4593 M-ヘリオス 2020-08-12 17:00:00
体性幹細胞再生医薬品HLCM051の日本における急性呼吸窮迫症候群を対象とする治験(ONE-BRIDGE試験)のうちCOVID-19肺炎由来のARDS患者の組み入れ完了のお知らせ [pdf]

                                                       2020 年8月 12 日
各   位
                   会  社  名 株    式    会     社    ヘ    リ     オ    ス
                   代 表 者 名 代 表 執 行 役 社 長 CE O 鍵      本     忠    尚
                           (コード番号:4593 東証マザーズ)
                   問 合 せ 先 執 行 役       C F O リチャード・キンケイド
                           ( T E L :    0 3 - 5 7 7 7 - 8 3 0 8 )



               体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の
日本における急性呼吸窮迫症候群を対象とする治験(ONE-BRIDGE 試験)のうち
     COVID-19 肺炎由来の ARDS 患者の組み入れ完了のお知らせ

 当社は、本日、急性呼吸窮迫症候群(ARDS: Acute Respiratory Distress Syndrome)※1 を対象疾
患とした体性幹細胞再生医薬品である HLCM051※2 の治験(治験名称:ONE-BRIDGE 試験)の2
つの評価対象群(コホート)のうち、新型コロナウイルス(COVID-19)肺炎由来の ARDS 患者
5名の組み入れが完了いたしましたので、お知らせいたします。

 今回、  組み入れが完了した COVID-19 由来の肺炎を原因疾患とする ARDS 患者群は、  5名の症
例を対象とし安全性の検討を行うため、       ONE-BRIDGE 試験内にあらたにコホートを追加し、2020
年7月 29 日に最初の患者組み入れが開始されました。なお、本5症例の集積は、従来実施して
きた 30 症例を対象とするコホートとは区別して行われています。30 症例を対象とするコホート
につきましては、引き続き患者組み入れを継続し、2020 年 12 月期第4四半期内に組み入れ完了
の予定です。本試験概要は、2020 年4月 13 日の当社発表をご参照ください。

 今後の方針等については、安全性の評価を行い、専門医師及び関係当局と協議の上、決定する
予定です。

 今回の患者組み入れ完了に関して、当社の代表執行役社長 CEO の鍵本は次のように述べてお
ります。
「COVID-19 肺炎由来の ARDS のコホートにつきまして、新型コロナウイルスの患者数が急増す
るなか治験実施施設の医師をはじめとする医療関係者各位のご尽力により、         組み入れ開始から短
期間で5症例の組み入れを完了することができました。       ARDS の治療薬を患者さまに一日でも早
く届けることができるよう、関係当局と相談しつつ、ONE-BRIDGE 試験の完了に向けて邁進し
て参ります」

 本件に関して、2020 年 12 月期業績への影響につき今後開示すべき事項が発生した場合には、
速やかにお知らせいたします。



                                                                以上

※1 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
 ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に誘発さ
れ、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸不全となる症
状の総称です。  ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後が非常に悪い病気で
す。ARDS に対する治療として、集中治療室で人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管
理が行われます。
 今回、武漢における新型コロナウイルス(COVID-19)の初期症例群に関して発表されたデー

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タでも、入院した患者のうち 31~41.8%の割合で ARDS を発症、また死亡例では ARDS 合併が
54~93%確認されており*1*2、重症患者における ARDS 治療の必要性は非常に高い状況です。

*1 Zhou F, et al. Lancet. 2020 Mar 11. pii: S0140-6736(20)30566-3
*2 Wu C , et al. JAMA Intern Med. 2020 Mar 13. doi: 10.1001
(注)上記の2つの論文は初期の患者さんにおける報告であり、現在の各国の状況により ARDS の発症率・死亡率については
変動があると予測されます。


※2 HLCM051
 HLCM051 は、日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。当社は 2016
年1月に、米国のバイオベンチャー企業 Athersys, Inc.と、同社の開発する幹細胞製品 MultiStem®
を用いた脳梗塞に対する再生医療等製品の国内での開発・販売に関する独占的なライセンス契約
を締結し、本パイプラインを導入いたしました。さらに 2018 年6月に同社との提携を拡大した
ことにより、日本における急性呼吸窮迫症候群に対する開発・販売ライセンスを取得し、開発を
開始いたしました。




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