4588 M-オンコリスバイオ 2020-08-07 15:00:00
2020年12月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

                 2020年12月期         第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                           2020年8月7日
上 場 会 社 名   オンコリスバイオファーマ株式会社             上場取引所                         東
コ ー ド 番 号   4588               URL http://www.oncolys.com
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長     (氏名) 浦田 泰生
問合せ先責任者 (役職名) 取締役管理担当       (氏名) 吉村 圭司              (TEL) 03(5472)1578
四半期報告書提出予定日      2020年8月7日  配当支払開始予定日               ―
四半期決算補足説明資料作成の有無       :無
四半期決算説明会開催の有無          :有 ( アナリスト向け        )
 
                                                                                   (百万円未満切捨て)
1.2020年12月期第2四半期の業績(2020年1月1日~2020年6月30日)
(1)経営成績(累計)                            (%表示は、対前年同四半期増減率)
                        売上高                       営業利益           経常利益                  四半期純利益
                        百万円           %           百万円        %    百万円         %            百万円    %
    2020年12月期第2四半期       136    △78.1            △660 ―          △662         ―            △664   ―
    2019年12月期第2四半期       621     586.6           △275 ―          △271         ―            △273   ―
 
                                              潜在株式調整後
                       1株当たり
                                                1株当たり
                      四半期純利益
                                               四半期純利益
                                  円   銭                  円   銭
    2020年12月期第2四半期              △46.43                       ―
    2019年12月期第2四半期              △20.07                       ―
 

 
(2)財政状態
                        総資産                       純資産            自己資本比率
                                  百万円                    百万円                   %
 2020年12月期第2四半期           3,519                    2,795                     79.2
 2019年12月期                4,380                    3,454                     78.7
(参考) 自己資本    2020年12月期第2四半期               2,787百万円     2019年12月期             3,446百万円
 

 

 

2.配当の状況
                                                  年間配当金

                     第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                        期末           合計
                        円   銭             円   銭          円   銭    円     銭          円   銭
  2019年12月期        ―     0.00                                ―        0.00         0.00
  2020年12月期        ―     0.00
  2020年12月期(予想)                                              ―        0.00         0.00
(注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無
 

 

3.2020年12月期の業績予想(2020年1月1日~2020年12月31日)
    現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適正かつ合理的な数値の算出が困難
    な状況と考えており、公表しておりません。
※       注記事項
(1)四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用                     :無
 

 

(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                       :無
     ②    ①以外の会計方針の変更                        :無
     ③    会計上の見積りの変更                         :無
     ④    修正再表示                              :無
 

 

(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)          2020年12月期2Q   14,347,300株    2019年12月期     14,331,300株

  ② 期末自己株式数                    2020年12月期2Q        21,631株   2019年12月期        15,000株

  ③ 期中平均株式数(四半期累計)             2020年12月期2Q   14,316,246株    2019年12月期2Q   13,624,853株
 

 

    ※    四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
        (将来に関する記述等についてのご注意)
        本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
        断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績
        等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっ
        ての注意事項等については、添付資料P.3「1.当四半期決算に関する定性的情報(3)業績予想などの将来予測
        情報に関する説明」をご覧ください。
     
                                  オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                      2020年12月期 第2四半期決算短信


○添付資料の目次



    1.当四半期決算に関する定性的情報 …………………………………………………………………………      2

    (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………      2

    (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………      2

    (3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………………      3

    2.四半期財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………………      4

    (1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………………      4

    (2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………………      6

       第2四半期累計期間 ………………………………………………………………………………………      6

    (3)四半期キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………      7

    (4)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………      8

      (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………      8

      (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………      8

      (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………………      9

      (重要な後発事象)   ………………………………………………………………………………………… 10

    3.補足情報 ………………………………………………………………………………………………………      11

    (1)研究開発活動 ………………………………………………………………………………………………      11
 




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                                                      オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                          2020年12月期 第2四半期決算短信


1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
   当第2四半期(2020年1月1日~2020年6月30日)における日本経済は、継続する新型コロナウイルスの影響によ
  り、貿易関連ビジネスをはじめとし、インバウンド需要の減少や家計の消費活動も大きく落ち込んでいる状況で
  す。また、第二派、第三派の襲来が懸念されているため、依然として先行き不透明な状態であり、新型コロナウイ
  ルス感染症の完全な収束という明るい未来の到来は、長丁場となる見込みです。


   このような状況下、当社は経営の効率化を図り、積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。ま
  た、医薬品事業の研究開発活動を加速させることを目的として、2020年4月に当社100%子会社OPA Therapeutics
  Inc.(以下、「OPA社」という)を設立しました。OPA社は米国カリフォルニア州を事業拠点とし、主として各パイ
  プラインの非臨床試験遂行を担当します。なお、OPA社の社長には、腫瘍溶解ウイルスの研究開発に20年以上の経
  験を持つFrank Tufaro博士(元DNAtrix Inc. 代表取締役社長)が就任しました。


   医 薬 品 事 業 で は、 が ん の ウ イ ル ス 療 法 テ ロ メ ラ イ シ ン (OBP-301) や 核 酸 系 逆 転 写 酵 素 阻 害 剤 OBP-601
  (Censavudine)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させました。また、検査事業では、テロメスキャン
  (OBP-401)を中心に研究・開発を推進させました。当社活動の詳細に関しては、「3.補足情報(1)研究開発活
  動」をご確認ください。


   以上の結果、当第2四半期の業績は、売上高136,115千円(前年同四半期は売上高621,006千円)、営業損失
  660,290千円(前年同四半期は営業損失275,221千円)となりました。また、営業外収益として、受取利息10,047千円
  を、営業外費用として支払利息2,001千円、譲渡制限付株式報酬償却6,055千円、為替差損4,561千円等を計上した
  結果、経常損失662,891千円(前年同四半期は経常損失271,629千円)、四半期純損失664,734千円(前年同四半期は四
  半期純損失273,478千円)となりました。


  セグメントの業績は、次のとおりであります。
  ①   医薬品事業
      医薬品事業では、Transposon Therapeutics, Inc.(以下「Transposon社」)とのOBP-601の新規ライセンス契
   約の締結に伴う契約一時金収入、Medigen Biotechnology Corp.(台湾            以下「メディジェン社」)からのテロ
   メライシンに関する開発協力金収入や岡山大学からの次世代テロメライシンOBP-702に関する業務請負収入等が
   発生しました。この結果、売上高135,710千円(前年同四半期は売上高616,525千円)、営業損失291,827千円(前
   年同四半期は営業利益169,853千円)となりました。


  ②   検査事業
      検査事業では、肺がんの患者様のCTCによる治療の予後予測を検討する順天堂大学との臨床研究を進展させま
   した。この結果、売上高405千円(前年同四半期は売上高4,481千円)、営業損失22,978千円(前年同四半期は営
   業損失128,723千円)となりました。


(2)財政状態に関する説明
      当第2四半期会計期間末における資産は、現預金の減少等により3,519,897千円(前事業年度末比19.6%減)と
  なりました。
      負債は、未払金の減少等により724,809千円(前事業年度末比21.7%減)となりました。純資産は、四半期純損
  失等により2,795,087千円(前事業年度末比19.1%減)となりました。また、単元未満株主からの買取請求により
  取得した自己株式41千円は、純資産の部に計上しています。




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                               オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                   2020年12月期 第2四半期決算短信




(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明
   当社は、テロメライシンの開発推進を軸に、更なる企業価値の向上のために国内外で各種パイプラインの臨床
  試験、非臨床試験、治験薬製造を積極的に推進し、現在国内外の大手製薬会社との間で、ライセンス契約締結に
  向けた活動を強化しています。一方、未だ安定した当社収入基盤は小さく、新規ライセンス契約の締結による契
  約一時金収入や、ライセンス契約締結相手先のイベント達成により発生する開発マイルストーン収入によって、
  当社の業績は大きく変動します。
   したがって、現時点では業績に与える未確定な要素が多いことから、業績予想につきましては適正かつ合理的
  な数値の算出が困難な状況と考えており、予想を公表していません。




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                                オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
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2.四半期財務諸表及び主な注記
(1)四半期貸借対照表
                                                     (単位:千円)
                           前事業年度              当第2四半期会計期間
                        (2019年12月31日)          (2020年6月30日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                        3,342,585             2,607,198
   売掛金                             169,308                66,570
   製品                                8,504                 8,434
   仕掛品                               3,898                    ―
   貯蔵品                               2,515                 1,656
   前払金                              47,737                46,704
   前払費用                            202,709               180,080
   関係会社短期貸付金                        10,954                10,771
   未収入金                             37,069                46,281
   未収消費税等                               ―                 37,560
   その他                               1,146                    65
   流動資産合計                        3,826,429             3,005,324
 固定資産
   有形固定資産
     建物                              2,794                 2,794
      減価償却累計額                      △2,794                △2,794
      建物(純額)                            ―                     ―
     工具、器具及び備品                      73,673                75,876
      減価償却累計額                     △61,849               △63,806
      工具、器具及び備品(純額)                 11,823                12,070
     有形固定資産合計                       11,823                12,070
   無形固定資産
     ソフトウエア                             850                  750
     無形固定資産合計                           850                  750
   投資その他の資産
     投資有価証券                        329,333               323,588
     関係会社株式                        101,153               111,916
     出資金                               100                   100
     関係会社長期貸付金                          ―                 21,542
     敷金及び保証金                        27,532                29,526
     長期前払費用                         82,816                15,060
     その他                                19                    19
     投資その他の資産合計                    540,953               501,752
   固定資産合計                          553,626               514,572
 資産合計                            4,380,056             3,519,897




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                            オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                2020年12月期 第2四半期決算短信


                                                (単位:千円)
                       前事業年度             当第2四半期会計期間
                    (2019年12月31日)         (2020年6月30日)
負債の部
 流動負債
   短期借入金                       127,776              150,008
   リース債務                         3,147                2,561
   未払金                         253,275               96,561
   未払費用                         12,338               10,895
   未払法人税等                       43,859               38,989
   未払消費税等                       75,828                   ―
   預り金                           7,576                5,584
   流動負債合計                      523,801              304,601
 固定負債
   長期借入金                       388,880              408,318
   リース債務                         8,419                7,279
   退職給付引当金                       4,906                4,611
   固定負債合計                      402,205              420,208
 負債合計                          926,007              724,809
純資産の部
 株主資本
   資本金                       7,121,273            7,126,603
   新株式申込証拠金                         ―                 1,000
   資本剰余金
     資本準備金                   7,113,773            7,119,103
     その他資本剰余金                    9,650                9,650
     資本剰余金合計                 7,123,423            7,128,753
   利益剰余金
     その他利益剰余金
      繰越利益剰余金              △10,806,209          △11,470,944
     利益剰余金合計               △10,806,209          △11,470,944
   自己株式                             ―                  △41
   株主資本合計                    3,438,488            2,785,372
 評価・換算差額等
   その他有価証券評価差額金                  7,620                1,875
   評価・換算差額等合計                    7,620                1,875
 新株予約権                           7,940                7,840
 純資産合計                       3,454,048            2,795,087
負債純資産合計                      4,380,056            3,519,897




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                          オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                              2020年12月期 第2四半期決算短信


(2)四半期損益計算書
  第2四半期累計期間
                                               (単位:千円)
                前第2四半期累計期間            当第2四半期累計期間
                 (自 2019年1月1日          (自 2020年1月1日
                 至 2019年6月30日)         至 2020年6月30日)
売上高                        621,006                136,115
売上原価                        50,834                 34,661
売上総利益                      570,172                101,453
販売費及び一般管理費                 845,393                761,744
営業損失(△)                   △275,221               △660,290
営業外収益
 受取利息                        11,703                 10,047
 受取配当金                            4                     ―
 その他                             77                     ―
 営業外収益合計                     11,784                 10,047
営業外費用
 支払利息                        1,770                  2,001
 譲渡制限付株式報酬償却                    ―                   6,055
 為替差損                        6,421                  4,561
 その他                            ―                      30
 営業外費用合計                     8,192                 12,648
経常損失(△)                   △271,629               △662,891
税引前四半期純損失(△)              △271,629               △662,891
法人税、住民税及び事業税                 1,848                  1,843
法人税等合計                       1,848                  1,843
四半期純損失(△)                 △273,478               △664,734




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                               オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                   2020年12月期 第2四半期決算短信


(3)四半期キャッシュ・フロー計算書
                                                     (単位:千円)
                       前第2四半期累計期間           当第2四半期累計期間
                        (自 2019年1月1日         (自 2020年1月1日
                        至 2019年6月30日)        至 2020年6月30日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前四半期純損失(△)                   △271,629             △662,891
 減価償却費                              1,155                2,056
 譲渡制限付株式報酬償却                           ―                 6,055
 株式報酬費用                            26,861               93,185
 退職給付引当金の増減額(△は減少)                    442                △295
 受取利息及び受取配当金                     △11,707              △10,047
 支払利息                               1,770                2,001
 為替差損益(△は益)                         4,861                3,835
 売上債権の増減額(△は増加)                    31,921              102,738
 たな卸資産の増減額(△は増加)                      554                4,827
 前払費用の増減額(△は増加)                     1,164              △8,852
 未収入金の増減額(△は増加)                       320                   ―
 未払消費税等の増減額(△は減少)                      ―              △75,828
 前払金の増減額(△は増加)                      2,140                1,032
 未払金の増減額(△は減少)                   △32,757             △157,266
 その他                               52,103             △42,453
 小計                             △192,800             △741,903
 利息及び配当金の受取額                        1,165                  836
 利息の支払額                           △1,772               △2,430
 法人税等の支払額                         △3,723               △3,718
 営業活動によるキャッシュ・フロー               △197,130             △747,216
投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                   △2,877               △1,225
 関係会社出資金の払込による支出                      ―               △10,763
 長期貸付けによる支出                           ―               △21,762
 敷金及び保証金の差入による支出                    △80                △2,451
 投資活動によるキャッシュ・フロー                 △2,957              △36,201
財務活動によるキャッシュ・フロー
 長期借入れによる収入                       200,000              100,000
 長期借入金の返済による支出                   △27,780              △58,330
 リース債務の返済による支出                    △3,851               △1,726
 株式の発行による収入                       943,348               10,560
 新株式申込証拠金の払込による収入                      ―                 1,000
 自己株式の取得による支出                          ―                  △41
 財務活動によるキャッシュ・フロー               1,111,716               51,462
現金及び現金同等物に係る換算差額                  △4,534               △3,432
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)               907,093            △735,387
現金及び現金同等物の期首残高                  2,218,074            3,097,514
現金及び現金同等物の四半期末残高                3,125,167            2,362,127




                      -7-
                               オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                   2020年12月期 第2四半期決算短信


(4)四半期財務諸表に関する注記事項
  (継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。


  (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
   該当事項はありません。




                         -8-
                                                オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                    2020年12月期 第2四半期決算短信


    (セグメント情報等)
    【セグメント情報】
Ⅰ   前第2四半期累計期間(自   2019年1月1日 至    2019年6月30日)
 1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                      (単位:千円)
                                 報告セグメント                               四半期損益
                                                           調整額
                                                                      計算書計上額
                                                           (注)1
                    医薬品事業         検査事業           計                      (注)2

売上高

 外部顧客への売上高             616,525        4,481      621,006          ―      621,006
    セグメント間の内部売上高
                            ―             ―           ―           ―           ―
    又は振替高
         計             616,525        4,481      621,006          ―      621,006

セグメント利益又は損失(△)         169,853     △128,723       41,129   △316,351     △275,221
 (注) 1. セグメント利益又は損失(△)の調整額△316,351千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であ
        り、主に報告セグメントに帰属しない管理部門に係る経費であります。
     2. セグメント損失(△)は、四半期損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。


 2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
     該当事項はありません。
      
Ⅱ   当第2四半期累計期間(自   2020年1月1日 至    2020年6月30日)
 1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                      (単位:千円)
                                 報告セグメント                               四半期損益
                                                           調整額
                                                                      計算書計上額
                                                           (注)1
                    医薬品事業         検査事業           計                      (注)2

売上高

 外部顧客への売上高             135,710          405      136,115          ―      136,115
    セグメント間の内部売上高
                            ―             ―           ―           ―           ―
    又は振替高
         計             135,710          405      136,115          ―      136,115

セグメント損失(△)            △291,827     △22,978      △314,805   △345,484     △660,290
 (注) 1. セグメント損失(△)の調整額△345,484千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に
        報告セグメントに帰属しない管理部門に係る経費であります。
     2. セグメント損失(△)は、四半期損益計算書の営業損失(△)と調整を行っております。


 2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
     該当事項はありません




                                    -9-
                                                オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                                    2020年12月期 第2四半期決算短信


 (重要な後発事象)
(譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行)
 当社は2020年6月25日開催の取締役会において、譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行(以下「本新株発行」と
いいます。)を行うことについて決議し、2020年7月14日に払込手続きが完了いたしました。


1.発行の概要
(1)    払込期日                   2020年7月14日
(2)    発行する株式の種類及び数           当社普通株式         112,000株
(3)    発行価額                   1株につき3,435円
(4)    発行総額                   384,720,000円
(5)    資本組入額                  1株につき1,718円
(6)    資本組入額の総額               192,416,000円
(7)    募集又は割当方法               特定譲渡制限付株式を割り当てる方法
(8)    出資の履行方法                金銭報酬債権の現物出資による
                              当社の取締役(※) 3名              60,000株
(9)    株式の割当ての対象者及びその         当社の使用人     21名            42,000株
       人数並びに割り当てる株式の数         当社子会社の使用人 4名              10,000株
                              ※社外取締役を除く。
(10)   譲渡制限期間                 2020年7月14日から2022年8月31日
                              本新株発行については、金融商品取引法による有価
(11)   その他
                              証券届出書を提出しております。


2.発行の目的及び理由
 当社は、2019年2月8日開催の当社取締役会において、当社の取締役(社外取締役を除く。)が株価変動のメリット
とリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を従来以上に高めることを目的として、当社
の取締役(社外取締役を除く。)に対し、譲渡制限付株式を交付する株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を導
入することを決議し、また、2019年3月28日開催の当社第15回定時株主総会において、本制度に基づき、当社の取締役
(社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式に関する報酬等として支給する金銭報酬債権の総額を年額300百万円
以内として設定すること、当社の取締役(社外取締役を除く。)に対して各事業年度において割り当てる譲渡制限付株
式の総数は100,000株(2019年12月31日時点の当社発行済株式総数14,331,300株の0.69%(小数点以下第3位切捨
て))を上限とすること及び譲渡制限付株式の譲渡制限期間として2年間から5年間までの間で当社取締役会が定める
期間とすること等につき、ご承認をいただいております。
 2020年6月25日開催の当社取締役会により、当社の取締役(社外取締役を除く。)については、当社第16回定時株主
総会から2021年3月開催予定の当社第17回定時株主総会までの期間に係る譲渡制限付株式報酬として、また、当社及び
当社子会社の使用人については、2020年7月14日から2022年8月31日までの期間に係る譲渡制限付株式報酬として、割
当予定先である当社の取締役(社外取締役を除く。)3名、当社の使用人21名及び当社子会社の使用人4名(以下、総
称して「割当対象者」という。)に対し、金銭報酬債権合計384,720,000円を支給し、割当対象者が当該金銭報酬債権の
全部を現物出資の方法によって給付することにより、特定譲渡制限付株式として当社普通株式112,000株を割り当てるこ
とを決議いたしました。なお、各割当対象者に対する金銭報酬債権の額は、当社における各割当対象者の貢献度等諸般
の事項を総合的に勘案の上、決定しております。




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                                           オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
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3.補足情報
(1)研究開発活動
 当社の当第2四半期累計期間における研究開発費は、医薬品事業344,055千円、検査事業14,754千円、両セグメント
共通38,453千円、合計397,263千円となりました。
  なお、当第2四半期累計期間における研究開発活動の状況は以下の通りです。


1)   研究開発体制について
     2020年6月30日現在、研究開発部門は13名在籍しており、これは総従業員数の38.2%に当たります。


2)   研究開発並びにビジネス活動について
     当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発並びにビジネス活動を進めました。


  ①   医薬品事業
     1) がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)に関する活動
       当社は、2019年4月に中外製薬株式会社(以下「中外製薬」)とテロメライシンに関する日本・台湾の独占
      的ライセンス契約及び日本・台湾・中国・香港・マカオを除く全世界におけるオプション契約を締結しまし
      た。中外製薬が独占的オプション権を行使した場合、当社が中外製薬から受領するライセンス契約の総額は500
      億円以上であり、既に、中外製薬から本契約の契約一時金及び第1回マイルストーンを受領しています。
       また、2020年6月には、テロメライシンの食道がんへの開発に対してオーファンドラッグ(希少疾患治療
      薬)の指定を米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から受けました。本指定により、テロ
      メライシンの開発におけるFDAからの助言相談が可能になることに加え、補助金の支給や臨床研究費用の税額控
      除の優遇処置を受けられます。さらに、米国においてテロメライシン承認後の7年間は先発権保護が与えられ、
      その期間中は市場独占権が得られます。2019年4月に指定を受けた先駆け審査指定制度と合わせて、テロメラ
      イシンを食道がんへの治療薬として開発してゆく方針です。
       2020年6月30日現在、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)は、i)放射線併用食道がんPhase2臨
      床試験、ii)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の固形がんPhase1医師主導治験、iii)抗PD-1抗体ペムブロリズ
      マブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験、iv)肝細胞がんPhase1企業治験、v)放射線化学療
      法を併用した米国での食道がんPhase1医師主導治験の5つの臨床試験が同時に進行しています。


       上記i)の「放射線併用食道がんPhase2臨床試験」は、ライセンス先である中外製薬によって2020年3月に第
      1例目の投与が日本国内で開始されました。目標症例数は37例であり、外科手術による切除や根治的化学放射
      線療法が困難な食道がん患者様を対象に進められています。なお、中外製薬の開示資料によると、2020年7月
      27日現在、テロメライシンを2022年に申請する予定です。


       上記ii)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用して食道がんを中心に開発を進めている「各種固形がん抗PD-1
      抗体併用Phase1医師主導治験」は2017年12月に投与が開始され、食道原発巣にテロメライシンを投与する
      Phase1a臨床試験の投与が完了し、肝転移部位に投与するPhase1b臨床試験に移行されています。食道原発巣
      に投与するPhase1a臨床試験の結果、テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用における安全性が
      示され、9例中3例で全身での部分寛解(PR)が得られたと報告されました。現在進行しているPhase1b臨床
      試験では、目標症例数13例に対して9例の組入れが完了しています。2020年末までには中間データの取り纏め
      を行い、企業治験への移行の可能性を踏まえ検討してゆきます。


       上記iii)の米国コーネル大学での「抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医
      師主導治験」においては、2019年5月に第1例目の投与が開始されました。最大37例に投与が行われる予定で
      あり、テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用した際の有効性及び安全性の評価を行います。
      2020年中に10例程度での中間成績による検討を目指してゆきたいと考えています。




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                                                       2020年12月期 第2四半期決算短信




  上記iv)の肝細胞がんPhase1企業治験においては、国立釜山大学(韓国)と国立台湾大学(台湾)を治験施
 設として、2020年4月に最終症例への投与が終了しました。この結果、効果安全性評価委員会により肝細胞が
 んへのテロメライシン投与に対する安全性の評価が完了し、Phase1企業治験が完了しました。
  2020年末までにデータを纏めると共に、今後の肝細胞がんに対する開発に関しては、テロメライシンのライ
 センス先である中外製薬と協議の上、決定する方針です。


  上記v)の米国での放射線化学療法を併用した食道がんPhase1医師主導治験においては、米国の主要ながん研
 究グループであるNRGオンコロジーが中心となり投与開始に向けた準備を進めています。また、前述の通り、テ
 ロメライシンは米国においてオーファンドラッグの指定を受けており、同指定の下、本治験は実施されます。


  また、米国で放射線治療と抗PD-1抗体を併用した頭頸部がんPhase2医師主導治験の準備が進められていま
 す。


  テロメライシンは食道がんを対象に、日本国内では先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、さらに米国
 においても食道がんを対象にオーファンドラッグの指定を受けています。2020年6月に、中国・香港・マカオ
 での研究・開発・製造・販売権に関するライセンス契約の解消をハンルイ社と合意しましたが、当社は今後、
 全世界の食道がん患者様の大半を占める中国において、新規ライセンス契約締結に向けた活動を積極化してゆ
 きます。


2) 次世代テロメライシン(OBP-702)に関する活動
  腫瘍溶解遺伝子治療OBP-702は、がん抑制遺伝子p53による「遺伝子治療」とテロメライシン(OBP-301)の
 「腫瘍溶解機能」を組み合わせた2つの抗腫瘍効果を持つウイルスです。当社はOBP-702を、中外製薬に導出済
 みのテロメライシンに続く「次世代テロメライシン」として位置付けています。また、OBP-702は2017年4月と
 2020年3月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成金事業に採択され、岡山大学藤原教授の
 研究グループがOBP-702の非臨床試験を進め、これまでに複数の学会で非臨床試験結果を報告しています。今
 後、当社はOBP-702のGMP製造や非臨床試験を進め、2022年までに臨床試験を開始することを目指します。


3) OBP-601(Censavudine)に関する活動
   核 酸 系 逆 転 写 酵 素 阻 害 剤 OBP-601 は、2006 年 に Yale 大 学 か ら 導 入 し、2010 年 か ら 2014 年 に か け て
 Bristol-Myers Squibb Co.がHIV感染症治療薬としてPhase2臨床試験の完了まで開発を進めてきました。その
 後、HIV治療薬のマーケットが飽和状態となり、新規ライセンスの可能性が低い状況の中、感染症領域以外での
 OBP-601の新規ライセンス契約締結に向けたビジネス活動を積極的に推進しました。
  その結果、神経疾患の研究を行う米国ブラウン大学の研究成果よって、OBP-601がレトロトランスポゾンの逆
 転写と複製を抑制する可能性が示唆され、2020年6月にTransposon社との間で総額3億ドル超の新規ライセン
 ス契約を締結しました。
   OBP-601 は、 脳 内 移 行 性 が 優 れ て い る こ と に 加 え、 既 に 長 期 投 与 の 臨 床 デ ー タ が 得 ら れ て い る た め、
 Transposon社が開発を進める際に安全性確認を目的とした臨床試験など、非臨床試験の大幅な短縮又は軽減が
 期待されます。
  今後、当社はTransposon社におけるOBP-601の開発進捗を継続的に確認していくと共に、これまでにない神経
 変性疾患の治療薬になることを期待しています。


4) HDAC阻害剤OBP-801に関する活動
  2009年にアステラス製薬株式会社から導入したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤OBP-801は、米国で
 のPhase1臨床試験で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting Toxicity)が発生し、現在新規患者様の組入れを一
 時中断し、他の薬剤との併用など別プロトコルでの再スタートの可能性について検討しています。また、
 OBP-801の新規適応領域である眼科領域への適応については、2018年7月に京都府立医科大学の眼科研究グルー
 プと特許出願を行っており、共同研究を進めています。



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                                          オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
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 5) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の開発プロジェクトOBP-AI-005に関する活動
   2006年に鹿児島大学と共同研究契約を締結し、ヒトレトロウイルス学共同研究センターの馬場昌範センター
  長率いる同センター・鹿児島大学キャンパスの研究グループと創薬研究を進めてきました。その結果、新型コ
  ロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に対して強い増殖抑制効果を有する化合物群を鹿児島大
  学が特定しました。さらに、特定された化合物は、承認済みの新型コロナウイルス治療薬レムデシビル(ギリ
  アド社)と同等またはそれ以上の活性を示すことが、同じ系で同時に比較する実験で確認されました。
   当社は今後、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発プロジェクトであるOBP-AI-005に関して、作用機序の
  解明、大量合成法の開発を行い、毒性試験を始めとする前臨床試験を実施すると共に、治験薬のGMP製造を行
  い、臨床試験開始に向けた準備を進めてゆく計画です。


医薬品事業における臨床試験の状況は、以下の通りです。
 開発コード        商標又は名称            適応疾患            開発地域     開発ステージ

                                 食道がん
                                                 日本        Phase2
                                放射線併用

                                食道がん
                               (固形がん)            日本        Phase1
                              抗PD-1抗体併用

                                食道がん
                                 放射線             米国        Phase1
                             並びに化学療法併用
             テロメライシン
 OBP-301
           (がんのウイルス療法)
                            胃がん・胃食道接合部がん
                                                 米国        Phase2
                               抗PD-1抗体併用


                                頭頸部がん
                                                           Phase2
                                 放射線             米国
                                                          (準備中)
                             並びに抗PD-1抗体併用


                                                          Phase1
                                肝細胞がん          韓国・台湾
                                                          (完了)


 OBP-801      HDAC阻害剤          各種固形がん            米国        Phase1


                                                          Phase2b
                                HIV感染症           欧米他
                                                           (終了)
              Censavudine
 OBP-601
           核酸系逆転写酵素阻害剤
                                                          Phase1/2
                              神経変性疾患等            米国
                                                          (準備中)




                              -13-
                                     オンコリスバイオファーマ株式会社(4588)
                                         2020年12月期 第2四半期決算短信




②   検査事業
  がん検査薬テロメスキャンは、血液中の循環がん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)の検出の自動化に向
 け、自動細胞解析用ソフトウェアの開発委託契約を株式会社CYBO(以下「CYBO社」)と締結しました。CYBO社の
 AI技術を用いたテロメスキャン専用のソフトウェアを開発することによって、CTC有無の判定の自動化、検査処理
 スピードの向上、さらに判定結果の標準化を期待しています。
  また、順天堂大学とCTCの肺がん領域で医師主導臨床研究が進行中です。婦人科がん領域への応用では、子宮頸
 がん患者様由来のCTCからヒトパピローマウイルスの遺伝子検出を行い、より確度の高いCTC検査系を立ち上げて
 ゆきます。北米エリアの権利を許諾したLiquid Biotech USA, Inc.(米国)では、米国の大学や研究機関との共
 同研究を進めており、当社と共同でより幅広いマーケットを獲得できるよう共同体制を取ってゆきます。
  当社は今後、テロメスキャンを用いたCTC有無の判定だけでなく、検出したがん細胞の遺伝子検査などを可能に
 し、がん患者様の治療選択につなげられる検査系へと成長させてゆきたいと考えています。




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