4582 J-シンバイオ製薬 2020-07-13 13:30:00
再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシンとポラツズマブ ベドチン、リツキシマブとの併用療法に関する承認申請のお知らせ [pdf]

                                           2020年7月13日
各位

                  会 社 名   シ ン バ イ オ 製 薬 株 式 会 社
                  代表者名    代表取締役社長兼 CEO 吉 田 文 紀
                                    (コード番号:4582)
                  問合せ先      IR 担当(TEL.03 - 5472 - 1125)


       再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした
     トレアキシン®とポラツズマブ ベドチン、リツキシマブとの併用療法
              に関する承認申請のお知らせ


 シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は抗悪性腫瘍剤「トレ
アキシン®」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)について、再発・難治性びまん性大細胞型
B細胞リンパ腫(以下「再発・難治性DLBCL」)を対象としたベンダムスチンとポラツズ
マブ ベドチン、リツキシマブとの併用療法に対する製造販売承認事項に係わる一部変更
承認申請を行いましたのでお知らせいたします。


 ポラツズマブ ベドチンとベンダムスチン、リツキシマブ(以下「BR療法」)との併用
療法を検討した国内外の臨床試験を基に、中外製薬株式会社(本社:東京都、以下「中外
製薬」)が再発・難治性DLBCLを対象として2020年6月29日に製造販売承認申請を行って
おります。
 この申請に先立ち、BR療法については、シンバイオが実施した再発・難治性DLBCLを
対象とした第III相試験で主要評価項目の奏効率において期待奏効率を上回る良好な結果が
得られたことを基に、2020年5月に製造販売承認事項に係わる一部変更承認申請を行って
おり、現在独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)により審査が行われておりま
す。
 シンバイオ及び中外製薬の申請について、双方とも承認取得後、ポラツズマブ ベドチ
ンが薬価収載され次第、ポラツズマブ ベドチンとBR療法との併用において「トレアキシ
ン®」の使用が可能となります。シンバイオは自社販売体制の下での2021年度の黒字化を
目指しており、再発・難治性DLBCLを対象とした「トレアキシン®」の適応症追加は事業
における重要な成功要因の1つと考えています。


 吉田文紀社長兼CEOは、「再発・難治性DLBCLは治療の選択肢が限られており、現在
は救援化学療法として多剤併用療法が使われておりますが、副作用が強いことから、副作
用が少なく高い有効性が期待できる新たな治療薬の開発が切望されております。現在、承
認申請中のBR療法に加え、ポラツズマブ ベドチンとBR療法の併用を新たな治療選択肢と
していち早く提供できるよう、引き続き尽力して参ります。」と語っています。


                                                    以上




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【びまん性大細胞型B細胞リンパ腫について】
    びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)は、大
型で悪性の B 細胞性リンパ球がリンパ節や様々な臓器で増殖して悪性腫瘍を形成する疾患
です。悪性リンパ腫の中では最も頻度が高く(30~40%)、発症年齢のピークは 60~70
歳で、患者は高齢者が多く人口の高齢化と共に増加傾向にあると推計されています。化学
療法による治療効果は限られており、化学療法に抵抗性を示す患者あるいは再発性の患者
の予後は極めて悪く、安全で有効な新しい治療薬の登場が期待されています。
 シンバイオが再発・難治性 DLBCL を対象に実施した第 II 相試験で得られた BR 療法の
優れた臨床試験成績(注)に基づき、2012 年より米国のがん治療の診療指針である NCCN
(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは BR 療法が推奨されてい
ます。(注)第 II 相臨床試験の解析結果(59 症例):奏効率 62.7%、完全寛解率 37.3%
引用文献:

   日本リンパ網内系学会・未承認薬・適応外薬の要望:

    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/gakkai3-2-5-1.pdf

   Friedberg, JW. Relapsed/ Refractory Diffuse Large B-cell Lymphoma. ASH Education Book 2011

    (1): 498-505




【再発・難治性DLBCLの救援化学療法について】
    造血器腫瘍において治療効果が得られない場合(治療抵抗性)、あるいは再発・再燃し
た患者さんに治療救援化学療法を行います。進行期びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再
発時の二次治療(救援化学療法)には、現在、6~7種類ほどの多剤併用療法が使われて
おり、その多くは複数(3~6の薬剤)の薬剤を組み合わせた治療方法となります。例え
ば、CHASE(R)療法はシクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシド
にリツキシマブの5種類を組み合わせた多剤併用療法、ESHAP(R)はメチルプレドニゾ
ロン、エトポシド、シタラビン、シスプラチン、リツキシマブの5種類を組み合わせた多
剤併用療法であります。いずれの多剤併用療法も骨髄抑制が強く、また高齢者が多い再
発・難治性DLBCLの患者さんは毒性が増加することが知られております。




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【トレアキシン®について】
 殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970 年代からドイツで使用が開始され、現在 50 ヵ国以上
で低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病などを適応
として使用されています。
 2010 年 10 月に再発・難治性の低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞
リンパ腫を適応症として製造販売承認を取得した後、2016 年 8 月に慢性リンパ性白血病
に対する効能追加の承認、さらに 2016 年 12 月に低悪性度 B 細胞性非ホジキンリンパ腫
及びマントル細胞リンパ腫の未治療に対する効能追加の承認を取得しています。また、
2019 年 4 月にトレアキシン®液剤(急速静注製剤「RI 製剤」)による安全性の確認を主目
的とした治験において最初の患者登録を完了し、2020 年3月に目標症例数の登録を完了し
ました。トレアキシン®液剤「RTD 製剤」については 2019 年 9 月に承認申請を行ってお
ります。薬価ベースで売上 100 億円の早期達成を目指しています。




【当社会社概要】
 シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現在
は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が 2005 年 3
月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表
され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理
念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を
果たすことを事業目的としています。なお、2016 年 5 月に米国完全子会社 SymBio
Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州   メンローパーク、社長:吉田文紀)を
設立しました。




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