4593 M-ヘリオス 2020-04-13 15:00:00
体性幹細胞再生医薬品HLCM051の日本における急性呼吸窮迫症候群を対象とする治験(ONE-BRIDGE試験)COVID-19肺炎由来のARDS患者の組入れに関するお知らせ [pdf]

                                                    2020 年4月 13 日
各   位
                  会  社  名 株    式    会     社    ヘ    リ     オ    ス
                  代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CE O 鍵      本     忠    尚
                          (コード番号:4593 東証マザーズ)
                  問 合 せ 先 執 行 役       C F O リチャード・キンケイド
                          ( T E L :    0 3 - 5 7 7 7 - 8 3 0 8 )

                  体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の
     日本における急性呼吸窮迫症候群を対象とする治験(ONE-BRIDGE 試験)
        COVID-19 肺炎由来の ARDS 患者の組入れに関するお知らせ


当社は現在、日本国内にて体性幹細胞再生医薬品 HLCM051※1 を用いて、脳梗塞急性期及び急
性呼吸窮迫症候群(ARDS)※2 を対象とした治験を実施しております。ARDS に対する治療法の
開発においては、肺炎を原因とした ARDS 患者を対象とした、 有効性及び安全性を検討する第Ⅱ
相試験(治験名称:ONE-BRIDGE 試験)を実施しており、組入れは順調に進んでいます。

  2020 年 3 月 26 日にお知らせいたしました通り、当社は新型コロナウイルス(COVID-19)肺
炎由来の ARDS 患者の組入れに関して、専門医師及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構
(PMDA)と協議を進めてまいりました。今般、ONE-BRIDGE 試験のプロトコルを変更し、当該
患者の組入れを開始することになりましたため、お知らせいたします。

 ONE-BRIDGE 試験は、肺炎を原因疾患とする ARDS 患者に対して HLCM051 の有効性及び安
全性を検討するものであり、非盲検下で、標準治療を対照として実施しております。これまで 30
名を対象に患者組入れを行ってまいりましたが、あらたに同一試験内に評価対象群(コホート)
を追加し、COVID-19 由来の肺炎を原因疾患とする ARDS 患者約 5 名を症例として組入れ、安全
性の検討を行います。

 なお、今回追加する COVID-19 由来症例を対象とした約 5 症例の集積は、現在実施中である 30
症例とは区別して行う計画であり、     今回あらたにコホートを追加することによる従来実施してき
た治験進捗への影響はございません。

    概要は以下の通りです。

          従来の治験                      今回新たに追加されるコホート
目的        有効性および安全性評価                安全性評価

被験者       肺炎を原因疾患とする ARDS 患者         COVID-19 由来の肺炎を原因疾患とす
                                     る ARDS 患者
組入症例数     30 例                       約5例
          うち HLCM051 投与: 20 例、       うち全員に HLCM051 投与
          標準治療: 10 例




                                                             以上


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※1 HLCM051
 HLCM051 は、日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。当社は 2016
年1月に、米国のバイオベンチャー企業 Athersys, Inc.と、同社の開発する幹細胞製品 MultiStem®
を用いた脳梗塞に対する再生医療等製品の国内での開発・販売に関する独占的なライセンス契約
を締結し、本パイプラインを導入いたしました。さらに 2018 年6月に同社との提携を拡大した
ことにより、日本における急性呼吸窮迫症候群に対する開発・販売ライセンスを取得し、開発を
開始いたしました。



※2 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
 ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発さ
れ、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症
状の総称です。  ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気で
す。ARDS に対する治療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管
理が行われます。

  今回、武漢における新型コロナウイルス(COVID-19)の初期症例群に関して発表されたデー
タでも、入院した患者のうち 31~41.8%の割合で ARDS を発症、また死亡例では ARDS 合併が
54~93%確認されており*1*2、重症患者における ARDS 治療の必要性は非常に高い状況です。

*1 Zhou F, et al. Lancet. 2020 Mar 11. pii: S0140-6736(20)30566-3
*2 Wu C , et al. JAMA Intern Med. 2020 Mar 13. doi: 10.1001
(注)上記の2つの論文は初期の患者さんにおける報告であり、現在の各国の状況により ARDS の発症率・死亡率については
変動があると予測されます。




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