4507 塩野義薬 2020-11-19 09:00:00
長期作用型注射剤カボテグラビルのHIV感染予防におけるFDAからのブレイクスルーセラピー指定に関するViiV社の発表について [pdf]

                                                          2020 年 11 月 19 日
 各   位
                                    会 社 名    塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                                    代表者名     代表取締役社長         手 代 木      功
                                      (コード番号 4507 東証第一部)
                                    問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                            TEL (06)6209-7885


          長期作用型注射剤カボテグラビルの HIV 感染予防における
     FDA からのブレイクスルーセラピー指定に関する ViiV 社の発表について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
      )は、当社が GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに資本参加している
または「当社」
ViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、
以下「ViiV 社」)が、長期作用型注射剤カボテグラビルの HIV 感染予防に対する使用に関して、
米国食品医薬品局(FDA)よりブレイクスルーセラピーの指定を受けたことを発表しましたので、
お知らせいたします。


 ブレイクスルーセラピーとは、重篤あるいは生命を脅かす疾患に関する薬剤の開発および審査
の促進を目的とした FDA の制度です。本制度の指定を受けるためには、1 つ以上の臨床的に重要
な評価項目において、既存の治療法と比較し、当該薬剤の顕著な改善を示す予備的臨床エビデン
スが必要です。今回の指定は、本剤の HIV 感染予防効果を検証する第 IIb/III 相臨床試験(HPTN
083 試験)の最終解析結果をもとに判断されました。これにより、承認までの期間短縮のための
開発・申請計画の相談や、審査資料の段階的な提出・審査などが可能になります。今後 ViiV 社は、
HPTN 083 試験および HPTN 084 試験のデータを基に当局への承認申請を予定しています。


 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」
を特定し、HIV 感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。HIV 感染
症は今なお国際社会における大きな課題です。2019 年末時点において推定 3,800 万人が HIV に
感染しており、年間 170 万人が新たに HIV に感染しています。当社は ViiV 社の株主として、世
界中の皆さまにより良い HIV 感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待すると
ともに、今後も同社の経営に参画することで、HIV 感染症治療や予防におけるドルテグラビル
およびカボテグラビルの価値最大化に貢献してまいります。


 なお、本件が 2021 年 3 月期の業績に与える影響は軽微です。


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【HPTN 083 試験(NCT02720094)について】
 HPTN 083 試験は、HIV 感染予防において、エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマ
ル酸塩(FTC/TDF)錠(200mg/300mg)の 1 日 1 回経口投与と比較して、2 か月毎に投与する長
期作用型注射剤カボテグラビルの安全性と有効性を評価するためにデザインされた第 IIb/III 相二
重盲検試験です。HPTN 083 試験は、アルゼンチン、ブラジル、ペルー、米国、南アフリカ、タ
イ、ベトナムの施設で、男性と性行為を行う男性またはトランスジェンダーの女性、4,570 名を対
象に実施されました。
 試験デザインの詳細は、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02720094 を、試験結果の詳細
は、2020 年 7 月 10 日 プレスリリースをご覧ください。


【HPTN 084 試験(NCT03164564)について】
 HPTN 084 試験は、HIV 感染予防に対する有効性と安全性を、HIV 感染リスクが高い女性 3,200
名を対象に、2 か月毎に投与する長期作用型注射剤カボテグラビルと FTC/TDF 錠(200mg/300mg)
の 1 日 1 回経口投与と比較評価するためにデザインされた第 III 相二重盲検比較試験です。HPTN
084 は、2017 年 11 月に登録開始され、計 3,223 名が登録されました。ボツワナ、ケニア、マラ
ウイ、南アフリカ、エスワティニ、ウガンダ、ジンバブエの 7 か国 20 施設で実施されています。
これらのサハラ以南の地域では女性の HIV 感染率が高いことが知られています。
 試験デザインの詳細は https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03164564 を、試験結果の詳細
は、2020 年 11 月 11 日のプレスリリースご覧ください。




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