4507 塩野義薬 2021-10-01 13:30:00
1日1回投与2剤配合錠Dovato(ドルテグラビルおよびラミブジン)の TANGO試験144週時点の結果に関するViiV社の発表について [pdf]

                                                    2021 年 10 月 1 日
 各   位
                               会 社 名     塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                               代表者名      代表取締役社長      手 代 木      功
                                 (コード番号 4507 東証第一部)
                               問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                        TEL (06)6209-7885


         1 日 1 回投与 2 剤配合錠 Dovato(ドルテグラビルおよびラミブジン)の
           TANGO 試験 144 週時点の結果に関する ViiV 社の発表について
     -Dovato への切り替えを後押しする長期の良好な有効性と安全性を確認-


 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
                                           )
は、塩野義製薬が GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに資本参加している ViiV
Healthcare Ltd.(以下「ViiV 社」
                         )が、2021 年 9 月 29 日~10 月 3 日に開催されている米国感染
症学会週間(Infectious Disease Week 2021)にて、1 日 1 回投与の 2 剤配合錠 Dovato(ドルテ
グラビルおよびラミブジン)の TANGO 試験について、144 週時点における良好な結果を発表し
たことをお知らせいたします。


 TANGO 試験は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む 3 剤以上の治療レ
ジメン((TAF)-based regimen:TBR)で 6 ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人
HIV-1 感染患者を対象に、TAF を含む 3 剤レジメンを継続する場合を対照群として、Dovato へ
切り替えた場合の安全性および有効性を比較検討する第 III 相臨床試験です。
 本試験におけるウイルス学的失敗例の割合は、Dovato の 2 剤レジメン群で 0%(0 名/369
名)、TBR 群で 1%未満(3 名/372 名)であり、両群ともに治療による薬剤への耐性は認められ
ませんでした。また、144 週時点でウイルス抑制を維持できなかった患者(血漿中 HIV-1 RNA
量:≧50 コピー/mL)の割合は、Dovato の 2 剤レジメン群で 0.3%(1 名/369 名)
                                                   、TBR 群で 1.3%
(5 名/372 名)であり、Dovato の 2 剤レジメン群は TBR 群に対し非劣性を示しました。ウイル
ス抑制を維持した患者(血漿中 HIV-1 RNA 量:<50 コピー/mL)の割合は、Dovato の 2 剤レジメ
ン群で 85.9%(317 名/369 名)
                     、TBR 群で 81.7%(304 名/372 名)であり、Dovato の 2 剤レジ
メン群は TBR 群に対し非劣性を示しました。
 安全性については、全体的な有害事象の発生率は両群で同程度の結果でした。


 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、HIV 感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。当社は今
後も ViiV 社の経営に参画することで、HIV 感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカ
ボテグラビルに加え S-365598 の価値最大化に貢献してまいります。

 なお、本件が 2022 年 3 月期の業績に与える影響は軽微です。
                                                         以   上
【ご参考】
Dovato (ドルテグラビルおよびラミブジン)について
 Dovato は、抗レトロウイルス治療歴がないまたは、抗レトロウイルス療法によりウイルス抑
制が維持され、ドルテグラビル(DTG)およびラミブジン(3TC)のいずれに対する薬剤耐性も
認められない HIV-1 成人感染患者の治療を適応として承認されています。Dovato は、DTG
50mg と 3TC 300mg の 1 日 1 回投与の 2 剤レジメン配合剤です。
 Dovato は、2 剤で DTG ベースの 3 剤レジメンと同様、2 つの異なる部位でウイルスサイクル
を阻害します。DTG のようなインテグラーゼ阻害剤は、ウイルス DNA がヒト免疫細胞(T 細
胞)の遺伝物質に組込みを阻害することにより、HIV 複製を阻害します。このステップは、HIV
複製サイクルにおいて必須であり、慢性感染の確立に関与します。3TC は、ウイルス RNA の
DNA への変換を阻害し、ウイルスの増殖を停止させる核酸系逆転写酵素阻害剤です。


TANGO 試験について
 TANGO 試験は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む 3 剤以上の治療レ
ジメン((TAF)-based regimen:TBR)で 6 ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人
HIV-1 感染患者を対象に、TAF を含む 3 剤レジメンを継続する場合を対照群として、Dovato へ
切り替えた場合の安全性および有効性を比較検討する第 III 相臨床試験です。本試験の主要評価
項目は、48 週時点のウイルス抑制を維持できなかった(血漿中 HIV-1 RNA 量:≧ 50 コピー
/mL)患者の割合です。
 試験デザインの詳細は、ClinicalTrials.gov から NCT03446573 を検索しご覧下さい。