4571 M-ナノキャリア 2020-03-27 12:00:00
遺伝子治療薬VB-111のプラチナ製剤抵抗性卵巣がんを対象とした国内開発決定のお知らせ [pdf]

                                                                                                    2020 年 3 ⽉ 27 ⽇
 <各位>
                                                                          ナ ノ キ ャ リ ア 株 式 会 社
                                                                          代表取締役社⻑                         松⼭           哲⼈
                                                                          ( 4 5 7 1            東 証 マ ザ ー ズ )
                                                                          問合せ先 IR担当                      ⼟屋            千映⼦
                                                                          電話番号               03-3241-0553


 遺伝⼦治療薬 VB-111 のプラチナ製剤抵抗性卵巣がんを対象とした国内開発決定のお知らせ
                         国際共同第Ⅲ相臨床試験(OVAL 試験)の中間解析発表


 当社が国内開発権および販売権を導⼊した遺伝⼦治療薬 VB-111 について、⽶国を中⼼に実施
中の OVAL 試験に関し、第 3 者委員会による中間解析が⾏われ、良好な結果が認められ、試験の
継続が推奨されたことが、導⼊元である VBL Therapeutics(イスラエル、以下「VBL 社」)より
発表されました。当社は、本結果を踏まえ、国内開発を実施する⽅針を決定しましたのでお知ら
せいたします。


 当社は、遺伝⼦治療薬 VB-111 の国内取扱いに関し、カルタヘナ法に基づく第⼀種使⽤規程の
承認を取得済みであり、国内臨床試験開始に向けた規制当局との相談も進めており、⽇本国内の
投与開始に向け準備を加速します。


 国内の卵巣がん罹患数は年間 10,000 ⼈を超え、死亡者数は年間約 5,000 ⼈に達しています。
卵巣がんは、プラチナ製剤への感受性が⽐較的⾼いといわれており、1 次治療としてプラチナ系
抗がん剤治療が⾏われます。治療中 6 か⽉以内に増悪が認められた、または、再発した場合には
プラチナ製剤抵抗性卵巣がんと判断されます。本疾患は、アンメットニーズの⼤きい疾患であり、
新たな治療法の開発が求められています。


 VB-111 は、腫瘍⾎管内⽪細胞のアポトーシスを誘導し、さらに腫瘍免疫を惹起する 2 つのメ
カニズムを有するユニークな治療薬です。遺伝⼦治療でありながら、静脈注射による全⾝投与型
の製剤であり、固形がんを対象に適応疾患を拡⼤する可能性を有しています。海外では、VBL 社
を中⼼に再発悪性膠芽腫および⼤腸がんを対象とした開発も進められております。


 当社は、VB-111 のがん領域での治療薬としての可能性を評価しており、引き続き海外での開
発動向を⾒極めながら国内開発を進めてまいります。本製品の国内上市を達成することは、当社
の経営基盤強化につながると⾒込んでおり、当社のコア技術の成⻑を⽀える⼀つとなると期待し
ております。


 なお、本件による 2020 年 3 ⽉期業績への影響はございませんが、2021 年 3 ⽉期業績への影
響を精査し、2020 年 5 ⽉に発表予定の通期業績予想に組み⼊れる予定です。



 次項に、VBL 社の発表を翻訳してご案内いたしますが、原⽂の英語が優先されますことをご承知お
きください。
 http://ir.vblrx.com/news-releases/news-release-details/vbl-therapeutics-announces-positive-outcome-interim-analysis
        VBL 社が卵巣がんを対象とした第Ⅲ相ピボタル試験(OVAL 試験)の中間解析で
                       良好な結果を得ました

   OVAL 試験の独⽴データモニタリング委員会(DSMC)は、⾮盲検下でデータをレビューし、VB-
    111 治療はコントロールと⽐較し、事前に規定した基準(CA-125 奏効率の差が 10%以上)を達
    成したと宣⾔しました。DSMC は、この試験の継続を勧告しました。
   無作為化された評価対象 60 例の CA-125 の奏効率は 53%でした。均等に無作為化されていると
    仮定した場合、治療群(VB-111 とパクリタキセル週 1 回投与の併⽤)における奏効率は 58%以
    上になります。
   治療後に発熱が認められた症例における CA-125 奏効率は 69%でした。発熱は VB-111 投与後
    によく観察される事象です。
   第Ⅲ相試験の中間解析で認められた CA-125 奏効率は、プラチナ製剤抵抗性卵巣がんを対象とし
    て実施した第Ⅱ相試験における CA-125 奏効率と少なくとも同等以上です。

VBL 社は、プラチナ製剤抵抗性卵巣がんを対象とした OVAL 試験における中間解析の有望な結果を発
表しました。 OVAL 試験の DSMC は、⾮盲検下でデータをレビューし、最初の評価可能 60 例につい
て GCIG 基準に従って CA-125 奏効率を評価しました。 DSMC は、VB-111 治療群が、事前に規定し
た基準(CA-125 奏効率の差が 10%以上)を達成したと宣⾔し、本試験の継続を勧告しました。

無作為化された評価対象 60 例の CA-125 の奏効率は 53%でした。均等に無作為化されていると仮定
した場合、治療群(VB-111 とパクリタキセル週 1 回投与の併⽤)における奏効率は 58%以上になり
ます。発熱は VB-111 のマーカーと考えられ、治療後に発熱が認められた症例における CA-125 奏効
率は 69%でした。

「この無作為化⽐較試験における中間解析の有望な結果は、第Ⅱ相試験で認められたデータと併せて、
未だ有効治療のないプラチナ製剤抵抗性卵巣がんに対する VB-111 の可能性を⽰唆するものである。                                         」
と、OVAL 試験のステアリングコミティの委員⻑である Bradley J. Monk 医学博⼠(ACS, FACOG,
Co-Director of GOG Partners, Arizona Oncology (US Oncology Network) and Professor,
Gynecologic Oncology at University of Arizona, Creighton University, Medical Director of US
Oncology Research Gynecology program in Phoenix, Arizona.)は述べています。

「この中間解析の結果は、無作為化⽐較試験において VB-111 が標準治療に⽐べ、ベネフィットを⽰
す可能性があることを⽰したと解釈され、         ⾮常に喜んでいる。今回の中間解析の結果は、同様の患者群
を対象とした VB-111 の第Ⅱ相試験における CA-125 奏効率と少なくとも同等でした。今回の中間解
析結果は、   これまで得られた各種第Ⅱ相試験の成績を裏付けるものと解釈される。 と、   」 VBL 社の CEO
である Dr. Dror Harats は述べています。

以前に報告したとおり、プラチナ製剤抵抗性卵巣がんを対象とする VB-111 の第Ⅱ相試験では、VB-
111 とパクリタキセル併⽤における CA-125 奏効率は 58%でした。CA-125 奏効例の全⽣存期間中央
値は 808 ⽇、CA-125 ⾮奏効例では 351 ⽇でした。
DSMC による OVAL 試験継続の勧告は、本試験が主要評価項⽬を達成することを保証するものではあ
りません。 OVAL 第Ⅲ相試験の主要評価項⽬は全⽣存期間であり、現在、プラチナ製剤抵抗性卵巣が
んに対する承認されている治療法はありません。


                                                                                     以上