4582 J-シンバイオ製薬 2020-08-25 09:00:00
オンコノバ社、高リスクの骨髄異形成症候群(HR-MDS)において第3相臨床試験「INSPIRE」のトップライン結果を発表 [pdf]

                                               2020年8月25日
各位

                      会 社 名 シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
                      代 表 者 名 代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
                                       (コード番号:4582)
                      問合せ先     IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


     オンコノバ社、高リスクの骨髄異形成症候群(HR-MDS)において
       第Ⅲ相臨床試験「INSPIRE」のトップライン結果を発表

 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都)は、現在開発中の抗がん剤 Rigosertib(以下
「リゴセルチブ」)のライセンサーであるOnconova Therapeutics, Inc.(本社:米国ペン
シルベニア州、以下「オンコノバ社」)が、2020年8月24日(月)(米国東部時間午前7時
30分)、高リスクのMDS(HR-MDS)患者を対象としたリゴセルチブの静脈内投与の有
効性と安全性を評価する同社の第Ⅲ相試験(INSPIRE試験)が、医師選択療法との比較に
おいて主要評価項目を達成しなかったことを発表いたしましたのでお知らせいたします。


 本試験の主要評価項目は全生存期間であり、リゴセルチブ点滴静注+最善の支持療法と
医師選択療法(PC)+最善の支持療法を比較しました。また、超高リスク(VHR-MDS)
患者のサブグループについても、事前に規定された解析が行われました。


 INSPIRE試験のintent-to-treat解析では、リゴセルチブ静注群の全生存期間は6.4ヵ月、
PC群では6.3ヵ月(p=0.33)であったことが明らかになりました。VHR-MDSサブグルー
プの全生存期間についても、両群間で有意差は認められませんでした。オンコノバ社はさ
らに追加解析を行っています。


 安全性解析では、リゴセルチブ静注は概ね良好な忍容性を示し、報告された有害事象は
MDSを対象としたリゴセルチブ静注の過去の臨床試験で観察されたものと同様のものでし
た。重篤な有害事象(SAE)は比較的稀で、両群間で同様のプロファイルを示していま
す。


 吉田文紀社長兼CEOは、「今回のINSPIRE試験結果は大変残念ですが、RAS 経路阻害
剤としてのリゴセルチブは、血液疾患以外の多くのがん領域にも適用できる可能性があり
ます。INSPIRE 試験のゲノム解析から得られた知見を、今後のリゴセルチブの開発に活
かしていきたいと考えています。現在進行中の KRAS+肺腺癌を対象としたフェーズ 1/2a
試験に加え、他の固形癌へと継続的に拡大していくことを期待しています。」


 なお、本件が 2020 年 12 月期業績に与える影響はありません。


                                                     以 上



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 【骨髄異形成症候群(MDS: Myelodysplastic Syndromes)について】
 骨髄にある造血幹細胞の異常によって造血障害を起こし、その結果正常な血液細胞(赤
血球、白血球、血小板)を造ることができなくなり、貧血、感染症、出血などの症状が生
じる病気で、未熟で異常な血液細胞(芽球)の増加による急性骨髄性白血病(AML:
Acute Myeloid Leukemia)への移行が高い確率で見られる予後不良の難治性疾患です。
この疾患は高齢者に多く認められるため、高齢化に伴い患者数が増加する傾向にありま
す。現在、優れた治療方法がなく多くの患者さんが輸血に依存するなど新しい治療方法が
切望されています。
 日本におけるMDSの患者数は11,000人程度と推定され、年齢別では高齢者に多く、男女
比は2対1で男性に多くみられます。


 【リゴセルチブについて】
 リゴセルチブは、がん関連遺伝子産物であるRASの作用を阻害することにより、PI3Kな
ど複数のキナーゼ(リン酸化酵素)の作用を妨げ、がんの生存や増殖に必要な細胞内シグ
ナルの伝達を抑制することで、がん細胞を死滅させる新たな作用機序を有する低分子の抗
がん剤です。
 シンバイオは、2011年7月にオンコノバ社との間でライセンス契約を締結し、リゴセル
チブの日本及び韓国における独占的開発権及び販売権を取得しております。


 【オンコノバ社会社概要】
 米国ペンシルベニア州及びニュージャージー州に拠点を置く、バイオ医薬品に特化した
製薬企業です。1998年の同社設立時より、がん治療並びに正常細胞の保護に注力し、自社
の所有する125以上の新規化学療法薬候補からなる医薬品化学ライブラリーを基に、新規
の分子・生物学的治療を目的とした低分子治療薬を発見、最適化してきました。同社は、
リゴセルチブの全世界における開発・販売権を保有しております。同社の詳細については
ウェブサイト(http://www.onconova.com/)をご覧下さい。


 【当社会社概要】
 シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現在
は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が2005年3月
に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表さ
れ、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念
で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を果
たすことを事業目的としています。なお、2016年5月に米国完全子会社 SymBio Pharma
USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州 メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しま
した。




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