4547 キッセイ薬 2021-08-05 15:00:00
チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ」のインマジン社への技術導出契約締結のお知らせ [pdf]

                                                                2021 年 8 月 5 日
各 位
                                                      長野県松本市芳野19番48号
                                                      キッセイ薬 品 工 業 株 式 会 社
                                                      (コード番号 4547:東証第1部)


                    チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ」の
                   インマジン社への技術導出契約締結のお知らせ

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、
以下「キッセイ薬品」)は、ライジェルファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.、本社:
アメリカ、President and CEO:Raul Rodriguez、以下「ライジェル社」)より技術導入したチロシンキナ
ーゼ阻害剤「ホスタマチニブ(一般名、開発番号:R788)」について、中国(香港・マカオを含む)におけ
る開発権及び販売権をインマジンバイオファーマシューティカルズ社(Inmagene Biopharmaceuticals、
本社:中国、Chairman and CEO:Jonathan Wang、以下「インマジン社」)に許諾するサブライセンス
契約を締結したことをお知らせいたします。


 ライジェル社はサウスサンフランシスコに本社を置くバイオテクノロジー企業です。キッセイ薬品は、
2018年10月にライジェル社より、本剤の日本・中国・韓国・台湾における開発権及び販売権を取得し、
日本国内での第Ⅲ相臨床試験を推進するとともに、日本を除く権利地域におけるパートナリング活動
を行っています。本契約の締結により、中国(香港・マカオを含む)においては、インマジン社が本剤の
開発及び商業化を行います。キッセイ薬品は、インマジン社より契約一時金及び事業化の進捗に応じ
たマイルストンを受領するとともに、インマジン社に製剤を供給します。


 ホスタマチニブは、ライジェル社により創製された経口投与可能な低分子化合物で、チロシンキナー
ゼ阻害作用により、マクロファージの血小板破壊を抑制することで血小板の減少を抑制し、慢性特発
性血小板減少性紫斑病の出血症状を改善します。米国及び日本で希少疾病用医薬品の指定(オー
ファン)を受けており、米国では2018年4月に承認、同年5月に発売されています。また、欧州では
2020年1月に承認され、同年7月にドイツなどで発売されています。なお、キッセイ薬品が保有している
韓 国 に お ける 開 発 権 及 び 販 売 権 に つ い ては 、 2021 年 6 月 に JW フ ァー マシ ュ ー テ ィカ ル 社 ( JW
Pharmaceutical CORPORATION、本社:韓国、CEO:SY Lee)とサブライセンス契約を締結し、同社
が本剤の韓国での開発及び商業化を進めています。


 キッセイ薬品は、ホスタマチニブの権利許諾地域での自社及びパートナリングによる開発を進め、
難病である特発性血小板減少性紫斑病の治療に貢献できるよう努めてまいります。


 なお、本件が2022年3月期の当社連結業績に与える影響は、軽微です。


                                                                           以上
≪お問い合わせ先≫
広       報      部
TEL:0263-25-9523

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≪ご参考≫


特発性血小板減少性紫斑病(ITP)について
  ITPは、血小板減少の原因となる他の明らかな病気や薬の服用がないにもかかわらず、血小板数が
10万/μL未満に減少し、出血しやすくなる病気です。病状の経過により発症から6ヵ月以内に血小板数
が正常に回復する「急性型」と、6ヵ月以上血小板減少が持続する「慢性型」に分類されます。ホスタマ
チニブは慢性型ITPを対象としています。
  臨床症状としては、主として皮下出血(点状出血または紫斑)を認め、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、
頭蓋内出血なども起こることがあります。ITPは日本では指定難病であり、2019年度国内のITP患者数は
約1.7万人※で、年間の新患発生数は10万人当たり2.16人と報告されています※※。ITPの原因は未だ明
確になっていませんが、血小板に対する自己抗体が産生され、この自己抗体により脾臓でマクロファージ
による血小板の破壊が亢進するために、血小板数が減少すると考えられています。ITPの治療として、副
腎皮質ステロイドやTPO(トロンボポエチン)受容体作動薬の投与や、手術による脾臓の摘出などが行わ
れます。
                                   ※: 2019年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より推定
                                   ※※: Int J Hematol、2011、93 :329-35


インマジンバイオファーマシューティカルズ社(Inmagene Biopharmaceuticals)について
 2019年に創立された自己免疫疾患に注力するバイオテクノロジー企業です。アメリカのサンディエゴ、
中国の上海、杭州、武漢に完全子会社を持ち、「国境のないイノベーション」を目指して医薬品を開発して
います。インマジン社は多くのパイプラインを有しており、複数のバイオテクノロジー企業と提携して革新
的な新薬を開発・商業化を進めています。詳細につきましては、同社ホームページをご参照ください
(https:// www.inmagenebio.com/)。




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