4588 M-オンコリスバイオ 2019-08-02 15:00:00
がんのウイルス療法テロメライシン開発の戦略的な方針変更並びに資金使途変更に関するお知らせ [pdf]
2019年8月2日
各 位
会 社 名 オンコリスバイオファーマ株式会社
代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 浦 田 泰 生
(コード番号:4588)
問 合 せ 先 取 締 役 管 理 担 当 吉 村 圭 司
(TEL.03-5472-1578)
がんのウイルス療法テロメライシン開発の戦略的な方針変更
並びに資金使途変更に関するお知らせ
1. がんのウイルス療法テロメライシンの戦略的な方針変更に関して
当社は、2004年の創業以来がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)の研究開発を進めてき
ました。現在、国内外でテロメライシンに関する複数の臨床試験が進行しています。
2019年4月に公表しました「資本業務提携及び第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ」
に記載の通り、「日本・台湾におけるテロメライシンの導出契約」並びに「日本・台湾・中国・香
港・マカオを除く全世界におけるテロメライシンの導出オプション契約」を、中外製薬株式会社(以
下、「中外製薬」)と締結しています。また、中外製薬へ約8億円の第三者割当増資を実施し、中外
製薬は安定株主として当社へ資本参加しています。さらに、2016年11月に公表しました「テロメライ
シンの中国ライセンス契約締結に関するお知らせ」に記載の通り、江蘇恒瑞医薬股份有限公司(中
国。以下、「ハンルイ社」)と中国・香港・マカオにおけるテロメライシンの導出契約を締結してい
ます。
この結果、テロメライシンの開発・製造・販売に関する独占的な権利は、オプション契約を含める
と全世界で導出が完了しています。
また、当社は上記のビジネス成果や臨床試験の推進に加えて、薬事面でもテロメライシンの実用化
に向けた準備を開始しています。2019年4月に公表しました「先駆け審査指定制度の対象品目にがん
のウイルス療法テロメライシン(OBP-301)が指定」に記載の通り、厚生労働省はテロメライシンを
「先駆け審査指定制度」へ指定しました。同制度は、画期的な新薬等を世界に先駆けて日本で実用化
することを目的とし、テロメライシンの承認申請前の相談が可能となりました。
このような状況下、当社は今後の新たな成長に向けた活動を加速するために、これまで進めてきま
したテロメライシンの各種臨床試験を見直しました。その結果、「がんのウイルス療法テロメライシ
ン開発の戦略的な方針変更」を行うことを決定しましたので、お知らせします。
(1)テロメライシンのメラノーマ臨床試験の開発終了について
当社は、2017年7月よりメラノーマ患者を対象としたテロメライシンの有効性・安全性及び腫瘍免
疫反応の評価を目的にPhase2臨床試験を米国にて開始しました。
しかしながら本領域では、予想以上の競合が生じ、症例組入れが当初計画より大幅に遅延してお
-1-
り、各種免疫チェックポイント阻害剤や分子標的抗がん剤などが相次いで上市され、医療現場のニー
ズは充足されつつあります。
当社は「本臨床試験の経営戦略上の意味」や「メラノーマを対象とした臨床試験を推進させる意
義」を総合的に勘案し、また、提携先の中外製薬の現時点での意向も踏まえた結果、メラノーマ
Phase2臨床試験を戦略的に終了させることを決定しました。
(2)今後のテロメライシンの開発方針について
今後、中外製薬に導出した日本・台湾でのテロメライシンの臨床開発並びに商業化は、導出先の中
外製薬に主導が移行していきます。当社は、上記の通りテロメライシンのメラノーマ領域開発を戦略
的に終了させ、テロメライシンの欧米での免疫チェックポイント阻害剤併用を主体とした試験の推進
を加速させていきたいと考えています。
2019 年 5 月に公表しました「米コーネル大学におけるテロメライシン®(OBP-301)とペムブロリ
ズマブ併用 Phase2 医師主導治験」の通り、胃がん及び胃食道接合部がんを対象とした臨床試験が進行
しています。また、 米国で免疫チェックポイント阻害剤と放射線療法を併用した頭頸部がん Phase 2 臨
床試験を開始する準備を進めています。さらに、今後も新たな領域への展開を試みることにより、本
剤の価値の最大化を図ってまいります。
2. 資金使途の変更に関して
(1) 変更の理由
当社は創業以来、テロメライシンを中心に医薬品及びがん検査薬の研究開発を国内外で進め、テロ
メライシンの開発・製造・販売に関する独占的な権利は、オプション契約を含めると全世界で導出が
完了しています。
このような状況下、今後の新たな成長に向けた活動を加速するために、
「がんのウイルス療法テロ
メライシン開発の戦略的な方針変更」を行い、欧米での免疫チェックポイント阻害剤併用を主体とし
た試験の推進を加速させていきたいと考えています。また、今後中外製薬がテロメライシンの開発を
担う段階で、研究開発費の減少や、過年度に調達した資金の充当予定事項が生じない可能性が見込ま
れます。また、財務面の健全性を向上させるためにも、借入金の返済にも充当したいと考えていま
す。
当社は「がんのウイルス療法テロメライシン開発の戦略的な方針変更」と「テロメライシンを取り
巻く環境の変化」を勘案し、過年度に調達した資金使途の変更に関して決定しましたので、お知らせ
します。
(2)変更の内容
資金使途の変更内容は以下の通りです。
(変更箇所は下線を付しています。)
1) 2018 年6月に発行決議した第 17 回新株予約権
【変更前】
具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
① テロメライシンⓇと放射線を併用した食道が 2018 年 10 月~
647
んPhase Ⅱ/Ⅲ企業治験(日本) 2021 年 12 月
② テロメライシンⓇと抗PD-1抗体を併用した食 2018 年8月~
800
道がんPhase Ⅱ医師主導治験(米国) 2021 年 12 月
-2-
【変更後】
具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
① テロメライシンⓇと放射線を併用した食道 2018 年 10 月~
80
がん Phase Ⅱ企業治験(日本) 2019 年 12 月
② テロメライシンⓇと抗 PD-1 抗体を併用した
胃 胃食道接合部がん Phase Ⅱ医師主導治験
・ 2018 年8月~
800
(米国) 並びに米国での臨床試験を推進する 2023 年 12 月
ための Oncolys USA Inc.の活動資金
2019 年8月~
③ 研究開発等に関する支出 300
2022 年 12 月
2) 2016 年 12 月に発行決議した第 15 回新株予約権
【変更前】
具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
① テロメライシン単剤及び免疫チェックポイ
2016 年 12 月
ント阻害剤との併用療法での臨床試験の実 1,635
~2019 年 12 月
施
② 臨床試験で使用するテロメライシンの追加 2018 年 3 月
残額
GMP 製造の実施 ~2019 年 9 月
【変更後】
具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
2016 年 12 月
① テロメライシン単剤での臨床試験の実施 474
~2019 年 12 月
② 臨床試験で使用するテロメライシンの追加
107 支出済
GMP 製造の実施
③ テロメライシンⓇと免疫チェックポイント
2019 年8月
阻害剤と放射線療法を併用した頭頸部がん 370
~2021 年 12 月
Phase Ⅱ医師主導治験(米国)
2019 年8月
④ 当社借入金の返済に伴う支出 450
~2023 年7月
3) 2013 年 10 月に発行決議した株式発行
【変更前】
具体的な使途 金額(千円) 支出予定時期
2014 年 1 月
① 医薬品事業の研究開発費 3,903,037
~2018 年 12 月
2014 年 1 月
② 検査薬事業の研究開発費 720,156
~2018 年 12 月
-3-
③ 2019 年 1 月以降の研究開発費 残額 2019 年 1 月以降
【変更後】
具体的な使途 金額(百万円) 支出予定時期
① 医薬品事業の研究開発費 1,913 支出済み
② 検査薬事業の研究開発費 591 支出済み
③ 当社運転資金並びに新規パイプライン創出 2019 年8月
2,645
のための支出 ~2022 年 12 月
3. 業績への影響
2019 年 2 月 8 日に開示しました 2018 年 12 月期決算短信に記載の通り、2019 年 12 月期の業績
見通しは、業績に与える未確定な要素が多く、適性かつ合理的な数値算出が困難のため、予想を
公表していません。
以上
-4-