4507 塩野義薬 2020-06-24 17:00:00
2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
2020年6月24日
上場会社名 塩野義製薬株式会社 上場取引所 東
コード番号 4507 URL http://www.shionogi.co.jp
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名)手代木 功
問合せ先責任者 (役職名) 広報部長 (氏名)京川 吉正 TEL 06-6202-2161
(百万円未満切捨て)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社の所有者に 当期包括利益
売上収益 営業利益 税引前利益 当期利益
帰属する当期利益 合計額
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年3月期 333,371 △9.4 130,628 △10.0 158,516 △8.9 122,194 △10.8 122,193 △10.9 36,381 △73.5
2019年3月期 367,960 - 145,081 - 174,043 - 136,918 - 137,191 - 137,378 -
基本的1株当たり 希薄化後 親会社所有者帰属持分 資産合計 売上収益
当期利益 1株当たり当期利益 当期利益率 税引前利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2020年3月期 395.71 395.28 15.5 17.5 39.2
2019年3月期 438.47 434.71 17.8 19.4 39.4
(参考)持分法による投資損益 2020年3月期 -百万円 2019年3月期 -百万円
(2)連結財政状態
親会社の所有者に 親会社所有者 1株当たり親会社
資産合計 資本合計
帰属する持分 帰属持分比率 所有者帰属持分
百万円 百万円 百万円 % 円 銭
2020年3月期 871,526 764,611 764,560 87.7 2,516.79
2019年3月期 938,540 813,087 808,774 86.2 2,598.16
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2020年3月期 131,940 △29,144 △88,174 208,861
2019年3月期 165,000 △56,256 △89,912 195,800
2.配当の状況
年間配当金 親会社所有者
配当金総額 配当性向
(合計) (連結)
帰属持分配当
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 率(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2019年3月期 - 44.00 - 50.00 94.00 29,402 21.4 3.8
2020年3月期 - 50.00 - 53.00 103.00 31,670 26.0 4.0
2021年3月期(予想) - 53.00 - 53.00 106.00 31.1
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
親会社の所有者に 基本的1株当たり
売上収益 営業利益 税引前利益
帰属する当期利益 当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 155,600 - 53,800 - 61,600 - 44,900 - 147.80
通期 323,500 △3.0 110,300 △15.6 136,300 △14.0 103,600 △15.2 341.03
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):無
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更:無
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2020年3月期 316,786,165株 2019年3月期 316,786,165株
② 期末自己株式数 2020年3月期 13,002,082株 2019年3月期 5,498,751株
③ 期中平均株式数 2020年3月期 308,798,662株 2019年3月期 312,883,878株
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です。
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(国際財務報告基準(IFRS)の適用)
当社グループは2020年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表より、国際財務報告基準(IFRS)を任意適用し
ております。また、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに準拠して表示しております。なお、当社グループ
は日本基準に基づく2020年3月期の決算短信を2020年5月11日に公表しております。
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判
断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
○添付資料の目次
1.連結財務諸表及び主な注記……………………………………………………………………………………………… 2
(1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書………………………………………………………………………… 2
連結損益計算書……………………………………………………………………………………………………… 2
連結包括利益計算書………………………………………………………………………………………………… 3
(2)連結財政状態計算書………………………………………………………………………………………………… 4
(3)連結持分変動計算書………………………………………………………………………………………………… 6
(4)連結キャッシュ・フロー計算書…………………………………………………………………………………… 7
(5)連結財務諸表に関する注記事項…………………………………………………………………………………… 9
(セグメント情報)…………………………………………………………………………………………………… 9
(1株あたり情報)…………………………………………………………………………………………………… 9
2.IFRSへの移行に関する開示……………………………………………………………………………………………… 10
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塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
1.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
(連結損益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
売上収益 367,960 333,371
売上原価 △55,591 △56,782
売上総利益 312,369 276,589
販売費及び一般管理費 △87,668 △95,094
研究開発費 △52,058 △47,949
製品に係る無形資産償却費 △4,273 △3,255
その他の収益 1,394 4,291
その他の費用 △24,680 △3,951
営業利益 145,081 130,628
金融収益 32,371 30,504
金融費用 △3,409 △2,616
税引前利益 174,043 158,516
法人所得税費用 △37,124 △36,322
当期利益 136,918 122,194
当期利益の帰属
親会社の所有者 137,191 122,193
非支配持分 △272 1
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 438.47 395.71
希薄化後1株当たり当期利益(円) 434.71 395.28
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(連結包括利益計算書)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
当期利益 136,918 122,194
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本
22,581 △62,544
性金融商品
確定給付制度に係る再測定 △13,889 503
純損益に振り替えられることのない項目の合計 8,692 △62,040
純損益に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額 △7,721 △26,247
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動 △510 2,474
純損益に振り替えられる可能性のある項目の合計 △8,232 △23,772
税引後その他の包括利益合計 460 △85,813
当期包括利益 137,378 36,381
当期包括利益の帰属
親会社の所有者 137,926 36,594
非支配持分 △547 △213
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(2)連結財政状態計算書
(単位:百万円)
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年4月1日) (2019年3月31日) (2020年3月31日)
資産
非流動資産
有形固定資産 72,165 70,986 71,350
のれん 10,767 3,358 10,854
無形資産 42,453 47,804 46,536
使用権資産 5,320 5,915 4,657
その他の金融資産 299,586 302,709 202,161
退職給付に係る資産 10,340 - -
繰延税金資産 378 534 3,048
その他の非流動資産 6,895 13,586 16,890
非流動資産合計 447,908 444,895 355,500
流動資産
棚卸資産 30,846 35,125 33,818
営業債権 82,140 100,951 79,804
その他の金融資産 110,551 150,530 171,157
未収法人所得税 59 395 192
その他の流動資産 10,083 10,840 22,191
現金及び現金同等物 176,135 195,800 208,861
流動資産合計 409,816 493,645 516,026
資産合計 857,725 938,540 871,526
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(単位:百万円)
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年4月1日) (2019年3月31日) (2020年3月31日)
資本及び負債
資本
資本金 21,279 21,279 21,279
資本剰余金 21,055 21,277 20,432
自己株式 △36,641 △28,882 △77,292
利益剰余金 545,498 613,483 708,291
その他の資本の構成要素 179,365 181,616 91,848
親会社の所有者に帰属する持分 730,557 808,774 764,560
非支配持分 4,257 4,313 51
資本合計 734,814 813,087 764,611
負債
非流動負債
社債及び借入金 18,393 - -
リース負債 5,731 6,006 4,791
その他の金融負債 4,202 4,354 4,179
退職給付に係る負債 8,865 18,136 16,089
繰延税金負債 6,291 444 373
その他の非流動負債 393 360 362
非流動負債合計 43,876 29,303 25,795
流動負債
社債及び借入金 10,000 918 -
リース負債 2,636 3,306 3,361
営業債務 7,698 9,442 10,763
その他の金融負債 10,470 17,008 17,557
未払法人所得税 18,402 34,016 21,886
その他の流動負債 29,826 31,457 27,551
流動負債合計 79,034 96,149 81,119
負債合計 122,910 125,452 106,915
資本及び負債合計 857,725 938,540 871,526
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(3)連結持分変動計算書
(単位:百万円)
親会社の
その他の
資本剰余 利益剰余 所有者に 非支配持
資本金
金
自己株式
金
資本の構
帰属する 分
資本合計
成要素
持分
2018年4月1日残高 21,279 21,055 △36,641 545,498 179,365 730,557 4,257 734,814
当期利益 137,191 137,191 △272 136,918
税引後その他の包括利益合計 734 734 △274 460
当期包括利益 137,191 734 137,926 △547 137,378
自己株式の取得 △50,020 △50,020 △50,020
自己株式の処分 △1,481 19,174 17,693 17,693
自己株式の消却 △38,604 38,604 - -
配当金 △27,669 △27,669 △27,669
企業結合による変動 - -
支配継続子会社に対する持分変動 288 288 604 892
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 △1,516 1,516 - -
その他 40,019 △40,020 △0 △1 △1
2019年3月31日残高 21,279 21,277 △28,882 613,483 181,616 808,774 4,313 813,087
当期利益 122,193 122,193 1 122,194
税引後その他の包括利益合計 △85,598 △85,598 △214 △85,813
当期包括利益 122,193 △85,598 36,594 △213 36,381
自己株式の取得 △50,012 △50,012 △50,012
自己株式の処分 △509 1,602 1,092 1,092
自己株式の消却 - -
配当金 △31,134 △31,134 △31,134
企業結合による変動 - 90 90
支配継続子会社に対する持分変動 △755 △755 △4,187 △4,942
その他の資本の構成要素から利益剰余金への振替 4,169 △4,169 - -
その他 420 △420 0 49 49
2020年3月31日残高 21,279 20,432 △77,292 708,291 91,848 764,560 51 764,611
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(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益 174,043 158,516
減価償却費及び償却費 14,431 14,115
減損損失 17,168 100
金融収益及び金融費用 △32,963 △29,233
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) △18,570 21,371
棚卸資産の増減額(△は増加) △3,637 1,158
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) 4,922 △5,747
その他 3,711 △9,202
小計 159,106 151,078
利息及び配当金の受取額 30,086 29,565
利息の支払額 △693 △348
法人所得税の支払額 △23,499 △48,354
営業活動によるキャッシュ・フロー 165,000 131,940
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入による支出 △123,651 △200,827
定期預金の払戻による収入 91,064 174,672
有形固定資産の取得による支出 △6,547 △8,945
有形固定資産の売却による収入 751 3,427
無形資産の取得による支出 △18,848 △2,823
子会社の取得による支出 - △4,525
関連会社の取得による支出 △5,742 △4,252
投資の取得による支出 △11,964 △99,630
投資の売却による収入 20,725 119,485
事業譲受による支出 △937 -
その他 △1,104 △5,725
投資活動によるキャッシュ・フロー △56,256 △29,144
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塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入金の返済による支出 △10,000 -
リース負債の返済による支出 △3,022 △3,544
自己株式の取得による支出 △50,270 △50,159
配当金の支払額 △27,639 △31,122
非支配持分からの子会社持分取得による支出 - △3,367
非支配持分への子会社持分売却による収入 1,020 -
その他 - 18
財務活動によるキャッシュ・フロー △89,912 △88,174
現金及び現金同等物に係る換算差額 832 △1,560
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 19,664 13,060
現金及び現金同等物の期首残高 176,135 195,800
現金及び現金同等物の期末残高 195,800 208,861
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(5)連結財務諸表に関する注記事項
(セグメント情報等)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)及び当連結会計年度(自 2019年4月1日 至
2020年3月31日)
当社グループは、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一事
業であります。製品別の販売状況、会社別の利益などの分析は行っておりますが、事業戦略の意思決定、研究開発
費を中心とした経営資源の配分は当社グループ全体で行っており、従って、セグメント情報の開示は省略しており
ます。
(1株当たり情報)
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 137,191 122,193
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円) - -
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
137,191 122,193
(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 312,883 308,798
希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
137,191 122,193
(百万円)
当期利益調整額(百万円) △7 △0
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利
137,184 122,193
益(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 312,883 308,798
新株予約権による普通株式増加数(千株) 226 186
転換社債型新株予約権付社債による普通株式増加数
2,465 143
(千株)
希薄化効果調整後期中平均普通株式数(千株) 315,576 309,127
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 438.47 395.71
希薄化後1株当たり当期利益(円) 434.71 395.28
(注) 逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期利益の算定から除外した金融商品はありません。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
2.IFRSへの移行に関する開示
当社グループは、2020年3月31日に終了する連結会計年度の連結財務諸表から、IFRSを適用しております。
日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は2019年3月31日に終了する連結会計年度に関するもので
あり、日本基準からIFRSへの移行日は2018年4月1日であります。
(1)IFRS第1号の免除規定
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する企業(以下、初度適用企業)に対して、IFRSを遡及適用することを求
めております。ただし、一部については遡及適用を禁止する強制的な例外規定と、遡及適用しないことを任意
で選択できる免除規定が定められております。
当社グループが採用した主な免除規定は、以下のとおりであります。
・企業結合
初度適用企業は、IFRS移行日前に生じた企業結合についてIFRS第3号「企業結合」を遡及適用しないこと
が認められております。当社グループではこれを適用し、IFRS移行日前に生じた企業結合にIFRS第3号を遡
及適用しないことを選択しております。
・在外営業活動体の換算差額
初度適用企業は、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことが認められて
おります。当社グループではこれを適用し、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロと
みなしております。
・IFRS移行日以前に認識した金融商品の指定
初度適用企業は、IFRS移行日時点の事実と状況に基づいて、資本性金融商品に対する投資をその他の包括
利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定することが認められております。当社グループではこ
れを適用し、IFRS移行日時点で、すべての資本性金融資産に対する投資をその他の包括利益を通じて公正価
値で測定する金融資産に指定しております。
・株式報酬取引
初度適用企業は、IFRS移行日前に権利確定した株式報酬についてIFRS第2号「株式に基づく報酬」を遡及
適用することが奨励されておりますが、要求はされておりません。当社グループでは、IFRS移行日前に権利
確定した資本性金融商品にはIFRS第2号を遡及適用しておりません。
・顧客との契約から生じる収益
初度適用企業は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を遡及適用する必要がありますが、表示す
る最も古い期間よりも前に完了した契約(従前の会計原則に従って識別した財又はサービスのすべてを移転
している契約)を修正再表示することは要求されておりません。また、遡及適用にあたって、次の実務上の
便法のうち1つ又は複数を使用することが認められております。
(ⅰ)完了した契約については、同一の連結会計年度中に開始して終了した契約を修正再表示する必要はな
い。
(ⅱ)完了した契約のうち変動対価のある契約について、比較対象報告期間における変動対価金額を見積ら
ずに、契約が完了した日における取引価格を使用することができる。
(ⅲ)最初のIFRS報告期間の期首前の表示するすべての報告期間について、残存履行義務に配分した取引価
格の金額及び当該金額をいつ収益として認識すると見込んでいるのかの説明を開示する必要はない。
当社グループでは、これらの実務上の便法のすべてを適用することを選択しております。この実務上の便
法の適用により、売上収益について、IFRS第15号を遡及適用した場合とその計上時期、計上方法又は計上金
額が異なる可能性があります。
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・リース
① 契約にリースが含まれているか否かの判断
初度適用企業は、IFRS移行日時点で存在する事実と状況に基づき、IFRS移行日時点で存在する契約にリ
ースが含まれているか否かを判断することが認められております。当社グループではこれを適用し、IFRS
移行日時点で存在する事実と状況に基づき、契約にリースが含まれているか否かを判断しております。
② 使用権資産及びリース負債の認識及び測定のアプローチ
借手である初度適用企業は、リース負債及び使用権資産の認識にあたり、すべてのリースに以下のアプ
ローチを適用することが認められております。
(ⅰ)リース負債をIFRS移行日現在で測定する。この場合、当該リース負債は、残りのリース料をIFRS移
行日現在の借手の追加借入利率で割り引いた現在価値で測定する。
(ⅱ)使用権資産をIFRS移行日現在で測定する。この場合、リース1件ごとに、以下のいずれで測定する
のかを選択する。
・IFRS第16号「リース」がリースの開始日から測定されていたかのように帳簿価額で測定するが、
IFRS移行日現在の借手の追加借入利率で割り引く。
・リース負債と同額(IFRS移行日直前の財政状態計算書に認識していた前払リース料及び未払リー
ス料の金額で調整後)
(ⅲ)IAS第36号「資産の減損」をIFRS移行日現在で使用権資産に適用する。
当社グループでは、これらのアプローチを適用し、リース負債はIFRS移行日現在で測定、使用権資産は
リース負債と同額で測定するとともに、IAS第36号をIFRS移行日現在で使用権資産に適用しております。
③ 使用権資産及びリース負債の認識及び測定に係る実務上の便法
借手である初度適用企業は、以下のうち1つ又は複数の実務上の便法をリース1件ごとに適用すること
が認められております。
(ⅰ)特性が合理的に類似したリースのポートフォリオに単一の割引率を適用する。
(ⅱ)リース期間がIFRS移行日から12か月以内に終了するリースに、上記②の要求事項を適用しない。
(ⅲ)原資産が少額であるリースに、上記②の要求事項を適用しない。
(ⅳ)初期直接コストをIFRS移行日現在の使用権資産の測定から除外する。
(ⅴ)契約にリースを延長又は解約するオプションが含まれている場合にリース期間を算定する際など
に、事後的判断を使用する。
当社グループでは、上記(ⅰ)~(ⅴ)の免除規定を、該当する契約にそれぞれ適用することを選択してお
ります。
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(2)日本基準からIFRSへの調整表
日本基準からIFRSへの移行が、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響は、次のとおりであり
ます。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識・測定の差
異」には利益剰余金又は包括利益に影響を及ぼす項目を表示しております。
① 前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の損益及び包括利益に対する調整
[連結損益計算書]
(単位:百万円)
認識・測定
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 IFRS 注記 IFRS表示科目
の差異
売上高 363,721 - 4,238 367,960 H 売上収益
売上原価 △54,880 - △710 △55,591 F,H 売上原価
売上総利益 308,841 - 3,528 312,369 売上総利益
A,C,E,F
販売費及び一般管理費 △170,303 76,033 6,601 △87,668 販売費及び一般管理費
,G,H
- △68,325 16,266 △52,058 B,E,F,G 研究開発費
- △7,799 3,525 △4,273 B 製品に係る無形資産償却費
- 1,372 21 1,394 その他の収益
- △20,685 △3,995 △24,680 A,B その他の費用
営業利益 138,537 △19,403 25,947 145,081 営業利益
営業外収益 33,256 △33,256 - -
営業外費用 △5,218 5,218 - -
特別利益 20,854 △20,854 - -
特別損失 △17,086 17,086 - -
- 32,381 △10 32,371 金融収益
- △1,637 △1,771 △3,409 C,H 金融費用
税金等調整前当期純利益 170,343 △20,465 24,165 174,043 税引前利益
法人税等合計 △37,037 124 △211 △37,124 I 法人所得税費用
当期純利益 133,306 △20,341 23,953 136,918 当期利益
当期利益の帰属
親会社株主に帰属する当期
132,759 △20,341 24,773 137,191 親会社の所有者
純利益
非支配株主に帰属する当期
547 - △820 △272 非支配持分
純利益
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[連結包括利益計算書]
(単位:百万円)
認識・測定
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 IFRS 注記 IFRS表示科目
の差異
当期純利益 133,306 - 3,612 136,918 当期利益
その他の包括利益 その他の包括利益
純損益に振り替えられる
ことのない項目
その他の包括利益を通
その他有価証券評価差額
△6,929 - 29,511 22,581 D じて公正価値で測定す
金
る資本性金融商品
確定給付制度に係る再
退職給付に係る調整額 3,937 - △17,827 △13,889 F
測定
純損益に振り替えられる
- - 11,684 8,692
ことのない項目の合計
純損益に振り替えられる
可能性のある項目
在外営業活動体の換算
為替換算調整勘定 △3,260 - △4,460 △7,721
差額
キャッシュ・フロー・
繰延ヘッジ損益 △427 - △83 △510 ヘッジの公正価値の純
変動
純損益に振り替えられる
- - △4,544 △8,232
可能性のある項目の合計
税引後その他の包括利益合
その他の包括利益合計 △6,679 - 7,139 460
計
包括利益 126,626 - 10,752 137,378 当期包括利益
(内訳) 当期包括利益の帰属
親会社株主に係る包括利
126,300 - 11,625 137,926 親会社の所有者
益
非支配株主に係る包括利
326 - △873 △547 非支配持分
益
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② IFRS移行日(2018年4月1日)の資本に対する調整
(単位:百万円)
認識・測定
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 IFRS 注記 IFRS表示科目
の差異
資産の部 資産
固定資産 非流動資産
有形固定資産 75,956 △3,002 △788 72,165 有形固定資産
無形固定資産
のれん 32,852 - △22,085 10,767 A のれん
販売権 38,073 △38,073 - -
その他 4,134 △4,134 - -
- 42,207 245 42,453 B 無形資産
- 146 5,174 5,320 C 使用権資産
投資その他の資産
投資有価証券 155,675 △155,675 - -
- 155,485 144,101 299,586 D その他の金融資産
退職給付に係る資産 21,735 - △11,394 10,340 F 退職給付に係る資産
繰延税金資産 738 - △359 378 I 繰延税金資産
その他 2,835 △2,835 - -
貸倒引当金 △42 42 - -
- 5,839 1,055 6,895 その他の非流動資産
固定資産合計 331,959 - 115,949 447,908 非流動資産合計
流動資産 流動資産
商品及び製品 14,716 △14,716 - -
仕掛品 6,993 △6,993 - -
原材料及び貯蔵品 12,926 △12,926 - -
- 34,636 △3,790 30,846 E 棚卸資産
受取手形及び売掛金 53,240 △53,240 - -
貸倒引当金 △36 36 - -
- 53,203 28,937 82,140 H 営業債権
有価証券 124,300 △124,300 - -
- 110,173 377 110,551 その他の金融資産
- 59 - 59 未収法人所得税
その他 27,257 △18,227 1,053 10,083 その他の流動資産
現金及び預金 140,106 32,294 3,735 176,135 現金及び現金同等物
流動資産合計 379,504 - 30,312 409,816 流動資産合計
資産合計 711,463 - 146,261 857,725 資産合計
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(単位:百万円)
認識・測定
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 IFRS 注記 IFRS表示科目
の差異
資本及び負債
純資産の部 資本
資本金 21,279 - - 21,279 資本金
資本剰余金 20,227 527 300 21,055 資本剰余金
自己株式 △36,641 - - △36,641 自己株式
利益剰余金 574,392 - △28,893 545,498 K 利益剰余金
その他の資本の構成要
- 21,589 157,775 179,365 D,F,J
素
親会社の所有者に帰属
株主資本合計 579,257 22,117 129,182 730,557
する持分
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差
35,856 △35,856 - -
額金
繰延ヘッジ損益 1,174 △1,174 - -
為替換算調整勘定 △15,330 15,330 - -
退職給付に係る調整累
△111 111 - -
計額
新株予約権 527 △527 - -
非支配株主持分 3,466 - 790 4,257 非支配持分
純資産合計 604,840 - 129,973 734,814 資本合計
負債の部 負債
固定負債 非流動負債
社債 18,491 △18,491 - -
- 18,491 △98 18,393 社債及び借入金
- 94 5,636 5,731 C リース負債
- 4,202 - 4,202 その他の金融負債
退職給付に係る負債 8,096 - 768 8,865 F 退職給付に係る負債
繰延税金負債 3,123 - 3,167 6,291 I 繰延税金負債
その他 4,344 △4,296 345 393 その他の非流動負債
固定負債合計 34,056 - 9,819 43,876 非流動負債合計
流動負債 流動負債
1年内返済予定の長期
10,000 - - 10,000 社債及び借入金
借入金
- 83 2,553 2,636 C リース負債
支払手形及び買掛金 8,016 △317 - 7,698 営業債務
- 10,299 170 10,470 その他の金融負債
未払法人税等 19,513 △1,110 - 18,402 未払法人所得税
引当金 10,207 △10,207 - -
その他 24,829 1,252 3,744 29,826 G その他の流動負債
流動負債合計 72,565 - 6,468 79,034 流動負債合計
負債合計 106,622 - 16,288 122,910 負債合計
負債純資産合計 711,463 - 146,261 857,725 資本及び負債合計
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③ 前連結会計年度(2019年3月31日)の資本に対する調整
(単位:百万円)
認識・測定
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 IFRS 注記 IFRS表示科目
の差異
資産の部 資産
固定資産 非流動資産
有形固定資産 74,653 △3,667 - 70,986 有形固定資産
無形固定資産
のれん 19,258 - △15,899 3,358 A のれん
販売権 30,319 △30,319 - -
その他 5,191 △5,191 - -
- 35,511 12,293 47,804 B 無形資産
- 884 5,031 5,915 C 使用権資産
投資その他の資産
投資有価証券 151,851 △151,851 - -
- 145,391 157,318 302,709 D その他の金融資産
退職給付に係る資産 30,721 - △30,721 - F 退職給付に係る資産
繰延税金資産 1,792 - △1,258 534 I 繰延税金資産
その他 3,250 △3,250 - -
貸倒引当金 △42 42 - -
- 12,451 1,134 13,586 その他の非流動資産
固定資産合計 316,997 - 127,897 444,895 非流動資産合計
流動資産 流動資産
商品及び製品 18,741 △18,741 - -
仕掛品 7,272 △7,272 - -
原材料及び貯蔵品 14,097 △14,097 - -
- 40,111 △4,985 35,125 E 棚卸資産
受取手形及び売掛金 65,918 △65,918 - -
貸倒引当金 △43 43 - -
- 65,874 35,076 100,951 H 営業債権
有価証券 133,264 △133,264 - -
- 149,874 656 150,530 その他の金融資産
- 395 - 395 未収法人所得税
その他 28,942 △19,256 1,153 10,840 その他の流動資産
現金及び預金 193,549 2,250 - 195,800 現金及び現金同等物
流動資産合計 461,743 - 31,901 493,645 流動資産合計
資産合計 778,741 - 159,799 938,540 資産合計
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塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
(単位:百万円)
認識・測定
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 IFRS 注記 IFRS表示科目
の差異
資本及び負債
純資産の部 資本
資本金 21,279 - - 21,279 資本金
資本剰余金 20,512 527 237 21,277 資本剰余金
自己株式 △28,882 - - △28,882 自己株式
利益剰余金 639,461 - △25,977 613,483 K 利益剰余金
その他の資本の構成要
- 15,130 166,485 181,616 D,F,J
素
親会社の所有者に帰属
株主資本合計 652,371 15,658 140,744 808,774
する持分
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差
28,927 △28,927 - -
額金
繰延ヘッジ損益 747 △747 - -
為替換算調整勘定 △18,370 18,370 - -
退職給付に係る調整累
3,826 △3,826 - -
計額
新株予約権 527 △527 - -
非支配株主持分 4,400 - △86 4,313 非支配持分
純資産合計 672,429 - 140,657 813,087 資本合計
負債の部 負債
固定負債 非流動負債
- 614 5,391 6,006 C リース負債
- 4,354 - 4,354 その他の金融負債
退職給付に係る負債 11,930 - 6,205 18,136 F 退職給付に係る負債
繰延税金負債 124 - 319 444 I 繰延税金負債
その他 5,147 △4,969 182 360 その他の非流動負債
固定負債合計 17,203 - 12,099 29,303 非流動負債合計
流動負債 流動負債
1年内償還予定の社債 920 - △2 918 社債及び借入金
- 264 3,042 3,306 C リース負債
支払手形及び買掛金 9,442 - - 9,442 営業債務
- 16,623 384 17,008 その他の金融負債
未払法人税等 35,870 △1,854 - 34,016 未払法人所得税
引当金 10,654 △10,654 - -
その他 32,219 △4,379 3,617 31,457 G その他の流動負債
流動負債合計 89,107 - 7,042 96,149 流動負債合計
負債合計 106,311 - 19,141 125,452 負債合計
負債純資産合計 778,741 - 159,799 938,540 資本及び負債合計
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④ 資本及び包括利益に対する調整に関する注記
IFRS移行日(2018年4月1日)の連結財政状態計算書及び前連結会計年度(自 2018年4月1日 至
2019年3月31日)の連結財務諸表について、IFRSの規定に基づき表示組替を行っており、主なものは以下
のとおりであります。
・研究開発費及び販売権等の無形資産に係る償却費について、日本基準では、「販売費及び一般管理
費」に含めて表示しておりますが、IFRSでは、それぞれ「研究開発費」及び「製品に係る無形資産償
却費」として独立掲記しております。
・日本国内における住民税均等割について、日本基準では、「法人税等合計」に含めて表示しておりま
すが、IFRSでは「販売費及び一般管理費」に含めて表示しております。
・日本基準で「有形固定資産」に含めて表示しているファイナンス・リース資産について、IFRSでは、
「使用権資産」に含めて表示しております。
・預入期間が3カ月を超える預金について、日本基準では、「現金及び預金」に含めて表示しておりま
すが、IFRSでは、「その他の金融資産」に含めて表示しております。また、容易に換金可能かつ価値
変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資につい
て、日本基準では、「有価証券」に含めて表示しておりますが、IFRSでは、「現金及び現金同等物」
に含めて表示しております。
・新株予約権について、日本基準では、独立掲記しておりますが、IFRSでは、「資本剰余金」に含めて
表示しております。
認識・測定の差異の主な項目は、以下のとおりであります。
(A)のれん
当社グループは、IFRS移行日前に生じた企業結合にIFRS第3号を遡及適用しないことを選択しており
ます。
また、日本基準では、減損の兆候がある場合のみ減損の要否の判断を行っていましたが、IFRSでは、
毎期減損テストを実施しております。
移行日及び前連結会計年度において減損テストを実施した結果、のれんの回収可能価額が帳簿価額を
下回ったことにより、のれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
また、日本基準では、のれんはその効果が発現すると見積もられる期間で償却しておりますが、IFRS
では、移行日以降の償却を停止しております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において「のれん」が22,085百万円及び
15,899百万円減少し、「利益剰余金」が22,085百万円及び15,899百万円減少しております。また、前連
結会計年度において「販売費及び一般管理費」が2,719百万円減少、「税引前利益」が6,810百万円増加
しております。
(B)個別に取得した仕掛研究開発資産
日本基準では、製品及び技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得
られる前に発生したものを研究開発費として費用処理しておりますが、IFRSでは、これらの費用のう
ち、IAS第38号「無形資産」における資産計上要件を満たしたものを無形資産として計上し、使用可能
となった時点から見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。また、IFRSでは、未だ使用可能
でない無形資産は毎期減損テストを実施しております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において「無形資産」が2,596百万円及び
18,623百万円増加し、「利益剰余金」が2,596百万円及び18,623百万円増加しております。また、前連
結会計年度において「研究開発費」が16,267百万円減少、「製品に係る無形資産償却費」が40百万円増
加し、「税引前利益」が16,027百万円増加しております。
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(C)使用権資産及びリース負債
日本基準では、契約の法形式がリースである契約について、ファイナンス・リース取引とオペレーテ
ィング・リース取引に分類して会計処理しております。ファイナンス・リース取引については、通常の
売買取引に準じて会計処理を行い、リース資産及びリース債務を計上しております。オペレーティン
グ・リース取引については、通常の賃貸借取引に準じて会計処理しております。また、契約の法形式が
リースでない契約については、賃貸借取引等、契約や取引の形態に応じて会計処理しており、賃借料等
の発生額は「販売費及び一般管理費」に含めて表示しております。
IFRSでは、契約の法形式がリースであるか否かにかかわらず、特定された資産の使用を支配する権利
を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約について、短期リース及び原資産が少額であるリースに
係る認識の免除規定を適用する場合を除き、使用権資産及びリース負債を計上しております。また、支
払リース料のうち金利相当額は、「金融費用」に含めて表示しております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において、「使用権資産」が5,174百万円及
び5,031百万円増加、「その他の金融資産(非流動)」が452百万円及び486百万円増加、「その他の非
流動資産」が1,055百万円及び1,134百万円増加、「その他の金融資産(流動)」が452百万円及び486百
万円増加、「その他の流動資産」が1,055百万円及び1,134百万円増加、「リース負債(非流動)」が
5,636百万円及び5,391百万円増加、「リース負債(流動)」が2,553百万円及び3,042百万円増加してお
ります。
(D)非上場株式及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産への指定
非上場株式について、日本基準では、原則として取得原価で計上しておりますが、IFRSでは、常に公
正価値で測定しております。
また、日本基準では、資本性金融商品の売却損益及び減損損失を純損益に認識しておりますが、IFRS
では、資本性金融商品への投資をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定し、公
正価値の変動額及び売却損益はその他の包括利益に認識した上で、当該投資の認識を中止した時点で、
累積利得又は損失を「その他の資本の構成要素」から「利益剰余金」に振り替えております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において、「その他の金融資産(非流動)」
が143,901百万円及び157,534百万円増加、「その他の資本の構成要素」が143,180百万円及び156,605百
万円増加しております。また、前連結会計年度において「その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
る資本性金融商品」が29,511百万円増加し、「当期包括利益」が同額増加しております。
(E)棚卸資産
日本基準では「原材料及び貯蔵品」に含めていた販売促進及び試験用資産等は、IFRSでは資産の定
義を満たさないため、購入時に費用として認識しております。
(F)退職給付に係る負債
数理計算上の差異について、日本基準では、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の
年数で償却しておりますが、IFRSでは、確定給付負債の純額の再測定の金額を発生時にその他の包括利
益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
確定給付制度が積立超過である場合には、将来掛金の減額又は現金の返還という形で利用可能な将来
の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において、「退職給付に係る資産」が11,394
百万円及び30,721百万円減少、「退職給付に係る負債」が768百万円及び6,205百万円増加、「その他の
資本の構成要素」が111百万円増加及び3,826百万円減少しております。「利益剰余金」が12,273百万円
及び32,212百万円減少しております。また、前連結会計年度において、「売上原価」が95百万円減少、
「販売費及び一般管理費」が511百万円減少、「研究開発費」が281百万円減少、「税引前利益」が887
百万円増加しております。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
(G)未払有給休暇
未消化の有給休暇について、日本基準では特段の会計処理が求められておりませんが、IFRSでは、負
債として認識しております。
(H)売上収益
IFRSでは、以下に記載の5ステップアプローチに基づき収益を計上することとし、取引内容に応じて
収益計上時点を見直しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
そのうち、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤリティーに係る収益については、その後の売上又
は使用が発生するか、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤリティーの一部又は全部が配分されてい
る履行義務が充足(又は部分的に充足)されているか、いずれかのうち遅い方が発生する時点で又は発
生するにつれて認識しております。また、一部のリベートについて、日本基準では、「販売費及び一般
管理費」で計上しておりますが、IFRSでは、顧客に支払われる対価の一部として「売上収益」から減額
しております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において、「営業債権」が28,937百万円及び
35,076百万円増加し、「利益剰余金」が29,927百万円及び35,405百万円増加しております。また、前連
結会計年度において、「売上収益」が4,238百万円増加、「売上原価」が1,016百万円増加、「販売費及
び一般管理費」が3,274百万円減少、「金融費用」が1,019百万円増加、「税引前利益」が5,477百万円
増加しております。
(I)税金
当社グループ内における棚卸資産等の取引における未実現損益に係る繰延税金資産について、日本基
準では、売却元の実効税率を用いて計算しておりますが、IFRSでは、売却先の実効税率を用いて計算し
ております。
この他、日本基準とIFRSの差異調整に伴い発生した一時差異に対して繰延税金資産及び繰延税金負債
を計上しています。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において、「繰延税金資産」が359百万円及
び1,258百万円減少、「繰延税金負債」が3,167百万円及び319百万円増加し、「利益剰余金」が6,628百
万円及び12,333百万円減少しております。また、前連結会計年度において、「法人所得税費用」が
5,704百万円増加しております。
(J)在外活動営業体の換算差額
当社グループは、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択し
ております。
上記基準差異の結果、IFRS移行日及び前連結会計年度末において「その他の資本の構成要素」が
15,330百万円減少し、「利益剰余金」が同額増加しております。
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塩野義製薬株式会社(4507) 2020年3月期 決算短信
(K)利益剰余金に対する調整
上記(A)~(J)の項目を含む、認識・測定の差異がIFRS移行日及び前連結会計年度末の利益剰余金に与
える影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
IFRS移行日 前連結会計年度
項目
(2018年4月1日) (2019年3月31日)
(A)のれん △22,085 △15,899
(B)個別に取得した仕掛研究開発資産 2,596 18,623
(E)棚卸資産 △4,696 △4,988
(F)退職給付に係る負債 △12,273 △32,212
(G)未払有給休暇 △2,767 △2,689
(H)売上収益 29,927 35,405
(I)税金 △6,628 △12,333
(J)在外活動営業体の換算差額 △15,330 △15,330
その他 2,364 3,447
利益剰余金に対する調整合計 △28,893 △25,977
⑤ 前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)のキャッシュ・フローに対する調整
日本基準では、製品及び技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得ら
れる前に発生したものを研究開発費として費用処理し、これらに係る支出を「営業活動によるキャッシ
ュ・フロー」に区分して表示しておりますが、IFRSでは、IAS第38号における資産計上の要件を満たした
ものに係る支出額である16,272百万円を「投資活動によるキャッシュ・フロー」に区分して表示おりま
す。
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