4507 塩野義薬 2020-03-17 11:30:00
新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検査キット製品の導入に向けたマイクロブラッドサイエンス社との業務提携について [pdf]
2020 年 3 月 17 日
各 位
会 社 名 塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 手 代 木 功
(コード番号 4507 東証第一部)
問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
TEL (06)6209-7885
新型コロナウイルス IgG/IgM 抗体検査キット製品の導入に向けた
マイクロブラッドサイエンス社との業務提携について
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
または「当社」)は、株式会社マイクロブラッドサイエンス(本社:東京都千代田区、代表取締役:
)*との間におきまして、2020 年 3 月 14 日付で業務提携に向けた協議
大竹 圭、以下「MBS 社」
を開始しましたので、お知らせいたします。
2020 年 3 月 11 日に、WHO(世界保健機関)から新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による
感染症(COVID-19)に関するパンデミック(世界的大流行)宣言が出されました。世界各国で感
染者が増加する一方、我が国では国を挙げての対策が進められております。
COVID-19 患者を確定する検査法には、鼻腔や咽頭から採取した検体からウイルスの核酸を検
出する PCR 法 (ポリメラーゼ連鎖反応)が用いられております。PCR 法は、専用測定機を要し、
検査結果が得られるまで比較的長時間を要するなど、簡便性や迅速性などの問題はあるものの、
COVID-19 患者確定には必須の検査法です。
この度当社は、新たな検査法として MBS 社が独自に中国内協力企業(Vazyme Biotech 社、以
下「Vazyme 社」 )から輸入している簡便な新型コロナウイルス IgG/IgM 抗体検査キット(以下
「COVID-19 抗体検査キット」 を導入し、
) 必要とされる医療現場等へ一刻も早く供給することを
目指し、販売および取り扱いに関して、MBS 社との業務提携に向けた協議を進めてまいります。
MBS 社は、2009 年 6 月に設立され、独自開発による微量採血器具とこれを用いた臨床検査サー
ビスを展開し、独創的かつ有用な技術を保有する企業です。MBS 社が輸入する COVID-19 抗体
検査キットは、新型コロナウイルス感染の初期に体内で産生される IgM 抗体と、IgM より若干遅
れて産生・増加する IgG 抗体の両方を一挙に免疫クロマト法(金コロイド法)で測定することを
基本原理としています。一滴の血液検体から極めて簡便に測定でき、10 分で迅速に検査結果が得
られることから、 種々の現場での使用が可能です。 また、本検査キットは、感度 94%、特異度 97%
と高い性能を有しております(Vazyme 社、中国内臨床試験データによる) 。
COVID-19 抗体検査キットは、以下のような適応や使用現場が想定されます。
1. PCR 検査前の「スクリーニング検査」として:①空港や港で検疫官(医師)の判断の下で行
う入国者の検査、②COVID-19 患者が勤務、登校していた事業所や学校、その他、クラス
ターでの接触者等の検査
2. 亜急性期や回復期の COVID-19 患者の免疫獲得状態の把握
3. その他、SARS-CoV-2 / COVID-19 の疫学的調査や研究など
1/2
なお、本検査キットは、日本国内においては相川 直樹・慶應義塾大学名誉教授や感染症専門家
の方々との協議を重ね、既に舘田 一博・東邦大学医学部 微生物・感染症学講座教授のもとで、
日本での検査が試験的に進められております。
塩野義製薬は、「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ことを経営目標として掲げ
た中期経営計画 SGS2020 の中で、
「世界を感染症の脅威から守る」ことを取り組むべき社会課題
の一つにあげております。新型コロナウイルス感染症の早期発見・治療とパンデミックの早期終
息による社会の安心・安全の回復に貢献するため、当社は MBS 社および Vazyme 社との独占的
供給契約が整い次第、必要とされる医療機関、検査施設、研究所等に対し本検査キットをお届け
する体制を両社連携の下で構築していくと同時に、国や地方自治体などへの寄付を含む提供方法
の検討も進めてまいります。
なお、本件が 2020 年 3 月期連結業績に与える影響は軽微です。
以 上
参考:
* 株式会社マイクロブラッドサイエンス ホームページ:http://www.microbs.jp/
2/2