4582 J-シンバイオ製薬 2019-08-07 15:30:00
2019年12月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) [pdf]

                 2019年12月期            第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
                                                          2019年8月7日
上 場 会 社 名   シンバイオ製薬株式会社                 上場取引所                     東
コ ー ド 番 号   4582              URL https://www.symbiopharma.com/
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長兼CEO    (氏名) 吉田 文紀
問合せ先責任者 (役職名) 取締役経営管理本部長兼CFO (氏名) 村田 賢治 (TEL) 03-5472-1125
四半期報告書提出予定日      2019年8月8日  配当支払開始予定日              ―
四半期決算補足説明資料作成の有無       :無
四半期決算説明会開催の有無          :有
 
                                                                                             (百万円未満切捨て)
1.2019年12月期第2四半期の業績(2019年1月1日~2019年6月30日)
(1)経営成績(累計)                            (%表示は、対前年同四半期増減率)
                            売上高                         営業利益            経常利益                     四半期純利益
                            百万円            %            百万円        %     百万円             %           百万円     %
    2019年12月期第2四半期          2,004         4.0        △2,015 -          △2,069        -           △2,069     -
    2018年12月期第2四半期          1,928         8.0        △1,324 -          △1,377        -           △1,388     -
 
                                                    潜在株式調整後
                            1株当たり
                                                      1株当たり
                           四半期純利益
                                                     四半期純利益
                                      円    銭                   円   銭
  2019年12月期第2四半期       △95.58       -
  2018年12月期第2四半期       △95.15       -
 
  (注1)当社は、2019年7月1日付で普通株式4株につき1株の割合で株式併合を行っております。前事業年度の期
          首に当該株式併合が行われたと仮定して、「1株当たり四半期純利益」を算定しております。
  (注2)潜在株式調整後1株当たり四半期純利益は、潜在株式は存在するものの1株当たり四半期純損失であるため
 
           記載しておりません。
(2)財政状態
                             総資産                        純資産            自己資本比率
                                      百万円                      百万円                       %
 2019年12月期第2四半期            6,674                               5,426                 72.6
 2018年12月期                 6,239                               4,901                 70.1
(参考) 自己資本    2019年12月期第2四半期      4,845百万円                        2018年12月期         4,371百万円
2.配当の状況
                                                        年間配当金

                     第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                              期末            合計
                             円    銭             円   銭          円   銭       円   銭             円   銭
  2018年12月期        -     0.00                                      -        0.00             0.00
  2019年12月期        -     0.00
  2019年12月期(予想)                                                    -        0.00             0.00
(注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無
 

3.2019年12月期の業績予想(2019年1月1日~2019年12月31日)

                                                                                    (%表示は、対前期増減率)
                                                                                          1株当たり
                     売上高              営業利益                    経常利益             当期純利益
                                                                                          当期純利益
                     百万円      %           百万円           %      百万円     %           百万円           %         円 銭
     通期       3,092 △19.4 △3,780 - △3,856 - △3,859 - △167.66
(注) 直近に公表されている業績予想からの修正の有無 : 有
 
   当社は、2019年7月1日付で普通株式4株につき1株の割合で株式併合を行っております。2019年12月期の業績予
  想における1株当たり当期純利益については、当該株式併合の影響を考慮しております。詳細については、「業績予
  想の適切な利用に関する説明、その他特記事項」をご覧ください。
   業績予想の修正については、本日(2019年8月7日)公表いたしました「業績予想の修正及び中期経営計画の修正
  に関するお知らせ」をご覧ください。
※       注記事項
(1)四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用                   :無
 

 

(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                     :無
     ②   ①以外の会計方針の変更                       :無
     ③   会計上の見積りの変更                        :無
     ④   修正再表示                             :無
 

 

(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)        2019年12月期2Q   24,362,681株   2018年12月期     20,599,731株

     ②   期末自己株式数             2019年12月期2Q          18株    2018年12月期            18株

     ③   期中平均株式数(四半期累計)      2019年12月期2Q   21,655,982株   2018年12月期2Q   14,593,392株
 
    (注)当社は、2019年7月1日付で普通株式4株につき1株の割合で株式併合を行っております。前事業年度の期首
       に当該株式併合が行われたと仮定して、「期末発行済株式数」、「期末自己株式数」及び「期中平均株式数」
       を算定しております。
 

    ※    四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
     1.本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的である
       と判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業
       績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料5ページ「1.
       当四半期決算に関する定性的情報(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
     2.当社は、2019年3月28日開催の第14期定時株主総会において、株式併合について承認可決され、2019年7月1
       日を効力発生日として、普通株式4株につき1株の割合をもって株式併合を行っております。なお、株式併合
       考慮前に換算した2019年12月期の業績予想は以下のとおりとなります。
        2019年12月期の業績予想 1株当たり当期純利益(通期) △41円92銭
     
                     シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信




○添付資料の目次



    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………… 2

     (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………… 2

     (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………… 5

     (3)業績予想などの将来予測情報に関する説明 ……………………………………………………… 5

    2.四半期財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………… 6

     (1)四半期貸借対照表 …………………………………………………………………………………… 6

     (2)四半期損益計算書 …………………………………………………………………………………… 8

        第2四半期累計期間 ………………………………………………………………………………… 8

     (3)四半期キャッシュフロー計算書 …………………………………………………………………… 9

     (4)四半期財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………… 10

       (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………… 10

       (四半期損益計算書関係) …………………………………………………………………………… 10

       (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………… 10

       (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………… 11
 




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                              シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
   当第2四半期累計期間における当社事業の進捗状況は以下のとおりです。


   ① 国内
   [自社販売体制の準備について]
        当社は、販売委託先であるエーザイ株式会社(以下「エーザイ」という)との事業提携契約が2020年12月に
   満了となることから、2018年10月にトレアキシン®の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始し
   ました。2021年度の黒字化(収益化)とその後の収益の持続的拡大は当社にとっては最重要経営課題であり、
   自社販売体制への移行により今後の事業展開を盤石なものとすることを計画しています。
        当第2四半期においては、自社販売体制における営業組織の中核と位置づけているトレアキシンマネージャ
   ー20名体制の確立のために必要な増員と研修の実施及び各担当地域への配置準備を計画通りに推し進めまし
   た。当社が目指すのは、より高度の専門性と豊富な経験に基づき高い生産性に裏付けられたハイパフォーマン
   スの営業組織の構築であり、並行して、物流・流通・情報システムといったインフラの整備についても順調に
   準備を進めております。


   [抗がん剤 SyB L-0501(凍結乾燥注射剤) / SyB L-1701(RTD製剤) / SyB L-1702(RI製剤) / SyB C-0501
  (経口剤)(一般名:ベンダムスチン塩酸塩、製品名:トレアキシン®)]
        トレアキシン®については、未治療(初回治療)の低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)及びマント
   ル細胞リンパ腫(MCL)(2016年12月に製造販売承認を取得)、再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫(注
    (低悪性度NHL)及びマントル細胞リンパ腫(MCL)(2010年10月に製造販売承認を取得)、慢性リンパ性白血
   1)



   病(CLL)(2016年8月に製造販売承認を取得)を適応症として、業務提携先のエーザイを通じ、国内販売を行
   っています。これらの適応症拡大を受けて、既に医療現場においては未治療(初回治療)領域でトレアキシン®
   が従来の標準療法であるR-CHOPに取って代わることで市場浸透が堅調に進んでいる中で、2018年7月に日本血
   液学会が編集し発行した造血器腫瘍診療ガイドラインにトレアキシン®とリツキシマブの併用療法(BR療法)が
   新たに収載され、既承認のすべての適応症において、標準的治療の選択肢として推奨されることになりまし
   た。これにより名実ともに悪性リンパ腫における標準療法としてのトレアキシン®の位置づけが確立されつつあ
   り、当社の調査では市場占有率は未治療領域において55%まで伸びてきております。
        本剤については、既に承認を取得した上記の3つの適応症に加え、4つ目の適応症である再発・難治性のび
   まん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)の第Ⅲ相臨床試験を実施しております。本適応症の追加について
   は、優れた標準療法がないことから医療現場の切実なニーズがあり患者団体並びに関係学会からも審査当局に
   対してBR療法を使えるようにして欲しいという強い要望書が出ておりました。当社は新たな治療の選択肢を提
   供すべく、2017年8月に第Ⅲ相臨床試験を開始し、2018年1月の最初の患者登録以来着実に症例集積を推し進
   め、2019年4月に症例登録を完了しました。今後、登録症例のフォローアップ期間が終了した後、承認申請へ
   向けて鋭意準備を進めてまいります。
        更には2017年9月にイーグル・ファーマシューティカルズ社(本社:米国ニュージャージー州)との間で日
   本における独占的ライセンス契約を締結したトレアキシン®液剤(RTD製剤及びRI製剤(注2))への切り替えを目的
   として、既にRTD製剤は医薬品医療機器総合機構との相談を経て、現在、承認申請に向けて鋭意準備中です。RI
   製剤については2018年11月に安全性の確認を主目的とした治験を開始し、2019年4月の最初の患者登録以来順
   調に症例集積が進捗しております。本製剤は、患者さんと医療従事者の負担を大幅に軽減することで大きな付
   加価値を提供するとともに、液剤ライセンスによる特許保護を通じてトレアキシン®の製品寿命を2031年まで延
   長することが可能となり、開発戦略を含めて事業価値の最大化を図ってまいります。




                                   ― 2 ―
                        シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


  また、2018年7月には製造販売承認事項に係わる一部変更の承認を取得したことにより、低悪性度NHLの代表
 的な組織型であるCD20陽性の濾胞性リンパ腫(FL)に対して、リツキシマブのみならず新規の抗CD20抗体製剤
 との併用が可能となり、新たな治療選択肢として2018年8月に販売開始されたオビヌツズマブ(注3)との併用療法
 が患者さんに提供されております。また、2019年3月に腫瘍特異性T細胞輸注療法(注4)の前処置に関する一部変更
 の承認を取得したことにより、2019年5月に薬価収載された国内初のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法(注5)
 「キムリア®点滴静注」(注6)の前処置としてトレアキシン®が使用されることが可能となりました。この再生医療
 等製品の前処置としての使用方法の広がりによって悪性リンパ腫における標準療法としてのトレアキシン®の位
 置づけがより強固なものとなりつつあります。
  さらに、経営基盤の強化のためにトレアキシン®を当社事業のより強固な土台とすべく、現在開発・販売中の
 注射剤に加え、経口剤の開発を進めることにより、固形がんや自己免疫疾患の領域で更なるトレアキシン®の可
 能性を探求しています。そのような取り組みの中で、2018年1月に進行性固形がんを対象としてトレアキシン®
 経口剤の推奨投与量・投与スケジュール及び忍容性・安全性の検討を行い、がん腫を絞り込むことを目的とし
 て、第Ⅰ相臨床試験を開始し、2018年5月の最初の患者登録後、症例集積を鋭意進めています。また、トレア
 キシン®の経口投与による免疫系への作用を評価すべく、自己免疫疾患の中でも極めてニーズが高い全身性エリ
 テマトーデス(SLE)に対する治療効果の確認を目的として、同じく2018年5月に慶應義塾大学との間で共同研
 究契約を締結し前臨床試験を実施しました。 現在、試験成績をまとめており、その成績を評価した上で、臨床
 試験の実施も含め今後の方針を検討する予定です。
    
(注1) 非ホジキンリンパ腫とは、白血球の中のリンパ球ががん化した悪性腫瘍である悪性リンパ腫のうち、ホジ
    キンリンパ腫以外の総称です。日本人の悪性リンパ腫では、大半を非ホジキンリンパ腫が占めています。

(注2) RTD製剤及びRI製剤は、従来の凍結乾燥注射剤(FD)とは異なり既に液化された製剤です。RTD製剤(Ready
    To Dilute)は調剤作業を大幅に低減し、さらに急速静注であるRI製剤(Rapid Infusion)により点滴時間
    を従来の60分間から10分間に短縮することにより、FD製剤に比べ患者さんの負担を大幅に軽減し、さらには
    医療従事者に大きな付加価値を提供することが可能になります。

(注3) オビヌツズマブ(ガザイバ®:販売元 中外製薬株式会社):非ホジキンリンパ腫の治療薬として国内外の
    治療ガイドラインで推奨されているリツキシマブと同様、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタン
    パク質であるCD20に結合する、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体で、標的となるB細胞を直接、
    および体内の免疫系とともに攻撃し、破壊するようデザインされています。

(注4) 腫瘍特異性T細胞輸注療法とは、がん患者さん自身の腫瘍特異的T細胞(がん細胞を特異的に認識するT細
    胞)に、体外で人工的にがん特異性を付与し、細胞を増幅した後に患者さんに投与する療法です。

(注5) キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は、腫瘍特異性T細胞輸注療法の中でも、腫瘍細胞上の膜抗原を認
    識する抗体の抗原結合部位とT細胞受容体の細胞内ドメインを組み合わせたキメラ抗原受容体(chimeric
    antigen receptor; CAR)をコードする遺伝子をT細胞に導入して増幅・輸注する療法です。CARの標的として
    B細胞上に発現するCD19を用いた臨床試験では、B細胞性腫瘍患者にCD19指向性CAR導入T細胞が投与され、著
    明な臨床効果が得られています。

(注6) キムリア®点滴静注(一般名 チサゲンレクルユーセル:販売元 ノバルティスファーマ株式会社):国内
    で初めて承認されたキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法で、再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リ
    ンパ芽球性白血病(B-ALL)および再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
    を適応症として2019年3月に製造販売承認を取得し、2019年5月に薬価収載されました。




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                           シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


 [抗がん剤 SyB L-1101(注射剤) / SyB C-1101(経口剤)(一般名:Rigosertib Sodium<リゴセルチブナト
 リウム>)]
  リゴセルチブ注射剤については、導入元であるオンコノバ・セラピューティクス社(本社:米国ペンシルベ
 ニア州、以下「オンコノバ社」という)が実施している国際共同第Ⅲ相臨床試験の日本における臨床開発を当
 社が担当しており、国内では2015年12月に試験が開始され、2019年7月末時点で44症例が登録されています。
 本試験は、現在の標準治療である低メチル化剤による治療において効果が得られない、治療後に再発した、ま
 たは低メチル化剤に不耐容性を示した高リスク骨髄異形成症候群(高リスクMDS)を対象とし、全世界から20ヶ
 国以上が参加して実施中です。オンコノバ社によれば、2019年3月時点で全世界における目標の360症例に対し
 て75%の登録を達成しております。この試験の成績を基に、欧米と同時期に日本での承認申請を行うことを計
 画しています。
  リゴセルチブ経口剤については、オンコノバ社が米国において初回治療の高リスクMDSを目標効能とする第
 Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(アザシチジン(注7)併用)を完了し、輸血依存性の低リスク骨髄異形成症候群(低リスクMDS)
 を目標効能とする第Ⅱ相臨床試験を進めています。当社はリゴセルチブ経口剤の日本人での忍容性及び安全性
 を確認するために2017年6月に国内第Ⅰ相臨床試験を開始し、2017年10月の最初の患者登録以来着実に症例集
 積を推し進め、2019年6月に症例登録を完了しました。同試験終了後、アザシチジンとの併用の第Ⅰ相試験を
 速やかに実施し、リゴセルチブ経口剤についても欧米に遅れることなく日本での承認申請を行うべく、現在オ
 ンコノバ社が計画している初回治療の高リスクMDSを対象としたアザシチジンとの併用による国際共同第Ⅲ相臨
 床試験に参加する予定です。本国際共同試験については2018年12月にオンコノバ社が承認審査の迅速化を目的
 としてSPA(特別プロトコル審査)(注8)をFDA(米国食品医薬品局)に申請しており、FDAの合意が得られ次第、第
 Ⅲ相臨床試験を開始する予定です。 また、輸血依存性の低リスク骨髄異形成症候群(低リスクMDS)を目標効
 能とした開発については、オンコノバ社の開発状況を見据えながら日本からの参加を検討してまいります。
    
(注7) アザシチジン(ビダーザ®:販売元 日本新薬株式会社):2011年にMDSに対する第Ⅲ相臨床試験において、
    初めて生存期間の延長が認められたことから承認された低メチル化剤(注射用)で、現在、造血幹細胞移植
    が難しいMDS患者に対する第一選択薬として使用されています。MDSは一種の前白血病であり、その病態には
    DNAの過剰なメチル化による癌抑制遺伝子の発現の低下が大きく関係していると考えられています。アザシ
    チジンなどの低メチル化剤はDNAのメチル化を阻害する作用により癌抑制遺伝子の発現を回復させ白血病へ
    の進行を抑えると考えられています。

(注8) SPA(特別プロトコル審査)とは、第Ⅱ相臨床試験終了後に、第Ⅲ相臨床試験について、対象疾患、目的、
    試験デザイン、主要及び副次評価項目(エンドポイント)、解析方法などに関してFDAと事前合意し、試験
    終了後は合意内容を変更せずにそのまま承認審査での承認要件として認める制度です。この制度を利用する
    ことにより、FDA に対して承認申請後、試験結果の評価及び審査について、エンドポイントが達成されてい
    れば、承認の可能性が高まり審査のプロセスと時間が短縮されます。


 [自己疼痛管理用医薬品 SyB P-1501]
  当社が2015年10月にザ・メディシンズ・カンパニー社(本社:米国ニュージャージー州、契約の相手先は同
 社完全子会社であるインクライン・セラピューティクス社)から導入したSyB P-1501については、同社の本製
 品の事業の継続性について当社が懸念を抱く事象が生じたため、患者さんの利益を最優先する観点から2017年
 4月21日より新規症例登録を一時的に中断しておりました。
  その後、当社は2017年10月11日に、ザ・メディシンズ・カンパニー社によるライセンス契約の不履行に起因
 して生じた損害の賠償として82百万米ドル(約90億円)の支払いを求める仲裁を国際商業会議所の規定に基づ
 き申し立て、同社が欧米市場で本製品の事業活動の中止・撤退を決定したことに伴い、ライセンス契約に基づ
 く義務の履行について十分な保証を当社に対して提供できなかったことはライセンス契約の重大な違反である
 旨仲裁で主張しています。また、2017年11月30日に同社によるライセンス契約の違反が約定期間内に治癒され
 なかったことを受けて、ライセンス契約を解除し、本製品の開発は2018年2月9日に中止しました。
  ザ・メディシンズ・カンパニー社との仲裁手続は現在も継続中です。




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                                    シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


   [新規開発候補品]
    当社は長期的経営戦略の視点に立ち、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業へと成長を図るため、新
   薬開発候補品のライセンス権利取得に向け探索評価を継続して実施しており、常時、複数のライセンス案件を
   検討しております。
    また、当社は2016年5月に海外事業展開の戦略的拠点として100%出資の米国子会社 SymBio Pharma USA,
   Inc(本社:米国カリフォルニア州メンローパーク、以下「シンバイオファーマUSA」という)を設立しまし
   た。シンバイオファーマUSAをグローバル事業の拠点として新薬候補品の全世界におけるライセンス権利を積極
   的に取得することにより、米国、日本、欧州をはじめとする主要市場において開発・商業化を目指して、グロ
   ーバル・スペシャリティファーマへの転換を進めてまいります。


   ② 海外
    SyB L-0501については、韓国、台湾、シンガポールにおいても販売されており、当社の製品売上は計画通り
   に推移しました。


   ③ 経営成績
    以上の結果、当第2四半期累計期間の売上高は、トレアキシン®の製品販売等により、2,004,976千円となり、
   売上高全体で前年同期比4.0%増加となりました。
    一方、販売費及び一般管理費は、トレアキシン®の注射剤、経口剤及びリゴセルチブの注射剤、経口剤の臨床
   試験費用が発生したこと等により、研究開発費として962,598千円(前年同期比14.8%増)を、その他の販売費
   及び一般管理費として1,581,904千円(前年同期比49.3%増)を計上したことから、合計で2,544,503千円(前
   年同期比34.1%増)となりました。
    これらの結果、当第2四半期累計期間の営業損失は2,015,102千円(前年同期は営業損失1,324,638千円)と
   なりました。また、為替差損を主とする営業外費用57,178千円を計上したこと等により、経常損失は2,069,366
   千 円 ( 前 年 同 期 は 経 常 損 失 1,377,648 千 円 )、 四 半 期 純 損 失 は 2,069,929 千 円 ( 前 年 同 期 は 四 半 期 純 損 失
   1,388,502千円)となりました。
    なお、当社の事業は医薬品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであるため、
   セグメント別の記載を省略しています。


(2)財政状態に関する説明
    当第2四半期会計期間末における総資産は、商品及び製品が533,824千円、売掛金が400,630千円、未収消費
   税等が32,008千円減少した一方、現金及び預金が1,244,810千円、ソフトウェア仮勘定が103,788千円、前払費
   用が51,586千円増加したこと等により、前事業年度末に比べ434,717千円増加し、6,674,140千円となりまし
   た。
    負債の部については、未払金が605,485千円増加した一方、買掛金が717,627千円減少したこと等により、前
   事業年度末に比べ89,855千円減少し、1,247,768千円となりました。
    純資産の部については、四半期純損失の計上により利益剰余金が2,069,929千円減少した一方、資本金が
   1,271,770千円、資本剰余金が1,271,770千円、新株予約権が50,962千円増加したこと等により、前事業年度末
   に比べ524,572千円増加し、5,426,372千円となりました。
    この結果、自己資本比率は72.6%と前事業年度末に比べ2.5ポイント増加しました。


(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明
   業績予想に関する事項については、本日(2019年8月7日)公表の「業績予想の修正及び中期経営計画の修正
   に関するお知らせ」をご参照ください。




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                     シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


2.四半期財務諸表及び主な注記
(1)四半期貸借対照表
                                                       (単位:千円)
                              前事業年度             当第2四半期会計期間
                           (2018年12月31日)         (2019年6月30日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                           4,821,355            6,066,166
   売掛金                                411,720               11,090
   商品及び製品                             533,824                   -
   前払費用                                83,372              134,959
   立替金                                 31,147               27,835
   未収消費税等                             124,855               92,846
   その他                                 32,214               41,910
   流動資産合計                           6,038,490            6,374,808
 固定資産
   有形固定資産
     建物(純額)                            36,771               35,141
     工具、器具及び備品(純額)                     20,180               22,879
     建設仮勘定                                 -                 1,288
     有形固定資産合計                          56,951               59,308
   無形固定資産
     ソフトウエア                            50,946               44,866
     ソフトウエア仮勘定                         20,430              124,218
     無形固定資産合計                          71,376              169,085
   投資その他の資産
     子会社株式                                  0                    0
     長期前払費用                             1,225                   -
     敷金及び保証金                           71,378               70,937
     投資その他の資産合計                        72,604               70,937
   固定資産合計                             200,932              299,331
 資産合計                               6,239,423            6,674,140
負債の部
 流動負債
   買掛金                                726,100                8,473
   未払金                                503,637            1,109,122
   未払法人税等                              71,249               69,133
   その他                                 35,354               59,550
   流動負債合計                           1,336,342            1,246,281
 固定負債
   退職給付引当金                              1,281                1,487
   固定負債合計                               1,281                1,487
 負債合計                               1,337,623            1,247,768




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            シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


                                              (単位:千円)
                     前事業年度             当第2四半期会計期間
                  (2018年12月31日)         (2019年6月30日)
純資産の部
 株主資本
   資本金                    12,972,579           14,244,349
   資本剰余金                  12,942,579           14,214,349
   利益剰余金                 △21,543,238          △23,613,168
   自己株式                         △17                  △17
   株主資本合計                  4,371,902            4,845,513
 新株予約権                       529,897              580,859
 純資産合計                     4,901,799            5,426,372
負債純資産合計                    6,239,423            6,674,140




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               シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


(2)四半期損益計算書
 (第2四半期累計期間)
                                                   (単位:千円)
                    前第2四半期累計期間            当第2四半期累計期間
                     (自 2018年1月1日          (自 2019年1月1日
                     至 2018年6月30日)         至 2019年6月30日)
売上高                           1,928,378              2,004,976
売上原価                          1,355,079              1,475,575
売上総利益                           573,299                529,400
販売費及び一般管理費                    1,897,937              2,544,503
営業利益                         △1,324,638             △2,015,102
営業外収益
 受取利息                               439                    101
 還付加算金                              116                     76
 受取保険金                               -                   2,736
 その他                                 54                     -
 営業外収益合計                            609                  2,914
営業外費用
 支払手数料                            5,504                  5,257
 株式交付費                           19,114                  9,282
 為替差損                            29,002                 42,411
 その他                                 -                     227
 営業外費用合計                         53,620                 57,178
経常利益                         △1,377,648             △2,069,366
特別利益
 新株予約権戻入益                           876                  1,336
 特別利益合計                             876                  1,336
特別損失
 固定資産除却損                          9,829                     -
 特別損失合計                           9,829                     -
税引前四半期純利益                    △1,386,602             △2,068,029
法人税、住民税及び事業税                      1,900                  1,900
法人税等合計                            1,900                  1,900
四半期純利益                       △1,388,502             △2,069,929




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                     シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


(3)四半期キャッシュ・フロー計算書
                                                         (単位:千円)
                           前第2四半期累計期間           当第2四半期累計期間
                            (自 2018年1月1日         (自 2019年1月1日
                            至 2018年6月30日)        至 2019年6月30日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前四半期純利益                         △1,386,602           △2,068,029
 減価償却費                                 16,915               17,911
 株式報酬費用                                64,636               73,787
 退職給付引当金の増減額(△は減少)                        128                  206
 受取利息                                   △439                 △101
 為替差損益(△は益)                            29,870               55,734
 支払手数料                                  5,504                5,257
 株式交付費                                 19,114                9,282
 新株予約権戻入益                               △876               △1,336
 固定資産除却損                                9,829                   -
 売上債権の増減額(△は増加)                     △321,062               400,630
 たな卸資産の増減額(△は増加)                    △199,242               533,824
 前払費用の増減額(△は増加)                      △22,238              △56,844
 立替金の増減額(△は増加)                       △20,533                 3,311
 未収消費税等の増減額(△は増加)                      31,994               32,008
 その他の流動資産の増減額(△は増加)                    31,614                  360
 長期前払費用の増減額(△は増加)                       5,123                1,225
 仕入債務の増減額(△は減少)                       278,270            △717,627
 未払金の増減額(△は減少)                         61,233              603,144
 その他の流動負債の増減額(△は減少)                       241               12,023
 その他                                      745                  440
 小計                                △1,395,772           △1,094,789
 利息及び配当金の受取額                              439                  101
 法人税等の支払額                             △1,900               △1,900
 営業活動によるキャッシュ・フロー                  △1,397,232           △1,096,587
投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                      △27,834              △6,596
 無形固定資産の取得による支出                       △3,530             △109,039
 敷金及び保証金の回収による収入                       13,747                  -
 投資活動によるキャッシュ・フロー                    △17,617             △115,636
財務活動によるキャッシュ・フロー
 新株予約権の行使による株式の発行による収入              1,541,756            2,522,051
 新株予約権の発行による収入                         23,100                   -
 株式の発行による支出                          △17,582               △9,282
 財務活動によるキャッシュ・フロー                   1,547,274            2,512,769
現金及び現金同等物に係る換算差額                     △29,870              △55,734
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                   102,554            1,244,810
現金及び現金同等物の期首残高                      2,947,059            4,821,355
現金及び現金同等物の四半期末残高                    3,049,613            6,066,166




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                          シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信


(4)四半期財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
 該当事項はありません。


  (四半期損益計算書関係)
 期末たな卸高は収益性の低下に伴う簿価切下後の金額であり、次のたな卸資産評価損が売上原価に含まれておりま
す。
                           前第2四半期累計期間           当第2四半期累計期間
                           (自 2018年1月1日         (自 2019年1月1日
                            至 2018年6月30日)        至 2019年6月30日)

                                       ― 千円            187,840千円
      上記は、トレアキシン®100mgの特定のバッチについて、品質不良により販売不能と判断したため、たな卸資産
     評価損を計上したものです。

 (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
 当社は、当第2四半期累計期間において、第36回、第37回、第38回及び第46回新株予約権の一部について、権利行
使による新株の発行が行われました。この結果、当第2四半期累計期間において資本金が1,271,770千円、資本準備金
が1,271,770千円増加し、当第2四半期会計期間末において資本金が14,244,349千円、資本剰余金が14,214,349千円と
なっております。




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                      シンバイオ製薬株式会社(4582) 2019年12月期 第2四半期決算短信




(重要な後発事象)
 当社は、2019年2月28日開催の取締役会において、2019年3月28日開催の第14期定時株主総会に株式併合及び定
款の一部変更に関する議案を付議することを決議し、同株主総会において承認されました。株式併合及び定款の一
部変更は、2019年7月1日にその効力が発生しております。

 (1) 株式併合の目的
   当社の発行済株式総数は、当社設立以降、医薬品パイプラインの開発進展や開発候補品の増加等に伴い必要
  となる研究開発活動、自社販売体制の構築のための人材確保、システム構築、物流・流通インフラ整備等、及
  び新規開発候補品の導入に必要な資金調達を目的とした資本増強を図るための増資を行ってきた結果、2019年
  6月30日現在で97,450,724株となっておりました。この株式数は当社の事業規模から見て多い状態にあると考
  えており、株価水準も、東京証券取引所の有価証券上場規程第445条において望ましいとされる投資単位の5万
  円以上50万円未満の範囲を大きく下回っておりました。また、1円当たりの株価変動率も相対的に大きく、投
  機的対象として大きな株価の変動を招きやすい状態となっており、一般投資家の皆様への影響は小さくないと
  認識しておりました。
   このような状況を踏まえ、発行済株式総数を当社の規模に見合った水準とすることで、株価水準を望ましい
  とされる投資単位の水準に調整することを目的として、当社株式について4株を1株にする株式併合を実施い
  たしました。

 (2) 株式併合の割合及び時期
   2019年7月1日をもって2019年6月30日の最終の株主名簿に記録された株主の所有株式数を普通株式4株に
  付き1株の割合で併合いたしました。


 (3) 株式併合により減少する株式数
   株式併合前の発行済株式総数(2019年6月30日現在)                     97,450,724株

   株式併合により減少する株式数                                  73,088,043株

   株式併合後の発行済株式総数                                   24,362,681株


 (4) 1株未満の端数が生じる場合の処理
   株式の併合の結果、株式の数に1株に満たない端数が生じる株主に対しては、会社法第235条の定めに従い、
  当社がこれを一括して売却し、その売却代金を端数の割合に応じて交付いたします。


 (5)株式併合に伴う定款の一部変更
   ① 定款変更の理由
   今回の株式併合に伴い、2019年7月1日をもって、当社定款第6条の発行可能株式総数を変更いたしまし
  た。
   ② 定款変更の内容
    変更の内容は以下のとおりであります。

                                        (下線は変更箇所を示しております。)

              現行定款                         変更後定款


   (発行可能株式総数)                     (発行可能株式総数)
     第6条 当社の発行可能株式数は                第6条 当社の発行可能株式数は
             1億6,700万株とする。                   4,175万株とする。


 (6)1株当たり情報に及ぼす影響
   1株当たり情報に及ぼす影響については、当該箇所に記載しております。




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