4507 塩野義薬 2021-03-10 12:30:00
抗HIV治療における長期作用型注射2剤レジメンCabenuvaのATLAS-2M試験96週時点の良好な結果に関するViiV社の発表について [pdf]

                                                           2021 年 3 月 10 日
    各    位
                                   会 社 名     塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                                   代表者名      代表取締役社長         手 代 木     功
                                     (コード番号 4507 東証第一部)
                                   問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                           TEL (06)6209-7885


            抗 HIV 治療における長期作用型注射 2 剤レジメン Cabenuva の
          ATLAS-2M 試験 96 週時点の良好な結果に関する ViiV 社の発表について
             - 2 ヵ月に 1 回投与群は 96 週においても継続的にウイルスの増殖を抑制 -


    塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
      )は、当社が GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに資本参加している
または「当社」
ViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、
以下「ViiV 社」)が、Cabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の ATLAS-2M 試験(試
験概要は 2 ページ目を参照)につきまして、96 週時点の良好な結果を 2021 Conference on
Retroviruses and Opportunistic Infections (CROI) にて発表しましたので、お知らせいたします。


    ATLAS-2M 試験の結果概要は以下の通りです。詳細は ViiV 社の発表をご参照下さい。


    ATLAS-2M 試験は、ウイルス学的失敗歴がなく 6 ヵ月以上ウイルス抑制が達成された HIV 患
者を対象として Cabenuva の 2 ヵ月に 1 回(8 週間隔)投与時の有効性、安全性を月 1 回(4 週
間隔)投与時と比較した試験です。両投与群間で 48 週時点におけるウイルス学的失敗基準(血漿
中 HIV-1 RNA ≥50 コピー/mL)に合致する患者の割合について非劣性を達成 1,2 しておりました
が、この度、96 週時点においても非劣性が継続されました。


       ウイルス学的失敗基準に合致する患者の割合
         8 週間毎投与群:2.1%(11/522) 週間毎投与群:1.1%(6/523)
                              、4
       ウイルス抑制効果を示した患者の割合
         8 週間毎投与群:91.0%(475/522) 週間毎投与群:90.2%(472/523)
                                 、4
       ウイルス学的失敗(血漿中 HIV-1 RNA ≥200 コピー/mL)を示した患者の割合
         8 週間毎投与群:1.7%(9/522) 週間毎投与群:0.4%(2/523)
                              、4
         48~96 週の間に 8 週間毎投与群で耐性変異ウイルスを 1 例検出(リルピビリン耐性)
       安全性
         48~96 週の間に両群で新たな安全性の懸念は確認されませんでした。


    ATLAS-2M 試験(96 週)の結果より、2 ヵ月に 1 回の Cabenuva の投与により HIV 感染患者
が 96 週においてもウイルス抑制を維持できることが示されました。この結果は、今後患者の利便
性がさらに向上することで、HIV 治療におけるパラダイムシフトが起こる可能性を示唆していま
す。新たな治療選択肢である Cabenuva の価値をより多くの HIV 感染患者にお届けできるよう、
ViiV 社は引き続き長期の有効性および安全性の情報を収集していく予定です。


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 なお、米国において Cabenuva は、月 1 回投与の長期作用型注射 2 剤レジメンとして承認され
ており 3、2 ヵ月に 1 回投与については、ViiV 社によって米国食品医薬品局(FDA)に医薬品承
認事項変更申請が提出されています 4。欧州においては、Vocabria(カボテグラビル注射剤および
錠剤)と Rekambys(リルピビリン注射剤)の名称で月 1 回投与および 2 ヵ月に 1 回投与の販売
承認を取得しています 5。


 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、HIV 感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。HIV 感染症
は今なお国際社会における大きな課題です。2019 年末時点において推定 3,800 万人が HIV に感
染しており、年間 170 万人が新たに HIV に感染しています。当社は ViiV 社の株主として、世界
中の皆さまにより良い HIV 感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待するとと
もに、今後も同社の経営に参画することで、HIV 感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよ
びカボテグラビルの価値最大化に貢献してまいります。


 なお、本件が 2021 年 3 月期の業績に与える影響は軽微です。
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【ATLAS-2M 試験 (NCT03299049) について】
 ATLAS-2M 試験は、HIV-1 に感染している成人 1,045 例を対象に、長期作用型カボテグラビル
およびリルピビリンを 4 週毎に 48 週間投与する群と比較して、 週毎に投与する群の抗ウイルス
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活性および安全性が非劣性であることを評価するためにデザインされた第 III 相、非盲検、実薬
対照、多施設、並行群間、非劣性検証試験です。被験者は、初回もしくは 2 回目のレジメンで 6 ヵ
月以上ウイルスが抑制されており、事前のウイルス学的失敗がない被験者を対象にしています。
本試験の主要評価項目は、48 週目に FDA スナップショットアルゴリズム(Intent-to-Treat
Exposed [ITTE]集団)により、血漿 HIV-1 RNA が 50c/mL 以上の被験者の割合です。
 ATLAS-2 試験の詳細については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03299049 をご参照
下さい。


参考:
 1.   プレスリリース: 2019 年 8 月 23 日
      抗 HIV 治療における長期作用型注射剤カボテグラビルの 2 ヵ月に 1 回の投与による良好な試
      験結果に関する ViiV 社の発表について
 2.   プレスリリース: 2020 年 3 月 12 日
      抗 HIV 治療における長期作用型注射剤カボテグラビルとリルピビリン 2 剤レジメンの良好な
      臨床試験結果に関する ViiV 社の発表について
 3.   プレスリリース: 2021 年 1 月 22 日
      抗 HIV 治療における月 1 回投与の長期作用型注射 2 剤レジメン Cabenuva カボテグラビルお
      よびリルピビリンの米国における承認取得に関する ViiV 社の発表について
 4.   プレスリリース: 2021 年 2 月 26 日
      抗 HIV 治療における長期作用型注射 2 剤レジメン Cabenuva(カボテグラビルおよびリルピ
      ビリン)の米国での 2 ヵ月に 1 回投与の医薬品承認事項変更申請(sNDA)に関する ViiV 社
      の発表について
 5.   プレスリリース: 2020 年 12 月 22 日
      抗 HIV 治療における長期作用型注射剤 Vocabria(カボテグラビル)の 欧州における承認取
      得に関する ViiV 社の発表について




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