4507 塩野義薬 2020-11-24 15:40:00
抗インフルエンザウイルス薬XOFLUZA(R)の米国における適応追加承認について-12歳以上のインフルエンザウイルス感染曝露後予防を適応として- [pdf]

                                                      2020 年 11 月 24 日
 各   位
                                  会 社 名     塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                                  代表者名      代表取締役社長       手 代 木     功
                                    (コード番号 4507 東証第一部)
                                  問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                          TEL (06)6209-7885

 抗インフルエンザウイルス薬 XOFLUZA®の米国における適応追加承認について
         -12 歳以上のインフルエンザウイルス感染曝露後予防を適応として-

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」                       )
は、抗インフルエンザウイルス薬 XOFLUZA®          (一般名:バロキサビル マルボキシル)       について、
提携先である F. Hoffmann-La Roche Ltd. 本社:スイス バーゼル、
                               (             CEO:Dr. Severin Schwan、
以下「Roche グループ」  )が「12 歳以上のインフルエンザウイルス感染曝露後予防」を追加適応
として、米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したことをお知らせいたします。本追加適応
の承認は日本国内第 III 相臨床試験(BLOCKSTONE1)の結果をもとに判断されました。なお、
FDA の審査終了目標日(PUDUFA date)は 2020 年 11 月 23 日でした。

  BLOCKSTONE では「インフルエンザウイルス感染患者のいる家族または共同生活者(以下、
被験者)   に被検薬を投与したときの投与後 10 日の間にインフルエンザウイルスに感染し、          発熱か
つ呼吸器症状を発現した被験者の割合」を主要評価項目として、XOFLUZA       ®の 1 回経口投与によ

るインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果を検証しています。インフルエンザウイルスに
感染し、発熱かつ呼吸器症状を発現した被験者の割合は、XOFLUZA 投与群で 1.9%、プラセボ
投与群で 13.6%でした。安全性に関しては、XOFLUZA は良好な忍容性を示し、安全性上の新た
な懸念はありませんでした。BLOCKSTONE の結果は、New England Journal of Medicine の
2020 年 7 月 8 日号に掲載されています 1。

 本薬の開発および販売は、Roche グループとの提携下で進めており、日本と台湾における販売
は塩野義製薬が、それ以外の国では Roche グループが行います。
 米国では「12 歳以上の合併症のない発症後 48 時間以内の急性のインフルエンザウイルス感染
症治療」および「12 歳以上の合併症を併発するリスクが高い患者の発症後 48 時間以内の急性の
インフルエンザウイルス感染症治療」の適応で FDA から承認されています 2,3。また、新型コロ
ナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行が懸念される 2020/21 シーズンにおいても、米国
疾病予防管理センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)のガイドラインに
おいて、XOFLUZA はインフルエンザウイルス感染症患者に対する治療薬として推奨されていま
す 4。
 なお、米国における「1 歳以上 12 歳未満の合併症のない発症後 48 時間以内の急性のインフル
エンザウイルス感染症治療、および 1 歳以上 12 歳未満のインフルエンザウイルス感染曝露後予
防」の適応については、Roche グループが引き続き、FDA との協議を進めています。
 また、欧州においては、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)より、                      「12 歳以
上の合併症のないインフルエンザウイルス感染症治療」および「12 歳以上のインフルエンザウイ
ルス感染曝露後予防」を適応症として、XOFLUZA の承認を推奨する肯定的な見解が発表されて
います 5。


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 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、治療薬の研究・開発だけにとどまらず、啓発・予防・診断ならびに重症化抑制といっ
た感染症のトータルケアに対する取り組みを進めております。引き続き本薬の有効性、安全性に
関するデータの収集と解析に鋭意取り組み、適正使用に向けた情報提供活動に努めてまいります。

 なお、本件が 2021 年 3 月期連結業績に与える影響は軽微です。

                                        以   上




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【BLOCKSTONE 試験 1 について】
 BLOCKSTONE 試験は、インフルエンザウイルス感染症患者(初発患者)の同居家族または
共同生活者を対象に実施した、多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較の第 III 相臨
床試験です。本試験は 750 例を対象に、日本で塩野義製薬が実施いたしました。被験者は
XOFLUZA の 1 回投与群、またはプラセボ投与群に無作為に割り当てられました。XOFLUZA
の投与量は、12 歳以上では体重に応じて 40mg または 80mg を 1 回投与、12 歳未満では体重に
基づき投与量が設定されました。本試験の主要評価項目は投与後 10 日間における、インフルエ
ンザウイルスに感染し、発熱かつ呼吸器症状を有する被験者の割合です。XOFLUZA の 1 回経
口投与によるインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果が認められ、インフルエンザウイル
スに感染し、発熱かつ呼吸器症状を発現した被験者の割合は、XOFLUZA 投与群で 1.9%、プラ
セボ投与群で 13.6%でした。また、XOFLUZA 投与群において重篤な有害事象の発現は認めら
れませんでした。BLOCKSTONE 試験の結果は、New England Journal of Medicine の 2020
年 7 月 8 日号に掲載されています。

【XOFLUZA®について】
    塩野義製薬が創製した XOFLUZA は、キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害作用によりイン
フルエンザウイルスの増殖を抑制します。本薬は 1 回の経口投与で治療が完結します。
XOFLUZA は非臨床試験において、オセルタミビルに耐性を示すウイルスおよび、鳥インフルエ
ンザウイルス(H7N9、H5N1)を含むインフルエンザウイルスに抗ウイルス効果を示しました
6, 7。本薬は、日米を含め複数の国で承認されております。米国における詳細は XOFLUZA ホー

ムページをご覧ください。Roche グループは、1 歳未満の小児を対象としたグローバル第 III 相
臨床試験(miniSTONE-1 試験)
                   、また本薬のインフルエンザウイルス伝播抑制効果について検証
するためのグローバル第 III 相臨床試験(CENTERSTONE 試験)を実施中です。また、当社は
本薬のインフルエンザウイルス感染症の発症予防効果について検証し、第 III 相臨床試験におけ
る良好な有効性および安全性の結果をもとに、2019 年 10 月 16 日に日本において、インフルエ
ンザウイルス感染症予防に関する効能・効果追加申請 8、2020 年 3 月 31 日には台湾において成
人および 12 歳以上の小児におけるインフルエンザウイルス感染曝露後予防に関する新薬承認追
加申請を実施しております 9。

参考:
1. Hideyuki Ikematsu, MD et al. Baloxavir Marboxil for Prophylaxis against Influenza in
   Household Contacts. N Engl J Med 2020 Jul 8
   https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1915341
2. プレスリリース: 2018 年 10 月 25 日
   XOFLUZATM(一般名:バロキサビル マルボキシル)の米国における承認取得について-
   合併症のない急性のインフルエンザ感染症治療を適応として-
3. プレスリリース: 2019 年 10 月 18 日
   抗インフルエンザウイルス薬 XOFLUZATM の米国における適応追加承認について-合併症
   を併発するリスクが高い患者のインフルエンザウイルス感染症治療を適応として-
4. 米国疾病予防管理センター(CDC)ガイドライン
   CDC website, What You Should Know About Flu Antiviral Drugs
5. Xofluza: Pending EC decision|European Medicines Agency
   https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/summaries-opinion/xofluza
6. T. Noshi et al. In vitro Characterization of Baloxavir Acid, a First-in-Class Cap-dependent
   Endonuclease Inhibitor of the Influenza Virus Polymerase PA Subunit. Antiviral Research
   2018;160:109-117


                                            3 / 4
7.   K. Taniguchi et al. Inhibition of avian-origin influenza A(H7N9) virus by the novel cap-
     dependent endonuclease inhibitor baloxavir marboxil. Scientific Reports volume 9, Article
     number: 3466 (2019)
8.   プレスリリース: 2019 年 10 月 16 日
     抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ®のインフルエンザウイルス感染症予防に関する日
     本における効能・効果追加申請について
9.   プレスリリース: 2020 年 3 月 31 日
     抗インフルエンザウイルス薬「紓伏效®(ゾフルーザ®)                            」のインフルエンザウイルス感染症
     予防に関する台湾における新薬承認追加申請について




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