4588 M-オンコリスバイオ 2019-05-10 15:00:00
2019年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

                 2019年12月期         第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                           2019年5月10日
上 場 会 社 名   オンコリスバイオファーマ株式会社             上場取引所                         東
コ ー ド 番 号   4588               URL http://www.oncolys.com
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長     (氏名) 浦田 泰生
問合せ先責任者 (役職名) 取締役管理担当       (氏名) 吉村 圭司              (TEL) 03(5472)1578
四半期報告書提出予定日      2019年5月10日 配当支払開始予定日               ―
四半期決算補足説明資料作成の有無       :無
四半期決算説明会開催の有無          :無
 
                                                                                     (百万円未満切捨て)
1.2019年12月期第1四半期の業績(2019年1月1日~2019年3月31日)
(1)経営成績(累計)                            (%表示は、対前年同四半期増減率)
                        売上高                        営業利益              経常利益                四半期純利益
                        百万円            %           百万円         %     百万円         %           百万円    %

    2019年12月期第1四半期          48     42.8            △364        ―     △359        ―           △360   ―
    2018年12月期第1四半期          33    120.2            △302        ―     △310        ―           △311   ―
 

                                               潜在株式調整後
                        1株当たり
                                                 1株当たり
                       四半期純利益
                                                四半期純利益
                                   円   銭                  円    銭
    2019年12月期第1四半期               △26.91                        ―
    2018年12月期第1四半期               △28.09                        ―
 


 
(2)財政状態
                         総資産                       純資産              自己資本比率
                                   百万円                        百万円                %
    2019年12月期第1四半期          3,310                       2,612                   78.6
    2018年12月期               3,430                       2,901                   84.3
     (参考) 自己資本 2019年12月期第1四半期                  2,603百万円     2018年12月期           2,890百万円
 


 


 

2.配当の状況
                                                   年間配当金

                     第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                           期末          合計
                        円   銭              円   銭          円   銭      円     銭         円   銭
  2018年12月期        ―     0.00                                 ―          0.00        0.00
  2019年12月期        ―
  2019年12月期(予想)          0.00                                 ―          0.00        0.00
(注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無
 
 


 

3.2019年12月期の業績予想(2019年1月1日~2019年12月31日)
    現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適正かつ合理的な数値の算出が困難
    な状況と考えており、公表しておりません。
※       注記事項
(1)四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用                     :無
 


 

(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
     ①    会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                 :無
     ②    ①以外の会計方針の変更                        :無
     ③    会計上の見積りの変更                         :無
     ④    修正再表示                              :無
 

 

(3)発行済株式数(普通株式)
    ①     期末発行済株式数(自己株式を含む)    2019年12月期1Q   13,449,800株   2018年12月期     13,346,000株

    ②     期末自己株式数              2019年12月期1Q          ―株     2018年12月期            ―株

    ③     期中平均株式数(四半期累計)       2019年12月期1Q   13,385,821株   2018年12月期1Q   11,086,000株
 

 

    ※    四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です


    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
         (将来に関する記述等についてのご注意)
        本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
        断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績
        等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっ
        ての注意事項等については、添付資料P.2「1.当四半期決算に関する定性的情報(3)業績予想などの将来予測
        情報に関する説明」をご覧ください。
         
     
                                オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                    2019年12月期 第1四半期決算短信


○添付資料の目次



    1.当四半期決算に関する定性的情報 …………………………………………………………………………    2

    (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………    2

    (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………    2

    (3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………    2

    2.四半期財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………    3

    (1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………………    3

    (2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………………    5

       第1四半期累計期間 ………………………………………………………………………………………    5

    (3)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………    6

      (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………    6

      (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………    6

      (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………………    7

    3.補足情報 ………………………………………………………………………………………………………    8

    (1)研究開発活動 ………………………………………………………………………………………………    8
 




                        -1-
                                                   オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                       2019年12月期 第1四半期決算短信


1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
     当第1四半期(2019年1月1日~2019年3月31日)における日本経済は、雇用や所得環境が改善するなか、個人消
    費は持ち直しの傾向にありますが、中国向け輸出の低迷を主因に鉱工業生産は弱含みで推移しました。今後は、外
    需にリスクが残るものの、内需主導による緩やかな回復が続く見通しです。
     このような状況下、当社は経営の効率化を図り、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。


     医薬品事業では、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進さ
    せました。また、検査事業では、テロメスキャン(OBP-401/1101)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させ
    ました。当社活動の詳細に関しては、「3.補足情報(1)研究開発活動」をご確認ください。


     以上の結果、当第1四半期の業績は、売上高48,383千円(前年同四半期は売上高33,874千円)、営業損失364,582
    千円(前年同四半期は営業損失302,664千円)となりました。また、営業外収益として、受取利息6,000千円等を、営
    業外費用として支払利息589千円、為替差損98千円を計上した結果、経常損失359,220千円(前年同四半期は経常損
    失310,439千円)、四半期純損失360,185千円(前年同四半期は四半期純損失311,386千円)となりました。
     なお、当社は2019年4月8日に中外製薬株式会社(以下「中外製薬」)とテロメライシンに関する独占的ライセ
    ンス契約及び資本提携契約を締結しましたが、同契約は2019年8月に開示を予定している2019年12月期第2四半期
    決算より寄与します。


     セグメントの業績は、次のとおりであります。
    ①   医薬品事業
         医薬品事業では、Medigen Biotechnology Corp.(台湾   以下「メディジェン社」)からのテロメライシン
        の開発に応じた開発協力金収入等を受領しました。この結果、売上高48,383千円(前年同四半期は売上高
        33,754千円)、営業損失120,369千円(前年同四半期は営業損失126,686千円)となりました。
      
    ②   検査事業
         検査事業では、研究開発及びビジネス活動を展開しましたが、売上高は発生しませんでした。この結果、売
        上高なし(前年同四半期は売上高120千円)、営業損失96,384千円(前年同四半期は営業損失29,577千円)とな
        りました。
 
(2)財政状態に関する説明
        資産、負債及び純資産の状況
        当第1四半期会計期間末における資産は、現預金の減少等により3,310,500千円(前期比3.5%減)となりまし
    た。負債は、借入の実行により697,528千円(前期比31.9%増)となりました。純資産は、新株発行による増資や
    四半期純損失等により2,612,972千円(前期比9.9%減)となりました。


(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明
        当社は、テロメライシンの開発推進を軸に、更なる企業価値の向上のために国内外で各種パイプラインの臨床
    試験、非臨床試験、治験薬製造を積極的に推進し、現在国内外の大手製薬会社との間で、ライセンス契約締結に
    向けた活動を強化しています。一方、未だ安定した当社収入基盤は小さく、新規ライセンス契約の締結による契
    約一時金収入や、ライセンス契約締結相手先のイベント達成により発生する開発マイルストーン収入によって、
    当社の業績は大きく変動します。
        したがって、現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適性かつ合理的
    な数値の算出が困難な状況と考えており、予想を公表していません。




                                       -2-
                                オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                    2019年12月期 第1四半期決算短信


2.四半期財務諸表及び主な注記
(1)四半期貸借対照表
                                                    (単位:千円)
                           前事業年度             当第1四半期会計期間
                        (2018年12月31日)         (2019年3月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                        2,463,138            2,331,795
   売掛金                              50,063               48,383
   製品                                9,121                9,121
   貯蔵品                               1,941                1,831
   前払金                               4,084                6,028
   前払費用                             29,438               26,652
   未収入金                             27,843               33,338
   未収消費税等                           31,755               39,021
   その他                                 726                  766
   流動資産合計                        2,618,115            2,496,940
 固定資産
   有形固定資産
     建物                              2,794                2,794
      減価償却累計額                      △2,794               △2,794
      建物(純額)                            ―                    ―
     工具、器具及び備品                      68,772               70,650
      減価償却累計額                     △66,516              △67,006
      工具、器具及び備品(純額)                  2,256                3,643
     有形固定資産合計                        2,256                3,643
   投資その他の資産
     投資有価証券                        668,201              668,617
     関係会社株式                        101,153              101,153
     出資金                               100                  100
     関係会社長期貸付金                      11,102               11,100
     敷金及び保証金                        28,299               28,151
     長期前払費用                            865                  776
     その他                                19                   19
     投資その他の資産合計                    809,740              809,916
   固定資産合計                          811,997              813,560
 資産合計                            3,430,112            3,310,500




                      -3-
                            オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                2019年12月期 第1四半期決算短信


                                                (単位:千円)
                       前事業年度             当第1四半期会計期間
                    (2018年12月31日)         (2019年3月31日)
負債の部
 流動負債
   短期借入金                        83,336              150,008
   リース債務                         5,795                4,327
   未払金                          71,012               67,539
   未払費用                         11,845               11,690
   未払法人税等                       35,933               16,016
   預り金                           4,402                6,612
   流動負債合計                      212,324              256,193
 固定負債
   長期借入金                       311,104              436,098
   リース債務                         1,345                  870
   退職給付引当金                       4,185                4,366
   固定負債合計                      316,634              441,334
 負債合計                          528,959              697,528
純資産の部
 株主資本
   資本金                       6,402,658            6,437,421
   新株式申込証拠金                         ―                 3,000
   資本剰余金
     資本準備金                   6,395,158            6,429,921
     資本剰余金合計                 6,395,158            6,429,921
   利益剰余金
     その他利益剰余金
      繰越利益剰余金               △9,893,863          △10,254,048
     利益剰余金合計                △9,893,863          △10,254,048
   株主資本合計                    2,903,953            2,616,294
 評価・換算差額等
   その他有価証券評価差額金               △13,108              △12,693
   評価・換算差額等合計                 △13,108              △12,693
 新株予約権                          10,309                9,371
 純資産合計                       2,901,153            2,612,972
負債純資産合計                      3,430,112            3,310,500




                  -4-
                         オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                             2019年12月期 第1四半期決算短信


(2)四半期損益計算書
  第1四半期累計期間
                                              (単位:千円)
               前第1四半期累計期間            当第1四半期累計期間
                (自 2018年1月1日          (自 2019年1月1日
                至 2018年3月31日)         至 2019年3月31日)
売上高                        33,874                 48,383
売上原価                       28,523                 41,535
売上総利益                       5,350                  6,847
販売費及び一般管理費                308,015                371,430
営業損失(△)                  △302,664               △364,582
営業外収益
 受取利息                        3,220                 6,000
 その他                            30                    50
 営業外収益合計                     3,251                 6,050
営業外費用
 支払利息                          762                   589
 為替差損                       10,263                    98
 営業外費用合計                    11,026                   688
経常損失(△)                   △310,439              △359,220
税引前四半期純損失(△)              △310,439              △359,220
法人税、住民税及び事業税                   946                   965
法人税等合計                         946                   965
四半期純損失(△)                 △311,386              △360,185




               -5-
                                        オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                            2019年12月期 第1四半期決算短信


(3)四半期財務諸表に関する注記事項
  (継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。


  (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
  当社は2019年1月9日から3月29日の間に、新株予約権の行使による払込みを受けました。この結果、当第1四
 半期累計期間において資本金及び資本準備金がそれぞれ34,763千円増加し、当第1四半期会計期間末において資本
 金が6,437,421千円、資本準備金が6,429,921千円となっております。
  




                               -6-
                                                オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                    2019年12月期 第1四半期決算短信


    (セグメント情報等)
      【セグメント情報】
Ⅰ   前第1四半期累計期間(自   2018年1月1日 至    2018年3月31日)
 1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                      (単位:千円)
                                 報告セグメント                               四半期損益
                                                           調整額
                                                                      計算書計上額
                                                           (注)1
                    医薬品事業         検査事業           計                      (注)2

売上高

 外部顧客への売上高              33,754         120        33,874          -       33,874
    セグメント間の内部売上高
                            -             -           -           -           -
    又は振替高
         計              33,754         120        33,874          -       33,874

セグメント損失(△)            △126,686     △29,577      △156,263   △146,400     △302,664
 (注) 1. セグメント損失(△)の調整額△146,400千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主
        に報告セグメントに帰属しない管理部門に係る経費であります。
     2. セグメント損失(△)は、四半期損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。


 2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
     該当事項はありません。
      
Ⅱ   当第1四半期累計期間(自   2019年1月1日 至    2019年3月31日)
 1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                      (単位:千円)
                                 報告セグメント                               四半期損益
                                                           調整額
                                                                      計算書計上額
                                                           (注)1
                    医薬品事業         検査事業           計                      (注)2

売上高

 外部顧客への売上高              48,383            ―       48,383          ―       48,383
    セグメント間の内部売上高
                            ―             ―           ―           ―           ―
    又は振替高
         計              48,383            ―       48,383          ―       48,383

セグメント損失(△)            △120,369     △96,384      △216,754   △147,828     △364,582
 (注) 1. セグメント損失(△)の調整額△147,828千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に
        報告セグメントに帰属しない管理部門に係る経費であります。
     2. セグメント損失(△)は、四半期損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。


 2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
     該当事項はありません。
      




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                                                 オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                     2019年12月期 第1四半期決算短信


3.補足情報
(1)研究開発活動
 当社の当第1四半期累計期間における研究開発費は、医薬品事業99,109千円、検査事業83,922千円、両セグメント共
通5,111千円、合計188,144千円となりました。なお、当第1四半期累計期間における研究開発活動の状況は以下の通り
です。


 1)   研究開発体制について
      2019年3月31日現在、研究開発部門は18名在籍しておりこれは総従業員数の52.9%に当たります。


 2)   研究開発並びにビジネス活動について
      当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発並びに積極的なビジネス活動を進めました。


   ①   医薬品事業
      1)がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)に関する活動
        現在、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)は、i)放射線併用食道がんPhase 1企業治験、ii)抗PD-1
       抗体ペムブロリズマブ併用の固形がんPhase 1医師主導治験、iii)メラノーマPhase 2、iv)肝細胞がんPhase
       1/2並びにv)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase 2医師主導治験の5つの臨床
       試験が同時に進行しています。


        上記i)の「放射線併用食道がんPhase 1企業治験」に先行して岡山大学で実施された「放射線併用医師主導臨
       床研究」は、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者を対象に、テロメライシンの
       放射線治療併用における安全性及び有効性の評価を既に完了し、2018年7月に神戸で開催された日本臨床腫瘍
       学会で、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学の藤原俊義教授グループにより「原発巣の治療効果
       は13例中8例でCR (Complete Response:完全奏功)であり、重篤な有害事象は生じていない。」という発表が
       されました。また、2019年4月に米国アトランタで開催されたアメリカ癌学会(AACR:American Association
       for Cancer Research)でも、同内容についてプレナリーセッションで討議がなされました。
        一方、上記i)の「放射線併用食道がんPhase 1企業治験」は、2019年3月に効果安全性評価委員会より低用量
       群でのテロメライシンの安全性確認がなされ、高用量群での投与が進行しています。 Phase 2臨床試験へ速やか
       に移行するために、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices
       Agency)とPhase 2臨床試験に関する治験相談を行い、当社の方針がPMDAに認められました。
        2019年4月には、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。本指定により、
       薬事承認にかかわる相談、審査において独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)により優先的な取り扱
       いを受けることができ、早期の実用化を期待します。


        上記ii)の食道がんを中心とする各種固形がんに対して免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体ペムブ
       ロリズマブを併用する「各種固形がん抗PD-1抗体併用Phase 1医師主導治験」は2017年12月に投与が開始され、
       既にPhase 1aの投与が完了し、Phase 1bに移行しています。2019年3月に米国アトランタで開催されたアメリ
       カ癌学会(AACR:American Association for Cancer Research)で本治験の中間報告が発表されました。


        上記iii)のメラノーマPhase 2臨床試験においては、2017年7月に被験者への投与が開始されました。本治験
       では、切除不能又は転移性メラノーマ患者を対象とし、テロメライシンの有効性、安全性及び腫瘍免疫反応の
       評価を目的としています。米国の複数施設で最大50例まで進める計画でしたが、予想以上の競合状態にあり、
       症例組入れが当初計画より大幅に遅れています。この環境は今後も継続することが見込まれており、少数例で
       の評価を行い、本臨床試験を早期終了させることを検討しています。




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                                                    オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                        2019年12月期 第1四半期決算短信




  上記iv)の肝細胞がんPhase 1/2臨床試験においては、国立釜山大学(韓国)と国立台湾大学(台湾)を治験
 実施施設として単回・反復投与を含めPhase 1の17例への投与を行いました。 Phase 1の終了予定時期は遅れて
 いますが、2019年中に本治験を終了させる予定です。


  上記v)米国コーネル大学での抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase 2医師主導
 治験は、1例目の投与準備を進めています。最大37例に投与を行い、テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズ
 マブを併用した際の有効性及び安全性の評価を行います。


  当社が中国・香港・マカオでのテロメライシンの研究・開発・製造・販売権を付与したハンルイ社(江蘇恒
 瑞医薬股份有限公司、中国)は、中国政府(NMPA: National Medical Products Administration)への治験申
 請に向けた準備を行っています。


  なお、当社は2019年4月8日に中外製薬とテロメライシンに関する独占的ライセンス契約及び資本提携契約
 を締結しました。本契約により、日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセン
 スを中外製薬に付与しました。また、既にハンルイ社に付与した中国・香港・マカオを除く全世界における開
 発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬へ付与しました。
  本契約の契約一時金は5.5億円ですが、テロメライシンの臨床試験において一定の効果が確認され、中外製薬
 が独占的オプション権を行使した場合には、本ライセンス総額は500億円以上になります。さらに、テロメライ
 シンの上市後は、売上額に応じた販売ロイヤリティを、ライセンス契約総額とは別に受領します。
  本契約は、2019年8月に開示を予定している2019年12月期第2四半期決算より寄与します。


2)その他の医薬品事業に関する活動
  アステラス製薬から導入したHDAC阻害剤OBP-801は、米国で他の治療法に抵抗性を示す進行性固形がん患者を
 対象としてPhase 1臨床試験を行っていますが、コホート3の段階で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting
 Toxicity)が6例中2例で発生したため、新規患者の組入れを中断し、他の薬剤との併用など今後別プロトコ
 ルでの再スタートの可能性について検討しています。また、新規適応領域として眼科領域への適応について、
 京都府立医科大学眼科の研究グループとの共同研究が進行し、2018年7月には特許出願を行いました。


  新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)は、現在の抗HIV薬市場の状況に鑑み開発優先順位を下げて開発パート
 ナーを模索していますが、依然としてHIVマーケットが過飽和状態であり新規ライセンスの可能性は非常に低下
 しています。新規ライセンス契約の締結が不可能と判断した場合には、Yale大学へのOBP-601権利返還を検討し
 た上で、パイプラインの選択と集中を進めていきます。


  その他に、新しいシーズのパイプライン化を行うべく、アカデミアとの共同研究や製薬会社との情報交換に
 取り組んでいます。2018年2月に、新規腫瘍溶解アデノウイルス開発に特化した米バイオベンチャーUnleash
 Immuno Oncolytics, Inc.( 米 国 以 下 「 ア ン リ ー シ ュ 社 」) へ 資 本 参 加 い た し ま し た 。 ま た、Precision
 Virologics Inc.(米国)に資本参加いたしました。遺伝子改変アデノウイルスのパイプラインを有する上記2
 社との関係をより強固なものとし、当社が国内外で研究開発を推進しているテロメライシンをはじめとする
 「遺伝子改変アデノウイルス」のプラットフォームを拡大し、「がんと重症感染症」パイプラインを推進し、
 将来的なビジネスチャンス拡大につなげていきたいと考えています。




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                                                        オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                            2019年12月期 第1四半期決算短信




医薬品事業における臨床試験の状況は、以下の通りです。
 開発コード                 商標又は名称                     適応疾患            開発地域          開発ステージ
                                                 食道がん
                                                                   日本             Phase 1
                                                放射線併用
                                                 胃がん/
                                              胃食道接合部がん             米国             Phase 2
                                               抗PD-1抗体併用
                                                メラノーマ
                     テロメライシン                                       米国             Phase 2
 OBP-301                                       (皮膚がん)
                   (がんのウイルス療法)
                                                  肝細胞がん          韓国・台湾            Phase 1
                                                各種固形がん
                                                                   日本             Phase 1
                                               抗PD-1抗体併用
                                                  食道がん
                                                                   日本         臨床研究 (終了)
                                                 放射線併用
 OBP-801               HDAC阻害剤                 各種固形がん              米国             Phase 1

 OBP-601          センサブジン(抗HIV剤)                   HIV感染症          欧米他         Phase 2b (終了)




 ②   検査事業
    が ん 検 査 薬 テ ロ メ ス キ ャ ン は、2017 年 11 月 に 順 天 堂 大 学 と 血 中 循 環 が ん 細 胞 (CTC: Circulating Tumor
  Cells)の共同研究契約を締結し、肺がん領域での臨床応用を検討していきます。また、島根大学では婦人科がん
  を、大阪警察病院とはすい臓がんでの臨床応用の検討を行っていきます。北米エリアの権利を許諾したLiquid
  Biotech USA, Inc.(米国)では、大学・研究機関との共同研究を開始するための準備を進めています。
   今後もがん細胞を検出する液体生検(Liquid Biopsy)へのテロメスキャンの活用を事業会社や大学・研究機関
  へ積極的に提案し、日本・中国・欧州での新規ライセンス契約やがん検査薬テロメスキャン販売の拡大を目指し
  ていきます。




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