4547 キッセイ薬 2020-03-27 09:00:00
膀胱がん用剤「CG0070(開発番号)」のライセンス契約締結に関するお知らせ [pdf]
2020年3月27日
各 位
長野県松本市芳野19番48号
キッセイ薬 品 工 業 株 式 会 社
(コード番号 4547:東証第1部)
膀胱がん用剤「CG0070(開発番号)」のライセンス契約締結に関するお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄)は、
このたび、CGオンコロジー社(CG Oncology, Inc.、本社:アメリカ カリフォルニア州、CEO:Arthur
Kuan、以下「CG社」)が膀胱がん等を対象に開発中の腫瘍溶解性ウイルス療法「CG0070(開発番号)」
について、中国を除く、日本、韓国、台湾等アジア20ヵ国における独占的開発・販売権をCG社から取得
するライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。
本契約に基づき、当社は、30百万米ドル相当のCG社の株式を購入するとともに、契約料として米国
における第Ⅲ相臨床試験開始後に10百万米ドルをCG社に支払います。加えて、今後の開発進展及び
発売後の売上高に応じたマイルストン(マイルストンとして最大100百万米ドル)、並びに当社権利地域
における売上高に対する一定のロイヤリティをCG社に支払います。
当社は、泌尿器、腎・透析、並びにアンメットメディカルニーズが高い領域における製品ポートフォリオ
の拡充に取り組んでいます。今回の契約締結により、泌尿器疾患治療に対する取り組みを一層強化す
るとともに、CG0070を膀胱がん等に苦しむ患者さんに早期に提供することを目指します。
なお、本件が2020年3月期の業績に与える影響は軽微です。
以上
≪ お 問 い 合 せ 先 ≫
広 報 部
TEL:0263-25-9523
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≪ご参考≫
膀胱がんについて
膀胱がんは、膀胱の内側の尿路上皮(移行上皮)粘膜より発生する悪性腫瘍です。国内の膀胱がん
の年間推定罹患数は2万人を超え、約75%が男性で、男女ともに60代から病気にかかる割合が高くなり
ます。
膀胱がんは、筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)と筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)の2つに大別され、
NMIBCの中でも特に上皮がんでは、標準治療として、まずBacillus Calmette-Guerin(BCG)導入療法
が行われますが、BCG導入療法にて持続または再発した場合には根治的膀胱摘除の適応となることが
多いのが現状です。患者さんのQOL維持のためにも膀胱の温存が望まれており、新たな治療法として、
ウイルス療法の研究、開発が進められています。
腫瘍溶解性ウイルス療法について
腫瘍溶解性ウイルス療法とは、正常細胞に傷害を与えることなく、がん細胞だけで特異的に増殖する
ように改変したウイルスをがん細胞に感染させ、がん細胞を破壊しながら増殖していくという、腫瘍細胞
に対する新しい治療法であり、こうしたウイルスを腫瘍溶解性ウイルスと呼びます。一部の腫瘍溶解性
ウイルスでは、直接的な細胞の破壊効果だけではなく、体内の免疫反応を誘発することによる治療効果
が期待されています。
CG0070について
CG0070は、網膜芽細胞腫(Rb)経路が欠損した腫瘍に対する選択的プロモーター及びGM-CSF遺
伝子を搭載したヒトアデノウイルス5型を基本骨格とした腫瘍溶解性ウイルス療法です。CG0070は、2つ
の補完的な方法で効果を発揮するように設計されています。第一に、Rb経路が欠損したがん細胞内で
複製され、がん細胞を破壊します。次に、破壊されたがん細胞からがん抗原が放出され、GM-CSFとと
もに、体内の白血球によるがん免疫反応を刺激します。
これまでの臨床試験では、BCG導入療法後に持続または再発した高リスクNMIBC患者において、有
効性、安全性が示されています。また、多様な固形がんにおいて、単独、あるいは免疫チェックポイント
阻害剤とCG0070の併用療法での開発が期待されています。
CGオンコロジー社(CG Oncology, Inc.)について
CGオンコロジー社(旧社名:Cold Genesys社)は、腫瘍溶解性ウイルス療法の開発に注力するベン
チャー企業です。
CG社は、CG0070について、BCG導入療法後に持続または再発した高リスクNMIBC患者を対象とし
た、第Ⅱ相試験を終了しています。さらに、その他の固形がんにおいて、免疫チェックポイント阻害剤と
CG0070の併用療法について検討を進めています。詳細につきましては、同社ホームページをご参照く
ださい(www.cgoncology.com)。
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