4507 塩野義薬 2019-01-23 15:00:00
ペプチドリーム株式会社とのPeptide Drug Conjugate（PDC）の共同研究に関する契約締結について [pdf]
2019 年 1 月 23 日
各 位
会 社 名 塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 手 代 木 功
（コード番号 4507 東証第一部）
問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
TEL （06）6209－7885
ペプチドリーム株式会社との Peptide Drug Conjugate（PDC）の
共同研究に関する契約締結について
塩野義製薬株式会社（本社：大阪市中央区、代表取締役社長：手代木 功、 「塩野義製薬」
以下 ）
は、ペプチドリーム株式会社（本社：神奈川県川崎市、代表取締役社長：リード・パトリック、
）との間で、脳移行性を向上させるカーゴペプチド ※1を含む、複数の
以下「ペプチドリーム社」
ペプチド－薬物複合体（Peptide Drug Conjugate、以下「PDC」 ※2創製に関する包括的な共同
）
研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。なお、本件は 2018 年 5 月 9 日に発表した
戦略的事業投資の一環です。
本共同研究では、ペプチドリーム社は、脳移行性に関わることが知られる複数の標的分子に対
し、独自の創薬開発プラットフォームシステム：PDPS（Peptide Discovery Platform System）
を用いてカーゴペプチドを探索し、塩野義製薬は、当該カーゴペプチドに医薬品または医薬品候
補化合物を結合させることで、新たな PDC 医薬品を創製することを目的としています。
脳を標的とする創薬では、他疾患と比較して薬の候補となる化合物の分子量や物性などの条件
がより制限されます。その要因の一つに、血液脳関門（Blood Brain Barrier、以下「BBB」
）と
呼ばれる血液中から脳組織への異物の移行を厳密に制限する仕組みがあります。今回の共同研究
において、化合物の BBB 通過を促す脳送達技術プラットフォームを構築し、脳を標的とした創薬
の新たなアプローチの確立を目指してまいります。
塩野義製薬は「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という企業理念の
もと、
「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ことを経営目標に掲げ、自社研究開発
に加え国内外のアカデミアや企業との連携など、社外リソースの活用を積極的に推進しています。
今後も、革新的な新薬の継続的な提供を通じ、世界中の皆さまの健康と QOL の改善に貢献でき
るよう努力してまいります。
以 上
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※1
【カーゴペプチドについて】
標的分子に特異的に結合して、付加された化合物を能動的に組織内へ送達することができる特殊
ペプチドおよびそれに付随するリンカー※3。
【ペプチド－薬物複合体（Peptide Drug Conjugate：PDC）について】
※2
特定の細胞・組織に対して結合能力および選択性の高い特殊ペプチドと、特定の細胞・組織に届
けたい薬剤を化学的に結合させた複合体のことを指します。特殊ペプチドそのものが医薬品とな
るのではなく、特殊ペプチドがキャリア（運び屋）となって薬剤を細胞・組織に選択的に届ける
ことを可能にするアプローチです。このアプローチによって、治療が必要な細胞・組織に選択的
に薬剤を届けることが可能となり、従来の薬剤が有する毒性の軽減や薬物動態の問題などを解決
することが期待されています。
※3
【リンカーについて】
キャリア（運び屋）である特殊ペプチドと、特定の細胞・組織に届けたい薬剤を化学的に結合さ
せている部分。
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