4547 キッセイ薬 2020-07-06 15:00:00
GnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス(KLH-2109)」の海外における子宮筋腫を対象とした第3相臨床試験(PRIMROSE1試験及びPRIMROSE2試験)の良好な結果について [pdf]
2020 年 7 月 6 日
各 位
長野県松本市芳野19番48号
キッセイ薬 品 工 業 株 式 会 社
(コード番号 4547:東証第1部)
GnRH アンタゴニスト「リンザゴリクス(KLH-2109)」の海外における子宮筋腫を対象とした
第Ⅲ相臨床試験(PRIMROSE 1 試験及び PRIMROSE 2 試験)の良好な結果について
キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役会長兼最高経営責任者:神澤陸雄、以下「キッセイ薬品」)
は、キッセイ薬品が創製した GnRH アンタゴニスト「リンザゴリクス(一般名、国内開発番号 KLH-2109、海外開発番号
OBE2109)」について、導出先であるオブシーバ社(ObsEva SA、本社:スイス ジュネーブ、CEO:Ernest Loumaye)が、
2020 年7 月6 日(欧州中央時間)に、子宮筋腫を対象とした 2 本の第Ⅲ相臨床試験(PRIMROSE 1 試験及び PRIMROSE
2 試験)の結果を公表しましたことを、お知らせいたします。
今回公表されたのは、PRIMROSE 1 試験における投与 24 週時の中間解析結果ならびに PRIMROSE 2 試験における
投与 52 週時の結果です。
PRIMROSE 1 試験は米国の患者さん 526 人を対象とし、PRIMROSE 2 試験は米国及び欧州の患者さん 535 人を対
象として、リンザゴリクス 1 日 1 回 100mg または 200mg の単独投与、あるいは、アドバック療法(ABT)との併用投与につ
いて、プラセボとの比較により有用性を検証する臨床試験で、主要評価項目は「投与24 週時における月経出血量が 80mL
以下かつベースラインから 50%以上減少した症例のレスポンダー率」です。
PRIMROSE 1 試験においては、主要評価項目である投与 24 週時におけるレスポンダー率は、リンザゴリクス 100mg
単独投与群では 56.4%(P=0.003)、200mgABT 併用群では 75.5%(P<0.001)であり、それぞれプラセボ投与群に対して
統計学的に有意な改善が認められました。さらに疼痛の減少、貧血や QOL の改善などの主要な副次評価項目でも、統計
学的に有意な効果が認められました。安全性については、有害事象の発現率はプラセボ群とリンザゴリクス投与群で同程
度であり、5%を超える主な有害事象は頭痛及びホットフラッシュでした。また、ベースラインから 24 週時までの腰椎骨密度
の平均減少率は最小限にとどめられていました。
PRIMROSE 2 試験においては、52 週の長期投与におけるレスポンダー率は、リンザゴリクス 100mg 単独投与群では
53.2%、200mgABT 併用投与群では 91.6%と、投与 24 週時と同様の有効性が維持されていました。安全性については、
発現率 5%を超える主な有害事象は、頭痛、ホットフラッシュ及び貧血でした。また、投与 52 週時の腰椎骨密度の減少は、
投与 24 週時に比べて変化の程度は小さく、高い忍容性が確認されました。
これら 2 つの第Ⅲ相試験の統合解析では、主要評価項目である投与 24 週時のレスポンダー率は、100mg 単独投与群
で 56.6%、200mgABT 併用投与群では 84.7%であり、リンザゴリクスが GnRH アンタゴニストとして、ベストインクラスの
プロファイルを有するとともに、ABT を併用しないユニークな治療選択肢を提供する薬剤となり得ることを支持するものでし
た。
オブシーバ社は、2 本の第Ⅲ相臨床試験結果をもとに、欧州では 2020 年第 4 四半期、米国では 2021 年上半期に、子
宮筋腫の適応で承認申請する予定です。
オブシーバ社の公表内容の詳細につきましては、同社のホームページをご覧ください。
URL https://www.obseva.com/press-releases/
また、本件が 2021 年 3 月期の業績に与える影響は軽微です。
以上
≪ お 問 い 合 せ 先 ≫
広 報 部
TEL:0263-25-9523
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≪ご参考≫
リンザゴリクス(KLH-2109)について
リンザゴリクスは、キッセイ薬品が創製した経口投与が可能な GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストで
あり、脳下垂体に存在する GnRH 受容体において GnRH と拮抗し、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を抑
制することで、卵巣におけるエストロゲン産生を低下させます。キッセイ薬品は、2015 年 11 月にオブシーバ社に対し、
日本など一部のアジアを除く全世界における独占的開発・販売権を許諾しました。現在、オブシーバ社は子宮筋腫及び
子宮内膜症を各適応として、第Ⅲ相臨床試験をそれぞれ実施中です。このうち、子宮筋腫については、重度の月経出血
を有する患者さんを対象とした 2 本のプラセボ対照二重盲検比較試験(PRIMROSE 1 試験、PRIMROSE 2 試験)を実
施しています。
子宮筋腫を対象とする第Ⅲ相臨床試験(PRIMROSE 試験)について
PRIMROSE 1 試験及び PRIMROSE 2 試験は、子宮筋腫に伴う重度の月経出血の治療を目的として、リンザゴリク
ス 100mg 及び 200mg を 1 日 1 回単独投与及びアドバック療法(ABT)と併用する 2 つの投与方法による有効性及び
安全性を検討した前向き無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験です。PRIMROSE 1 試験は 526 人を対
象に米国で実施され、PRIMROSE 2 試験は 535 人を対象に欧米で実施されています。両試験とも、カルシウムまたは
ビタミン D の補給を行わない条件下で、52 週間の治療期間とその後 6 ヵ月間のフォローアップ期間が設定されていま
す。2019 年 12 月にオブシーバ社は PRIMROSE 2 試験の投与 24 週時の中間解析結果を公表しています。
アドバック療法(ABT)について
薬剤による過度なエストロゲン低下を予防するために外因性にエストロゲンを補充する治療法で、治療効果を維持しつ
つ骨密度低下等の副作用を軽減することができます。PRIMROSE 試験では、1 日用量として estradiol 1mg と
norethindrone acetate 0.5mg を併用投与しています。
オブシーバ社(ObsEva SA)について
オブシーバ社は、スイスに本社を置く、NASDAQ 上場(NASDAQ:OBSV)及びスイス証券取引所上場(SIX Swiss
Exchange:OBSN)の臨床開発に特化したバイオ医薬品企業です。女性の健康を損なう、あるいは、周産期における疾患
など産婦人科領域を重点ターゲットとし、戦略的なライセンスインと統制のとれた医薬品開発を通じて、子宮内膜症、子宮
筋腫、切迫早産の治療に焦点を当てた後期臨床パイプラインを構築し、積極的に新薬開発を行っています。
オブシーバ社の詳細については、公式ホームページ(https://www.obseva.com/)をご参照ください。
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