4507 塩野義薬 2020-03-27 15:00:00
抗インフルエンザウイルス薬XOFLUZA(R)の米国における顆粒剤の製造販売承認申請受理および2つの新薬承認追加申請受理について [pdf]
2020 年 3 月 27 日
各 位
会 社 名 塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 手 代 木 功
(コード番号 4507 東証第一部)
問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
TEL (06)6209-7885
抗インフルエンザウイルス薬 XOFLUZA®の米国における
顆粒剤の製造販売承認申請受理および 2 つの新薬承認追加申請受理について
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
)
は、Roche グループ(米国: Genentech 社)が、抗インフルエンザウイルス薬 XOFLUZA®につい
て、経口懸濁用顆粒剤の製造販売承認申請と「1 歳以上 12 歳未満の合併症のない急性のインフル
エンザウイルス感染症治療」および「1 歳以上のインフルエンザウイルス感染症予防」を適応と
した新薬承認追加申請を実施し、米国食品医薬品局(FDA)から受理されましたので、お知らせ
いたします。FDA の審査終了目標日(PDUFA date)は 2020 年 11 月 23 日です。
このたびの追加申請は、2 つの第 III 相臨床試験(miniSTONE-2 試験 1、BLOCKSTONE 試験
2 )の良好な結果をもとに行われました(両試験については、2019 年 9 月 2 日のリリース:
miniSTONE-2 試験、BLOCKSTONE 試験をご確認ください)。また、新剤型である経口懸濁用
顆粒製剤が製造販売承認を取得することで、米国における 1 歳以上の小児患者さま、および嚥下
困難な患者さまにとって、簡便な服薬が可能になり、本薬がこれらの患者さまにとってより良い
治療選択肢となることが期待されます。
本薬の開発および販売は、Roche グループとの提携下で進めており、日本と台湾における販売
は塩野義製薬が、それ以外の国では Roche グループが行います。本薬は、米国では「12 歳以上の
合併症のない急性のインフルエンザウイルス感染症治療」を適応として、2018 年 10 月 25 日に
承認され 3、米国疾病予防管理センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)の
ガイドラインにおいて、12 歳以上の合併症のない発症後 48 時間以内の急性インフルエンザウイ
ルス感染患者に対する治療薬として推奨されています 4。また、2019 年 10 月 16 日には、本薬が
抗インフルエンザウイルス薬として初めて「12 歳以上の合併症を併発するリスクが高い患者の発
症後 48 時間以内の急性のインフルエンザウイルス感染症治療」の追加適応について、FDA から
承認されています 5。
塩野義製薬は「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ことを経営目標として掲げ
た中期経営計画 SGS2020 の中で、
「世界を感染症の脅威から守る」ことを当社が取り組むべき社
会課題の一つにあげております。人々の健康を守るために必要な感染症治療薬を、世界中の患者
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さまのもとにいち早くお届けできるよう努力してまいります。また、引き続き本薬の有効性、安
全性に関するデータの収集と解析に鋭意取り組み、適正使用に向けた情報提供活動に努めてまい
ります。
なお、本件が 2020 年 3 月期連結業績に与える影響は軽微です。
以 上
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【miniSTONE-2 試験 1 について】
miniSTONE-2 試験は、1 歳以上 12 歳未満の小児インフルエンザウイルス感染症患者を対象に
実施した、多施設共同、無作為化、二重盲検比較の第 III 相臨床試験です。本試験は Roche グルー
プが実施しました。本試験に登録された被験者は 5 歳以上 12 歳未満と、 歳以上 5 歳未満の 2 つ
1
のコホートに割り当てられました。
両コホートの被験者は、ゾフルーザ投与群(1 回投与、投与量:20 kg 未満 2 mg/kg、20 kg 以
上 40 mg、 回投与)
1 とオセルタミビル投与群(1 日 2 回 5 日間投与、投与量は体重により調整)
に割り当てられました。本試験の主要評価項目は、投与 29 日目までに有害事象(重篤な有害事象
を含む)を示した被験者の割合であり、副次評価項目は薬物動態、インフルエンザ罹病期間(熱
を含むインフルエンザ症状が消失するまでの時間)でした。本試験において、ゾフルーザは良好
な忍容性を示し、安全性上の新たな懸念はありませんでした。また、副次評価項目である、イン
フルエンザ罹病期間中央値は、ゾフルーザ投与群で 138.1 時間(95%信頼区間: 116.6, 163.2)
、オ
セルタミビル投与群で 150.0 時間(95%信頼区間: 115.0, 165.7)でした 6。
【BLOCKSTONE 試験 2 について】
BLOCKSTONE 試験は、インフルエンザウイルス感染症患者(初発患者)の同居家族または共
同生活者を対象に実施した、多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較の第 III 相臨床
試験です。本試験は 750 例を対象に、日本で塩野義製薬が実施いたしました。被験者はゾフルー
ザの 1 回投与群、またはプラセボ投与群に無作為に割り当てられました。ゾフルーザの投与量は、
12 歳以上では体重に応じて 40mg または 80mg を 1 回投与、12 歳未満では体重に基づき投与量
が設定されました。本試験の主要評価項目は投与後 10 日間における、インフルエンザウイルスに
感染し、発熱かつ呼吸器症状を有する被験者の割合です。ゾフルーザの 1 回経口投与によるイン
フルエンザウイルス感染症の発症抑制効果が認められ、インフルエンザウイルスに感染し、発熱
かつ呼吸器症状を発現した被験者の割合は、ゾフルーザ投与群で 1.9%、プラセボ投与群で 13.6%
でした(p<0.0001)
。また、ゾフルーザ投与群において重篤な有害事象の発現は認められません
でした 7。
【ゾフルーザ®について】
塩野義製薬が創製したゾフルーザは、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害作用によりイン
フルエンザウイルスの増殖を抑制します。本薬は 1 回の経口投与で治療が完結します。ゾフルー
ザは非臨床試験において、オセルタミビルに耐性を示すウイルスおよび、鳥インフルエンザウイ
ルス(H7N9, H5N1)を含むインフルエンザウイルスに抗ウイルス効果を示しました 8, 9。
本薬は、日米を含め複数の国で承認されております。米国における詳細は XOFLUZA ホーム
ページをご覧ください。
Roche グループは、1 歳未満の小児またはインフルエンザ症状が重篤化した入院患者を対象と
したグローバル第 III 相臨床試験、また本薬のインフルエンザウイルス伝播抑制効果について検
証するためのグローバル第 III 相臨床試験を実施中です。また、当社は本薬のインフルエンザウ
イルス感染症の発症予防効果について検証し、第 III 相臨床試験における良好な有効性および安
全性の結果をもとに、2019 年 10 月 16 日に日本において、インフルエンザウイルス感染症予防に
関する効能・効果追加申請を実施しております 10。
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参考:
1. プレスリリース: 2019 年 9 月 2 日
抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ®の第 III 相臨床試験(グローバル小児試験)におけ
る良好な結果について
2. プレスリリース: 2019 年 9 月 2 日
抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ®の第 III 相臨床試験(国内予防投与試験)における
良好な結果について-インフルエンザウイルス感染症の発症割合を 86%減少-
3. プレスリリース: 2018 年 10 月 25 日
XOFLUZATM(一般名:バロキサビル マルボキシル)の米国における承認取得について-合
併症のない急性のインフルエンザ感染症治療を適応として-
4. 米国疾病予防管理センター(CDC)ガイドライン
CDC website, Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians.
5. プレスリリース: 2019 年 10 月 18 日
抗インフルエンザウイルス薬 XOFLUZATM の米国における適応追加承認について-合併症
を併発するリスクが高い患者のインフルエンザウイルス感染症治療を適応として-
6. J Baker et al. Single-dose baloxavir marboxil for the treatment of influenza in
otherwise-healthy children aged 1 to <12 years (miniSTONE-2). Presented at: OPTIONS
X; 2019 August 28-September 1; Singapore. Abstract #11756
7. H. Ikematsu et al. Single-dose baloxavir for the prevention of influenza among household
contacts: a randomized, double-blinded, placebo controlled post-exposure prophylaxis
study (BLOCKSTONE). OPTIONS X 2019; 2019 Aug 28-Sept 1; Singapore. Abstract
#11718
8. T. Noshi et al. In vitro Characterization of Baloxavir Acid, a First-in-Class
Cap-dependent Endonuclease Inhibitor of the Influenza Virus Polymerase PA Subunit.
Antiviral Research 2018;160:109-117
9. K. Taniguchi et al. Inhibition of avian-origin influenza A(H7N9) virus by the novel
cap-dependent endonuclease inhibitor baloxavir marboxil. Scientific Reports volume 9,
Article number: 3466 (2019)
10. プレスリリース: 2019 年 10 月 16 日
抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ®のインフルエンザウイルス感染症予防に関する日
本における効能・効果追加申請について
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