4571 M-ナノキャリア 2019-06-04 12:35:00
遺伝子治療薬VB-111のプラチナ耐性卵巣がんに関する米国臨床腫瘍学会(ASCO)における発表について [pdf]
2019 年 6 月 4 日
<各位>
ナ ノ キ ャ リ ア 株 式 会 社
代 表 取 締 役 社 長 中 冨 一 郎
( 4 5 7 1 東 証 マ ザ ー ズ )
問合せ先 取締役CSFO兼社長室長 松山哲人
電 話 番 号 0 3 - 3 2 4 1 - 0 5 5 3
遺伝子治療薬VB-111 のプラチナ耐性卵巣がんに関する
米国臨床腫瘍学会(ASCO)における発表について
当社が VBL Therapeutics(Nasdaq:VBLT)より国内開発販売権を取得した VB-111
に関し、プラチナ耐性卵巣がん患者を対象とした第 1/2 相臨床試験の最終結果として、用
量依存的に全生存期間が延長しており、CA-125 の奏効率(腫瘍マーカーCA-125 の値が投
与前に対し 50%以上減少し、4 週間以上継続した患者の割合)は 58%であったと 6 月 1
日からシカゴで開催されている 2019 年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されま
した。
以下、本件に関する VBL 社の発表を一部翻訳してご案内いたします。尚、原文の英語が
優先されることをご承知おきください。
プラチナ耐性卵巣がん患者を対象とした解析において、
VB-111 は、治療用量において低用量と比較し統計的に有意な全生存期間の延長を示
した(498 日 vs 172.5 日、p = 0.03)
。
治療用量の VB-111 で治療された患者の 58%に CA-125 の奏効が認められ、全生存
期間との相関が示された。
治療後に認められた CD8 陽性 T 細胞の腫瘍内への浸潤とがん細胞のアポトーシスは、
VB-111 による免疫原性の惹起を示しており、良好な臨床結果に寄与している。
VB-111 投与による発熱は 29%の患者に発現し、 良好な全生存期間と関連していた。
発表ポスターについては、以下をご参照ください。
http://ir.vblrx.com/static-files/f8a9ca8b-cc6d-4dc5-918c-75f87387cd85
VB-111 の全生存期間は治療用量群において 498 日、低用量群において 172.5 日
(p=0.03)であった。VB-111 治療用量群における評価可能例の 58%で CA-125 の奏効
を示した。 これに対し AUERLIA 試験における CA-125 の奏効率は、ベバシズマブと化学療
法の併用で 31.8%、化学療法単独で 11.6%であった。
予後不良の患者群にもかかわらず、VB-111 の活性シグナルが認められた。VB-111 治療
用量群で CA-125 が 50%超減少した患者では生存期間が良好である傾向(808 日対 351
日; p = 0.067)があり、CA-125 は VB-111 による奏効の有益なバイオマーカーとなるこ
とが示唆される。また、治療後の発熱も生存期間改善と関連していた(80 日対 479 日; p
= 0.27)。
VBL 社の臨床開発担当副社長であるタミ・ラクミレヴィッツ医学博士は、次のように述
べている。
「この試験は複数の前治療を受けた後に疾患が増悪した予後不良の女性を対象に
しているため、VB-111 の治療用量で見られた全生存期間の改善は説得力がある。 CA-125
「」
減少による高い奏効率、長い奏効期間および腫瘍への免疫細胞の動員は VB-111 活性のさ
らなる証拠を示しており、卵巣がんにおける開発継続をサポートするものである。 」
VBL 社の最高経営責任者(CEO)である Dror Harats 医学博士は、次のように述べてい
る。 「これらのデータは VB-111 に対する我々の信頼を強化するものであり、プラチナ耐性
卵巣がんに対する承認申請用試験である OVAL 試験の開発を継続する。 「重要なことに 」
は、VB-111 活性のバイオマーカーとして CA-125 が減少することを示唆するデータは、
2019 年末頃に中間解析を予定している第 3 相 OVAL 試験にとって価値ある知見となる可
能性がある。 さらに、 VB-111 が卵巣がんのような免疫原性が低い腫瘍の免疫原性を高くし
たことは、 VB-111 が他の免疫原性が低い腫瘍に対しても適応を拡大する可能性を持ち得る
ことを示唆している。 我々は、 VB-111 の可能性に関するより多くのデータを提供するため
にも、rGBM および結腸がんにおける医師主導試験の開始を楽しみにしている。 」
Ofranergene Obadenovec(VB-111)について
VB-111 は、非増殖型アデノウイルスベクターを利用した抗腫瘍性の遺伝子治療薬です。
尚、本件による 2020 年 3 月期の業績への影響はございませんが、今後の開発進捗等を踏
まえ国内の開発方針を検討してまいります。
以上