4507 塩野義薬 2021-10-01 13:30:00
HIV感染予防における長時間作用型注射剤カボテグラビルの優先審査指定に関するViiV社の発表について [pdf]

                                                      2021 年 10 月 1 日
 各   位
                             会 社 名   塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                             代表者名    代表取締役社長            手 代 木      功
                                 (コード番号       4507 東証第一部)
                             問合せ先     広   報   部   長     京 川    吉 正
                                          TEL (06)6209-7885


          HIV 感染予防における長時間作用型注射剤カボテグラビルの
               優先審査指定に関する ViiV 社の発表について
     - FDA は審査終了目標日(PUDUFA date)を 2022 年 1 月 24 日に設定-

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
                                           )
は、塩野義製薬が GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに資本参加している ViiV
Healthcare Ltd.(以下「ViiV 社」
                         )が、HIV 感染予防における長時間作用型注射剤カボテグラビ
ルが、米国食品医薬品局(FDA)より優先審査指定されたことを発表しましたので、お知らせい
たします。


 カボテグラビルは、HPTN 083 試験の良好な結果をもとに 2020 年 11 月に FDA よりブレイク
スルーセラピーの指定を受けており、すでに新薬承認申請が実施されています。今回の優先審査
指定によって、FDA の審査終了までの目標期間が標準の 10 カ月から 6 カ月に変更になるため、
承認までの期間の短縮が期待されます。承認された場合、カボテグラビルは HIV 感染予防のた
めの初の長時間作用型注射剤となります。FDA は審査終了目標日を 2022 年 1 月 24 日に設定し
ています。


 今回の優先審査指定はこの薬剤の重要性を示しており、カボテグラビルの予防効果が既存の予
防薬である FTC/TDF の 1 日 1 回経口投与時と比較してより優れたことを示した HPTN 試験の
結果にも裏付けられています。米国では現在、予防投与の恩恵を受ける可能性がある方のうち
FTC / TDF を服用しているのは 25%以下で、新たな HIV 予防の選択肢が求められています。カ
ボテグラビルが HIV に対する取り組みにおいて、重要な役割を果たすと確信しています。


 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、HIV 感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。当社は今
後も ViiV 社の経営に参画することで、HIV 感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカ
ボテグラビルに加え S-365598 の価値最大化に貢献してまいります。


 なお、本件が 2022 年 3 月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。
                                                               以   上
【ご参考】
HPTN 083 試験(NCT02720094)について
 HPTN 083 試験は、HIV 感染予防において、エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマ
ル酸塩(FTC/TDF)錠(200mg/300mg)の 1 日 1 回経口投与と比較して、2 か月毎に投与する長
時間作用型注射剤カボテグラビルの安全性と有効性を評価するためにデザインされた第 IIb/III 相
二重盲検試験です。カボテグラビル群は、対照薬の FTC/TDF 群を 66%(95%信頼区間:38-82%)
上回る有意な HIV 感染予防効果を示しました。HPTN 083 試験は、アルゼンチン、ブラジル、ペ
ルー、米国、南アフリカ、タイ、ベトナムの施設で、男性と性行為を行う男性またはトランスジェ
ンダーの女性、4,566 名を対象に実施されました。
 試験デザインの詳細は、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02720094 を、試験結果の詳細
は、2020 年 7 月 10 日 プレスリリースをご覧ください。


HPTN 084 試験(NCT03164564)について
 HPTN 084 試験は、HIV 感染予防に対する有効性と安全性を、HIV 感染リスクが高い女性 3,200
名を対象に、2 か月毎に投与する長期作用型注射剤カボテグラビルと FTC/TDF(200mg/300mg)
の 1 日 1 回経口投与と比較評価するためにデザインされた第 III 相二重盲検比較試験です。カボテ
グラビル群は、対照薬の FTC/TDF 群を 89%(95%信頼区間:68-96%)上回る有意な HIV 感染予
防効果を示しました。HPTN 084 は、2017 年 11 月に登録開始され、計 3,223 名が登録されまし
た。ボツワナ、ケニア、マラウイ、南アフリカ、エスワティニ、ウガンダ、ジンバブエの 7 か国 20
施設で実施されています。これらのサハラ以南の地域では女性の HIV 感染率が高いことが知られて
います。
 試験デザインの詳細は https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03164564 を、試験結果の詳細
は、2020 年 11 月 11 日のプレスリリースご覧ください。