4582 J-シンバイオ製薬 2021-03-23 17:45:00
再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシン、リツキシマブとポラツズマブ ベドチンとの併用療法に関する承認取得のお知らせ [pdf]

                                           2021年3月23日
各位

                  会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
                  代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
                                   (コード番号:4582)
                  問合せ先     IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


     再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした
     トレアキシン®、リツキシマブとポラツズマブ ベドチンとの
            併用療法に関する承認取得のお知らせ


 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、本日、抗悪性腫瘍
剤「トレアキシン®点滴静注用25 mg及び同点滴静注用100 mg」(凍結乾燥注射剤、一般
名:ベンダムスチン塩酸塩)について、再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
(以下「再発又は難治性DLBCL」)を対象としたベンダムスチン、リツキシマブとポラ
ツズマブ ベドチンの併用療法に対する製造販売承認事項に係わる一部変更承認を取得し
ましたのでお知らせいたします。


 また、ベンダムスチン、リツキシマブ(以下「BR療法」)とポラツズマブ ベドチンの
併用療法を検討した国内外の臨床試験を基に、中外製薬株式会社(本社:東京都、以下
「中外製薬」)が、ポラツズマブ ベドチンについて再発又は難治性DLBCLを対象とした
製造販売承認を本日取得しております。


 BR療法については、シンバイオが実施した再発又は難治性DLBCLを対象とした第3相
試験で主要評価項目の奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得られ、2021年3
月23日に製造販売承認事項に係わる一部変更の承認を取得しております。ポラツズマブ
ベドチンの薬価収載・発売後、BR療法とポラツズマブ ベドチンとの併用(注)において
「トレアキシン®」の使用が可能となります。


 再発又は難治性DLBCLは治療の選択肢が限られており、現在は救援化学療法として多
剤併用化学療法が使われておりますが、副作用が強いことから、副作用が少なく高い有効
性が期待できる新たな治療薬の開発が切望されておりました。シンバイオは、第二の創業
の最初のマイルストーンとして2021年度の事業の黒字化を掲げており、この度の承認取得
は黒字化へ向けての大きな原動力となります。


 今回の承認取得は、トレアキシン®凍結乾燥注射剤の再発又は難治性 DLBCL に対する
ものです。トレアキシン®点滴静注液剤「RTD 製剤」の再発又は難治性 DLBCL に対する
一部変更承認申請は今週中に実施の予定です。また、本件が 2021 年 12 月期業績予想に与
える影響は現在精査中で、必要に応じて開示いたします。
                                                   以上


                       1
(注)
〔用法及び用量〕
〈再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫〉
○リツキシマブ(遺伝子組換え)及びポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)併用の場
合
通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として90 mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけ
て点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、最大
6サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。


【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について】
    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)は、大
型で悪性の B 細胞性リンパ球がリンパ節や様々な臓器で増殖して悪性腫瘍を形成する疾患
です。悪性リンパ腫の中では最も頻度が高く(30~40%)、発症年齢のピークは 60~70
歳で、患者は高齢者が多く人口の高齢化と共に増加傾向にあると推計されています。化学
療法による治療効果は限られており、化学療法に抵抗性を示す患者あるいは再発性の患者
の予後は極めて悪く、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されています。
 シンバイオが再発又は難治性 DLBCL を対象に実施した第 2 相試験で得られた BR 療法
の優れた臨床試験成績(注)に基づき、2012 年より米国のがん治療の診療指針である NCCN
(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは BR 療法が推奨されてい
ます。(注)第 2 相臨床試験の解析結果(59 症例):奏効率 62.7%、完全寛解率 37.3%
引用文献:

   日本リンパ網内系学会・未承認薬・適応外薬の要望:

    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/gakkai3-2-5-1.pdf

   Friedberg, JW. Relapsed/ Refractory Diffuse Large B-cell Lymphoma. ASH Education Book 2011

    (1): 498-505


【再発又は難治性DLBCLの救援化学療法について】
    造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃し
た患者さんに治療救援化学療法を行います。進行期DLBCLの再発時の二次治療(救援化
学療法)には、現在、6~7種類ほどの多剤併用化学療法が使われており、その多くは複
数(3~6の薬剤)の薬剤を組み合わせた治療方法となります。例えば、CHASE(R)療
法はシクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシドにリツキシマブの5
種類を組み合わせた多剤併用化学療法、ESHAP(R)はメチルプレドニゾロン、エトポシ
ド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用化学療法
であります。いずれの多剤併用化学療法も骨髄抑制作用が強く、また高齢者が多い再発又
は難治性DLBCLの患者さんは毒性が増強することが知られております。




                                                2
【トレアキシン®について】
 殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970 年代からドイツで使用が開始され、現在 50 ヵ国以上
で低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度 NHL)
                       、マントル細胞リンパ腫(MCL)
                                      、慢性
リンパ性白血病(CLL)などを適応症として使用されています。
2010 年 10 月に再発又は難治性低悪性度 NHL 及び MCL を適応症として医薬品製造販売
承認を取得した後、2016 年 8 月に CLL に対する効能追加の承認を取得し、2016 年 12 月
に未治療の低悪性度 NHL 及び MCL に対する効能追加の承認を取得しています。
悪性リンパ腫の領域で最大の患者数をもつ再発又は難治性 DLBCL を適応症とした第 3 相
臨床試験で、主要評価項目の奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が得られ、
2020 年 5 月に効能追加の承認申請を行いました。
2020 年 9 月に「トレアキシン®点滴静液 100mg/4mL」
                                 (RTD 製剤、Ready-To-Dilute:溶
解不要で希釈するのみの製剤)について、医薬品製造販売承認を取得しました。
売上高においては薬価ベース 100 億円の早期達成を目指しています。


【当社会社概要】
 シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、旧アムジェン株式会社の実
質的な創業者である吉田文紀が 2005 年 3 月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共
創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行
政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆ
くことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、
2016 年 5 月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州
メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。




                            3