4593 M-ヘリオス 2021-08-06 08:30:00
パートナーである米国 Athersys, Incとの商用化に向けた包括的な協業拡大に関する契約締結のお知らせ [pdf]

                                                  2021 年8月6日
各   位
                会  社  名 株    式    会    社    ヘ    リ     オ    ス
                代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵      本     忠    尚
                        (コード番号:4593 東証マザーズ)
                問 合 せ 先 執 行 役       C F O リチャード・キンケイド
                        ( T E L :   0 3 - 5 9 6 2 - 9 4 4 0 )



パートナーである米国 Athersys, Inc との商用化に向けた包括的な協業拡大に関する
                   契約締結のお知らせ

 当社は、本日米国 Athersys, Inc.(以下、アサシス社といいます。)とこれまでに締結していた
ライセンス契約に関する内容を変更し、        商用化に向けた新たなライセンス権等を取得するととも
に、今後アサシス社へのさらなる戦略的投資を可能にする新株予約権(以下、ワラントといいま
す。)を引き受ける契約を締結しましたので、お知らせいたします。

 当社は、『生きる』を増やす。爆発的に。
     「              」というミッションの下、幹細胞技術をもって難治
性疾患を罹患された方々に治癒と希望を届けるべく、体性幹細胞再生医薬品分野、及び iPS 細胞
に関連する技術を活用した再生医療等製品(iPSC 再生医薬品)の研究・開発・製造を行う iPSC
再生医薬品分野において事業を推進しております。

 体性幹細胞再生医薬品分野においては、    日本国内における脳梗塞急性期ならびに急性呼吸窮迫
          ※1
症候群(ARDS) に対する開発・販売に関する独占的ライセンス契約をアサシス社と締結し、
現在、HLCM051※2 を用いた治験(治験名称:TREASURE 試験ならびに ONE-BRIDGE 試験)を
実施しております。この度のアサシス社との包括的な契約の締結は、両社の更なるパートナーシ
ップを強化し、両治療薬の今後の商用化を加速させる事を企図しております。

 また、技術開発を行うアサシス社との提携関係強化が重要であるとの考えのもと、アサシス社
への戦略的投資を実施し、現在、当社はアサシス社の筆頭株主であります。この度、当社のさら
なる経営基盤強化ための総合的な事業判断として新たなワラント引受の決定をいたしました。

1. ライセンス契約に関する概要
 以下の通り、MultiStem®に関するライセンス権拡大等につきアサシス社と合意いたしました。
 ①製造に関するライセンス
 -日本国内における、脳梗塞急性期および ARDS を対象とした治療薬の製造ライセンスを取得
いたしました。これまで当社は、両疾患に対する開発・販売に関するライセンスを取得し治験を
実施してきました。この度、新たに製造に関するライセンスを取得したことで、両疾患に対する
日本国内における治療薬の商用製造に関して、医薬品製造受託機関     (CMO)を当社が直接コント
ロールする権利を得ることになります。アサシス社は引き続き、新たな3次元培養技術応用を含
めた、治療薬の商用製造に関する CMO への技術移転に関する義務を負うとともに、原料使用や
製造プロセスの改善など商用化にむけた技術的サポートを提供します。

 ②製造に関する投資およびマイルストンの調整
 -製造ライセンスの取得に基づき、当社は今後日本国内向け治療薬の商用製造に関わる試験費
用および製造キャパシティの拡張等に際し、その費用の一部を負担いたします。また、当社はア
サシス社に対して、新たな3次元培養技術応用を含める製造体制確立に応じた製造マイルストン
として、今後最大で合計8百万米ドルを支払います。なお、製造に関する投資負担額の一部は、
将来脳梗塞急性期および ARDS に関して開発が成功した際に当社からアサシス社への支払い義
務の発生するマイルストン金等から減額されます。

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 ③新たな適応疾患に関するライセンス
 -日本国内における、脳梗塞急性期および ARDS 以外の新たな適応疾患(最大2疾患)を対象
とした治療薬の開発・製造・販売に関するライセンスを取得するオプション権を取得しました。
なお、将来の本オプション権の行使時に、契約一時金および開発マイルストンの新たな発生はあ
りません。

2. ワラント引受けに関する概要
 当社は、アサシス社の普通株式を最大 10 百万株新たに購入する権利を取得いたします。尚、
本権利の行使に関する義務はありません。行使期間は、ARDS 治療薬および脳梗塞急性期治療薬
それぞれの承認取得日から 60 日間です。



本決定に関して、当社の代表執行役社長 CEO の鍵本忠尚は次のように述べています。「当社に
とって重要なパートナーであるアサシス社とより強固でそして長期的に相互協力が可能な関係
性を構築する事ができたことを嬉しく思います。本治療薬をはじめて患者に届けることができ
る日本国において、当社の直接指揮下に国産生産供給体制を構築する為、製造権の移転や製造
への投資インセンティブを含む複数の項目に渡る包括的な契約に合意したことは、新薬承認・
商用製造にむけた非常に重要な一歩であります。これにより当社のハイブリッド戦略の第一段
階目をより確実に遂行する事が可能になると信じております。私たちヘリオスは、世界中の患
者さんに治癒と希望を届けるため、当社のミッションである「 『生きる』を増やす。爆発的
に。」の実現に向けて邁進してまいります」

3. 今後の見通し
 本契約締結時における対価は発生せず、本件による当社の今期の財務諸表への影響は軽微です。
今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示いたします。
                                         以上




※1 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
 ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発さ
れ、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症
状の総称です。  ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気で
す。ARDS に対する治療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管
理が行われます。

※2 HLCM051
 HLCM051 は、日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。当社は 2016
年1月に、米国のバイオベンチャー企業 Athersys, Inc.と、同社の開発する幹細胞製品 MultiStem
を用いた脳梗塞に対する再生医療等製品の国内での開発・販売に関する独占的なライセンス契約
を締結し、本パイプラインを導入いたしました。さらに 2018 年5月に同社との提携を拡大した
ことにより、日本における急性呼吸窮迫症候群に対する開発・販売ライセンスを取得し、開発を
開始いたしました。




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