4588 M-オンコリスバイオ 2020-02-07 16:00:00
2019年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

                            2019年12月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                             2020年2月7日
上 場 会 社 名   オンコリスバイオファーマ株式会社              上場取引所                         東
コ ー ド 番 号   4588                URL http://www.oncolys.com
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長       (氏名) 浦田 泰生
問合せ先責任者 (役職名) 取締役管理担当         (氏名) 吉村 圭司             (TEL) 03(5472)1578
定時株主総会開催予定日      2020年3月26日  配当支払開始予定日               -
有価証券報告書提出予定日 2020年3月27日
決算補足説明資料作成の有無       : 無
決算説明会開催の有無
 
                    : 有 ( アナリスト向け                 )
                                                                                    (百万円未満切捨て)
1.2019年12月期の業績(2019年1月1日~2019年12月31日)
(1)経営成績                                                                        (%表示は対前期増減率)
                    売上高                  営業利益                経常利益                    当期純利益
                    百万円         %         百万円          %      百万円         %           百万円         %
    2019年12月期       1,303    673.5        △511      -         △539        -           △912        -
    2018年12月期         168   △26.4        △1,247     -        △1,230       -          △1,233       -
 
                                潜在株式調整後
                 1株当たり                             自己資本               総資産              売上高
                                 1株当たり
                 当期純利益                            当期純利益率             経常利益率            営業利益率
                                 当期純利益
                       円    銭             円   銭              %                  %                 %
  2019年12月期            △65.55              -            △28.7            △13.6                    -
  2018年12月期           △104.55              -            △42.5            △35.4                    -
(参考) 持分法投資損益       2019年12月期            -百万円       2018年12月期           -百万円
 

 
(2)財政状態
                    総資産                   純資産               自己資本比率              1株当たり純資産
                             百万円                  百万円                     %                   円   銭
  2019年12月期                4,380                  3,454                   78.7                240.71
  2018年12月期                3,430                  2,901                   84.3                216.61
(参考) 自己資本          2019年12月期     3,446百万円           2018年12月期         2,890百万円
 

 
(3)キャッシュ・フローの状況
                  営業活動による               投資活動による             財務活動による             現金及び現金同等物
                 キャッシュ・フロー             キャッシュ・フロー           キャッシュ・フロー               期末残高
                             百万円                  百万円                  百万円                    百万円
    2019年12月期                △238                  △4                  1,123                   3,097
 
    2018年12月期               △1,187                 342                 1,147                   2,218
 

 
2.配当の状況
                                       年間配当金                         配当金総額                    純資産
                                                                                 配当性向
                 第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末             期末        合計        (合計)                    配当率
                    円 銭    円 銭    円 銭              円   銭     円   銭       百万円             %             %
 2018年12月期            -         0.00          -    0.00       0.00         -            -              -
 2019年12月期            -         0.00          -    0.00       0.00         -            -              -
 
 2020年12月期(予想)        -         0.00          -    0.00       0.00                      -
 
 

 
※ 注記事項
(1)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                     : 無
     ②    ①以外の会計方針の変更                      : 無
     ③    会計上の見積りの変更                       : 無
     ④    修正再表示                            : 無
 



(2)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)          2019年12月期   14,331,300 株   2018年12月期   13,346,000 株

    ②     期末自己株式数              2019年12月期      15,000 株    2018年12月期          - 株

    ③     期中平均株式数              2019年12月期   13,917,336 株   2018年12月期   11,801,825 株
 

 
 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です

 
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
        (将来に関する記述等についてのご注意)
        本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
        断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績
        等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっ
        ての注意事項等については、添付資料P2「1. 経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況」をご覧ください。
     
                                   オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                            2019年12月期 決算短信


○添付資料の目次
 
    1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………… 2
     (1)当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………… 2
     (2)当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………… 2
     (3)当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………… 3
     (4)今後の見通し …………………………………………………………………………………… 3
     (5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ………………………………………… 4
    2.経営方針 ……………………………………………………………………………………………… 5
     (1)会社の経営の基本方針 ………………………………………………………………………… 5
     (2)目標とする経営指標 …………………………………………………………………………… 5
     (3)中長期的な会社の経営戦略 …………………………………………………………………… 5
     (4)会社の対処すべき課題 ………………………………………………………………………… 5
    3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………… 7
    4.財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………… 8
     (1)貸借対照表 ……………………………………………………………………………………… 8
     (2)損益計算書 ……………………………………………………………………………………… 10
     (3)製造原価明細書 ………………………………………………………………………………… 11
     (4)株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………………… 12
     (5)キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………… 14
     (6)財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………… 15
      (継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………… 15
      (重要な会計方針) ………………………………………………………………………………… 15
      (持分法損益等) …………………………………………………………………………………… 16
      (セグメント情報等) ……………………………………………………………………………… 17
      (1株当たり情報) ………………………………………………………………………………… 21
      (重要な後発事象) ………………………………………………………………………………… 21
    5.補足情報 ……………………………………………………………………………………………… 22
     (1)研究開発活動 …………………………………………………………………………………… 22




                           ― 1 ―
                                                オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                         2019年12月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
   当事業年度の世界経済は米中貿易摩擦の影響で消費の縮小が見られ、わが国経済でも新元号「令和」への改元や
  ラグビーワールドカップ開催などの明るい話題もありましたが、輸出不振が懸念され、先行き不透明な状況が続き
  ました。また、がんの新薬開発は活況を呈するも、一方で医療費削減に向けた薬価改定が行われ、製薬業界におい
  ても厳しい1年だったと言えます。
   このような状況下、当社は「未来のがん治療にパワーを与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残し
  てゆくこと」をビジョンとし、がんのウイルス療法OBP-301 (テロメライシン)やがん検査薬テロメスキャンの研
  究・開発・事業活動を推進させました。
   当社活動の詳細に関しては、「5.補足情報 (1)研究開発活動」をご確認ください。


   以上の結果、当事業年度は、売上高1,303,844千円(前期は売上高168,549千円)、営業損失511,463千円(前期は
  営業損失1,247,563千円)を計上しました。また、営業外収益として受取利息20,235千円等を計上し、営業外費用と
  して支払利息3,947千円、譲渡制限付株式報酬償却42,108千円、為替差損2,115千円を計上しました結果、経常損失
  539,177千円(前期は経常損失1,230,105千円)になりました。また、2015年11月にがん検査薬OBP-401(テロメスキ
  ャン)の北米エリアの権利を許諾しましたLiquid Biotech USA, Inc(以下「リキッド社」)は、New York大学等と
  共同研究を進めていましたが、研究開発の進展の一方でベンチャーキャピタル等からの資金調達が遅延し、リキッ
  ド社の事業進捗が当初計画と比較して大幅に遅延したこと等を理由として、特別損失として、当社が引き受けたリ
  キッド社転換社債等359,597千円を投資有価証券評価損として計上いたしました。また、転換社債にかかる未収利息
  9,818千円を貸倒損失として計上いたしました。その結果、当期純損失912,346千円(前期は当期純損失1,233,846千
  円)を計上しました。当社は今後リキッド社との連携を密にしていく方針です。


   セグメントの業績は、次のとおりです。


  ①   医薬品事業
   医薬品事業では、2019年4月に中外製薬株式会社(以下「中外製薬」)とテロメライシンのライセンス契約を締
  結し、契約一時金及び第1回マイルストーン収入等を受領しました。また、Medigen Biotechnology Corp.(台湾
  以下「メディジェン社」)からのテロメライシンの開発に応じた開発協力金収入を受領しました。この結果、売上
  高1,292,363千円(前期は売上高152,611千円)、営業利益373,069千円(前期は営業損失484,618千円)となりまし
  た。
    
  ②   検査事業
   検査事業では、Deciphera Pharmaceuticals, LLC(米国   以下「ディサイフィラ社」)へのテロメスキャン販売
  収入等を計上しました。また、2019年11月に契約解消に至りましたがWONIK CUBE Corp.(韓国        以下「ウォニック
  キューブ社」)からは契約解除違約金を含めてライセンス契約に基づく収入を得ました。この結果、売上高11,481
  千円(前期は売上高15,938千円)、営業損失151,655千円(前期は営業損失169,734千円)となりました。


(2)当期の財政状態の概況
  ①   資産、負債及び純資産の状況
      当事業年度末における資産は、現預金の増加等により4,380,056千円(前期比27.7%増)となりました。負債は、
   未払金の増加等により926,007千円(前期比75.1%増)となりました。純資産は、新株発行による増資や当期純損
   失等により3,454,048千円(前期比19.1%増)となりました。




                                      ― 2 ―
                                              オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                       2019年12月期 決算短信




  ②   キャッシュ・フローの状況
      当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,097,514千円(前期比39.6%増)となりました。当事業年度に
   おける各キャッシュ・フローは次のとおりです。


 (営業活動によるキャッシュ・フロー)
  営業活動によるキャッシュ・フローは238,228千円の支出(前期は1,187,579千円の支出)となりました。これは
 主として、税引前当期純損失908,593千円、投資有価証券評価損359,597千円の計上、株式報酬費用125,928千円の計
 上、売上債権の増加119,244千円、未払金の増加182,144千円等によるものです。


 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
  投資活動によるキャッシュ・フローは4,442千円の支出(前期は342,040千円の収入)となりました。これは、主
 に固定資産取得4,290千円の支出等によるものです。


 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
  財務活動によるキャッシュ・フローは1,123,312千円の収入(前期は1,147,270千円の収入)となりました。これ
 は主に株式の発行による収入1,006,892千円、長期借入金200,000千円等によるものです。


(3)当期のキャッシュ・フローの概況

                        2017年              2018年           2019年
                        12月期               12月期            12月期
      自己資本比率(%)                  82.9               84.3            78.7
      時価ベースの
                                245.5              402.3           628.5
      自己資本比率(%)
      キャッシュ・フロー対
                                   ―                  ―               ―
      有利子負債比率 (注4)
      インタレスト・
                                   ―                  ―               ―
      カバレッジ・レシオ (注4)
   自己資本比率:自己資本/総資産
   時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債比率/キャッシュ・フロー
    インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
 (注1)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。
 (注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しています。
 (注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。
 (注4)営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載していません。


(4)今後の見通し
   当社は、テロメライシンの開発推進を軸に、更なる企業価値の向上のために国内外で各種パイプラインの臨床試
  験、非臨床試験、治験薬製造を積極的に推進し、2019年4月に中外製薬と総額500億円以上のライセンス及び資本提
  携契約の締結に至りました。また、2016年11月には江蘇恒瑞医薬股份有限公司(中国                    以下「ハンルイ社」)とテ
  ロメライシンのライセンス契約を締結しています。しかしながら、未だ当社収入基盤は小さく、テロメライシンの
  ライセンス先である中外製薬、ハンルイ社との契約において設定されたイベント達成に連動して発生するマイルス
  トーン収入等によって、当社の業績は大きく変動します。
   したがって、現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適正かつ合理的な
  数値の算出が困難な状況と考えており、予想の公表を控えることにしました。




                                   ― 3 ―
                                    オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                             2019年12月期 決算短信




(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
   当社は研究開発型ベンチャー企業として、先行投資的な事業資金等を支出してまいりました事により、これまで
  利益配当を実施していません。しかしながら、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識し、経営基盤の
  一層の強化と積極的な事業展開に備えた内部留保の充実を勘案しながら、各期の経営成績を考慮に入れて配当政策
  を決定します。この様な基本方針に従い、当期及び次期の配当については、実施しない予定です。




                            ― 4 ―
                                    オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                             2019年12月期 決算短信




2.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
   当社は創薬バイオベンチャー企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いアデノウイルス遺
  伝子改変技術を活用した新規がん治療薬、新規がん検査薬の開発と事業化を推進しています。
   がんのウイルス療法テロメライシン、腫瘍溶解遺伝子治療OBP-702(次世代テロメライシン)、がんの早期発見ま
  たは再発予測を行うテロメスキャンを揃え、がんの発見から治療までを網羅するパイプラインを構築しています。
  今後も、当社の遺伝子改変アデノウイルスプラットフォームを拡大し、がん治療の医療現場ニーズに貢献できるよ
  う、更なる新規パイプラインの拡充にも取り組んで参ります。「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様
  が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献していきた
  いと考えています。


(2)目標とする経営指標
   当社は研究開発型の創薬バイオベンチャー企業であり、利益が本格的に拡大するのは、現在開発しているパイプ
  ラインが上市され、ライセンス契約締結先からロイヤリティ収入を得る時期になる予定です。したがって、現段階
  においては、ライセンス先からの契約一時金やマイルストーンによる収入を拡大させるためのパイプライン充実化
  と共に検査事業の収入による財務リスクの低減を図りながら、早期の安定黒字化を経営指標として目指していま
  す。


(3)中長期的な会社の経営戦略
   当社は基本戦略として、前臨床から臨床試験への効率的な進捗を実現するために、アウトソーシングを活用した
  ファブレス経営モデルを構築しています。最小人員での運営を実現すると共に、統括的なプロジェクトマネジメン
  トに特化した人財を重点的に確保・育成しています。今後も引き続き、積極的な人財確保・育成に努め、医薬品事
  業・検査事業へ人財を投下していきます。


   医薬品事業は、迅速な開発ステージアップを実現することにより製品価値の評価指標となる有効性の証明(Proof
  of Concept : POC)を行い、大手製薬企業・バイオ企業にライセンス許諾することで、提携先から契約金や上市後
  のロイヤリティ収入を得る収益モデルを標榜しています。また、医療現場のニーズが高い難病や希少疾病の治療薬
  を中心に、新規パイプラインの導入を行っていきます。


   検査事業では、現在はライセンス収入や検査ウイルス販売を軸にした収益モデルですが、将来は医療ニーズを充
  足した検体の大量処理を実現させることで、検査キットをライセンス先及び検査会社や医療機関に提供する収益モ
  デルを目指しています。


   今後も、迅速な開発ステージアップを行い、複数の収益モデルを具体化することで、経常的な収益基盤の構築に
  努めてまいります。


(4)会社の対処すべき課題
   当社は、組織戦略において下記を重要な課題として取り組んでおります。
    
  a.経営理念の浸透
    当社のビジョンは、未来のがん治療にパワーを与え、その実績ががん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆく
   ことです。
    私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみま
   せん。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業に出来ないことこそ、
   私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その
   結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有して
   ゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常



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                                                2019年12月期 決算短信


 にコンプライアンスの遵守を心がけます。
  経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構
 築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を具現化するための行動規範を策定し、役職員に行
 動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その
 上で、研究開発部門と事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社
 内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さら
 に、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況をはじめとするモニタリング機能を充実させていきま
 す。


b.人財の確保と成長
  役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積
 極的に推進します。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せ
 てOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価や株式報酬制
 度を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。


c.研究開発体制の強化
  当社の研究開発は、医薬品及び検査薬候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験までを対象としてい
 ます。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える
 人財の確保並びに育成が重要な課題です。そのため、引き続き研究開発部門の質的・量的充実化に努めます。ま
 た、研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図ると共に、経営理念を共有
 できるアウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。


d.事業開発部門の強化
  当社は、がん治療薬領域においてウイルス製剤を用いており、この業界においては非常に特殊な製品の事業化
 を目指しています。従って、この領域に明るい事業開発担当者を確保・育成し、世界の製薬企業とのネットワー
 クをより強固なものとし、当社のキャッシュ・フロー獲得に貢献する事業開発体制を構築します。


e.検査事業の独立採算化
  検査事業は、テロメスキャンに関する研究開発が国内外で進展していますが、開発進展による経常的な売上計
 上に至るまでには数年の時間がかかる見通しです。検査事業の単年度黒字化を早期に達成すると共に経常的な独
 立採算実現に向け、迅速にグローバルなライセンスエリアの拡大を図り、将来の検査キットの販路確保に努めま
 す。


f.アウトソーシング戦略
  アウトソーシングを主体とする当社のビジネスにおいて、その効率化は重要な課題であります。必要且つ十分
 な研究開発及び製造力の確保に向け、外部委託会社であるCRO(Contract Research Organization)及びCMO
 (Contract Manufacturing Organization)との関係を強化するために、定期訪問等による綿密なコンタクト体制
 をとるべく全組織に啓蒙しています。また、常に最良のアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域
 において特定の1社依存にならぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行います。




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3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 当社は連結財務諸表を作成していないため、国際会計基準に基づく財務諸表を作成するための体制整備の負担等を
考慮し、日本基準に基づき財務諸表を作成しております。




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4.財務諸表及び主な注記
(1)貸借対照表
                                                     (単位:千円)
                            前事業年度                当事業年度
                         (2018年12月31日)        (2019年12月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                         2,463,138            3,342,585
   売掛金                               50,063              169,308
   製品                                 9,121                8,504
   仕掛品                                   ―                 3,898
   貯蔵品                                1,941                2,515
   前払金                                4,084               47,737
   前払費用                              29,438              202,709
   関係会社短期貸付金                             ―                10,954
   未収入金                              27,843               37,069
   未収消費税等                            31,755                   ―
   その他                                  726                1,146
   流動資産合計                         2,618,115            3,826,429
 固定資産
   有形固定資産
     建物                               2,794                2,794
      減価償却累計額                       △2,794               △2,794
      建物(純額)                             ―                    ―
     工具、器具及び備品                       68,772               73,673
      減価償却累計額                      △66,516              △61,849
      工具、器具及び備品(純額)                   2,256               11,823
     有形固定資産合計                         2,256               11,823
   無形固定資産
     ソフトウエア                              ―                    850
     無形固定資産合計                            ―                    850
   投資その他の資産
     投資有価証券                         668,201              329,333
     関係会社株式                         101,153              101,153
     出資金                                100                  100
     関係会社長期貸付金                       11,102                   ―
     敷金及び保証金                         28,299               27,532
     長期前払費用                             865               82,816
     その他                                 19                   19
     投資その他の資産合計                     809,740              540,953
   固定資産合計                           811,997              553,626
 資産合計                             3,430,112            4,380,056




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                                                 (単位:千円)
                        前事業年度                当事業年度
                     (2018年12月31日)        (2019年12月31日)
負債の部
 流動負債
   短期借入金                         83,336              127,776
   リース債務                          5,795                3,147
   未払金                           71,012              253,275
   未払費用                          11,845               12,338
   未払法人税等                        35,933               43,859
   未払消費税等                            -                75,828
   預り金                            4,402                7,576
   流動負債合計                       212,324              523,801
 固定負債
   長期借入金                        311,104              388,880
   リース債務                          1,345                8,419
   退職給付引当金                        4,185                4,906
   固定負債合計                       316,634              402,205
 負債合計                           528,959              926,007
純資産の部
 株主資本
   資本金                        6,402,658            7,121,273
   資本剰余金
     資本準備金                    6,395,158            7,113,773
     その他資本剰余金                        ―                 9,650
     資本剰余金合計                  6,395,158            7,123,423
   利益剰余金
     その他利益剰余金
      繰越利益剰余金                △9,893,863          △10,806,209
     利益剰余金合計                 △9,893,863          △10,806,209
   株主資本合計                     2,903,953            3,438,488
 評価・換算差額等
   その他有価証券評価差額金                △13,108                 7,620
   評価・換算差額等合計                  △13,108                 7,620
 新株予約権                           10,309                7,940
 純資産合計                        2,901,153            3,454,048
負債純資産合計                       3,430,112            4,380,056




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(2)損益計算書
                                                 (単位:千円)
                     前事業年度                  当事業年度
                  (自 2018年1月1日           (自 2019年1月1日
                  至 2018年12月31日)         至 2019年12月31日)
売上高                          168,549               1,303,844
売上原価
 役務原価                        119,656                  112,891
 製品期首たな卸高                     11,807                    9,121
 当期製品製造原価                         ―                        ―
 合計                           11,807                    9,121
 他勘定振替高                        1,011                      606
 製品期末たな卸高                      9,121                    8,504
 製品売上原価                        1,675                        9
売上総利益                         47,217                1,190,943
販売費及び一般管理費                 1,294,781                1,702,406
営業損失(△)                   △1,247,563                △511,463
営業外収益
 受取利息                          21,380                  20,235
 受取配当金                              4                       4
 その他                               30                     217
 営業外収益合計                       21,415                  20,457
営業外費用
 支払利息                          2,797                   3,947
 譲渡制限付株式報酬償却                      ―                   42,108
 為替差損                          1,160                   2,115
 営業外費用合計                       3,957                  48,171
経常損失(△)                   △1,230,105                △539,177
特別損失
 投資有価証券評価損                        ―                  359,597
 貸倒損失                             ―                    9,818
 特別損失合計                           ―                  369,415
税引前当期純損失(△)               △1,230,105                △908,593
法人税、住民税及び事業税                   3,740                   3,752
法人税等合計                         3,740                   3,752
当期純損失(△)                  △1,233,846                △912,346




               ― 10 ―
                                          オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                   2019年12月期 決算短信


(3)製造原価明細書

                           前事業年度                       当事業年度
                      (自   2018年1月1日              (自   2019年1月1日
                      至    2018年12月31日)           至    2019年12月31日)
                注記                    構成比                         構成比
          区分         金額(千円)                      金額(千円)
                番号                     (%)                         (%)

Ⅰ   材料費                          ―                        1,680

Ⅱ   労務費                          ―                          979

Ⅲ   経費                           ―                        1,238

    当期総製造費用                      ―                        3,898

    期首仕掛品たな卸高                 4,931                          ―

    他勘定受入高                       ―                           ―

          合計                  4,931                          ―

    期末仕掛品たな卸高                    ―                        3,898

    他勘定振替高                    4,931                          ―

    当期製品製造原価                                                 ―
                                 ―
 原価計算の方法
  原価計算の方法は、製品別個別原価計算によっております。




                            ― 11 ―
                                                          オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                                   2019年12月期 決算短信


(4)株主資本等変動計算書
   前事業年度(自   2018年1月1日       至    2018年12月31日)
                                                                                        (単位:千円)
                                                    株主資本

                                        資本剰余金                          利益剰余金
                                                                 その他利益
               資本金                      その他資本剰余     資本剰余金          剰余金        利益剰余金        株主資本合計
                           資本準備金
                                           金          合計          繰越利益          合計
                                                                   剰余金
当期首残高          5,802,444    5,794,944          ―     5,794,944   △8,660,016   △8,660,016    2,937,371

当期変動額

 新株の発行           600,214      600,214                  600,214                              1,200,428

 自己株式処分差益                                                   ―                         ―            ―

 当期純損失(△)                                                        △1,233,846   △1,233,846   △1,233,846
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純
 額)
当期変動額合計          600,214      600,214          ―       600,214   △1,233,846   △1,233,846     △33,418

当期末残高          6,402,658    6,395,158          ―     6,395,158   △9,893,863   △9,893,863    2,903,953



                 評価・換算差額等


             その他有価証券 評価・換算差額            新株予約権       純資産合計
              評価差額金    等合計


当期首残高          △15,786      △15,786        10,309    2,931,893

当期変動額

 新株の発行                                               1,200,428

 自己株式処分差益                                                   ―

 当期純損失(△)                                           △1,233,846
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純          2,677        2,677          ―         2,677
 額)
当期変動額合計            2,677        2,677          ―      △30,740

当期末残高          △13,108      △13,108        10,309    2,901,153




                                           ― 12 ―
                                                          オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                                   2019年12月期 決算短信


   当事業年度(自   2019年1月1日       至    2019年12月31日)
                                                                                          (単位:千円)
                                                    株主資本

                                        資本剰余金                           利益剰余金
                                                                 その他利益
               資本金                      その他資本剰余     資本剰余金          剰余金         利益剰余金         株主資本合計
                           資本準備金
                                           金          合計          繰越利益           合計
                                                                   剰余金
当期首残高          6,402,658    6,395,158          ―     6,395,158   △9,893,863    △9,893,863     2,903,953

当期変動額

 新株の発行           718,615      718,615                  718,615                                1,437,231

 自己株式処分差益                                   9,650        9,650                          ―        9,650

 当期純損失(△)                                                          △912,346      △912,346     △912,346
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純
 額)
当期変動額合計          718,615      718,615       9,650      728,265     △912,346      △912,346      534,535

当期末残高          7,121,273    7,113,773       9,650    7,123,423   △10,806,209   △10,806,209    3,438,488



                 評価・換算差額等


             その他有価証券 評価・換算差額            新株予約権       純資産合計
              評価差額金    等合計


当期首残高          △13,108      △13,108        10,309    2,901,153

当期変動額

 新株の発行                                               1,437,231

 自己株式処分差益                                                9,650

 当期純損失(△)                                            △912,346
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純        20,728       20,728      △2,369        18,359
 額)
当期変動額合計          20,728       20,728      △2,369       552,895

当期末残高              7,620        7,620       7,940    3,454,048




                                           ― 13 ―
                                オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                         2019年12月期 決算短信


(5)キャッシュ・フロー計算書
                                                       (単位:千円)
                            前事業年度                 当事業年度
                         (自 2018年1月1日          (自 2019年1月1日
                         至 2018年12月31日)        至 2019年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前当期純損失(△)                    △1,230,105             △908,593
 減価償却費                               1,709                 3,109
 貸倒損失                                   ―                  9,818
 投資有価証券評価損益(△は益)                        ―                359,597
 株式報酬費用                                 ―                125,928
 退職給付引当金の増減額(△は減少)                     472                   721
 受取利息及び受取配当金                      △21,384               △20,239
 支払利息                                2,797                 3,947
 為替差損益(△は益)                          6,088                 1,349
 売上債権の増減額(△は増加)                     38,672             △119,244
 たな卸資産の増減額(△は増加)                     7,519               △3,855
 前払費用の増減額(△は増加)                     21,930                56,471
 未収入金の増減額(△は増加)                      △320                    320
 未払消費税等の増減額(△は減少)                       ―                 75,828
 前払金の増減額(△は増加)                       8,561              △43,652
 未払金の増減額(△は減少)                    △17,868                182,144
 その他                                    61                44,828
 小計                             △1,181,864             △231,521
 利息及び配当金の受取額                           683                   875
 利息の支払額                            △2,657                △3,829
 法人税等の支払額                          △3,740                △3,752
 営業活動によるキャッシュ・フロー               △1,187,579             △238,228
投資活動によるキャッシュ・フロー
 定期預金の預入による支出                          △6                   △6
 定期預金の払戻による収入                      700,000                   ―
 有形固定資産の取得による支出                    △1,643                △3,290
 無形固定資産の取得による支出                         ―                △1,000
 投資有価証券の取得による支出                   △356,310                   ―
 敷金及び保証金の差入による支出                        ―                 △146
 投資活動によるキャッシュ・フロー                  342,040               △4,442
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の返済による支出                     △10,000                    ―
 長期借入れによる収入                              ―               200,000
 長期借入金の返済による支出                     △33,336              △77,784
 リース債務の返済による支出                      △9,822               △5,795
 株式の発行による収入                       1,188,328            1,006,892
 新株予約権の発行による収入                       12,100                   ―
 財務活動によるキャッシュ・フロー                 1,147,270            1,123,312
現金及び現金同等物に係る換算差額                    △6,111               △1,201
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                 295,619              879,440
現金及び現金同等物の期首残高                    1,922,454            2,218,074
現金及び現金同等物の期末残高                    2,218,074            3,097,514




                      ― 14 ―
                                    オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                             2019年12月期 決算短信


(6)財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。


 (重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
 (1) 子会社株式及び関連会社株式
   移動平均法による原価法
 (2) その他有価証券
   時価のあるもの
    決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により
   算定)
   時価のないもの
    移動平均法による原価法


2.たな卸資産の評価基準及び評価方法
  製品
   個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)
  仕掛品
   個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)
  貯蔵品
   個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)


3.固定資産の減価償却の方法
 (1) 有形固定資産(リース資産を除く)
   建物および2016年4月1日以後に取得した付属設備ならびに構築物については定額法、その他について
  は定率法
   なお、主な耐用年数は以下の通りであります。
    建物          3~15年
    工具、器具及び備品   3~6年


 (2) 無形固定資産(リース資産を除く)
   定額法
    なお、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法


 (3) リース資産
   リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法


4.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
  外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。


5.引当金の計上基準
 (1) 貸倒引当金
   債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につ
  いては個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。




                           ― 15 ―
                                    オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                             2019年12月期 決算短信


 (2) 退職給付引当金
   従業員の退職給付に備えるため、退職給付引当金及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支
  給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。


6.キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
  手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わ
 ない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。


7.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
  消費税等の会計処理
   消費税等の会計処理は、税抜方式を採用しております。


 (表示方法の変更)
  (キャッシュ・フロー計算書)
   前事業年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「前払費用の増減額
  (△は増加)」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変
  更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えをおこなっております。
   この結果、前事業年度のキャッシュ・フロー計算書において「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その
  他」に表示していた21,991千円は、「前払費用の増減額(△は増加)」21,930千円、「その他」61千円として組み
  替えております。


 (持分法損益等)
  当社が有している関連会社は、利益基準および利益剰余金基準からみて重要性の乏しい関連会社であるため、記載
 を省略しております。




                           ― 16 ―
                                                オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                         2019年12月期 決算短信


(セグメント情報等)
 a.セグメント情報
1.報告セグメントの概要
 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の
配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
 当社は、取り扱う製品・サービスの観点から事業を区分し、各事業部門が包括的な戦略を立案し、事業活動を展開
しております。
 したがって、当社は、事業別のセグメントから構成されており、「医薬品事業」、「検査事業」の2つを報告セグメ
ントとしております。
 「医薬品事業」は、医薬品の研究・開発・製造・販売等であります。「検査事業」は、検査薬・機器の研究・開
発・製造・販売ならびに検査サービスの提供等であります。


2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
  報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「重要な会計方針」における記載と概ね同一であります。
  報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。


3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
  前事業年度(自    2018年1月1日    至   2018年12月31日)
                                                                      (単位:千円)
                                   報告セグメント
                                                           調整額         財務諸表
                                                           (注)1       計上額(注)2
                   医薬品事業            検査事業         計

売上高

 外部顧客への売上高               152,611       15,938    168,549          ―       168,549
 セグメント間の内部売上高
                              ―            ―          ―           ―            ―
 又は振替高
         計               152,611       15,938    168,549          ―       168,549

セグメント損失(△)           △484,618        △169,734   △654,353   △593,210    △1,247,563

その他の項目

 減価償却費                        ―            ―          ―       1,709         1,709
(注) 1.セグメント損失(△)の調整額△593,210千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に
      報告セグメントに帰属しない当社の管理部門に係る経費であります。
    2.セグメント損失(△)は、損益計算書の営業損失と調整を行っております。




                                      ― 17 ―
                                                オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                         2019年12月期 決算短信


  当事業年度(自    2019年1月1日    至   2019年12月31日)
                                                                       (単位:千円)
                                   報告セグメント
                                                            調整額         財務諸表
                                                            (注)1       計上額(注)2
                   医薬品事業            検査事業         計

売上高

 外部顧客への売上高           1,292,363         11,481   1,303,844          ―     1,303,844
 セグメント間の内部売上高
                              ―            ―           ―           ―           ―
 又は振替高
         計           1,292,363         11,481   1,303,844          ―     1,303,844
セグメント利益又はセグメン
                         373,069     △151,655     221,414   △732,877     △511,463
ト損失(△)
その他の項目

 減価償却費                        ―           303         303      2,806        3,109
 有形固定資産及び
                      ―        10,237 10,237  3,290  13,527
 無形固定資産の増加額
(注) 1.セグメント損失(△)の調整額△732,877千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に
      報告セグメントに帰属しない当社の管理部門に係る経費であります。
    2.セグメント損失(△)は、損益計算書の営業損失と調整を行っております。




                                      ― 18 ―
                                                 オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                          2019年12月期 決算短信


 b.関連情報
前事業年度(自 2018年1月1日      至   2018年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
   製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。


2.地域ごとの情報
 (1) 売上高
                                                                     (単位:千円)
       日本                  米国                 その他アジア                 合計

                 120             12,318                  156,111          168,549
(注)   売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。


 (2) 有形固定資産
      本邦以外に所在している有形固定資産がないため該当事項はありません。


3.主要な顧客ごとの情報
                                                                     (単位:千円)
      顧客の名称又は氏名                      売上高                       関連するセグメント名

            イ社                                 145,981   医薬品事業
(注)   当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。




                                     ― 19 ―
                                                   オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                            2019年12月期 決算短信


当事業年度(自 2019年1月1日       至   2019年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
   製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。


2.地域ごとの情報
 (1) 売上高
                                                                       (単位:千円)
       日本                   米国                 その他アジア                  合計

            1,175,753              4,481                   123,609          1,303,844
(注)   売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。


 (2) 有形固定資産
      本邦以外に所在している有形固定資産がないため該当事項はありません。


3.主要な顧客ごとの情報
                                                                       (単位:千円)
      顧客の名称又は氏名                       売上高                        関連するセグメント名

            ロ社                                 1,175,753   医薬品事業

            ハ社                                   116,609   医薬品事業
(注)   当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。


 c.報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報
   該当事項はありません。


 d.報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報
   該当事項はありません。


 e.報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報
   該当事項はありません。




                                      ― 20 ―
                                            オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                     2019年12月期 決算短信


 (1株当たり情報)

                              前事業年度                           当事業年度
                           (自 2018年1月1日                  (自   2019年1月1日
                           至 2018年12月31日)                至    2019年12月31日)

1株当たり純資産額                                216.61円                          240.71円

1株当たり当期純損失金額(△)                         △104.55円                         △65.55円
 (注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失
       金額であるため記載しておりません。
     2.1株当たり当期純損失金額の算定上の基礎は、以下の通りであります。

                                         前事業年度                     当事業年度
                                    (自   2018年1月1日            (自   2019年1月1日
                                    至    2018年12月31日)          至   2019年12月31日)

1株当たり当期純損失金額

    当期純損失(△)(千円)                              △1,233,846                 △912,346

    普通株主に帰属しない金額(千円)                                   ―                        ―

    普通株式に係る当期純損失(△)(千円)                       △1,233,846                 △912,346

    期中平均株式数(株)                                 11,801,825               13,917,336
 
 (重要な後発事象)
    該当事項はありません。




                               ― 21 ―
                                             オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
                                                      2019年12月期 決算短信


5.補足情報
(1)研究開発活動
  当社の当事業年度における研究開発費は、医薬品事業385,563千円、検査事業130,276千円、両セグメント共通
46,854千円、合計562,694千円となりました。なお、当事業年度における研究開発活動の状況は以下の通りです。


1)   研究開発体制について
     2019年12月31日現在、研究開発部門は13名在籍しており、これは総従業員数の41.9%に当たります。


2)   研究開発並びにビジネス活動について
     当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発並びにビジネス活動を進めました。


  ①   医薬品事業
     1)がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)に関する活動
       当社はビジネス面において、2019年4月8日に中外製薬とテロメライシンに関する独占的ライセンス契約及
      び資本提携契約を締結しました。本契約により、日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き
      独占的ライセンスと、中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション
      権を中外製薬へ付与しました。今後、テロメライシンの臨床試験において一定の効果が確認され、中外製薬が
      独占的オプション権を行使した場合には、本ライセンス総額は500億円以上になります。さらに、テロメライシ
      ンの上市後は、売上額に応じた販売ロイヤリティを、ライセンス契約総額とは別に受領します。
       本契約の契約一時金として2019年4月に5.5億円を受領しました。更に、2019年12月に第1回マイルストーン
      を達成し、追加で5億円が売上高に計上されています。


       またビジネス活動に加え、現在、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)は、i)放射線併用食道がん
      Phase1企業治験、ii)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の固形がんPhase1医師主導治験、iii)抗PD-1抗体ペム
      ブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験、iv)肝細胞がんPhase1企業治験の4つの
      臨床試験が同時に進行しています。また、新たに米国で放射線化学療法を併用した食道がんPhase1臨床試験や
      抗PD-1抗体と放射線療法を併用した頭頸部がんPhase2臨床試験を開始するための準備が進められています。更
      に、乳がんを対象とした非臨床試験も進行しています。


       上記i)の「放射線併用食道がんPhase1企業治験」に先行して岡山大学で実施された「放射線併用医師主導臨
      床研究」は、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者を対象に、テロメライシンの
      放射線治療併用における安全性及び有効性の評価を既に完了し、2018年7月に神戸で開催された日本臨床腫瘍
      学会で、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学の藤原俊義教授グループにより「テロメライシンを
      投与した部位での治療効果は13例中8例でCR (Complete Response:完全奏効)であり、重篤な有害事象は認め
      られなかった。」と発表されました。また、2019年4月に米国アトランタで開催されたアメリカ癌学会
      (AACR:American Association for Cancer Research)でも、同内容についてプレナリーセッションで討議が
      なされました。
       一方、上記i)の「放射線併用食道がんPhase1企業治験」は、効果安全性評価委員会により2019年9月に
      Phase1企業治験での安全性の評価が完了しました。今後開始される食道がんに対する放射線を併用したPhase
      2臨床試験は、ライセンス先である中外製薬がコスト負担して臨床開発が進みます。
       また、2019年4月には、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。これに
      より、PMDAへの承認申請前相談が可能となり優先的な取り扱いを受けることができるようになりました。


       上記ii)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用して食道がんを中心に開発を進めている「各種固形がん抗PD-1
      抗体併用Phase1医師主導治験」は2017年12月に投与が開始され、既にPhase1aの投与が完了し、Phase1bに移
      行しています。この中間成績は、2019年3月に米国アトランタで開催されたAACRや2019年11月開催の日本バイ
      オセラピィ学会で発表され、テロメライシンの抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用における安全性が示されまし
      た。また、一次評価としての予備的な有効性評価では、9例中3例で全身での部分寛解(PR)が得られたと報



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                                       オンコリスバイオファーマ株式会社 (4588)
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告されました。


 上記iii)の米国コーネル大学での「抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医
師主導治験」においては、2019年5月に第1例目の投与が開始されました。最大37例に投与が行われる予定で、
テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用した際の有効性及び安全性の評価を行います。また、本
治験の実施計画は、2019年6月に米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of
Clinical Oncology)で発表されました。


 上記iv)の肝細胞がんPhase1企業治験においては、国立釜山大学(韓国)と国立台湾大学(台湾)を治験実
施施設として単回・反復投与を含めPhase1の最終段階が進行しています。


 また、米国で放射線化学療法を併用した食道がんPhase1臨床試験や抗PD-1抗体と放射線療法を併用した頭頸
部がんPhase2臨床試験を開始するための準備が進められています。更に、乳がんを対象とした非臨床試験が進
行しています。


 当社が中国・香港・マカオでのテロメライシンの研究・開発・製造・販売権を付与したハンルイ社は、テロ
メライシンのGMP製造を確立し、2019年10月にPre-INDを実施するなど中国政府(NMPA: National Medical
Products Administration)への治験申請に向けた準備を行っています。




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2)次世代テロメライシン(OBP-702)に関する活動
  腫瘍溶解遺伝子治療OBP-702は、がん抑制遺伝子p53による「遺伝子治療」とテロメライシン(OBP-301)の
 「腫瘍溶解機能」を組み合わせた2つの抗腫瘍効果を持つウイルスです。当社はOBP-702を、中外製薬やハンル
 イ社に導出済みのテロメライシンに続く「次世代テロメライシン」として位置付けています。また、岡山大学
 藤原教授の研究グループは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成を受けてOBP-702の非臨床
 試験を進め、2019年3月に米国アトランタで開催されたAACRや2019年11月開催の日本バイオセラピィ学会にて
 複数の非臨床試験結果が報告されました。当社は岡山大学から委託を受けて、OBP-702の製造法並びに品質試験
 法の開発検討を進めています。今後、研究開発を促進させ、2022年までに臨床試験開始を目指します。




3)その他の医薬品事業に関する活動
  2009年にアステラス製薬株式会社から導入したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤OBP-801は、2015年
 5月に他の治療法に抵抗性を示す進行性固形がん患者を対象としたPhase1臨床試験の投与を米国で開始しまし
 た。しかし、コホート3の段階で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting Toxicity)が発生し、現在新規患者の組
 入れを一時中断し、他の薬剤との併用など別プロトコルでの再スタートの可能性について検討しています。ま
 た、OBP-801の新規適応領域である眼科領域への適応については、2018年7月に京都府立医科大学の眼科研究グ
 ループと特許出願を行っており、共同研究を進めています。今後、眼科領域内のターゲットとする疾患を検討
 していく方針です。


  新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)は、現在の抗HIV薬市場の状況に鑑み開発優先順位を下げて開発パート
 ナーを模索していますが、依然としてHIVマーケットが過飽和状態であり新規ライセンスの可能性は非常に低下
 しています。今後、新規ライセンス契約の締結が不可能と判断した場合には、Yale大学へOBP-601の権利を返還
 し、当社経営資源を有効に活用するために、パイプラインの選択と集中を進めていきます。


  B型肝炎ウイルス(HBV)に対する抗ウイルス薬プロジェクトであるOBP-AI-004は、新規化合物の創出に向け
 て鹿児島大学の抗ウイルス薬研究グループと共同研究を進めていきます。




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 医薬品事業における臨床試験の状況は、以下の通りです。


    開発コード         商標又は名称                適応疾患      開発地域     開発ステージ

                                         食道がん                Phase2
                                                   日本
                                        放射線併用               (準備中)

                                      食道がん
                                     (固形がん)        日本        Phase1
                                    抗PD-1抗体併用

                                     食道がん
                                                             Phase1
                                      放射線          米国
                                                            (準備中)
                 テロメライシン          並びに化学療法併用
    OBP-301
               (がんのウイルス療法)
                                      胃がん・
                                   胃食道接合部がん        米国        Phase2
                                    抗PD-1抗体併用

                                     頭頸部がん
                                                             Phase2
                                     抗PD-1抗体       米国
                                                            (準備中)
                                   並びに放射線併用

                                        肝細胞がん     韓国・台湾      Phase1

    OBP-801       HDAC阻害剤           各種固形がん         米国        Phase1

    OBP-601    センサブジン(抗HIV剤)            HIV感染症     欧米他    Phase2b (終了)




②   検査事業
    がん検査薬テロメスキャンは、順天堂大学と血中循環がん細胞(CTC: Circulating Tumor Cells)の肺がん領
 域での臨床応用の検討を継続していきます。北米エリアの権利を許諾したLiquid Biotech USA, Inc.(米国)で
 は、米国の大学や研究機関との共同研究を進めています。
  今後もがん細胞を検出する液体生検(Liquid Biopsy)へのテロメスキャンの活用を事業会社や大学・研究機関
 へ積極的に提案し、日本・中国・欧州での新規ライセンス契約やがん検査薬テロメスキャン販売の拡大を目指し
 ていきます。




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