4507 塩野義薬 2021-05-07 16:30:00
長期作用型注射剤カボテグラビルのHIV感染予防におけるFDAへのローリング・サブミッションの開始に関するViiV社の発表について [pdf]

                                                            2021 年 5 月 7 日
 各   位
                                    会 社 名    塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                                    代表者名     代表取締役社長         手 代 木      功
                                      (コード番号 4507 東証第一部)
                                    問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                            TEL (06)6209-7885


        長期作用型注射剤カボテグラビルの HIV 感染予防における
  FDA へのローリング・サブミッションの開始に関する ViiV 社の発表について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
      )は、当社が GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに資本参加している
または「当社」
ViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、
以下「ViiV 社」)が、長期作用型注射剤カボテグラビルの HIV 感染予防に対する使用に関して、
米国食品医薬品局(FDA)への新薬承認申請のローリング・サブミッション(段階的申請)を開
始したことを発表しましたので、お知らせいたします。


 カボテグラビルは、HIV 感染予防効果を検証する HPTN 083 試験の良好な結果をもとに 2020
年 11 月に FDA よりブレイクスルーセラピーの指定を受けており、申請に際してローリング・サ
ブミッションが可能となっております。ローリング・サブミッションにより、ViiV 社は申請資料
を段階的に FDA に提出し、FDA は全データの提出を待たずに提出されたデータから順次審査を
進めることが可能になるため、承認までの期間の短縮が期待されます。


 ViiV 社は、HPTN 083 試験および HPTN 084 試験の結果をもとに米国での承認申請を進める
とともに、今年末までにグローバルでの承認申請を開始することを計画しており、まずは両試験
の実施国への申請に注力する予定です。


 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、HIV 感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。HIV 感染
症は今なお国際社会における大きな課題です。2019 年末時点において推定 3,800 万人が HIV に
感染しており、年間 170 万人が新たに HIV に感染しています。当社は ViiV 社の株主として、世
界中の皆さまにより良い HIV 感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待すると
ともに、今後も同社の経営に参画することで、HIV 感染症治療や予防におけるドルテグラビル
およびカボテグラビルの価値最大化に貢献してまいります。


 なお、本件が 2022 年 3 月期の連結業績予想に与える影響については現時点では未定ですが、
今後の状況の変化により、業績に与える影響を認識した時点で速やかに公表いたします。


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【HPTN 083 試験(NCT02720094)について】
 HPTN 083 試験は、HIV 感染予防において、エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマ
ル酸塩(FTC/TDF)錠(200mg/300mg)の 1 日 1 回経口投与と比較して、2 か月毎に投与する長
期作用型注射剤カボテグラビルの安全性と有効性を評価するためにデザインされた第 IIb/III 相二
重盲検試験です。カボテグラビル群は、対照薬の FTC/TDF 群を 66%(95%信頼区間:38-82%)上
回る有意な HIV 感染予防効果を示しました。HPTN 083 試験は、アルゼンチン、ブラジル、ペ
ルー、米国、南アフリカ、タイ、ベトナムの施設で、男性と性行為を行う男性またはトランスジェ
ンダーの女性、4,566 名を対象に実施されました。試験デザインの詳細は、
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02720094 を、試験結果の詳細は、2020 年 7 月 10 日 プレ
スリリースをご覧ください。


【HPTN 084 試験(NCT03164564)について】
 HPTN 084 試験は、HIV 感染予防に対する有効性と安全性を、HIV 感染リスクが高い女性 3,200
名を対象に、2 か月毎に投与する長期作用型注射剤カボテグラビルと FTC/TDF(200mg/300mg)
の 1 日 1 回経口投与と比較評価するためにデザインされた第 III 相二重盲検比較試験です。カボテ
グラビル群は、対照薬の FTC/TDF 群を 89%(95%信頼区間:68-96%)上回る有意な HIV 感染予
防効果を示しました。HPTN 084 は、2017 年 11 月に登録開始され、計 3,223 名が登録されまし
た。ボツワナ、ケニア、マラウイ、南アフリカ、エスワティニ、ウガンダ、ジンバブエの 7 か国 20
施設で実施されています。これらのサハラ以南の地域では女性の HIV 感染率が高いことが知られて
います。試験デザインの詳細は https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03164564 を、試験結果の
詳細は、2020 年 11 月 11 日のプレスリリースご覧ください。




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