4582 J-シンバイオ製薬 2021-09-01 12:40:00
シンガポール国立がんセンターと抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤の共同研究契約を締結 [pdf]

                                               2021年9月1日
各位

                     会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
                     代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
                                      (コード番号:4582)
                     問 合 せ 先 管理本部 IR 室(TEL.03-5472-1125)


               シンガポール国立がんセンターと
      抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤の共同研究契約を締結

 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」         )は、この度、抗ウイル
ス薬ブリンシドフォビル注射剤(brincidofovir IV、以下「BCV IV」
                                         )について、エプスタ
イン・バール・ウイルス (EBウイルス) 陽性リンパ腫に対する抗腫瘍効果とその機序の
                      注

探索に関して、シンガポール国立がんセンター(以下「NCCS」        )と共同研究(以下「本研
究」)契約を締結したことをお知らせします。

 NCCSメディカルオンコロジー部門指導医兼主任研究者及びDuke-NUS Medical School
臨床助教授であるDr. Jason Y Chanは、「本研究は、BCV IVのEBウイルス陽性リンパ腫
に対する作用機序の解明を目的としています。本研究から得られる知見を基に、BCV IV
の治療効果が期待できる悪性リンパ腫の患者を対象とする臨床試験に進みたいと考えてい
ます。」とコメントしています。

 吉田文紀社長兼CEOは「BCVは、二本鎖DNA(dsDNA)ウイルスに対する幅広い、か
つ高い抗ウイルス作用があり、dsDNAの一つであるEBウイルスに関連する疾患への効果
が期待されます。本研究によりBCVのEBウイルス陽性リンパ腫に対する作用機序を解明
し、新たな治療方法の開発に展開してまいります。  」と語っています。

 なお、本件が2021年12月期業績予想に与える影響はありません。



                                                    以 上




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(注)エプスタイン・バールウイルス:Epstein-Barr virus (EBウイルス)
EBウイルスはヘルペスウイルス科に属し、1964年にバーキットリンパ腫という主にア
フリカでみられる小児腫瘍から発見された腫瘍の原因となるウイルス。乳幼児期に感染
した場合、多くは症状が出ないが、思春期以降に初めて感染すると、伝染性単核球症と
呼ばれる発熱やのどの痛み、リンパ節の腫れなどの症状が一時的にみられる。また、一
部の悪性リンパ腫や、上咽頭がんなどの発生と関連があることが明らかになっている。
【抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(brincidofovir:BCV)概要】
BCVはシドフォビル(cidofovir:CDV、欧米では既承認・販売の抗ウイルス薬、本邦は未
承認)の脂質結合体として新しい作用機序を持ち、CDVと比べて高活性の抗ウイルス効果
の他、優れた安全性を併せ持つことから、広範囲のDNAウイルス感染症(CMV:サイト
メガロウイルス、AdV:アデノウイルス、EBV:エプスタイン・バール・ウイルス、
HV:ヘルペスウイルス、BKV:BKウイルス、パピローマウイルス及び天然痘ウイルス等
ds DNAウイルス)に対して有効な治療方法となり得るものと期待されている。BCV分子
の画期性は、CDVに特定の長さの脂肪鎖を結合することにより細胞内への取り込み効率を
飛躍的に向上させ、細胞内で直接作用する分子に変換され高い抗ウイルス効果を発揮す
る。更には、CDVの深刻な副作用である腎毒性を回避できるため使い易く、今までにない
新規の高活性の抗マルチウイルス薬である。
  シンバイオは2019年9月30日付で、Chimerix Inc.(本社:米国ノースカロライナ州、
「キメリックス社」)との間で、BCVに関してのグローバルライセンスの権利取得を目的
としてライセンス契約を締結し、本契約の締結により、キメリックス社は天然痘疾患を除
いたすべての疾患を対象として、BCVの開発・販売・製造を含めた独占的権利を、世界全
域を対象として、シンバイオに対して供与した。
【シンガポール国立がんセンター(NCCS)の概要】
  NCCSは、広く集学的ながん治療と患者ケアを提供し、また最良の医療サービスを提供
するために、同センターの臨床医と科学者が協力して良質で最新の国際的な臨床治験と橋
渡し研究を実施しています。さらに、世界をリードするがんセンターとして、国内外の医
療従事者に研修を提供することで、その専門性と知識を共有することを目指しています。
詳細については同社ウェブサイト(https://www.nccs.com.sg/)をご覧ください。
【Chimerix Inc. (キメリックス社)概要】
米国ノースカロライナ州に拠点を置き、NASDAQ上場(CMRX)。がんや他の重篤な疾
患の患者の命に貢献する革新的な医薬品の開発を行うバイオ医薬品企業。2021年6月21
日、米国食品医薬品局は天然痘に対する適応で同社のTEMBEXA®を承認しました。
ONC201については、再発H3 K27M変異グリオーマに対する承認申請を目的とした臨床試
験中であり、2021年後半には独立した中央評価が予定されています。DSTATは、急性骨
髄性白血病における一次治療を目的として開発中です。
詳細については同社ウェブサイト(https://www.chimerix.com/)をご覧ください。
【当社会社概要】
シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、旧アムジェン株式会社の実質
的な創業者である吉田文紀が2005年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・
共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、
資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくこ
とにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、2016年
5月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州 メンロ
ーパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。



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