4571 M-ナノキャリア 2019-10-02 11:30:00
NC-6300 血管肉腫を対象としたexpansion cohort実施、投与開始のお知らせ [pdf]
2019 年 10 月 2 日
<各位>
ナ ノ キ ャ リ ア 株 式 会 社
代 表 取 締 役 社 長 中 冨 一 郎
( 4 5 7 1 東 証 マ ザ ー ズ )
問合せ先 取締役CSFO兼社長室長 松山哲人
電 話 番 号 0 3 - 3 2 4 1 - 0 5 5 3
NC-6300 血管肉腫を対象とした expansion cohort 実施、投与開始のお知らせ
当社技術による開発品 NC-6300 について、米国開発において新たなステージへ移行し、患者様
への投与が開始されましたのでお知らせいたします。
【拡大臨床試験概要】
対象疾患:血管肉腫※1
開発地域:米国(Duke Cancer Center および Sarcoma Oncology Center)
症例数 :10 例
評価項目:NC-6300(3 週間毎 150mg/m2)の血管肉腫に対する有効性および安全性の確認
試験期間:約 2 年 (トップライン発表時期:2020年度第 3 四半期ごろ)
本剤は、米国でオーファンドラッグ指定を受けており、早期承認取得を目指した開発戦略を推進
しております。本剤の内包成分であるエピルビシンは、殺細胞効果に加えて、免疫原性細胞死※2の誘導
作用を有することが報告され注目されております。一方、軟部肉腫のうち血管肉腫は腫瘍免疫が関与す
るとの報告があり、作用機序の点からも、NC-6300 の対象疾患として血管肉腫を選択しました。既報の
通り、米国で実施した第Ⅰ相試験においては、登録された血管肉腫 2 例はともに PR(奏効)を示し
ており、血管肉腫を対象とした拡大試験に期待を寄せております。
尚、本件による 2020 年 3 月期業績への影響はございません。
※1 血管肉腫
悪性軟部肉腫には 50 以上ものサブタイプが報告されており、血管肉腫はその 1 つです。血管肉腫は血管内皮に
由来する悪性腫瘍です。 全悪性腫瘍に占める肉腫の割合は 1%と言われており、血管肉腫は悪性軟部肉腫の 2-3%
を占めると報告されている、極めて稀な悪性腫瘍です。治療にはアンスラサイクリン製剤やパクリタキセルが使
用されているものの、確立した標準治療はなく、更に有効・安全な新薬が望まれています。
※2 免疫原性細胞死
抗原が抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質を免疫原性と呼び、抗がん剤の投与により、抗がん剤としての
作用の他に免疫応答を惹起して、腫瘍細胞を細胞死に至らせること。
NC-6300 開発方針について
2018 年 12 月 12 日付でご案内の通り、NC-6300 は、第Ⅰ相臨床試験の主要評価項目を達成し、次ス
テージへの移行に向け準備を進めておりました。当初、ミセル化ナノ粒子との相乗効果を期待し、米国
で軟部肉腫に対して早期承認された新薬「olaratumab」との併用投与を計画しておりましたが、販売企
業である Eli Lilly から olaratumab の第Ⅲ相臨床試験結果について本年 1 月に評価項目未達成が報告さ
れ、これを受けて本年 4 月に市場からの撤退準備が発表されました。これらの動きに伴い、当社は軟部
肉腫専門医や米国 FDA との会議を実施し、様々な知見を基に試験デザインについて議論を重ねてまいり
ました。その結果、承認確度を高める目的で、血管肉腫患者を対象に NC-6300 単剤での有効性および
安全性を確認する拡大試験を引き続き推進することにしました。
以上
本リリースに記載されている医療用医薬品(開発品を含む)の情報は、当該製品を宣伝・広告するものではなく、投
資家への情報開示を目的とするものであって、その製品化を保証するものではありません。