4911 資生堂 2020-11-10 15:00:00
2020年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                  2020年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
                            第3四半期決算短信 日本基準 連結)
                                                                                                          2020年11月10日
上 場 会 社 名    株式会社資生堂                                     上場取引所            東
コ ー ド 番 号    4911                 URL https://corp.shiseido.com/jp
代 表 者     (役職名) 代表取締役 社長 兼 CEO      (氏名) 魚谷 雅彦
問合せ先責任者 (役職名) IR部長                  (氏名) 北川 晴元             (TEL) 03-3572-5111
四半期報告書提出予定日 2020年11月11日    配当支払開始予定日 ―
四半期決算補足説明資料作成の有無        :有
四半期決算説明会開催の有無           :有  (投資家・アナリスト等向け電話会議 )

                                                                                                     (百万円未満切捨て)
1.2020年12月期第3四半期の連結業績(2020年1月1日~2020年9月30日)
(1)連結経営成績(累計)                                                                           (%表示は、対前年同四半期増減率)
                                                                                                 親会社株主に帰属
                        売上高                        営業利益                    経常利益
                                                                                                 する四半期純利益
                        百万円              %           百万円            %       百万円            %             百万円      %
2020年12月期第3四半期        653,675       △22.8          8,906       △91.4        5,568       △94.5       △13,668       ―
2019年12月期第3四半期        846,625         5.1        103,324         1.9      100,718        △1.9        72,458     13.2
(注) 包括利益 2020年12月期第3四半期      △14,544百万円(             ―%) 2019年12月期第3四半期                    65,977百万円( 1.5%)
                                              潜在株式調整後
                       1株当たり
                                                1株当たり
                      四半期純利益
                                               四半期純利益
                                     円   銭                      円   銭
2020年12月期第3四半期                  △34.22                             ―
2019年12月期第3四半期                   181.42                        181.24

(2)連結財政状態
                        総資産                          純資産                  自己資本比率
                                     百万円                        百万円                        %
2020年12月期第3四半期               1,172,009                     481,432                       39.3
2019年12月期                    1,218,795                     517,857                       40.7
(参考) 自己資本 2020年12月期第3四半期             460,859百万円                     2019年12月期     496,437百万円


2.配当の状況
                                                      年間配当金

                   第1四半期末           第2四半期末           第3四半期末               期末               合計
                         円      銭            円   銭              円   銭         円     銭           円    銭
  2019年12月期                  ―               30.00                  ―        30.00              60.00
  2020年12月期                  ―               20.00                  ―
  2020年12月期(予想)                                                              20.00              40.00
(注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無                           : 無


3.2020年12月期の連結業績予想(2020年1月1日~2020年12月31日)

                                                                                                (%表示は、対前期増減率)
                                                                                  親会社株主に帰属                1株当たり
                       売上高                   営業利益                   経常利益
                                                                                   する当期純利益                当期純利益
                      百万円            %       百万円           %        百万円       %         百万円          %           円 銭
       通期           915,000 △19.1 △10,000               ― △15,000            ― △30,000               ―         △75.10
(注) 直近に公表されている業績予想からの修正の有無                           : 有
※    注記事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                          : 無
 
 
(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用        : 無
 
 
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
   ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更           :   無
   ② ①以外の会計方針の変更                  :   無
   ③ 会計上の見積りの変更                   :   無
   ④ 修正再表示                        :   無
 
 




(4)発行済株式数(普通株式)
   ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)       2020年12月期3Q   400,000,000株   2019年12月期     400,000,000株
   ② 期末自己株式数                 2020年12月期3Q      537,494株    2019年12月期        564,455株
   ③ 期中平均株式数(四半期累計)          2020年12月期3Q   399,456,586株   2019年12月期3Q   399,404,058株
 
 

 ※    四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
 ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
     当資料の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、資生堂の将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。こ
     れらの将来予測には、リスクや不確定な要素が含まれており、実際の業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があり
     ます。業績予想の前提となる仮定及び業績予想のご利用にあたっての注意事項については、 【添付資料】5ページ「1.当
     四半期決算に関する定性的情報(2)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
                                ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信



○添付資料の目次



    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………… 2

    (1)経営成績に関する説明 ………………………………………………………………………………… 2

    (2)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 …………………………………………………… 5

    2.四半期連結財務諸表 ……………………………………………………………………………………… 7

    (1)四半期連結貸借対照表 ………………………………………………………………………………… 7

    (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 …………………………………………… 9

    (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………11

      (継続企業の前提に関する注記)………………………………………………………………………11

      (四半期連結損益計算書関係)…………………………………………………………………………11

      (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)………………………………………………11

      (追加情報)………………………………………………………………………………………………11

      (重要な後発事象)………………………………………………………………………………………12




                         -1-
                                             ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信




1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)   経営成績に関する説明

                                                      親会社株主に
                                                       帰属する
                                                     四半期純利益又は
                 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円)         親会社株主に       EBITDA(百万円)
                                                       帰属する
                                                     四半期純損失(△)
                                                      (百万円)
  2020 年 12 月期
                     653,675    8,906       5,568        △13,668          43,400
第 3 四半期連結累計期間
  2019 年 12 月期
                     846,625   103,324     100,718        72,458         144,821
第 3 四半期連結累計期間
      増減率            △22.8%    △91.4%      △94.5%              ―         △70.0%

   外貨増減率             △21.8%

   実質増減率             △22.5%


  当第 3 四半期連結累計期間(2020 年 1 月 1 日~2020 年 9 月 30 日)の景況感は、新型コロナウイルス感染症
の拡大によりグローバルで経済活動が停滞し、企業収益や雇用情勢の悪化等による消費マインドの低下など、
厳しい状況が続いています。国内化粧品市場は、緊急事態宣言による小売店の臨時休業、同解除後も続く時短
営業等による来店客数減に加え、昨年 9 月の消費税増税前の駆け込み需要の反動影響も受けました。また、日
本政府による約 150 の国や地域を対象とした査証の無効化などの入国制限、国際航空便減便の継続等により、
インバウンド需要も大きく影響を受けました。さらに海外化粧品市場は、感染症拡大に伴い、中国やその他ア
ジア地域は 2 月から、欧米では 3 月から急激に減速しました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、
夏場に一時落ち着きが見られましたが、欧米を中心に 9 月以降再び増加に転じており、経済活動を制限する施
策が再度強化される中、厳しい環境が継続しています。一方、中国では、3 月下旬以降、感染者数増加に歯止
めがかかり、外出制限が緩和されたこと等から 4 月以降、市況が回復に転じています。
  資生堂グループは 2015 年に、100 年先も輝き続ける企業となるため中長期戦略 VISION 2020 をスタートさ
せました。日本発のグローバルビューティーカンパニーとして競争に勝ち抜くため、全ての活動をお客さま起
点とし、グローバルでブランド価値向上に取り組んでいます。
  当期は、VISION 2020 の最終年度ですが、上記のとおり大変厳しい経営環境となっています。そうした環境
下にあっても、事業・ブランドの選択と集中を進め、持続的成長に向けてグローバルブランドへの投資は継続
し、年間の費用をゼロベースで見直しながら、業績回復に向けた対応策の策定及び実行に取り組んでいます。
  当第 3 四半期連結累計期間の売上高は、全ての地域で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、現地通
貨ベースで前年比 21.8%減、米州における米国会計基準(ASC 第 606 号)の適用影響及び事業買収影響等を除
く実質ベースでは前年比 22.5%減となりました。       円換算後では、     前年比 22.8%減の 6,537 億円となりました。
一方、当第 3 四半期連結会計期間では、注力しているスキンケアカテゴリーに加え、中国でのプレステージブ
ランドやアジア地域におけるトラベルリテール、E コマースにおける成長が貢献し、実質ベースで前年比
18.4%減と第 2 四半期から売上モメンタムは回復しています。
  営業利益は、市場環境の急速な悪化を受けコスト削減に取り組んでいるものの、売上減に伴う差益減や減産
に伴う工場生産性の悪化、       在庫適正化に向けた管理強化に伴う在庫評価額の見直しなどにより、                前年比 91.4%
減の 89 億円となりました。四半期毎では、第 2 四半期連結会計期間が 99 億円の営業損失であったのに対し、
上記注力領域の成長に加え、全社での徹底した費用効率化により当第 3 四半期連結会計期間では、123 億円の
営業利益となり、利益は大きく回復しました。
  親会社株主に帰属する四半期純利益は、営業減益に加え、休業中の従業員給与、店舗・工場維持費等、新型
コロナウイルス感染症にかかる特別損失を計上したことなどから、137 億円の損失となりました。
  当第 3 四半期連結累計期間における財務諸表項目       (収益及び費用)      の主な為替換算レートは、 米ドル=107.5
                                                                1
円、1 ユーロ=120.8 円、1 中国元=15.4 円です。



                                     -2-
                                                                    ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信




【連結】                                                                                                 (単位:百万円)
                                                                                                    セグメント間の内部売上高
                    当第 3 四半期              前第 3 四半期                                         外貨       又は振替高を含めた売上高
       区       分                構成比                     構成比         増 減       増減率
                     (累計)                  (累計)                                           増減率      当第 3 四半期    前第 3 四半期
                                                                                                    (累計)        (累計)

売 日本事業                226,815    34.7%      335,044     39.6% △108,229 △32.3% △32.3%                 248,072     354,761

上 中国事業                155,030    23.7%      158,522     18.7%       △3,492     △2.2%        0.6%     155,695     159,007

高 アジアパシフィック事業          43,277     6.6%       53,658      6.3%   △10,380 △19.3% △18.7%                 44,958      55,350

  米州事業                 65,846    10.1%       92,493     10.9%   △26,647 △28.8% △27.5%                 82,793     122,744

  欧州事業                 60,241     9.2%       76,176      9.0%   △15,934 △20.9% △19.7%                 66,882      84,748

  トラベルリテール事業           75,573    11.6%       93,629     11.1%   △18,056 △19.3% △18.1%                 75,771      93,821

  プロフェッショナル事業           9,020     1.4%       10,966      1.3%       △1,945 △17.7% △16.5%              9,474       11,485

  その他                  17,869     2.7%       26,134      3.1%       △8,264 △31.6% △31.6%             133,987     132,181

  小        計          653,675   100.0%      846,625     100.0% △192,950 △22.8% △21.8%                817,637   1,014,100
  調整額                     ―        ―             ―         ―            ―           ―         ―    △163,961    △167,474
  合        計          653,675   100.0%      846,625     100.0% △192,950 △22.8% △21.8%                653,675     846,625


                                                                         (単位:百万円)
                   当第 3 四半期                前第 3 四半期
       区       分                売上比                       売上比          増 減              増減率
                     (累計)                   (累計)

営 日本事業                  3,623      1.5%       66,430       18.7%       △62,807          △94.5%
業 中国事業                 11,373      7.3%       23,925       15.0%       △12,552          △52.5%
利 アジアパシフィック事業           2,136      4.8%        5,467        9.9%        △3,330          △60.9%
益 米州事業               △19,767    △23.9%       △8,468        △6.9%       △11,298              ―
又 欧州事業                △8,503    △12.7%       △3,436        △4.1%        △5,067              ―
は トラベルリテール事業           12,001     15.8%       24,824       26.5%       △12,823          △51.7%
営 プロフェッショナル事業             268      2.8%           432       3.8%             △164       △38.0%
業 その他                  12,679      9.5%      △3,062        △2.3%          15,742            ―
損 小        計           13,810      1.7%      106,112       10.5%       △92,301          △87.0%
失 調整額                 △4,903         ―       △2,788             ―       △2,115              ―
  合     計               8,906      1.4%      103,324       12.2%       △94,417          △91.4%


(注) 1 当社グループの米国会計基準適用子会社は、前連結会計年度の連結財務諸表から ASC 第 606 号「顧客との契約から生じる収益」
      を適用しています。本基準を適用する対象子会社は、米国において非公開企業であり、本基準の適用にあたっては米国基準で定
      められている前連結会計年度末の連結財務諸表からの適用としています。従って、前第 3 四半期連結損益計算書では、同基準を
      適用しておりません。
  2 第 1 四半期連結会計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「日本事業」に計上していた㈱ザ・ギ
      ンザにおける日本国内の空港免税事業等の業績は「トラベルリテール事業」へ計上し、同子会社のブランド「THE GINZA」のブラ
      ンドホルダー機能に係る業績は「その他」に計上しています。また、従来「米州事業」に計上していた日本国内で事業運営する
      ベアエッセンシャル㈱の業績と Technology Acceleration Hub の業績等は「その他」へ計上しています。また、資生堂ジャパン
      ㈱から㈱資生堂への「エリクシール」及び「アネッサ」ブランドのブランドホルダー機能の移管に伴い、従来「日本事業」に計
      上していた両ブランドのブランドホルダー機能に係る業績は「その他」へ計上しています。なお、前第 3 四半期連結累計期間の
      セグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。
  3 「その他」は、本社機能部門、㈱イプサ、資生堂美容室㈱、生産事業、フロンティアサイエンス事業及び飲食業などを含んでいま
      す。
  4 営業利益又は営業損失における売上比は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高に対する比率です。
  5 営業利益又は営業損失の調整額は、主にセグメント間の取引消去の金額です。




                                                -3-
                                            ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信




各報告セグメントの概況は次のとおりです。

【日本事業】
 日本事業は、E コマースが二桁成長を継続している一方、新型コロナウイルス感染症拡大により、緊急事態宣
言による小売店の臨時休業、同解除後も続く時短営業等による来店客数減に加え、昨年 9 月の消費増税前の駆け
込み需要の反動の影響も受け、プレステージブランドやプレミアムブランドを中心に減収となりました。これに
加え、訪日外国人旅行者の大幅な減少により、インバウンド需要も激減しました。
 以上のことから、売上高は前年比 32.3%減の 2,268 億円となりました。営業利益は、徹底したコスト削減に
取り組んだものの、売上減に伴う差益減やプロダクトミックスの悪化に加え、在庫適正化に向けた管理強化に伴
う在庫評価額の見直しなどにより、前年比 94.5%減の 36 億円となりました。

【中国事業】
 中国事業は、新型コロナウイルス感染症拡大により、1 月後半から大きな影響を受けていましたが、3 月下旬
以降の感染者数減少を受けて、現在ではほぼ全ての小売店が営業を再開するなど、中国本土を中心に、全セグメ
ントの中で最も早く回復傾向が見られ、プレステージブランドを中心に売上高は、新型コロナウイルス感染症拡
大前の前年を上回りました。中でも投資を強化している E コマースは、特にプレステージブランドにおいて、当
第 3 四半期連結会計期間では、40%を超える成長となりました。
 以上のことから、売上高は現地通貨ベースでは全セグメント中で唯一増加し、前年比 0.6%増、円換算後では
前年比 2.2%減の 1,550 億円となりました。営業利益は、計画に対しては抑制しているもののマーケティング投
資の増加などにより、前年比 52.5%減の 114 億円となりました。

【アジアパシフィック事業】
 アジアパシフィック事業では、引き続きブランドの展開拡大や E コマースの強化に取り組みましたが、韓国や
タイ等を中心に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けました。一方、ベトナムは同影響が比較的小さく、
当第 3 四半期累計でも前年を大きく上回って推移しました。
 以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 18.7%減、円換算後では前年比 19.3%減の 433 億円とな
りました。営業利益は前年比 60.9%減の 21 億円となりました。

【米州事業】
 米州事業では、3 月以降の新型コロナウイルス感染症拡大による都市封鎖や外出制限、小売事業者のチャプタ
ー11(米連邦破産法 11 条)の申請増加等の影響を受けました。一方、     「Drunk Elephant」は既存店舗の落ち込みは
あったものの、E コマースが 70%を超える成長となったことから、堅調な実績となりました。
 以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 27.5%減、円換算後では前年比 28.8%減の 658 億円とな
りました。 米州における米国会計基準   (ASC 第 606 号)の適用影響及び米国スキンケアブランド       「Drunk Elephant」
買収影響等を除く実質ベースでは、前年比 35.2%減となりました。営業損失は、売上減に伴う差益減に加え、
買収に伴うのれん償却費の費用増などにより、前年に対し 113 億円増の 198 億円となりました。

【欧州事業】
 欧州では、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、夏場に一時落ち着きが見られましたが、9 月以降、
再び増加に転じており、    夜間外出禁止等、経済活動を制限する施策が再度強化されつつあります。そのような中、
化粧品市場は、全体で E コマースが大きく伸長しており、当社の E コマースは、さらに市場を上回って伸長、特
に「SHISEIDO」のスキンケアが好調に推移しました。しかし、全体としては、新型コロナウイルス感染症拡大に
よる影響を大きく受けました。
 以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 19.7%減、円換算後では前年比 20.9%減の 602 億円とな
りました。営業損失は、売上減に伴う差益減などにより、前年に対し 51 億円増の 85 億円となりました。




                                  -4-
                                                     ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信




【トラベルリテール事業】
 トラベルリテール事業(空港免税店等での化粧品・フレグランスの販売)は、国際線の大幅減便に伴うグロー
バルでの旅行者の大幅減少等の影響を受けました。一方、中国海南島への国内旅行者、韓国市中免税・オンライ
ンが引き続き高水準で推移したことなどにより、アジアではお客様購買ベースで 50%を超える成長となりまし
た。多くのブランドが減収となった中、  「クレ・ド・ポー ボーテ」のほか、カウンターの展開を拡大した「IPSA」
や「ANESSA」などが伸長しました。
 以上のことから、売上高は現地通貨ベースで前年比 18.1%減、円換算後では前年比 19.3%減の 756 億円とな
りました。営業利益は、売上減に伴う差益減や在庫増に伴う償却関連費用の増加などにより、前年比 51.7%減
の 120 億円となりました。

【プロフェッショナル事業】
 プロフェッショナル事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や、ヘアケア、スタイリング剤、
ヘアカラー剤やパーマ剤などを販売しているヘアサロンの休業等の影響を受け、        売上高は現地通貨ベースで前年
比 16.5%減、円換算後では前年比 17.7%減の 90 億円となりました。営業利益は、売上減に伴う差益減などによ
り、前年比 38.0%減の 3 億円となりました。



(2) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
 日本市場での消費マインドの冷え込みは想定以上に大きく、    さらに欧米では新型コロナウイルス感染症拡大傾
向とそれに伴う移動規制等に厳しさが増しています。こうした中、当第 3 四半期連結会計期間の売上高は、8 月
に公表した通期連結業績予想での想定を下回りました。 4 四半期連結会計期間も市場回復の遅れが一定程度継
                           第
続することを考慮して、通期の売上高予想を以下のとおり下方修正します。
 利益については、売上減に伴う粗利益減があるものの、全社的なコスト削減を引き続き徹底することで営業利
益は前回見通し「0」を実質維持する見込みです。一方、2021 年の事業基盤強化に向けて日本事業の在庫適正化、
米州事業の構造改革等に迅速に取り組むことから、以下のとおり修正します。
 前提となる主な通期平均為替レートは、1 米ドル=107.1 円、1 ユーロ=121.9 円、1 中国元=15.4 円を想定し
ています。

2020 年 12 月期   通期連結業績予想(2020 年 1 月 1 日~2020 年 12 月 31 日)
                                                                 親会社株主に
                                                                  帰属する          1 株当たり
                                         営業利益又は      経常利益又は      当期純利益又は       当期純利益又は
                              売上高
                                         営業損失(△)     経常損失(△)     親会社株主に         1 株当たり
                                                                  帰属する         当期純損失(△)
                                                                 当期純損失(△)
                                百万円         百万円         百万円           百万円             円   銭
前回(2020 年 8 月 6 日)発表予想(A)      953,000           0     △6,500        △22,000      △55.08

今回修正予想(B)                      915,000     △10,000     △15,000       △30,000      △75.10

増減額(B-A)                      △38,000      △10,000     △8,500         △8,000

増減率(%)                          △4.0%           ―           ―             ―

前期実績
                             1,131,547     113,831     108,739        73,562          184.18
(2019 年 12 月期)




                                         -5-
                                                    ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信




【参考情報】各報告セグメント別連結売上高予想
 各報告セグメント別の通期連結業績予想は以下のとおりです。

通期連結売上高                                                                   (単位:億円)
                  今回修正      増減率       外貨      実質                     (参考)前期実績
                                                        前回発表
      区   分       予想(A)     (A/B-1)   増減率     増減率
                                                         予想         組替前       組替後(B)
                                              (注)

日本事業                3,000     △30%     △30%    △30%       3,255       4,516     4,309

中国事業                2,330        8%     10%     10%       2,380       2,162     2,162

アジアパシフィック事業           580     △17%     △15%    △15%         595         698          698

米州事業                  940     △24%     △22%    △34%         940       1,243     1,230

欧州事業                  945     △20%     △19%    △19%         990       1,184     1,184

トラベルリテール事業            975     △21%     △19%    △19%         960       1,022     1,228

プロフェッショナル事業           120     △18%     △17%    △17%         125         147          147

その他                   260     △27%     △27%    △27%         285         343          357

合   計               9,150     △19%     △18%    △19%       9,530      11,315     11,315

(注) 日本における 2019 年の皮膚用薬ブランド「フェルゼア」
                                「エンクロン」のブランド譲渡影響、米国のスキンケアブランド「Drunk
    Elephant」の買収影響等を除く。




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                                ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信


2.四半期連結財務諸表
(1) 四半期連結貸借対照表
                                                   (単位:百万円)
                         前連結会計年度             当第3四半期連結会計期間
                        (2019年12月31日)          (2020年9月30日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                          110,342              109,953
   受取手形及び売掛金                       172,905              143,259
   たな卸資産                           181,104              186,680
   その他                              71,012               49,349
   貸倒引当金                           △2,741               △4,049
   流動資産合計                          532,623              485,194
 固定資産
   有形固定資産
     建物及び構築物                       223,611              223,984
      減価償却累計額                    △101,735             △102,560
      建物及び構築物(純額)                  121,875              121,423
     機械装置及び運搬具                     104,566              108,566
      減価償却累計額                     △60,284              △63,523
      機械装置及び運搬具(純額)                 44,281               45,043
     工具、器具及び備品                      94,939               99,557
      減価償却累計額                     △53,840              △59,262
      工具、器具及び備品(純額)                 41,099               40,294
     土地                             45,040               44,848
     リース資産                           9,643               10,624
      減価償却累計額                      △4,394               △4,764
      リース資産(純額)                      5,248                5,860
     使用権資産                          26,395               28,116
      減価償却累計額                      △6,702               △9,959
      使用権資産(純額)                     19,693               18,157
     建設仮勘定                          37,518               46,579
     有形固定資産合計                      314,757              322,207
   無形固定資産
     のれん                            64,499               57,577
     リース資産                             536                  443
     商標権                           135,209              133,439
     その他                            48,963               53,582
     無形固定資産合計                      249,209              245,043
   投資その他の資産
     投資有価証券                         13,915               13,350
     長期前払費用                         16,690               14,506
     繰延税金資産                         55,313               55,086
     その他                            36,317               36,661
     貸倒引当金                            △31                  △39
     投資その他の資産合計                    122,205              119,565
   固定資産合計                          686,172              686,815
 資産合計                            1,218,795            1,172,009




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                             ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信


                                                (単位:百万円)
                      前連結会計年度             当第3四半期連結会計期間
                     (2019年12月31日)          (2020年9月30日)
負債の部
 流動負債
   支払手形及び買掛金                     31,336               21,383
   電子記録債務                        65,601               36,742
   短期借入金                        120,496              147,901
   1年内返済予定の長期借入金                    730               53,010
   1年内償還予定の社債                    15,000                    -
   リース債務                          8,722                8,324
   未払金                           89,124               57,306
   未払法人税等                        11,951                6,590
   返品調整引当金                        5,333                4,651
   返金負債                           9,899                8,334
   賞与引当金                         25,132               20,010
   役員賞与引当金                          101                   47
   危険費用引当金                          341                  388
   事業撤退損失引当金                        117                   79
   その他                           80,383               72,314
   流動負債合計                       464,273              437,086
 固定負債
   社債                            15,000               35,000
   長期借入金                         70,791               67,010
   リース債務                         17,368               16,055
   長期未払金                         49,153               52,552
   退職給付に係る負債                     69,804               67,002
   債務保証損失引当金                        350                  350
   繰延税金負債                         2,712                2,776
   その他                           11,485               12,742
   固定負債合計                       236,665              253,490
 負債合計                           700,938              690,577
純資産の部
 株主資本
   資本金                           64,506               64,506
   資本剰余金                         70,741               70,741
   利益剰余金                        371,435              337,726
   自己株式                         △2,591               △2,470
   株主資本合計                       504,092              470,504
 その他の包括利益累計額
   その他有価証券評価差額金                   3,106                2,993
   為替換算調整勘定                      10,839                6,377
   退職給付に係る調整累計額                △21,600              △19,016
   その他の包括利益累計額合計                △7,654               △9,645
 新株予約権                            1,263                1,376
 非支配株主持分                         20,156               19,196
 純資産合計                          517,857              481,432
負債純資産合計                       1,218,795            1,172,009




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                                   ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信


(2) 四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
  四半期連結損益計算書
   第3四半期連結累計期間
                                                        (単位:百万円)
                        前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                          (自 2019年1月1日            (自 2020年1月1日
                           至 2019年9月30日)           至 2020年9月30日)
売上高                                  846,625                 653,675
売上原価                                 178,238                 166,326
売上総利益                                668,387                 487,349
販売費及び一般管理費                           565,063                 478,442
営業利益                                 103,324                   8,906
営業外収益
 受取利息                                     954                     547
 受取配当金                                    238                     106
 持分法による投資利益                               286                     206
 受取家賃                                     467                     492
 補助金収入                                  1,074                   2,637
 その他                                    1,421                     954
 営業外収益合計                                4,442                   4,945
営業外費用
 支払利息                                   1,585                   1,705
 為替差損                                   3,428                   2,787
 その他負債の利息                                 954                     993
 その他                                    1,079                   2,796
 営業外費用合計                                7,047                   8,283
経常利益                                  100,718                   5,568
特別利益
 固定資産売却益                                  649                     489
 投資有価証券売却益                              2,166                     691
 助成金等による収入                                  -                   5,224
 特別利益合計                                 2,816                   6,404
特別損失
 固定資産処分損                                  935                   2,926
 投資有価証券売却損                                165                       1
 投資有価証券評価損                                  -                     499
 構造改革費用                                 1,469                       -
 関係会社整理損                                  466                       -
 事業撤退損                                      -                     937
 新型コロナウイルス感染症による損失                          -                  18,119
 特別損失合計                                 3,036                  22,484
税金等調整前四半期純利益
                                      100,498                △10,511
又は税金等調整前四半期純損失(△)
法人税、住民税及び事業税                           22,803                  2,801
過年度法人税等                                 3,607                      -
法人税等調整額                               △1,101                   △891
法人税等合計                                 25,309                  1,910
四半期純利益又は四半期純損失(△)                      75,188                △12,421
非支配株主に帰属する四半期純利益                        2,729                  1,247
親会社株主に帰属する四半期純利益
                                       72,458                △13,668
又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)




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                               ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信


  四半期連結包括利益計算書
   第3四半期連結累計期間
                                                    (単位:百万円)
                    前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                      (自 2019年1月1日            (自 2020年1月1日
                       至 2019年9月30日)           至 2020年9月30日)
四半期純利益又は四半期純損失(△)                 75,188                △12,421
その他の包括利益
 その他有価証券評価差額金                     △1,109                   △54
 為替換算調整勘定                        △10,796                 △4,663
 退職給付に係る調整額                         2,686                 2,589
 持分法適用会社に対する持分相当額                       8                     6
 その他の包括利益合計                       △9,211                 △2,122
四半期包括利益                            65,977               △14,544
(内訳)
 親会社株主に係る四半期包括利益                   63,807               △15,659
 非支配株主に係る四半期包括利益                    2,169                 1,115




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                                                   ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信


(3) 四半期連結財務諸表に関する注記事項
     (継続企業の前提に関する注記)
        該当事項はありません。




     (四半期連結損益計算書関係)
        助成金等による収入
        当第3四半期連結累計期間(自   2020年1月1日   至    2020年9月30日)
         主として新型コロナウイルス感染症に関連して各国政府及び自治体等から支給された、従業員の雇用維持及び
        給料支給に対する助成金及び補助金等です。




        事業撤退損
        当第3四半期連結累計期間(自   2020年1月1日   至    2020年9月30日)
         一部ブランドの収束に伴う費用です。




        新型コロナウイルス感染症による損失
        当第3四半期連結累計期間(自   2020年1月1日   至    2020年9月30日)
         主として各国政府要請に伴う拡大防止のため、従業員の店頭派遣を停止した期間及び工場の操業度が低下し
        た期間に対応する固定費、イベント開催等の中止に伴うキャンセル費用等であり、内訳は次のとおりです。


          従業員給与及び手当            11,239 百万円
          工場及び店舗に係る固定費         4,987     〃
          解約違約金・キャンセル費用等       1,892     〃
          計                   18,119     〃




    (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
        該当事項はありません。




     (追加情報)
        (新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについて)
         当社グループは、四半期連結財務諸表作成時において入手し得る情報に基づき、固定資産の減損会計、繰延
        税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを会計処理に反映しています。会計上の見積りは、当社グループの
        業績に対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、地域及び事業によって異なるものの、2023年中に本格
        的に回復するという一定の仮定を置いています。
         しかし、見積りに用いた上記の仮定には不確定要素が多く、新型コロナウイルス感染症の収束時期及び経済
        環境への影響が変化した場合には、今後の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
        に影響を及ぼす可能性があります。




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                                ㈱資生堂(4911) 2020年12月期 第3四半期決算短信


(重要な後発事象)
 当社及び一部の国内連結子会社は、2020年10月に退職金制度の改訂を決定し、2021年1月より退職一時金制度に
ついて確定給付年金制度(企業年金基金)及び確定拠出年金制度へ移行します。
 従来退職一時金制度と確定給付年金制度(企業年金基金)及び確定拠出年金制度の3つの退職金制度を採用して
いましたが、これを上述のとおりの2制度へ移行・集約するものです。また、これに合わせて集約後の2制度の設
計を一部変更しています。
 これに伴い、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号          2016年12月16日)
及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号         2007年2月7日)を適
 用し、第4四半期連結会計期間において、過去勤務費用(退職給付債務の減額)25,899百万円が発生する見込みで
す。




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