4582 J-シンバイオ製薬 2020-05-11 15:30:00
再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシンとリツキシマブ併用療法に関する承認申請完了のお知らせ [pdf]

                                           2020年5月11日
各位

                  会 社 名   シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
                  代表者名    代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
                                    (コード番号:4582)
                  問合せ先      IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


     再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした
        トレアキシン®とリツキシマブ併用療法に関する
               承認申請完了のお知らせ


 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は抗悪性腫瘍剤「トレ
アキシン®」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)について、再発・難治性びまん性大細胞型
B細胞リンパ腫(以下「再発・難治性DLBCL」)を対象としたベンダムスチンとリツキシ
マブの併用療法(以下「BR療法」)の第Ⅲ相試験において主要評価項目の奏効率を達成し
たことを発表(注)しておりますが、この度、製造販売承認事項に係わる一部変更承認申請
を行いましたのでお知らせいたします。


 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の30~40%を占めており、
最も発症頻度の高い病型です。そして高齢社会になり、特に高齢者の発症頻度が近年増加
傾向にあり、高齢者に対する治療は大きな課題となっています。特に再発・難治性
DLBCLについては、現在有効な治療方法がないため、救援化学療法として複数の抗がん
剤を組み合わせた多剤併用療法が使われておりますが、これらは副作用が強いことから、
副作用が少なく高い有効性が期待できる新たな治療薬の開発が切望されております。また
BR療法につきましては、既に欧米において再発・難治性DLBCLの患者さんの治療に使わ
れており、日本においても早期に使えるよう患者団体及び関係学会から厚生労働省に対し
て要望書が出されておりました。


 吉田文紀社長兼CEOは、「日本においては再発・難治性DLBCLの患者さんの治療は多
剤併用療法しか選択肢がなく、高齢者にとってつらい治療であるため、BR療法の早期承認
については患者さんからも強い要望がありました。高齢社会に向けて有力な治療の選択肢
となるものと確信しております。」と語っています。


 シンバイオは収益性と成長性を兼ね備えた製薬企業を目指して、現在、研究開発型から
収益性モデルへの転換を推進しております。2021 年度の事業の黒字化をその最初のマイル
ストーンとして掲げており、この度の再発・難治性 DLBCL の承認申請は自社販売体制の
構築と共に黒字化へ向けての大きな原動力となります。


                                                    以上




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(注)抗悪性腫瘍剤「トレアキシン®」の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
(DLBCL)を対象とした第Ⅲ相臨床試験で主要評価項目(奏効率)を達成(2019年11月5
日プレスリリース):シンバイオが実施した再発・難治性DLBCLを対象としたBR療法に
よる第III相試験で、主要評価項目の奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得ら
れました。
https://www.symbiopharma.com/news/20191105.pdf


【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について】
    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)は、大
型で悪性の B 細胞性リンパ球がリンパ節や様々な臓器で増殖して悪性腫瘍を形成する疾患
です。悪性リンパ腫の中では最も頻度が高く(30~40%)、発症年齢のピークは 60~70
歳で、患者は高齢者が多く人口の高齢化と共に増加傾向にあると推計されています。化学
療法による治療効果は限られており、化学療法に抵抗性を示す患者あるいは再発性の患者
の予後は極めて悪く、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されています。
 シンバイオが再発・難治性 DLBCL を対象に実施した第 II 相試験で得られた BR 療法の
優れた臨床試験成績(注)に基づき、2012 年より米国のがん治療の診療指針である NCCN
(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは BR 療法が推奨されてい
ます。(注)第 II 相臨床試験の解析結果(59 症例):奏効率 62.7%、完全寛解率 37.3%
引用文献:

   日本リンパ網内系学会・未承認薬・適応外薬の要望:

    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/gakkai3-2-5-1.pdf

   Friedberg, JW. Relapsed/ Refractory Diffuse Large B-cell Lymphoma. ASH Education Book 2011

    (1): 498-505


【再発・難治性DLBCLの救援化学療法について】
    造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃し
た患者さんに治療救援化学療法を行います。進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再
発時の二次治療(救援化学療法)には、現在、6~7種類ほどの多剤併用療法が使われて
おり、その多くは複数(3~6の薬剤)の薬剤を組み合わせた治療方法となります。例え
ば、CHASE(R)療法はシクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシド
にリツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用療法、ESHAP(R)はメチルプレドニゾ
ロン、エトポシド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合わせた多
剤併用療法であります。いずれの多剤併用療法も骨髄抑制が強く、また高齢者が多い再
発・難治性DLBCLの患者さんは毒性が増加することが知られております。




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【トレアキシン®について】
 殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970 年代からドイツで使用が開始され、現在 50 ヵ国以上
で低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病などを適応
として使用されています。
2010 年 10 月に再発・難治性の低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リ
ンパ腫を適応症として製造販売承認を取得した後、2016 年 8 月に慢性リンパ性白血病に
対する効能追加の承認、さらに 2016 年 12 月に低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫及
びマントル細胞リンパ腫の未治療に対する効能追加の承認を取得しています。また、2019
年 4 月にトレアキシン®液剤(急速静注製剤「RI 製剤」)による安全性の確認を主目的と
した治験において最初の患者登録を完了し、2020 年3月に目標症例数の登録を完了しまし
た。トレアキシン®液剤「RTD 製剤」については 2019 年 9 月に承認申請を行っておりま
す。薬価ベースで売上 100 億円の早期達成を目指しています。


【当社会社概要】
 シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現在
は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が 2005 年 3
月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表
され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理
念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を
果たすことを事業目的としています。なお、2016 年 5 月に米国完全子会社 SymBio
Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州   メンローパーク、社長:吉田文紀)を
設立しました。




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