4582 J-シンバイオ製薬 2021-01-28 11:00:00
ベンダムスチン及びリゴセルチブの新規適応症の探索に関する東京大学医科学研究所との共同研究契約の締結について [pdf]

                                             2021年1月28日
各位

                    会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
                    代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
                                     (コード番号:4582)
                    問合せ先     IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


     ベンダムスチン及びリゴセルチブの新規適応症の探索に関する
      東京大学医科学研究所との共同研究契約の締結について

 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、東京大学医科学研
究所(東京都、以下「東大医科研」)との間で、抗がん剤として開発中のBendamustine
(以下、「ベンダムスチン」)およびRigosertib(以下、「リゴセルチブ」)の新規適応
症の探索に関する共同研究契約(以下「本契約」)を締結したことをお知らせいたしま
す。


 シンバイオは本契約に基づき、事業価値創出に向けた施策の一つとして、東大医科研
附属先端医療研究センター 細胞療法分野・北村俊雄教授と共同研究を行い、ベンダムス
チン、リゴセルチブに関して、両化合物あるいは他の既存薬との併用により新たな有用性
を見出すとともに新規適応症の探索を行います。
 北村俊雄教授との本共同研究において、様々な腫瘍細胞等を用いてエピジェネティック
制御の解析を行うことなどにより、ベンダムスチン、リゴセルチブの従来認知されていた
作用以外の薬理作用の検討、両化合物あるいは他の既存薬との組み合わせにより得られる
薬理作用の解析を行います。
 北村俊雄教授は、これまで白血病などの造血器腫瘍の研究と造血幹細胞分化の研究にお
いて多大な研究業績と研究・臨床の幅広いネットワークを築いてこられ、エピジェネティ
ク異常による造血器腫瘍の発症の分子機構解明や造血器腫瘍モデルを利用した新規治療法
の開発に取り組んでこられました。シンバイオは、これまで培った抗がん剤の早期承認取
得の実績及び経験を活かし、企業使命である未だ満たされていない医療ニーズに継続して
応えるべく、東京大学医科学研究所と共同して当該開発品の新規適応症の探索を進めてま
いります。
 吉田文紀社長兼CEOは、「今後、アカデミアとの目的志向の共同研究に積極的に取り組
み、ベンダムスチンとリゴサルチブの併用療法、これらのポテンシャルを引き出すため既
存薬との組み合わせにより新たな治療方法の開発を目指し事業価値の最大化に努めてまい
ります。」と語っています。


なお、本件が 2020 年 12 月期業績に与える影響はありません。2021 年 12 月期業績予想に
つきましては、2020 年 12 月期決算短信にて開示いたします。


                                                   以 上



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 【ベンダムスチンについて】
 殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970年代からドイツで使用が開始され、現在50ヵ国以上で
低悪性度非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性
リンパ性白血病(CLL)などを適応症として使用されています。
 2010年10月に再発・難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫(低悪性度NHL)及
びマントル細胞リンパ腫(MCL)を適応症として製造販売承認を取得した後、2016年8月
に慢性リンパ性白血病(CLL)に対する効能追加の承認を取得し、2016年12月に未治療の
低悪性度NHL及びMCLに対する効能追加の承認を取得しています。
 悪性リンパ腫の領域で最大の患者数をもつ再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ
腫(r/rDLBCL)を適応症とした第Ⅲ相臨床試験で、主要評価項目の奏効率において期待
奏効率を上回る良好な結果が得られ、2020年5月に効能追加の承認申請を行いました。
 2020年9月にトレアキシン®液剤「RTD製剤」(Ready-To-Dilute:溶解不要で希釈する
のみの製剤)について製造販売承認を取得し、2021年1月より販売を開始しました。
売上高においては薬価ベース100億円の早期達成を目指しています。


 【リゴセルチブについて】
 リゴセルチブは、がん関連遺伝子産物であるRASの作用を阻害することにより、PI3Kな
ど複数のキナーゼ(リン酸化酵素)の作用を妨げ、がんの生存や増殖に必要な細胞内シグ
ナルの伝達を抑制することで、がん細胞を死滅させる新たな作用機序を有する低分子の抗
がん剤です。
 シンバイオは、2011年7月にオンコノバ社との間でライセンス契約を締結し、リゴセル
チブの日本及び韓国における独占的開発権及び販売権を取得しております。


 【オンコノバ社会社概要】
 米国ペンシルベニア州及びニュージャージー州に拠点を置く、バイオ医薬品に特化した
製薬企業です。1998年の同社設立時より、がん治療並びに正常細胞の保護に注力し、自社
の所有する125以上の新規化学療法薬候補からなる医薬品化学ライブラリーを基に、新規
の分子・生物学的治療を目的とした低分子治療薬を発見、最適化してきました。同社は、
リゴセルチブの全世界における開発・販売権を保有しております。同社の詳細については
ウェブサイト(http://www.onconova.com/)をご覧下さい。


 【当社会社概要】
 シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現在
は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が2005年3月
に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表さ
れ、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念
で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を果
たすことを事業目的としています。なお、2016年5月に米国完全子会社 SymBio Pharma
USA, Inc.(米国カリフォルニア州メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。




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