4507 塩野義薬 2021-09-28 19:00:00
超長時間作用型薬剤となる第3世代HIVインテグラーゼ阻害剤S-365598の導出に関するViiV Healthcareとのライセンス契約締結について [pdf]

                                                         2021 年 9 月 28 日
 各    位
                                 会 社 名      塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                                 代表者名       代表取締役社長        手 代 木     功
                                   (コード番号 4507 東証第一部)
                                 問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                          TEL (06)6209-7885


     超長時間作用型薬剤となる第 3 世代 HIV インテグラーゼ阻害剤 S-365598 の
        導出に関する ViiV Healthcare とのライセンス契約締結について
  - 超長時間作用型薬剤である S-365598 は、HIV 治療にさらなる革新をもたらす可能性を有する -


 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
                                           )
は、超長時間作用型(3 ヶ月以上に 1 回投与)の抗 HIV 薬となることが期待される第 3 世代イン
テグラーゼ阻害薬 S-365598 の導出に関するライセンス契約を、当社が Glaxo Smith Kline plc.
         )および Pfizer Inc.(以下「ファイザー社」
(以下「GSK 社」                          )とともに資本参加している ViiV
Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、以下
「ViiV 社」)との間で締結しましたのでお知らせいたします。


 本契約に基づき、塩野義製薬は ViiV 社から 20 百万ポンドの契約一時金を受領し、開発の進展
に応じたマイルストンとして、15 百万ポンドを受領します。ロイヤリティは、ViiV 社に導出して
いる既存のインテグラーゼ阻害剤と同一の条件です。また、塩野義製薬は、研究開発費用の一部
を負担しますが、年間の上限額が定められています。


 ViiV 社の Head of Research & Development である Kimberly Smith 博士は以下のように述べ
ています。
「シオノギとの 20 年間にも渡るコラボレーションは非常に成功しており、このコラボレーショ
ンにより過去 10 年で最も重要な 2 つの抗 HIV 薬を産み出したと言っても過言ではありません。
ドルテグラビルは現在、世界中で 1,700 万人が服用しており、カボテグラビルは世界初の長時間
作用型レジメンとして開発されました。シオノギからの 3 番目のインテグラーゼ阻害薬の導入に
関する本日の発表により、このコラボレーションが継続され、S-365598 が 2030 年以降の ViiV 社
のパイプラインを繋ぐことを期待しています。」


 塩野義製薬の上席執行役員経営戦略本部長であり、ViiV 社の取締役会の役員でもある John
Keller は以下のように述べています。
「多くの HIV とともに生きる人々や HIV に苦しんでいる人々は、HIV であることを日々思い起
こされること、HIV であることを知られること、服薬アドヒアランスの維持など、毎日の経口療
法に懸念を感じています。そのため、長時間作用型の抗 HIV 薬は、これらの患者の困りごとの解


                                  1/2
決に大きく貢献することが期待されます。     HIV 治療に対するこの革新的なアプロー
                  塩野義製薬は、
チを ViiV 社と連携してさらに進展させることを楽しみにしています。
                                  」


  S-365598 は、これまでのデータから優れた耐性バリアを示し、ドルテグラビルやカボテグラビ
ルとは異なる耐性プロファイルを有することが示されています。さらに、長い半減期から低用量
で 3 か月以上の間隔で 1 回の投与によって治療可能な超長時間作用型薬剤として開発が期待でき、
現在前臨床試験が進行中であり、2023 年までにヒトへ初めて投与を行う試験を開始する予定です。


  塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、HIV 感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。当社は今
後も ViiV 社の経営に参画することで、2030 年以降の HIV 市場を見据えてドルテグラビルおよ
びカボテグラビルに加え S-365598 の価値最大化、パートナードラッグや機能的根治を達成でき
る化合物の創出に取り組んでまいります。


  なお、本件が 2022 年 3 月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。
                                                                                      以   上



ViiV 社について
  ViiV 社は、英国 GSK 社と米国ファイザー社により 2009 年に設立された抗 HIV 薬に特化した
グローバルスペシャリストカンパニーです。2012 年 10 月に塩野義製薬が参画しました。ViiV
社は、どの会社よりも HIV/AIDS についてより深い、幅広い関心を持つことで、新たなアプ
ローチで効果的な新規の HIV 治療薬と予防のための効果的で革新的なアプローチを提供すると
ともに、HIV の影響を受けているコミュニティを支援することを目指しています。詳細は、
www.viivhealthcare.com をご覧ください。


GSK 社について
  GSK 社は、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学
に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細は、www.gsk.com/about-us をご覧くだ
さい。


参考:
1. Scarsi KK, Havens JP, Podany AT, Avedissian SN, Fletcher CV. HIV-1 Integrase Inhibitors:
A Comparative Review of Efficacy and Safety. Drugs. 2020 Nov;80(16):1649-1676. doi:
10.1007/s40265-020-01379-9.




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