛金 144,728 156,690
有価証券 21,000 6,000
たな卸資産 170,031 148,979
その他 52,634 50,013
貸倒引当金 △3,644 △4,353
流動資産合計 514,763 518,226
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物 251,762 256,718
減価償却累計額 △103,831 △110,332
建物及び構築物(純額) 147,931 146,385
機械装置及び運搬具 118,883 127,360
減価償却累計額 △63,344 △68,249
機械装置及び運搬具(純額) 55,538 59,110
工具、器具及び備品 102,657 109,492
減価償却累計額 △60,680 △68,985
工具、器具及び備品(純額) 41,976 40,506
土地 44,605 46,432
リース資産 10,671 11,151
減価償却累計額 △5,251 △4,908
リース資産(純額) 5,420 6,242
使用権資産 29,133 38,143
減価償却累計額 △10,870 △15,575
使用権資産(純額) 18,262 22,568
建設仮勘定 27,308 37,308
有形固定資産合計 341,044 358,555
無形固定資産
のれん 54,429 46,162
リース資産 403 326
商標権 131,636 73,541
その他 54,922 58,880
無形固定資産合計 241,392 178,911
投資その他の資産
投資有価証券 13,527 12,192
長期前払費用 14,125 12,902
繰延税金資産 42,501 73,318
その他 37,015 28,038
貸倒引当金 △140 △30
投資その他の資産合計 107,029 126,421
固定資産合計 689,466 663,888
資産合計 1,204,229 1,182,114
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当第3四半期連結会計期間
(2020年12月31日) (2021年9月30日)
負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 21,187 24,646
電子記録債務 55,740 41,343
短期借入金 56,491 9,901
1年内返済予定の長期借入金 10,730 730
1年内償還予定の社債 - 15,000
リース債務 8,344 10,078
未払金 75,695 77,966
未払法人税等 7,374 44,278
返品調整引当金 6,227 2,807
返金負債 10,518 11,268
賞与引当金 15,024 29,816
役員賞与引当金 165 160
危険費用引当金 545 368
事業撤退損失引当金 725 600
構造改革引当金 - 5,358
その他 84,208 83,669
流動負債合計 352,977 357,996
固定負債
社債 65,000 50,000
長期借入金 167,861 136,280
リース債務 15,872 19,619
長期未払金 52,968 4,617
退職給付に係る負債 27,189 25,047
債務保証損失引当金 350 350
繰延税金負債 2,944 1,761
その他 12,472 36,132
固定負債合計 344,658 273,809
負債合計 697,635 631,805
純資産の部
株主資本
資本金 64,506 64,506
資本剰余金 70,741 70,741
利益剰余金 339,817 360,499
自己株式 △2,455 △2,361
株主資本合計 472,610 493,386
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 3,054 2,667
為替換算調整勘定 5,257 28,325
退職給付に係る調整累計額 3,366 4,395
その他の包括利益累計額合計 11,678 35,387
新株予約権 1,399 1,082
非支配株主持分 20,905 20,452
純資産合計 506,593 550,309
負債純資産合計 1,204,229 1,182,114
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(2) 四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
四半期連結損益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日 (自 2021年1月1日
至 2020年9月30日) 至 2021年9月30日)
売上高 653,675 745,373
売上原価 166,326 187,226
売上総利益 487,349 558,147
販売費及び一般管理費 478,442 531,893
営業利益 8,906 26,253
営業外収益
受取利息 547 646
受取配当金 106 230
持分法による投資利益 206 -
受取家賃 492 431
補助金収入 2,637 3,310
為替差益 - 1,469
その他 954 1,336
営業外収益合計 4,945 7,424
営業外費用
支払利息 1,705 1,606
持分法による投資損失 - 130
為替差損 2,787 -
その他負債の利息 993 500
その他 2,796 1,762
営業外費用合計 8,283 4,000
経常利益 5,568 29,677
特別利益
固定資産売却益 489 535
事業譲渡益 - 72,693
持分変動利益 - 13,520
助成金等による収入 5,224 1,708
投資有価証券売却益 691 623
新株予約権戻入益 - 331
特別利益合計 6,404 89,412
特別損失
固定資産処分損 2,926 1,286
減損損失 - 26,233
構造改革費用 - 24,649
新型コロナウイルス感染症による損失 18,119 4,506
投資有価証券売却損 1 51
投資有価証券評価損 499 4
事業撤退損 937 -
特別損失合計 22,484 56,731
税金等調整前四半期純利益
△10,511 62,359
又は税金等調整前四半期純損失(△)
法人税、住民税及び事業税 2,801 55,701
法人税等調整額 △891 △31,701
法人税等合計 1,910 24,000
四半期純利益又は四半期純損失(△) △12,421 38,358
非支配株主に帰属する四半期純利益 1,247 1,601
親会社株主に帰属する四半期純利益
△13,668 36,757
又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
四半期連結包括利益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日 (自 2021年1月1日
至 2020年9月30日) 至 2021年9月30日)
四半期純利益又は四半期純損失(△) △12,421 38,358
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 △54 △393
為替換算調整勘定 △4,663 24,500
退職給付に係る調整額 2,589 1,036
持分法適用会社に対する持分相当額 6 0
その他の包括利益合計 △2,122 25,143
四半期包括利益 △14,544 63,502
(内訳)
親会社株主に係る四半期包括利益 △15,659 60,465
非支配株主に係る四半期包括利益 1,115 3,037
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(3) 四半期連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(追加情報)
プレステージメイクアップブランド「bareMinerals」、「BUXOM」及び「Laura Mercier」の譲渡
当社は、2021年8月26日(米国時間8月25日)、アメリカ地域本社であり当社連結子会社である
Shiseido Americas Corporation(本社所在地: 米国、デラウェア州、以下、「SAC」)を通じ、プレス
テージメイクアップブランド「bareMinerals」、「BUXOM」、「Laura Mercier」の3ブランドに関して、
プライベートエクイティファンドAdvent International Corporation(本社所在地: 米国、マサチュー
セッツ州、以下、「Advent」)が出資する法人に関連資産(SACの子会社株式を含む)を譲渡することに
ついて契約(以下、「本件契約」)を締結しました。
なお、フランスでの上記ブランドに関わる事業及び従業員のAdventへの移管に関する決定は、同国労
働法に基づき、従業員代表への情報提供及び協議プロセスの完了後に行われます。
1.事業分離の概要
(1)分離先企業の名称
AI Beauty Holdings Ltd. (Adventが出資する法人)
(2)分離する事業の内容
「bareMinerals」、「BUXOM」、「Laura Mercier」ブランド関連事業(SACの100%子会社で、
「bareMinerals」の日本での運営会社であるベアエッセンシャル株式会社の全株式を含む。)
(3)事業分離を行う主な理由
資生堂グループは中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」のもと、スキンビューティー領域をコ
ア事業とするなど事業構造を転換しながら、抜本的な経営改革を実行し、2030年までにこの領域に
おける世界No.1の企業になることを目指しています。新型コロナウイルス感染症の影響など外部環
境が急激に変化する中、2021年~2023年の3年間は、収益性とキャッシュ・フローを重視し、“スキ
ンビューティーカンパニー”としての基盤を盤石にするための取り組みを推進しています。
本戦略を推進し、ブランドの優先順位付け、ポートフォリオの最適化、及び競争優位性の強化を
行う中で、2010年に買収した「bareMinerals」、「BUXOM」、2016年に買収した「Laura Mercier」
のメイクアップ3ブランドについては、従業員の雇用を優先事項としながら、外部への事業譲渡を選
択することとしました。
(4)事業分離日
2021年12月上旬(予定)
(5)法的形式含む取引の概要
本件関連資産の譲渡対価は700百万米ドルです。
決済は、譲渡価額の一部350百万米ドルについて現金で行い、残りはセラーノート※(年限7年予
定)により繰延決済予定です。当社は上記資産譲渡に関連して、運転資本の調整と当初資金の拠出
等で90百万米ドルを譲渡先会社であるAI Beauty Holdings Ltd.に拠出します。
(※) デットファイナンスの一種。売主が一部融資を行う。
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
2.実施した会計処理の概要
事業分離日に「ASC805(企業結合)」に基づき、処理をする予定です。なお、本件契約締結に伴い、
当第3四半期連結会計期間において減損損失及び構造改革費用を特別損失に計上しています。詳細は
「(3) 四半期連結財務諸表に関する注記事項(四半期連結損益計算書関係)」をご参照ください。
3.分離する事業が含まれている報告セグメント
日本事業、中国事業、アジアパシフィック事業、米州事業、欧州事業、トラベルリテール事業
(四半期連結損益計算書関係)
事業譲渡益、持分変動利益
当第3四半期連結累計期間 (自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
パーソナルケア事業の譲渡に係るものです。詳細は「(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項(企業
結合等関係)」をご参照ください。
助成金等による収入
当第3四半期連結累計期間 (自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
主として新型コロナウイルス感染症に関連して各国政府及び自治体等から支給された、従業員の雇用
維持及び給料支給に対する助成金及び補助金等です。
減損損失
当第3四半期連結累計期間 (自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上しています。
当社グループでは、事業用資産において、事業区分をもとに、概ね独立したキャッシュ・フローを生
み出す最小の単位ごとにグルーピングを行っています。
減損損失
用途 場所 種類
(百万円)
フランス、パリ (注)1 商標権 15,576
計 15,576
米国、デラウェア (注)2 のれん 7,329
計 7,329
事業用資産
建物及び構築物 1,829
静岡県、掛川市 (注)3 機械装置 1,445
その他 51
計 3,326
合計 26,233
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(注) 1 当社の子会社であるBeauté Prestige International S.A.S.は、DOLCE&GABBANA S.R.L.との間でグロー
バルライセンス契約を締結していましたが、当契約を解消することについて合意しました(一部は労使
協議後確定)。当契約の解消に伴い、事業用資産として使用している資産のうち主たる資産である商標
権の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなったため、帳簿価額(関連負債控除後)を回収可能価
額まで減額し、当該減少額を特別損失に計上しています。なお、回収可能価額は使用価値により測定し
ており、関連負債控除後の使用価値を零と評価しています。
2 プレステージメイクアップブランド「bareMinerals」、「BUXOM」、「Laura Mercier」の3ブランドの
関連資産譲渡に係る契約の締結に伴い、該当事業に係る資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減
額し、当該減少額を特別損失に計上しています。なお、回収可能価額は正味売却価額により測定してお
り、契約に基づく譲渡価額により算定しています。
3 ヒアルロン酸の製造終了を意思決定したことに伴い、当社工場の当該事業に係る資産グループの帳簿価
額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を特別損失に計上しています。なお、回収可能価額は使用価
値により測定しており、零と評価しています。
構造改革費用
当第3四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
主にDOLCE&GABBANA S.R.L.とのグローバルライセンス契約の解消に伴う契約解消に係る費用や割増退
職金等18,323百万円、欧州での組織最適化に伴う割増退職金等3,434百万円、パーソナルケア事業譲渡に
伴う転籍一時金等1,240百万円、プレステージメイクアップブランド「bareMinerals」、「BUXOM」、
「Laura Mercier」の3ブランド譲渡に係るアドバイザリー費用等1,152百万円です。
新型コロナウイルス感染症による損失
当第3四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
主として各国政府要請に伴う感染拡大防止のため、従業員の店頭派遣を停止した期間及び工場の操業
度が低下した期間に対応する固定費等であり、内訳は次のとおりです。
従業員給与及び手当 3,758 百万円
工場及び店舗に係る固定費 747 百万円
計 4,506 百万円
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
該当事項はありません。
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(企業結合等関係)
パーソナルケア事業の譲渡
当社は、2021年7月1日付けで当社のパーソナルケア事業(以下、「対象事業」)を当社及び当社国内
子会社(資生堂ジャパン株式会社(以下、「SJ」)及び株式会社エフティ資生堂(以下、「旧FTS」))
から会社分割により株式会社ファイントゥデイ資生堂(以下、「新FTS」)に承継させ、新FTSの全株式
を株式会社Oriental Beauty Holding(以下、「OBH」)に譲渡しました。また、当社は2021年7月1日に
現物出資によりOBHの完全親会社である株式会社Asian Personal Care Holding の株式の35%相当を取得
しました。なお、2021年10月1日付けで OBHを存続会社、新FTSを消滅会社とする合併が行われ、合併後
のOBHの商号を株式会社ファイントゥデイ資生堂に変更しています。
また、2021年7月1日に当社中国子会社2社(資生堂(中国)投資有限公司及び資生堂化妆品制造有限公
司)、2021年9月1日に当社中国子会社1社(資生堂香港有限公司)及びアジアパシフィック子会社2社
(Shiseido Singapore Co., (Pte.) Ltd.、Shiseido Korea Co., Ltd.)は、対象事業の資産をOBHの関
係会社に譲渡しました。
上記取引に加え、正味運転資本の減少等を調整した後の、株式及び資産の譲渡対価合計は、143,174
百万円です。なお、この調整は、当年度に計上する事業譲渡益及び持分変動利益に影響はありません。
上記を除くアジアで対象事業を展開する当社子会社7社(台湾資生堂股份有限公司、法来麗國際股份
有限公司、Shiseido Thailand Co., Ltd.、Shiseido Malaysia Sdn. Bhd.、Shiseido Philippines
Corporation、PT. Shiseido Cosmetics Indonesia、Shiseido Cosmetics Vietnam Co., Ltd.)は、2022
年以降に対象事業に係る資産を譲渡する予定です。
なお、この会社分割、株式譲渡、資産譲渡及び現物出資による株式取得は、当社及びOBHの間の
Purchase Agreementに基づいて行われています。
以下、当第3四半期連結会計期間に実行した国内対象事業の会社分割及び株式譲渡、中国子会社3社及
びアジアパシフィック子会社2社の対象事業に係る資産譲渡の内容になります。
1.事業分離の概要
(1)分離先企業の名称及び株式譲渡先企業の名称
①会社分割による国内対象事業分離先企業の名称
株式会社ファイントゥデイ資生堂
②株式譲渡先企業の名称
株式会社Oriental Beauty Holding(現:株式会社ファイントゥデイ資生堂)
③資生堂(中国)投資有限公司及び資生堂化妆品制造有限公司の対象事業に関する資産譲渡先の名称
上海菲婷丝化妆品经营有限公司
④資生堂香港有限公司の対象事業に関する資産譲渡先の名称
Oriental Beauty (HK) Ltd.
⑤Shiseido Singapore Co., (Pte.) Ltd.の対象事業に関する資産譲渡先の名称
Fine Today Singapore Pte. Ltd.
⑥Shiseido Korea Co., Ltd.の対象事業に関する資産譲渡先の名称
Fine Today Korea Co., Ltd.
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(2)分離した事業の内容
パーソナルケア事業
(3)事業分離を行った主な理由及び株式譲渡の目的
当社は、スキンビューティー領域をコア事業とする戦略に鑑み、対象事業のさらなる成長・発展のた
め、考え得る戦略的オプションを幅広く検討した結果、対象事業については独立させ、マスビジネスに
特化した柔軟な戦略や迅速な意思決定・価値創造力の高い人材の育成等、成長投資の強化を可能にする
事業環境を整えることこそが、対象事業・ブランド及び社員のさらなる成長・発展、ひいてはお客さま
やお取引先さまへの貢献につながるものと判断しました。
(4)会社分割日及び株式譲渡日、並びに資産譲渡日
①国内対象事業の会社分割及び株式譲渡
会社分割効力発生日 2021年7月1日
株式譲渡日 2021年7月1日
②資生堂(中国)投資有限公司及び資生堂化妆品制造有限公司の対象事業に関する資産譲渡
資産譲渡日 2021年7月1日
③資生堂香港有限公司、 Shiseido Singapore Co., (Pte.) Ltd.及び Shiseido Korea Co., Ltd.の
対象事業に関する資産譲渡
資産譲渡日 2021年9月1日
(5)法的形式を含むその他取引の概要に関する事項
当社、SJ、旧FTSを分割会社とし、新FTSに国内対象事業に
国内対象事業の会社分割
関する権利・義務を承継させる吸収分割
分割承継会社の株式譲渡 受取対価を現金等の財産とする分割承継会社の株式譲渡
中国子会社3社及びアジアパ
シフィック子会社2社の対象 対象事業に関する資産を譲渡
事業に関する資産譲渡
2.実施した会計処理の概要
(1)移転損益の金額
事業譲渡益 72,693百万円
持分変動利益 13,520百万円
(2)移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
流動資産 22,254百万円
固定資産 482百万円
資産合計 22,737百万円
流動負債 11,420百万円
固定負債 366百万円
負債合計 11,787百万円
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㈱資生堂(4911) 2021年12月期 第3四半期決算短信
(3)会計処理
連結財務諸表上、移転した対象事業に関して35%相当の投資を継続しているため、個別財務諸表上
で認識した移転損益は、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」における未実現損益の消去
に準じて処理しています。また、関連会社に係る分離元企業の持分の増加額と、移転した事業に係る
分離元企業の持分の減少額との間に生じる差額は、持分変動利益として処理しています。
3.分離した事業が含まれていた報告セグメントの名称
日本事業、中国事業、アジアパシフィック事業
4.当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結損益計算書に計上されている当該事業に係る損益の概算額
売上高 54,628百万円
営業利益 3,992百万円
5.継続的関与の概要
パーソナルケア事業関連製品の製造に関する製造委託契約及び商品調達契約等を締結しています。
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