4507 塩野義薬 2019-03-07 16:00:00
デジタル治療用アプリAKL-T01、AKL-T02の導入に関するAkili社とのライセンス契約締結について [pdf]

                                                        2019 年 3 月 7 日
 各   位
                                    会 社 名   塩 野 義 製 薬 株 式 会 社
                                    代表者名    代表取締役社長      手 代 木      功
                                      (コード番号 4507 東証第一部)
                                    問合せ先 広 報 部 長 京 川 吉 正
                                            TEL (06)6209-7885

         デジタル治療用アプリ AKL-T01、AKL-T02 の導入に関する
             Akili 社とのライセンス契約締結について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」
または「当社」        )は、この度、デジタル治療用アプリ AKL-T01、AKL-T02 の導入に関する契約を
Akili Interactive Labs, Inc. 本社:米国マサチューセッツ州、
                           (                CEO:Eddie Martucci、 「Akili
                                                               以下
社」 )との間で締結しましたので、お知らせいたします。なお、本件は 2018 年 5 月 9 日に発表し
た戦略的事業投資の一環です。

  Akili 社が独自に開発した AKL-T01 は、小児の注意欠陥/多動性障害(以下:小児 ADHD)を
対象としたデジタル治療用アプリです。ADHD と診断された 8 歳~12 歳の小児患者 348 例を対
象としたピボタル試験 * で、AKL-T01 は対象群と比較して、T.O.V.A.®(Test of Variables of
Attention)**の注意機能スコアである Attention Performance Index(API)の有意な改善を示し
ました 1。この臨床試験の結果をもとに、Akili 社は AKL-T01 を小児 ADHD のデジタル治療用ア
プリとして FDA へ承認申請中です。また、AKL-T02 は、自閉スペクトラム症(ASD)を対象と
した開発ステージにあるデジタル治療用アプリです。
                                                * 承認取得における主要な臨床試験

                            ** 米国   FDA が承認した注意、抑制制御に関する客観的な評価方法


 このたびの契約締結により、本契約に基づく両デジタル治療用アプリの日本および台湾におけ
る独占的開発・販売権を当社が獲得いたします。Akili 社は、製造・データ管理・技術サポートを
担います。当社は、契約締結に伴う一時金 20 百万ドル、今後の開発進展や製品上市後の販売額な
どに応じたマイルストンを最大で合計 105 百万ドル、ならびに製品上市後の販売額に応じたロイ
ヤリティーを Akili 社に支払います。また、塩野義製薬は今後、Akili 社への出資も予定していま
す。

 塩野義製薬は「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ことを経営目標として掲げ
た中期経営計画 SGS2020 の中で、
                   「個人が生き生きとした社会創り」を当社が取り組むべき社会
課題の一つにあげております。当社は Akili 社との提携を通じて、デジタル治療への取り組みを
推進し、ADHD を含む精神・神経系疾患に苦しむ患者様へ新たな治療選択肢を提供することで、
「個人が生き生きとした社会創り」に貢献してまいります。

 なお、本件が 2019 年(平成 31 年)3 月期の業績に与える影響は軽微です。

                                                                以   上


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【AKL-T01 について】
AKL-T01 は、小児 ADHD を対象としたデジタル治療用アプリです。AKL-T01 は、スマートフォ
ンやタブレット上で操作するゲーム形式の治療法であり、認知機能において重要な役割を果たす
とされる、脳の前頭前野を活性化するように設計されています。Akili 社は、米国において、ADHD
と診断された 8 歳~12 歳の小児患者 348 例を対象としたピボタル試験(多施設、無作為化、二重
盲検、アクティブコントロール比較)を完了しています。現在、米国においては小児 ADHD のデ
ジタル治療用アプリとして FDA へ承認申請中です。


【AKL-T02 について】
AKL-T02 は小児の自閉スペクトラム症(ASD)の不注意症状の治療法として開発中のデジタル治
療用アプリです。Akili 社は ASD の専門家の協力の下で、AKL-T02 を ASD 患者を対象とした製
品として開発しました。AKL-T02 は深刻な不注意症状を有する小児 ASD 患者を対象にフィージ
ビリティ試験 ***の実施を完了しております。この臨床試験では、AKL-T02 が小児 ASD 患者の注
意機能および両親からの報告による行動症状指標に与える影響を評価しています。現在、より大
規模な臨床試験を計画中です。
      *** 医療機器の設計コンセプトを確認するため、仮説の確立、製品の改良、試験の症例数設定などを目的

        に、小規模で実施する試験。


【Akili 社について】
Akili 社は、デジタル治療用アプリ開発に取り組む企業であり、革新的な医薬品を創生するために
独創的な技術で医療への応用を進めています。Akili 社は先駆者として、高品質のビデオゲームに
よるデジタル治療用アプリを開発しています。Akili 社は、ADHD、大うつ病性障害(MDD) ASD
                                              、
を含む精神・神経領域、そして各種炎症性疾患の認知機能障害の治療や、症状を改善するための
広範な領域におけるパイプラインの開発を進めています。また、Akili 社は、総合的な臨床モニ
ターに加えて、測定値に基づいた治療を行うためのアプリケーションも開発しています。Akili 社
は、PureTech Health(PRTC.L)によって共同設立され、Digital Therapeutics Alliance の創立
メンバーです。Akili 社の詳細については、www.akiliinteractive.comをご覧ください。

参考:
1. 2017 年 12 月 4 日:Akili 社発表プレスリリース
   Akili Achieves Primary Efficacy Endpoint in Pediatric ADHD Pivotal Trial




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