4571 M-ナノキャリア 2019-04-05 15:00:00
NC-6004 欧米第II相バスケット試験の結果について [pdf]

                                                 2019 年 4 月 5 日
  <各位>
                         ナ   ノ   キ   ャ   リ   ア   株   式   会   社
                         代 表 取 締 役 社 長 中 冨 一 郎
                         ( 4 5 7 1       東 証 マ ザ ー ズ )
                         問合せ先 取締役CSFO兼社長室長 松山哲人
                         電 話 番 号     0 3 - 3 2 4 1 - 0 5 5 3


        NC-6004   欧米第Ⅱ相バスケット試験の結果について

 2018 年 2 月 14 日付の決算短信にて既報の通り、NC-6004 の第Ⅱ相臨床試験につきま
して胆道がんを対象とした患者登録を完了し、経過観察を続けてまいりましたが、この度、
欧米で実施した3がん種を対象とした第Ⅱ相臨床試験の解析結果を受領しましたのでお知
らせいたします。


 本試験は有効性の⾼いがん種を⾒出す目的で、バスケットデザイン試験として探索的に 3
がん種を並行して実施しました。NC-6004(135 mg/m2)とゲムシタビン(1250 mg/m2)
を併用し、非小細胞肺がん、胆道がん、膀胱がん患者を対象として有効性、安全性を検討
しました。


 有効性については、無増悪生存期間(PFS)は非小細胞肺がん 3.9 か月、胆道がん 4.3
か月、膀胱がん 6.8 か月でした。全生存期間(OS)は、それぞれ 9.2 か月、11.7 か月、
10.5 か月となりました。結論として、全てのがん種において、既存のシスプラチン・ゲム
シタビン療法と同程度の有効性でした。QOL 評価では、特に疲労、悪心/嘔吐、呼吸困難な
どの身体症状に改善が認められました。副作用については、既存のシスプラチンに類似し
ており、発生頻度や重症度は改善され、良好な忍容性が認められました。なお、シスプラ
チンで臨床的に問題となる聴覚障害は一例も認められませんでした。末しょう神経障害は
認められましたが、発現率は 1 例(1%)、症状は軽度(グレード 1)でした。


 この結果を踏まえ、今後につきましては、NC-6004 のさらなる医薬品としての価値向
上を図るための開発に注力します。昨今の抗がん剤開発の主流である免疫チェックポイン
ト阻害剤を併用し、欧米アジアでスタートする頭頸部がんを対象とした第Ⅱ相試験を推進
してまいります。


 なお、非小細胞肺がんおよび膀胱がんは、昨今の免疫チェックポイント阻害剤の臨床開
発の激増により、当該試験の患者登録が遅れておりましたが、胆道がんの解析に合せ、患
者登録を完了し、同時に解析結果を受領することにいたしました。


 本試験の結果は、今後の学会等で発表する予定です。本件による 2019 年 3 月期の業績
への影響はございません。


                                                             以上