4571 M-ナノキャリア 2019-06-04 12:35:00
遺伝子治療薬VB-111の再発悪性神経膠芽腫に関する米国臨床腫瘍学会(ASCO)における発表について [pdf]

                                                                     2019 年 6 月 4 日
   <各位>
                                         ナ ノ キ ャ リ ア 株 式 会 社
                                         代 表 取 締 役 社 長 中 冨 一 郎
                                         ( 4 5 7 1   東 証 マ ザ ー ズ )
                                         問合せ先 取締役CSFO兼社長室長 松山哲人
                                         電 話 番 号   0 3 - 3 2 4 1 - 0 5 5 3



         遺伝子治療薬VB-111 の再発悪性神経膠芽腫に関する
          米国臨床腫瘍学会(ASCO)における発表について

 当社が VBL Therapeutics(Nasdaq:VBLT)より国内開発販売権を取得した VB-111
に関し、再発悪性神経膠芽腫(rGBM)における第 2 相および 3 相臨床試験の MRI 解析の結
果、客観的奏効および VB-111 活性として特徴的な MRI 像に関連した生存期間の延長が示
されたことが 6 月 1 日からシカゴで開催されている 2019 年米国臨床腫瘍学会     (ASCO)年
次総会で発表されました。

 以下、VBL 社の発表を一部翻訳してご案内いたします。尚、原文の英語が優先されるこ
とをご承知おきください。

 発表ポスターについては、以下をご参照ください。
 http://ir.vblrx.com/static-files/e1606547-9c72-4e72-bfd1-f4c1125dcd95

   本データは、UCLA 脳腫瘍イメージング研究所(BTIL)、放射線科学科の Benjamin M.
Ellingson 博士により発表されました。

 ULCA の解析は、主要エンドポイントを達成し全生存期間中央値(mOS)が 414 日で
あった第 2 相試験のデータと、ベースラインの腫瘍体積が類似していたにも拘らず mOS
が 6.8 か月であった GLOBE 第 3 相試験の MRI データを比較した。分析の目的は、定量
的な放射線ツールを用いて、両試験結果の違いを調査することであった。

 両試験の投与方法には顕著な違いがあった:第2相試験では、最初にVB-111 を単剤
療法として投与し(プライミング)   、再発時にベバシズマブ(Avastin®)を VB-111 に
追加した。これに対し、GLOBE 第 3 相試験では、治療開始時から VB-111 とベバシズマ
ブを同時に投与し、VB-111 単独療法の「プライミング」期間はなかった。

 Dr. Ellingson は、「我々の分析では、VB-111 によるプライミング後の VB-111 単剤
療法または併用療法による奏効例は、VB-111 の作用機序に関連する、原発巣における特
徴的で広範なネクローシス像を示した」と述べた。また、           「何名かの症例は VB-111 によ
る明確な奏効の証拠を示していた。        VB-111 によって誘発された浮腫や局所免疫反応に関
連すると思われる疑似増悪を示した患者もおり、           疾患増悪として誤って解釈された可能性
がある。VB-111 治療による奏効例は、非奏効例と比較して統計的に有意な生存期間の延
長が認められた。       」

 最高経営責任者(CEO)の Dror Harats 医学博士は、次のように述べています。
                                            「この
解析は、MRIデータによって、VB-111 によるプライミングが rGBM において臨床的
に意味のある活性を示すという独立した定量的な証拠を提供し、    それが MRI で確認でき、
統計的に有意な生存期間の延長と相関することを示した。    」
                              「我々は、この研究が、  VB-111
の rGBM および他の難治性がんに対する治療効果を有する可能性があるという我々の見
解を支持すると信じている。 rGBM を対象とした開発は、米国の主要な神経腫瘍センタ
ーにおける医師主導試験として進められている。VBL 社は、卵巣がんを対象とした承認
申請用試験として OVAL 第 3 相試験を実施している」
                            。



Ofranergene Obadenovec(VB-111)について
VB-111 は、非増殖型アデノウイルスベクターを利用した抗腫瘍性の遺伝子治療薬です。


 尚、本件による 2020 年 3 月期の業績への影響はございませんが、今後の開発進捗等を
踏まえ国内の開発方針を検討してまいります。

                                               以上