4507 塩野義薬 2020-03-12 16:00:00
抗HIV治療における長期作用型注射剤カボテグラビルとリルピビリン2剤レジメンの良好な臨床試験結果に関するViiV社の発表について [pdf]
2020 年 3 月 12 日
各 位
会 社 名 塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 手 代 木 功
(コード番号 4507 東証第一部)
問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
TEL (06)6209-7885
抗 HIV 治療における長期作用型注射剤カボテグラビルとリルピビリン 2 剤レジメンの
良好な臨床試験結果に関する ViiV 社の発表について
-CROI にて ATLAS-2M 試験(48 週)および FLAIR 試験(96 週)の良好な結果を発表-
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「当社」または
「塩野義製薬」 )は、当社が GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに資本参加している
ViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、CEO:Deborah Waterhouse、以下「ViiV 社」 )が、
長期作用型注射剤カボテグラビル(ViiV 社)と長期作用型注射剤リルピビリン(Janssen 社)に
よる 2 剤レジメンの第 III 相臨床試験(ATLAS-2M 試験、FLAIR 試験:試験概要は 2 ページ目
を参照)につきまして、良好な結果を 2020 Conference on Retroviruses and Opportunistic
Infections (CROI)で発表※しましたので、お知らせいたします。
両試験の結果の概要は以下の通りです。詳細は ViiV 社の発表※をご参照下さい。
ATLAS-2M 試験では、ウイルスが抑制された成人 HIV-1 感染患者を対象とした 2 群比較試験
を行い、 カボテグラビルおよびリルピビリンを 8 週間毎に注射する長期作用型注射剤レジメンが、
同 2 剤 4 週間毎投与群に対して主要評価項目である 48 週時点のウイルス学的失敗基準(結漿中
HIV-1 RNA ≥50 コピー/mL)に合致する患者の割合について非劣性を達成しました。
ウイルス学的失敗基準に合致する患者の割合(主要評価項目)
8 週間毎投与群:1.7%(9/522) 週間毎投与群:1.0%(5/523)
、4
ウイルス抑制効果を示した患者の割合
8 週間毎投与群:94.3%(492/522) 週間毎投与群:93.5%(489/523)
、4
ウイルス学的失敗(血漿中 HIV-1 RNA ≥200 コピー/mL)を示した患者の割合
8 週間毎投与群:1.5%(8/522) 例中 5 例に耐性変異ウイルスが検出
、8
4 週間毎投与群:0.4%(2/523) 例中 2 例に耐性変異ウイルスが検出
、2
HIV 治療満足度
98%の患者が、毎日の経口治療法より 8 週間毎投与注射レジメンが好ましいと回答し
ました。
過去に ATLAS 試験で 4 週間毎投与注射レジメンを実施した患者の 94%が、4 週間毎
投与注射レジメンより 8 週間毎投与注射レジメンが好ましいと回答しました。
FLAIR 試験では、抗ウイルス治療の経験がない成人 HIV-1 感染患者を対象とした 2 群比較試
験を行い、カボテグラビルおよびリルピビリンを 4 週間毎に注射する長期作用型注射剤レジメン
が、1 日 1 回 3 剤経口レジメンであるトリーメク®群に対して主要評価項目である 48 週時点のウ
イルス学的失敗基準(血漿中 HIV-1 RNA ≥50 コピー/mL)に合致する患者の割合について非劣性
を達成しておりました。この度、96 週時点においても非劣性が継続されました。
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ウイルス学的失敗基準(血漿中 HIV-1 RNA ≥50 コピー/mL)に合致する患者の割合(主要
評価項目)
カボテグラビル+リルピビリン群:3.2%(9/283) 、トリーメク®群:3.2%(9/283)
ウイルス抑制効果を示した患者の割合
カボテグラビル+リルピビリン群 86.6%
: (245/283) トリーメク®群 89.4%
、 : (253/283)
ウイルス学的失敗(血漿中 HIV-1 RNA ≥200 コピー/mL)を示した患者の割合
48 週以降、新たにウイルス学的失敗を示した患者はカボテグラビル+リルピビリン群
では見られず、トリーメク®群では 1 例見られました(耐性変異ウイルスは未検出) 。
HIV 治療満足度
48 週時点で、90.8%の患者が、トリーメク®等 1 日 1 回の経口治療よりも注射レジメ
ンが好ましいと回答していましたが、96 週時点でも同様の傾向が継続しました。
ATLAS-2M 試験(48 週)および FLAIR 試験(96 週)の結果より、長期作用型注射剤により
HIV 感染患者がウイルス抑制を維持するために必要な投薬の頻度を大きく減らすことができるこ
とが示されました。今後、患者の利便性がさらに向上することで、HIV 治療におけるパラダイム
シフトが起こる可能性が示唆されています。
なお、カボテグラビルとリルピビリンの月 1 回投与の 2 剤レジメンにつきましては、2020 年内
の承認取得に向けて、ViiV 社が FDA との協議を進めています。
塩野義製薬は ViiV 社の株主として、世界中の HIV 感染者の皆さまに継続的に新たな治療選択
肢が提供されることを期待するとともに、今後も同社の経営に参画することで、抗 HIV 治療にお
けるドルテグラビルおよびカボテグラビルの価値最大化に貢献してまいります。
なお、本件が 2020 年 3 月期の業績に与える影響は軽微です。
以 上
※
ご参考:ViiV 社リリース(ATLAS-2M 試験)、ViiV 社リリース(FLAIR 試験)
【ATLAS-2M (NCT03299049) について】
ATLAS-2M 試験は、HIV-1 に感染している成人 1,045 例を対象に、長期作用型カボテグラビル
およびリルピビリンを 4 週毎に 48 週間投与する群と比較して、 週毎に投与する群の抗ウイルス 8
活性および安全性が非劣性であることを評価するためにデザインされた第 III 相、非盲検、実薬
対照、多施設、並行群間、非劣性検証試験です。被験者は、初回もしくは 2 回目のレジメンで 6 ヵ
月以上ウイルスが抑制されており、事前のウイルス学的失敗がない被験者を対象にしています。
本試験の主要評価項目は、48 週目に FDA スナップショットアルゴリズム(Intent-to-Treat
Exposed [ITTE]集団)により、血漿 HIV-1 RNA が 50c/mL 以上の被験者の割合です。
ATLAS-2 試験では、オーストラリア、アルゼンチン、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、
メキシコ、ロシア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデンおよび米国で行われています。
詳細については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03299049 をご参照下さい。
【FLAIR 試験 (NCT0293852) について】
FLAIR 試験は、 抗ウイルス治療の経験がない HIV-1 感染成人患者を対象とした、 筋肉内投与の
長期作用型カボテグラビルおよびリルピビリン治療レジメンの、抗ウイルス活性および安全性を
評価することを目的とした、第 III 相、無作為化、非盲検、多施設共同、並行群間、非劣性検証試
験です。 本試験の主要評価項目は、 週目に FDA スナップショットアルゴリズム(Intent-to-Treat
48
Exposed [ITTE]集団)により、血漿 HIV-1 RNA が 50c/mL 以上の被験者の割合です。
FLAIR 試験では、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、南アフリ
カ、スペイン、英国、および米国で行われています。
詳細については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02938520 をご参照下さい。
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