4547 キッセイ薬 2021-06-28 15:00:00
チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ(R788)」のJWファーマ社への技術導出契約締結のお知らせ [pdf]

                                                  2021 年 6 月 28 日
各 位
                                           長野県松本市芳野19番48号
                                           キッセイ薬 品 工 業 株 式 会 社
                                           (コード番号 4547:東証第1部)



                   チロシンキナーゼ阻害剤「ホスタマチニブ(R788)」の
                    JWファーマ社への技術導出契約締結のお知らせ

 キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、
以下「キッセイ薬品」)は、ライジェルファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.、本社:
アメリカ、President and CEO:Raul Rodriguez、以下「ライジェル社」)より技術導入したチロシンキナ
ーゼ阻害剤「ホスタマチニブ(一般名、開発番号:R788)」について、韓国における開発権及び販売権
をJWファーマシューティカル社(JW Pharmaceutical CORPORATION、本社:韓国、CEO:SY Lee、
以下「JWファーマ社」)に許諾するサブライセンス契約を締結したことをお知らせいたします。


 キッセイ薬品は、2018年10月にライジェル社より、本剤の日本・中国・韓国・台湾における開発権及
び販売権を取得し、日本国内での第Ⅲ相臨床試験を推進するとともに、日本を除く権利地域における
パートナリング活動を行っています。本契約の締結により、韓国においては、JWファーマ社が本剤の
開発及び商業化を行います。キッセイ薬品は、JWファーマ社より契約一時金及び韓国での事業化の
進捗に応じたマイルストンを受領するとともに、JWファーマ社に製剤を供給します。


 ホスタマチニブは、ライジェル社により創製された経口投与可能な低分子化合物で、チロシンキナー
ゼ阻害作用により、マクロファージの血小板破壊を抑制することで、血小板の減少を抑制し、慢性特
発性血小板減少性紫斑病の出血症状を改善します。米国ではオーファン指定を受けて、2018年4月
に承認、同年5月に発売されています。また、欧州では2020年1月に承認され、同年7月にドイツなど
で発売されています。


 キッセイ薬品は、ホスタマチニブの権利許諾地域での開発を進め、難病である特発性血小板減少
性紫斑病の治療に一層貢献できるよう努めてまいります。


 なお、本件に伴い発生する契約一時金は、2021年5月11日に公表しました2022年3月期の連結業
績予想に織り込み済みです。


                                                             以上



≪お問い合わせ先≫
広      報      部
TEL:0263-25-9523



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≪ご参考≫


特発性血小板減少性紫斑病(ITP)について
 ITPは、血小板減少の原因となる他の明らかな病気や薬の服用がないにもかかわらず、血小板数が
10万/μL未満に減少し、出血しやすくなる病気です。病状の経過により発症から6ヵ月以内に血小板数
が正常に回復する「急性型」と、6ヵ月以上血小板減少が持続する「慢性型」に分類されます。ホスタマ
チニブは慢性型ITPを対象としています。
 臨床症状としては、主として皮下出血(点状出血または紫斑)を認め、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、
頭蓋内出血なども起こることがあります。ITPは日本では指定難病であり、2019年度国内のITP患者数は
約1.7万人※で、年間の新患発生数は10万人当たり2.16人と報告されています※※。ITPの原因は未だ明
確になっていませんが、血小板に対する自己抗体が産生され、この自己抗体により脾臓でマクロファージ
による血小板の破壊が亢進するために、血小板数が減少すると考えられています。ITPの治療として、副
腎皮質ステロイドやTPO(トロンボポエチン)受容体作動薬の投与や、手術による脾臓の摘出などが行わ
れます。
                           ※: 2019年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持者数より推定
                           ※※: Int J Hematol、2011、93 :329-35


JWファーマ社(JW Pharmaceutical CORPORATION)について
 JWファーマ社は、1945年に創立された韓国をリードする医薬品会社です。国境を越え、独創的な新薬
開発に取り組むことでイノベーションをリードし、人々の健康と生活の向上に取り組んでいます。
 JWファーマ社とキッセイ薬品は、キッセイ薬品が創製した排尿障害改善薬「シロドシン」及び糖尿病治療
薬「ミチグリニド」の導出契約を締結し、現在も韓国の患者さんの治療にお役立ていただいています。詳細
につきましては、同社ホームページをご参照ください(http://www.jw-pharma.co.kr/pharma/en/main.jsp)。


ライジェルファーマシューティカルズ社(Rigel Pharmaceuticals, Inc.)について
 アメリカのカリフォルニア州に本社を置く、Nasdaq上場(Nasdaq:RIGL)のバイオテクノロジー企業で
す。免疫及び血液疾患、癌及び希少疾病領域における新規の低分子化合物の研究、開発及び提供に注
力しています。詳細につきましては、同社ホームページをご参照ください(https://www.rigel.com/)。




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