3031 ラクーンHD 2020-09-03 15:00:00
新型コロナウイルス感染拡大の影響についてのお知らせ(第2報) [pdf]

                                               2020 年 9 月 3 日
各   位
                              株式会社ラクーンホールディングス
                              代 表 取 締 役 社 長       小 方    功
                              (コード番号:3031 東証第一部)
                                問い合わせ先:
                              取 締 役 副 社 長        今 野     智
                              電 話 : 0 3 - 5 6 5 2 - 1 7 1 1


        新型コロナウイルス感染拡大の影響についてのお知らせ(第 2 報)


 この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆様及び感染拡大により困難な生
活環境におられる皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
 当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、2020 年 3 月 23 日に第 1
報としてご報告いたしておりますが、第 2 報として当社の事業展開に与える影響と今後の見通しに
ついて下記のとおりお知らせいたします。

                         記

1. EC 事業の現状について

 当社では、現在、企業間取引における構造変化が起きていると推測しております。新型コロナウ
イルスの感染拡大を防ぐため、企業間における取引は従来の対面取引から非対面取引へ移行せざる
を得ない社会経済環境となりました。この環境下において非対面(WEB)で取引ができるサービス
として「スーパーデリバリー」が再評価され、出展企業数及び会員小売店数の増加ペースが加速し
ております。

 国内の小売店の新規登録では、実店舗の事業者、ネットショップを運営する事業者ともに大幅に
増加していることから、仕入れをインターネットで行う動きが加速していると推察しております。
特に、ネットショップを運営する事業者の登録数は大幅に増加しております。長引くコロナ禍にお
いて、百貨店や実店舗を運営している企業の業績が低迷するなか、ネットショップ運営企業の業績
は好調であり、こうした背景から、「スーパーデリバリー」を利用する国内の小売店の業態にも変
化が生じていると認識しております。

 なお、2020 年 4 月期第 4 四半期において、流通額の増加を牽引したマスク・除菌グッズに関し
ては、当期に入ってからは落ち着いて推移しており流通額に占める割合は徐々に低下しています
が、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見えない状況の中、マスク・除菌グッズは新たな定番
商品となりつつあり、今後も一定規模の流通が継続すると考えております。

 また、2020 年 4 月期第 4 四半期においては、緊急事態宣言による外出自粛やリモートワークの
推進の影響を受け、国内の小売店向けのファッションジャンルの 4 月の流通額は前年同月比 45%
減となりましたが、当期に入ってからは回復し 2020 年 7 月の流通額は前年同月比 23.4%増となっ
ております。
 一方で、海外流通についても 2020 年に入ってから新規登録数が増加し、現在においても高水準
で推移しております。現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い国境をまたぐ移動が制限されてい
るため、輸出入取引に関しても対面取引から非対面取引へ移行せざるを得ない社会経済環境となり
ました。そのような環境の中で、「スーパーデリバリー」はインターネット上で日本製品(日本企
画商品を含む)の調達ができるサービスとして海外においても認知度が向上しており、海外流通額
も前年同期比で大幅増加となりました。

 この結果、「スーパーデリバリー」の 2021 年 4 月期第 1 四半期の流通額は 5,127,935 千円と前
年同期比 75.2%増と高い成長率となりました。内訳は国内流通額が前年同期比 74.9%増、海外流
通額が前年同期比 76.4%増となりました。




 現在、企業間取引は古い商習慣から新しい商習慣へ生まれ変わる過渡期を迎えております。新型
コロナウイルスの感染拡大による行動変容を機に企業間における取引は EC へシフトしつつありま
す。事実、長引くコロナ禍の中において「スーパーデリバリー」内の取引は活発化しており、流通
額は月次ベースでも前年を大幅に上回る水準で推移しております。EC へのシフトは、スーパーデ
リバリーの事業成長にとって追い風となると認識しております。この局面の変化を前向きに捉え、
「スーパーデリバリー」が企業間取引にとってなくてはならないサービスとなるよう邁進してまい
ります。


2. フィナンシャル事業の現状について

 フィナンシャル事業の事業環境も変化しております。緊急事態宣言の解除で経済活動が再開し始
めた一方で、新型コロナウイルス感染拡大の第 2 波が到来していることなどから、景気の悪化によ
る債権回収に関する不安心理も増大しております。このような背景から、売掛保証サービス(T&G
売掛保証・URIHO)への問い合わせ数の増加が続いており、クライアント数も順調に増加しており
ます。また、これまでサービスを利用したことがない企業からの問い合わせが増加していることか
らも売掛保証サービスの認知度向上を実感しております。

 一方、家賃保証サービス(居住用・事業用)につきましては、もともと 2020 年 4 月からの民法
改正に伴う事業環境の追い風がございましたが、これに、新型コロナウイルス感染症によるリスク
拡大に備えるため、一部で保証会社を見直す動きがあり問い合わせが徐々に増加しております。

 「Paid」については、2020 年 4 月期第 4 四半期に新型コロナウイルスの影響により加盟企業の売
上高が減少した影響で前年同期比の取扱高が減少いたしましたが、当期に入ってからは加盟企業の
売上高が回復していることで取扱高も前年同期比でプラス成長に回復しております。今般の新型コ
ロナウイルス感染症の環境下においてリモートワークの推進とともに、請求業務のペーパーレス化
が脚光を浴びております。請求書をペーパーレス化するサービスは数多くありますが、「Paid」は
請求業務のペーパーレス化に売掛金の保証が付加されているサービスのため優位性があります。両
者の需要増をキャッチすることで加盟企業の積極的な獲得増加に努めてまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大及び長期化によりフィナンシャル事業におけるデフォルト
コストの増大には引き続き細心の注意を払っておりますが、2021 年 4 月期第 1 四半期において
は、2020 年 4 月期第 4 四半期と同様、新型コロナウイルスの影響によるデフォルトが一部発生し
たものの、通常起こりうる変動範囲内の水準を維持しております。




 当社の売掛保証サービスは、中小企業や個人事業主などの小規模事業者も対象とした独自の与
信ノウハウを強みとしており、幅広い企業・事業者の売掛金の保証を請け負うことが可能です。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い企業の経営リスクが高まっている状況下において、デフォ
ルトを通常起こりうる変動範囲内の水準を維持できていることで、当社の与信審査能力の高さを
実証できたと自信を深めております。引き続き、保証引受審査を慎重に行い保証履行の発生を適
切な水準に保つようコントロールしながら、より多くの企業を積極的に支援してまいります。

 フィナンシャル事業では、コロナ禍における各サービスの需要にスムーズに応えるために、利
用したい企業が非対面でサービスの導入ができるよう各種対応を行っております。当社では、EC
事業で培った IT ノウハウも強みとしております。インターネットを積極的に活用することで、コ
ロナ禍であるかどうかにかかわらず、利便性の高いサービスへ常に進化するよう努めてまいりま
す。

3.通期業績予想に与える影響
 本件の当社グループの連結業績に与える影響と当第1四半期累計期間における業績の進捗状況を
勘案し、2020 年6月 11 日に公表いたしました 2021 年4月期の通期業績予想を修正しておりま
す。なお、詳細につきましては、本日公表の「通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照く
ださい。
以上