4507 塩野義薬 2021-05-10 15:00:00
2021年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2021年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
2021年5月10日
上場会社名 塩野義製薬株式会社 上場取引所 東
コード番号 4507 URL http://www.shionogi.co.jp
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名)手代木 功
問合せ先責任者 (役職名) 広報部長 (氏名)京川 吉正 TEL 06-6202-2161
定時株主総会開催予定日 2021年6月22日 配当支払開始予定日 2021年6月23日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月23日
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無 :有 (アナリスト向け)
(百万円未満切捨て)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社の所有者に 当期包括利益
売上収益 営業利益 税引前利益 当期利益
帰属する当期利益 合計額
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期 297,177 △10.9 117,438 △10.1 143,018 △9.8 112,061 △8.3 111,858 △8.5 137,509 278.0
2020年3月期 333,371 △9.4 130,628 △10.0 158,516 △8.9 122,194 △10.8 122,193 △10.9 36,381 △73.5
基本的 希薄化後 親会社所有者帰属持分 資産合計 売上収益
1株当たり当期利益 1株当たり当期利益 当期利益率 税引前利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2021年3月期 365.03 364.89 13.9 15.3 39.5
2020年3月期 395.71 395.28 15.5 17.5 39.2
(参考)持分法による投資損益 2021年3月期 -百万円 2020年3月期 -百万円
(注)2021年3月期連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2020年3月期の連結財務諸表を遡及修正し
ております。
(2)連結財政状態
親会社の所有者に 親会社所有者 1株当たり親会社
資産合計 資本合計
帰属する持分 帰属持分比率 所有者帰属持分
百万円 百万円 百万円 % 円 銭
2021年3月期 998,992 864,550 846,108 84.7 2,806.67
2020年3月期 873,695 765,203 765,152 87.6 2,518.74
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2021年3月期 109,039 △5,261 △43,891 276,173
2020年3月期 131,940 △29,144 △88,174 208,861
2.配当の状況
年間配当金 親会社所有者
配当金総額 配当性向
(合計) (連結)
帰属持分配当
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 率(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2020年3月期 - 50.00 - 53.00 103.00 31,670 26.0 4.0
2021年3月期 - 53.00 - 55.00 108.00 33,023 29.6 4.1
2022年3月期(予想) - 55.00 - 55.00 110.00 33.2
3.2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
親会社の所有者に 基本的
売上収益 営業利益 税引前利益
帰属する当期利益 1株当たり当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 135,000 △9.1 38,500 △33.9 48,500 △30.9 49,500 △5.4 164.20
通期 290,000 △2.4 90,000 △23.4 115,000 △19.6 100,000 △10.6 331.71
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):無
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更:有
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年3月期 311,586,165株 2020年3月期 316,786,165株
② 期末自己株式数 2021年3月期 10,122,444株 2020年3月期 13,002,082株
③ 期中平均株式数 2021年3月期 306,441,234株 2020年3月期 308,798,662株
(参考)個別業績の概要(日本基準)
2021年3月期の個別業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期 260,986 △11.2 76,192 △34.4 81,714 △32.6 32,181 △63.7
2020年3月期 293,865 △10.4 116,107 △16.1 121,265 △13.3 88,640 △11.4
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2021年3月期 105.02 104.98
2020年3月期 287.05 286.74
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2021年3月期 617,123 536,405 86.9 1,778.50
2020年3月期 580,804 530,482 91.3 1,744.81
(参考)自己資本 2021年3月期 536,154百万円 2020年3月期 530,044百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(国際財務報告基準(IFRS)の適用)
当社グループは2020年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表より、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用
しております。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると
判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料 P.5「1.経営
成績等の概況 (4)今後の見通し」をご覧ください。
(決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)
決算補足説明資料はTDnetにて同日開示しております。
当社は、2021年5月11日(火)にアナリスト向け説明会を開催する予定です。説明内容(トランスクリプト)に
ついては、当日使用する決算説明会資料とともに、開催後速やかに当社ホームページに掲載する予定です。
塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………………………… 4
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………………………… 4
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………………………… 5
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………………………… 6
3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………… 7
(1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………………………… 7
(2)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………………………………… 9
(3)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………………………… 11
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………………………… 12
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………………………… 14
(継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………………… 14
(会計方針の変更) ……………………………………………………………………………………………… 14
(セグメント情報) ……………………………………………………………………………………………… 14
(1株当たり情報) ……………………………………………………………………………………………… 15
(重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………………… 15
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
1.経営成績等の概況
当社グループは2020年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表から国際財務報告基準(IFRS)を任意適
用しております。
(1)当期の経営成績の概況
①販売及び利益の状況
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の業績は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度 前連結会計年度 増減 増減率(%)
売上収益 297,177 333,371 △36,193 △10.9
営業利益 117,438 130,628 △13,190 △10.1
コア営業利益 ※ 93,963 127,383 △33,419 △26.2
税引前利益 143,018 158,516 △15,498 △9.8
親会社の所有者に帰属する 111,858 122,193 △10,334 △8.5
当期利益
※会計基準の変更に伴い、会社の経常的な収益性を示す利益指標として「コア営業利益」を設定し、これを当社
独自の業績管理指標として採用しております。「コア営業利益」は、営業利益から非経常的な項目(減損損
失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
売上収益は、2,972億円(前期比10.9%減)となりました。国内医療用医薬品売上は、新型コロナウイルス感染
症(COVID-19)の拡大を受けた感染予防対策の励行による市中感染症市場の大幅な縮小や受診抑制の影響、薬価改
定の影響を受け947億円(前期比10.9%減)となりました。
営業利益はシオノギ渋谷ビル再開発に伴う交換益の発生等もあり、1,174億円(前期比10.1%減)となりまし
た。それらの特殊要因を除くコア営業利益は940億円(前期比26.2%減)となりました。
税引前利益は1,430億円(前期比9.8%減)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の減少に伴い1,119億円(前期比8.5%減)となり、減益とな
りました。
2020年度も2019年度に続いて業績の予想が未達となり、対前年度でも減収減益となりました。2021年度は、積み
残した課題に取り組み、自らの力で利益を生み出せる企業体質への変革を一層強化してまいります。
■国内医療用医薬品
コロナ禍での社会全般の感染予防対策の励行による市中感染症市場の大幅な縮小や受診抑制の影響を受け、国内
の医療用医薬品売上収益は947億円(前期比10.9%減)となりました。インフルエンザに関しましては、昨シーズ
ン以上の極めて小規模な流行にとどまり、インフルエンザ関連製品群は3億円(前期比89.1%減)となりました。
また、インフルエンザ関連製品群を含む感染症薬に関しましては、98億円(前期比39.1%減)となりました。一方
で、戦略品であるサインバルタとインチュニブの売上収益はそれぞれ265億円(前期比0.9%増)、131億円(前期
比22.8%増)と伸長しました。
コロナ禍においては、MRの医療機関への訪問規制が強化され、病院を中心に医療従事者との面談が難しい状況で
したが、このような状況においても医療従事者に各製品の情報を届けるために、デジタル環境下での情報提供体制
を整備し、適正使用に向けた情報の伝達と面談機会の確保に注力しました。
■輸出/海外子会社
輸出/海外子会社の売上収益は、COVID-19における環境変化の影響を受け246億円(前期比20.0%減)となりまし
た。米国においては、Fetrojaの売上収益が17億円と伸長し、当期の売上は75億円となりましたが、前期はBDSI社
よりSymproic関連の一時金を受領したため、前期比26.3%減となりました。欧州では、英国とドイツでFetcrojaを
販売開始しました。また、英国とスウェーデンでサブスクリプション型償還モデル*1に採択されました。中国で
は、病院市場におけるラベプラゾールの売上収益が大きく減少し、全体で101億円(前期比23.3%減)となりまし
た。また、2020年内に中国平安保険グループとの合弁会社を設立いたしました。
*1 抗菌薬の処方量と切り離し、国が開発企業に対して固定報酬を支払う代わりに、必要なときに抗菌薬を受け取ることができ
るサブスクリプション型の償還モデル
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
■ロイヤリティー収入及びヴィーブ社からの配当金収入
英国ヴィーブヘルスケア社(以下、ヴィーブ社)に導出したHIVフランチャイズの売上が伸長しました。一方で
為替変動の影響により、同社からのロイヤリティー収入は1,234億円(前期比3.7%減)、同社からの配当金につい
ては234億円(前期比11.3%減)となりました。
スイス ロシュ社からのロイヤリティー収入は、昨年度抗インフルエンザウイルス薬Xofluzaの承認取得に伴うマ
イルストンを受領したことにより、今年度は9億円(前期比91.8%減)となりました。
また英国アストラゼネカ社からのクレストールのロイヤリティーにつきましては、契約に基づき2020年度第4四
半期連結会計期間より受領額が減少したことから、166億円(前期比25.7%減)となりました。
以上のように当期のロイヤリティー、マイルストンおよび配当金収入全体としては、HIVフランチャイズの販売
が引き続き順調に推移する中、為替変動や昨年度の一時金収入の影響により、1,680億円(前期比13.1%減)とな
りました。
②研究開発の状況
当期も研究開発への積極的な投資を行うとともに、COVID-19による環境変化に適切に対処することで、注力するプ
ロジェクトをほぼ予定通り進捗させることができました。
■研究
現状の疾患治療の捉え方(パラダイム)を変える可能性のある8つの注力プロジェクトを設定し、COVID-19プロ
ジェクトとともに最優先で取り組んでいます。
S-531011は、大阪大学との共同研究から見出した、がんを標的とする抗体であり、現在のがん治療では満たされ
ない患者さまのニーズに応えることを目指しています。当期は、2021年度の臨床試験開始に向けて非臨床試験が進
展しました。S-874713は、ADHDや依存症等の複数の精神神経症状に対する効果が期待できる自社創出製品です。当
期は、2021年度の臨床試験開始に向けて非臨床試験が進展しました。核酸アジュバント*2 S-540956は、がん領域
およびHIV機能的根治等の感染症領域への適応を目指しています。当期は、2021年度の臨床試験開始に向けて非臨
床試験が進展しました。
当社グループは、株式会社UMNファーマを完全子会社化し、ワクチン事業に本格的に参入しました。当期は、
COVID-19ワクチン及びインフルエンザワクチンの創製に取り組みました。
また、注射による痛みを回避し、簡便に投与できる「経鼻ワクチン」の開発にも取り組んでおり、HanaVax社と
経鼻ワクチンの製剤技術に関するライセンス契約を締結し、肺炎球菌ワクチンの研究を進めています。
上記COVID-19ワクチンをはじめ、有効性・安全性ともに既存薬を上回る治療薬の創出に向けて取り組んでいま
す。
*2 アジュバント:免疫を活性化させ薬物の効果を補強させる物質
■開発
注力8プロジェクトの進捗としましては、sivopixant(S-600918)の難治性慢性咳嗽(せき)を対象としたグロ
ーバル第Ⅱb相臨床試験が進展し全患者の観察が完了しました。また、睡眠時無呼吸症候群を対象とした第Ⅱa相臨
床試験が進展しました。ステムリム社から導入した再生誘導医薬ペプチドであるレダセムチド(S-005151)につい
ては、栄養障害型表皮水泡症に対する適応取得に向けて申請準備中です。また、急性期脳梗塞を対象とした国内第
Ⅱ相臨床試験が進展しました。当期は、変形性膝関節症、慢性肝疾患に対する医師主導治験も新たに開始しまし
た。米国Sage社から導入したうつ病・うつ状態治療薬候補であるzuranolone(S-812217)については、大うつ病性
障害者を対象とした第Ⅱ相臨床試験が進展しました。子会社化したTetra社から導入した認知機能改善薬候補であ
るBPN14770については、アルツハイマー型認知症を対象とした第Ⅰ相臨床試験を完了し、第Ⅱ相臨床試験を準備中
です。また、脆弱X症候群を対象とした米国での第Ⅲ相臨床試験を準備中です。S-637880については、神経障害性
腰痛を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。
COVID-19ワクチンS-268019の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始しました。また、米国バイオエイジ社と提携し、COVID-
19の重症化を抑える治療薬候補(asapiprant:S-555739)の開発を進めています。2021年4月にバイオエイジ社が
米国でCOVID-19に罹患した高齢者を対象に第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
■新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する取り組み
当社グループは、STS2030の中でHaaS(Helthcare as a Service)企業へとTransformすることを掲げています
が、医療用医薬品の提供にとどまらないサービスを提供していくためには、これまで以上に患者さまの視点に立っ
て考えることが重要です。その観点から、疾患に関連する種々の困りごとの解決も含めたトータルケアの取り組み
を強化しています。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
COVID-19に対しても、一貫したバリューチェーンを強みとして治療薬の創製に取り組むとともに、予防や診断、
重症化抑制にも取り組みを広げています。さらに、未病の観点で、感染症流行および変異株の早期検知をすること
で感染拡大の兆候を察知する取り組みも行っています。
これらの取り組みを通じて、COVID-19の早期終息による社会の安心・安全の回復にグループ一丸となって貢献し
てまいります。また、その他の新興感染症および再興感染症にも鋭意取り組み、「感染症の脅威からの解放」を当
社グループが果たすべき使命と位置づけ、努力を継続してまいります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の資産合計は9,989億92百万円で、前連結会計年度末に比べて1,252億97百万円増加しました。
非流動資産は、ワクチン製造設備による有形固定資産の増加、Tetraの連結子会社化による無形資産の増加及び
シオノギ渋谷ビル再開発による投資不動産の増加等により前連結会計年度末に比べて850億85百万円増加となりま
した。流動資産は、現金及び現金同等物、3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増減
等の結果、前連結会計年度末に比べて402億11百万円増加しました。
資本については8,645億50百万円となり、当期利益の計上と配当金の支払、自己株式の取得及び第三者割当によ
る自己株式の処分を行いました。また、平安グループとの子会社設立に伴う非支配持分が増加した結果、前連結会
計年度末に比べて993億47百万円増加しました。
負債については1,344億42百万円で、前連結会計年度末に比べて259億49百万円増加しました。
非流動負債は繰延税金負債の増加等により68億89百万円増加、流動負債は、未払法人所得税及びデリバティブ負
債(流動負債のその他の金融負債に含みます)の増加等により190億60百万円増加となりました。
なお、当連結会計年度に連結子会社としたTetra及びナガセ医薬品について、取得対価の配分が完了しておりま
す。また、前第3四半期連結会計期間より暫定的な会計処理をしておりましたUMNファーマにつきましては、当連
結会計年度において取得対価の配分を完了し、取得した資産および引き受けた負債の暫定的な公正価値を遡及修正
しております。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の減少、営業債権及びその他債権の回収額
の減少等により、前連結会計年度に比べ229億円少ない1,090億39百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、余資運用に係る定期預金及び有価証券の取得・売却、ワクチン製造設備
等の有形固定資産の取得支出等により、前連結会計年度に比べ238億82百万円少ない52億61百万円の支出となりま
した。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得、第三者割当による自己株式の処分
及び平安グループとの子会社設立に伴う株式発行収入等により、前連結会計年度に比べ442億83百万円少ない438億
91百万円の支出となりました。
これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は673億12百万円の増加となり、当連結会計年
度末の現金及び現金同等物の期末残高は、2,761億73百万円となりました。
〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕
2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
親会社所有者
86.2% 87.6% 84.7%
帰属持分比率
時価ベースの親会社
227.3% 184.9% 179.6%
所有者帰属持分比率
キャッシュ・フロー
0.1 0.1 0.1
対有利子負債比率
インタレスト・カバ
237.8 378.1 425.6
レッジ・レシオ
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象と
しております。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(4)今後の見通し
2022年3月期の業績につきましては、以下の通り見込んでおります。
〔連結業績予想〕
(単位:百万円)
親会社の所有者に
売上収益 営業利益 税引前利益
帰属する当期利益
2022年3月期予想 290,000 90,000 115,000 100,000
次年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により様々な不透明要素がありますが、感染症のリーディ
ングカンパニーとして社会的な責務を果たすべく努力してまいります。
売上収益につきましては、サインバルタの後発品の発売や契約に基づくクレストールのロイヤリティー収入の減
少等減収要因がある一方で、国内におけるADHDファミリーや一般用医薬品、欧米におけるセフィデロコルの販売拡
大、中国事業の拡大等を見込んでいます。国内の感染症薬の売上収益につきましては、緩やかな市場回復による増
収を見込みますが、引き続き受診抑制や感染症予防対策の励行による影響を注視いたします。HIV関連製品のロイ
ヤリティー収入は、新薬ドウベイトや新たに発売された長期作用型注射薬の貢献により増収を見込んでおり、売上
収益全体としてはわずかに減収となる見込みです。
利益面では、売上収益の減少に加え、製品ミックスの影響による売上原価の増加を見込んでおりますが、国内外
の販売費及び一般管理費の削減や研究開発費を含む費用の効率化に努めます。一方で、当期に発生したシオノギ渋
谷ビルの再開発に伴う交換益の減少により、営業利益、税引前利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益はそれ
ぞれ減少する見通しです。なお、「法人税額等の更正通知書及び加算税の賦課決定通知書」に関する更正処分につ
いて、当社グループが提起した取消請求訴訟に対する東京高等裁判所の判決(2021年4月14日)に基づき、過去に
納付した税額の還付を見込んでおります。
新型コロナウイルス感染症は、発生から1年以上が経過した現在においても拡大が続いており、世界の人々の生
活や経済に深刻な影響をもたらしています。国内におきましては、医療体制の逼迫やワクチンの不足、変異株の流
行等に対する社会不安が拡大しており、ワクチンや治療薬の開発・製造支援の在り方や、早期提供を可能とする柔
軟な薬事制度の必要性など、国家安全保障の観点から様々な議論が行われています。このような中、当社グループ
はパンデミックの終息、社会の安心・安全の回復に貢献するために、経営資源を投下して本感染症に対する各種取
り組みを加速してまいりますが、上記の背景からそれら事業機会の実現や研究開発費の増加等、業績の見通しに影
響を及ぼす事象が発生する可能性があります。その際は、連結業績予想への影響を見積もり次第、速やかに公表い
たします。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは財務諸表の国際的な比較可能性の向上や、グループ内の会計基準統一によるビジネスオペレー
ションの改善を目的に、2020年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表から国際財務報告基準(IFRS)を
任意適用しております。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
(連結損益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
売上収益 333,371 297,177
売上原価 △56,782 △52,523
売上総利益 276,589 244,654
販売費及び一般管理費 △95,094 △91,902
研究開発費 △47,949 △54,249
製品に係る無形資産償却費 △3,255 △3,209
その他の収益 4,291 26,403
その他の費用 △3,951 △4,257
営業利益 130,628 117,438
金融収益 30,504 26,522
金融費用 △2,616 △941
税引前利益 158,516 143,018
法人所得税費用 △36,322 △30,956
当期利益 122,194 112,061
当期利益の帰属
親会社の所有者 122,193 111,858
非支配持分 1 203
当期利益 122,194 112,061
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 395.71 365.03
希薄化後1株当たり当期利益(円) 395.28 364.89
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(連結包括利益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期利益 122,194 112,061
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと
△62,544 △4,677
して指定した資本性金融商品の公正価値の純変動額
確定給付制度の再測定 503 △96
純損益に振り替えられることのない項目の合計 △62,040 △4,774
純損益に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の外貨換算差額 △26,247 36,049
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分 2,474 △5,828
純損益に振り替えられる可能性のある項目の合計 △23,772 30,221
税引後その他の包括利益合計 △85,813 25,447
当期包括利益 36,381 137,509
当期包括利益の帰属
親会社の所有者 36,594 137,407
非支配持分 △213 101
当期包括利益 36,381 137,509
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(2)連結財政状態計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産
非流動資産
有形固定資産 71,350 90,883
のれん 7,854 9,357
無形資産 51,705 76,558
使用権資産 4,657 4,827
投資不動産 2,496 26,759
その他の金融資産 202,161 217,437
繰延税金資産 3,048 11,729
その他の非流動資産 14,394 5,200
非流動資産合計 357,669 442,754
流動資産
棚卸資産 33,818 38,003
営業債権 79,804 78,047
その他の金融資産 171,157 142,151
未収法人所得税 192 164
その他の流動資産 22,191 21,697
現金及び現金同等物 208,861 276,173
流動資産合計 516,026 556,238
資産合計 873,695 998,992
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資本及び負債
資本
資本金 21,279 21,279
資本剰余金 21,025 13,733
自己株式 △77,292 △57,989
利益剰余金 708,291 752,248
その他の資本の構成要素 91,848 116,836
親会社の所有者に帰属する持分 765,152 846,108
非支配持分 51 18,442
資本合計 765,203 864,550
負債
非流動負債
リース負債 4,791 4,608
その他の金融負債 4,179 5,242
退職給付に係る負債 16,089 16,318
繰延税金負債 1,949 7,749
その他の非流動負債 362 341
非流動負債合計 27,372 34,261
流動負債
リース負債 3,361 3,379
営業債務 10,763 9,902
その他の金融負債 17,557 21,383
未払法人所得税 21,886 28,033
その他の流動負債 27,551 37,481
流動負債合計 81,119 100,180
負債合計 108,492 134,442
資本及び負債合計 873,695 998,992
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(3)連結持分変動計算書
(単位:百万円)
親会社の
その他の
資本剰余 利益剰余 所有者に 非支配持
資本金
金
自己株式
金
資本の構
帰属する 分
資本合計
成要素
持分
2019年4月1日残高 21,279 21,277 △28,882 613,483 181,616 808,774 4,313 813,087
当期利益 122,193 122,193 1 122,194
税引後その他の包括利益合計 △85,598 △85,598 △214 △85,813
当期包括利益 - - - 122,193 △85,598 36,594 △213 36,381
自己株式の取得 △50,012 △50,012 △50,012
自己株式の処分 △509 1,602 1,092 1,092
配当金 △31,134 △31,134 △31,134
企業結合による変動 - 682 682
支配継続子会社に対する持分変動 △162 △162 △4,779 △4,942
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 4,169 △4,169 - -
その他 420 △420 0 49 49
2020年3月31日残高 21,279 21,025 △77,292 708,291 91,848 765,152 51 765,203
当期利益 111,858 111,858 203 112,061
税引後その他の包括利益合計 25,548 25,548 △101 25,447
当期包括利益 - - - 111,858 25,548 137,407 101 137,509
自己株式の取得 △50,013 △50,013 △50,013
自己株式の処分 △4,705 38,404 33,698 33,698
自己株式の消却 △30,912 30,912 - -
配当金 △32,543 △32,543 △32,543
連結範囲の変動 - 10,696 10,696
支配継続子会社に対する持分変動 △7,593 △7,593 7,593 -
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 71 △71 - -
その他 35,919 △35,430 △488 △0 △0
2021年3月31日残高 21,279 13,733 △57,989 752,248 116,836 846,108 18,442 864,550
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益 158,516 143,018
減価償却費及び償却費 14,115 14,779
減損損失 100 825
金融収益及び金融費用 △29,233 △25,836
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) 21,371 2,993
棚卸資産の増減額(△は増加) 1,158 △3,435
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) △5,747 △2,380
その他 △9,202 △16,524
小計 151,078 113,438
利息及び配当金の受取額 29,565 28,111
利息の支払額 △348 △256
法人所得税の支払額 △48,354 △32,254
営業活動によるキャッシュ・フロー 131,940 109,039
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入による支出 △200,827 △230,468
定期預金の払戻による収入 174,672 269,696
有形固定資産の取得による支出 △8,945 △28,182
有形固定資産の売却による収入 3,427 45
無形資産の取得による支出 △2,823 △4,762
子会社の取得による支出 △4,525 △3,636
関連会社の取得による支出 △4,252 -
投資の取得による支出 △99,630 △120,478
投資の売却による収入 119,485 116,265
その他 △5,725 △3,739
投資活動によるキャッシュ・フロー △29,144 △5,261
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
リース負債の返済による支出 △3,544 △3,648
自己株式の取得による支出 △50,159 △50,134
自己株式の売却による収入 - 33,534
配当金の支払額 △31,122 △32,529
非支配持分からの子会社持分取得による支出 △3,367 △1,575
非支配持分からの払込による収入 49 10,464
その他 △30 △0
財務活動によるキャッシュ・フロー △88,174 △43,891
現金及び現金同等物に係る換算差額 △1,560 7,425
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 13,060 67,312
現金及び現金同等物の期首残高 195,800 208,861
現金及び現金同等物の期末残高 208,861 276,173
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(会計方針の変更)
当社グループは、当連結会計年度より、以下の基準書及び解釈指針を適用しております。以下の基準等の適用が
連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
IFRS 新設・改訂の概要
IFRS第3号 企業結合 企業結合に関する事業の定義を修正
(セグメント情報)
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)及び当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年
3月31日)
当社グループは、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一事
業であります。製品別の販売状況、会社別の利益などの分析は行っておりますが、事業戦略の意思決定、研究開発
費を中心とした経営資源の配分は当社グループ全体で行っており、従って、セグメント情報の開示は省略しており
ます。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2021年3月期 決算短信
(1株当たり情報)
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 122,193 111,858
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円) - -
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
122,193 111,858
(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 308,798 306,441
希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
122,193 111,858
(百万円)
当期利益調整額(百万円) △0 -
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利
122,193 111,858
益(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 308,798 306,441
新株予約権による普通株式増加数(千株) 186 112
転換社債型新株予約権付社債による普通株式増加数
143 -
(千株)
希薄化効果調整後期中平均普通株式数(千株) 309,127 306,554
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 395.71 365.03
希薄化後1株当たり当期利益(円) 395.28 364.89
(注) 逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期利益の算定から除外した金融商品はありません。
(重要な後発事象)
(訴訟の判決の確定)
当社は、2014年9月12日に大阪国税局長より受領した2013年3月期の「法人税額等の更正通知書及び加算税の賦
課決定通知書」に対する更正処分について、取消請求訴訟を提起し、東京高等裁判所において争っておりました。
2021年4月14日に東京高等裁判所より当社の主張をほぼ全面的に認める判決が言い渡され、その後期限である2021
年4月28日までに、国より上告及び上告受理申立てのいずれもが行われず判決内容が確定いたしました。
本判決の結果、納付済みの2013年3月期の追徴税額等と更正処分によって消滅した繰越欠損金に伴って支払った
2014年3月期の税額の合計約133億円(地方税含む)が還付される見込みです。
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